カテゴリー別アーカイブ: オークション

今週はBAGS/JEWELLERY & WATCHESオークションです

クリスマスが近づき、街のイルミネーションが美しい季節になりました。シンワアートミュージアムのある銀座にも多彩なイルミネーションが灯り、歩けば目に入ってくる光になんだかワクワクさせられます。12月に入った途端急に冬らしい冷え込みになりましたが、皆さま暖かくして冬のイベントをお楽しみ下さい。

さて、先週の陶芸オークションにお越しの皆さま、ありがとうございました。今週10日(土)は、BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークションを開催致します。

今回はまず、ロット後半のダイアモンドにご注目下さい。市場でも流通量の少ない2カラット以上で高グレードのダイアモンドが多数出品されています。

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・Lot400 RB 2.073ct E VVS1 Cut-Very Good Fluo.-None
エスティメイト¥3,500,000.~¥5,000,000.
・Lot401 RB 3.091ct G VVS1 Cut-Very Good Fluo.-Strong Blue
エスティメイト¥4,000,000.~¥6,000,000.
・Lot402 EM 3.073ct F VVS1 Fluo.-None
エスティメイト¥4,000,000.~¥6,000,000.
・Lot403 RB 3.526ct H VVS1 Cut-Good Fluo.-None
エスティメイト¥6,000,000.~¥8,000,000.
・Lot404 RB 3.018ct F VVS1 Cut-Good Fluo.-Medium Blue
エスティメイト¥5,500,000.~¥7,000,000.
・Lot405 RB 3.014ct G VVS1 Cut-Very Good Fluo.-None
エスティメイト¥6,000,000.~¥8,000,000.

ダイアモンドのグレードを表す4C(Carat, Color, Clarity, Cut)全てにおいて高い水準を示す、希少なダイアモンドの美しい輝きを、下見会で是非ご覧ください。

そして今回の目玉は何と言ってもHARRY WINSTONのダイアモンドリングです。


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Lot406 ダイアモンドリング(by HARRY WINSTON)
EM 5.377ct F VVS2
エスティメイト ¥25,000,000.~¥35,000,000.

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Lot407 ダイアモンドリング(by HARRY WINSTON)
OV 5.072ct D VS2
エスティメイト ¥25,000,000.~¥35,000,000. 

ここでHARRY WINSTONについて少し。
創業者ハリー・ウィンストン(1896-1978)は、第一次世界大戦後、ヨーロッパ貴族が所有していた華やかで装飾過剰なジュエリーを買い取り、当時の新興富裕層のステイタスシンボルとなるシンプルなデザインのジュエリーへのリメイクに着手します。ここでの成功を基に、彼はやがて世界中の富裕層が手にすることとなる、最高級の宝飾品を扱う宝石商へと歩みを進めました。
1932年、ニューヨーク5番街に自身の名を冠した会社「HARRY WINSTON」を設立。ジュエリーのデザインを本格的にスタートさせ、「ウィンストニアン・スタイル」という、あたかも肌の上に宝石だけが散りばめられているかのように見せるセット方法を編み出します。“宝石がジュエリーのデザインを決定する”という信条の下、完璧な角度とバランスで留められた宝石はあらゆる方向に輝きを放ち、厳しい基準をクリアした極上の宝石の魅力は最大限に引き出されるようになりました。

HARRY WINSTONはダイアモンドの選別において、一般的に使われている4Cのグレードが一定以上のものしか扱わないことはもちろん、それに加えて社独自の採用基準を設けているそうです。HARRY WINSTONのジュエリーが宿す褪せることのない美しさは、創業者の意志を継ぐ、社の妥協のない一貫した姿勢とクラフトマンの卓越した技術の結実により生み出されているのでしょう。
こちらも下見会では是非お手にとってご覧ください。様々な色に反射する極上のダイアモンドの華麗で高貴な光を眺めていると、その美しさに胸が高鳴ります。

その他、BAGSの方ではクリスマス用に小物を多めに揃えました。人気のエルメスも充実したラインナップになっていますので、合わせてお楽しみ下さい。
皆さまのご来場、心よりお待ちしています。

下見会
日時:2011年12月7日(水)~12月10日(土)
   10:00~18:00(最終日は12:00まで)
場所:シンワアートミュージアム

オークション
日時:2011年12月10日 
   14:00~
場所:シンワアートミュージアム


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紅葉と雪原の陶芸

 「毘沙門堂」―真っ赤な紅葉と共にテレビCMでご覧になった方も多いのではないでしょうか?毎年この季節に流れるCMを観ては、京都に行かれる方も多いのではないかと思います。
 京都山科区にある天台宗寺院の毘沙門堂門跡は、春には枝垂れ桜の、秋には紅葉の絶景を観ることができます。その地に赤茶碗を献上した人物が今から400年ほど前にいました。
書道、漆芸、陶芸と多彩な才能を持った芸術家、本阿弥光悦(1558-1637)です。光悦は刀剣の鑑定家の家に生まれ、俵屋宗達らとともに、「琳派」という日本文化の大きな流れを生み出しました。その光悦が晩年、樂家二代常慶や三代道入(のんこう)から土や釉薬を分けてもらい取り組んだのが茶碗製作でした。中でも光悦の名作を「光悦七種」(不二山・障子・雪片・七里・雪峰・鉄壁・毘沙門堂)、「光悦十種」(黒光悦・加賀光悦・喰違・鉄壁・有明・障子・雪片・不二山・ヘゲメ・毘沙門堂)と呼び、近年の作家達もその写しを製作しています。
 中でも代表格なのが、九代大樋長左衛門です。伝えられている「光悦七種」の種類とは異なりますが、「光悦うつし」として茶碗を発表しています。
 黒茶碗:鉄壁・時雨
 赤茶碗:毘沙門堂・加賀光悦・雪片(筒)
 飴茶碗:紙屋
 掛分け茶碗:不二山
これらは別々で発表されることも多いですが、今週末のオークションでは「光悦うつし七種茶碗」として出品されます。何度か出品されてきた七種茶碗ですが、今回の作品はとりわけ美しく、どの茶碗からも多様な景色がうかがえます。
 「毘沙門堂」の本家は、淡い赤に青白い鼡釉が掛かっていますが、九代大樋が作った「毘沙門堂」は正に寺院の後ろに見える真っ赤な紅葉と、たなびく白い雲を表しているかのようで、そのコントラストが茶碗によく映えています。
 大樋の光悦うつしは、どれも力強い出来栄えです。寒空を感じさせる「時雨」や、雪がちらつき舞っている「雪片」、富士山が雪に覆われ裾野まで続く荒々しい地肌の様子を表現した「不二山」。茶の見立てを存分に味わいながら、お手に取りご鑑賞ください。

【秋の紅葉を表現したかのような毘沙門堂の紅】
光悦毘沙門小 九代毘沙門堂小
本阿弥光悦               九代大樋長左衛門        
「毘沙門堂」               「毘沙門堂」


六種大
LOT.94 九代大樋長左衛門 
「光悦うつし七種茶碗」
落札予想価格:160万~230万



 また今回は楠部彌弌の彩埏の花瓶が出品されています。「埏(えん)」とはよく練った土。「彩埏(さいえん)」とはつまり、彩られた土のこと。「いろづちの美」とも後に称されたこの様式は楠部彌弌が独特に編み出した手法です。素地自体に色を付け、何回か塗り重ねて立体的にし、釉薬の色見だけでは表現しきれない奥行きの深さを追及しました。
 楠部彌弌は明治30(1897)年京都に生まれました。大正9(1920)年に同志らと共に「赤土社」を立ち上げ、そこから陶芸家としての道が始まります。彌弌は中国陶器や仁清、韓国陶器等の古典研究を行い、自己の基盤となる技術(青磁、均窯、染付など)を身に付けました。そうした中で「彩埏」という技法を見出し作陶を続けますが、「彩埏」が確固たるものになるのは70歳を過ぎてからと言えます。淡い色彩と、キレのある立体感。楠部芸術の結晶と呼ばれるまでになりました。昭和52(1977)年に80歳を迎え、パリ装飾美術館で展覧会を開催、好評を博し翌年文化勲章を受章。昭和59(1984)年に87歳で亡くなりました。
 今回出品されます「彩埏飛翔花瓶」は、円熟期を迎える70歳を過ぎてからの作品です。
鶴が二羽、まっすぐに前を向き飛んでいる図柄です。とてもシンプルですが、そこには鶴の形を最小限にデザイン化した美しさがあります。二羽の鶴を交互に見れば、優雅に飛んでいく様子をコマ送りにしているかのように見えてきます。周りにあしらわれている金彩によって空気の流れが感じられ、きらめく雪原の上を飛んでいるかのようです。
 静の焼き物の中に表現されている動の世界。楠部芸術・彩埏の技をぜひご覧ください。

彌弌1小小 彌弌2小小

【雪原を優雅に飛んでいるかのような二羽の鶴】

LOT.81.楠部彌弌「彩埏飛翔花瓶」
落札予想価格:140万円~180万円



【執筆:E】

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横山大観の傑作《山に因む十題》《海に因む十題》を忠実に再現―《山海各十題巧藝画》

こんにちは。
立冬を過ぎ、朝晩は寒さを感じるようになってきましたね。
一日の気温差が大きい時期なので、風邪にはお気を付けください。

さて、先週の浮世絵/近代美術PartⅡオークションにご参加いただいた皆様、
誠にありがとうございました。
今週19日(土)は近代美術オークションを開催いたします。
本日はその出品作品の中から1点ご紹介いたします。

Lot.40 横山大観
《山海各十題巧藝画》
巧藝画 各額装
横山大観自筆箱
エスティメイト \2,500,000~5,000,000
 

横山大観の代表作として名高い《海山十題》の巧藝画です。
《山に因む十題》、《海に因む十題》の各10点に、大観が監修したことを示す自筆の箱書きがついています。

まずはこの巧藝画のもとになった本画、《山に因む十題》、《海に因む十題》についてお話します。
昭和15年、紀元2600年と大観自身の画業50年に際して開催された奉祝記念展覧会の出品作として、大観は《海に因む十題》《山に因む十題》、計20点を制作しました。戦時色が次第に強くなっていく時局を鑑み、「彩管報国」つまり絵を描くことで国家に報いるという考えから制作に至ったそうです。その販売の収益50万円は陸海軍に献納され、4機の軍機「大観号」となりました。多作で知られる大観が他の制作を抑え、約1年の月日を費やして力を注いだこのシリーズは、評論家たちに絶賛されその充実した内容でも大きな話題を呼びました。会場となった日本橋三越・日本橋高島屋には、評判を聞きつけた人々の大行列ができたといわれています。以後、横山大観という人物のスケールの大きさを語る伝説となった通称《海山十題》は、大観の精神主義の権化にして画業の集大成とも言うべき名作です。

 本作品はこの展覧会の後に制作された大観監修による巧藝画です。巧藝画とは、大正中期に大観が提唱したもので、本画と同等の材料を用いて写真製版により印刷を行い、さらに手彩色を施して一点ずつ丹念に仕上げる複製画を指します。本画と見紛うほどの精巧さから、《海山十題》の巧藝画は所在不明となった作品の代わりとして「生誕120年記念横山大観《海山十題》展」などに出品されました。山種美術館にも同サイズのセットが収蔵されています。

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《龍躍る》                     《海潮四題・秋》
上記の展覧会では、ともに同型の巧藝画が出品されました。


巧藝画では本画同様、海浜と富士という日本を象徴する自然を主題とし、季節や時間の変化、自然の光や音など様々な要素を絵画化しています。大観の自由で豊かな構想力により、西洋絵画のような複数の視点や東洋の古典様式を取り入れ、シリーズが単調にならないように工夫が施されました。また、安田靫彦を驚かせたという本画の優れた写実の筆技はここにも見て取れ、精緻な線と質感に富む色面による表現、たらし込みや片ぼかしといった様々な技法が見事に再現されています。本画では困難と思われる全20点が揃う様は圧巻で、大観が画業を通して追求してきた自然表現の一つの帰結をうかがわせる希少な作品です。


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《波騒ぐ》                    《霊峰四趣・夏》

今回の下見会は、会場の一部がまるで大観の「海山十題展」のようになっています。ぜひその精巧さを会場でご確認ください。
皆様のお越しを心よりお待ちしています。

下見会・オークションスケジュールはこちら

(執筆:佐藤)

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PartⅡオークションに出品される韓国人作家、金春子・崔錫云

こんにちは。
今週は、「浮世絵 / 近代美術PartⅡオークション」が開催されます。
まず、下見会とオークションの情報は以下の通りです。

【下見会】
日程:11月9日(水)~11月11日(金) 10:00~18:00
   11月12日(土) 10:00~12:00
場所:シンワアートミュージアム

【オークション】
日程:11月12日(土) 
14:00 - Lot. 501 ~ Lot. 774(近代美術PartⅡ)
17:00 - Lot. 301 ~ Lot. 390(浮世絵)
場所:シンワアートミュージアム

版画・日本画・洋画・外国絵画・工芸など、毎回多様な作品をお楽しみいただけるシンワの近代美術PartⅡオークション。今回は、歌川広重・葛飾北斎・東洲斎写楽の優れた浮世絵と共に「浮世絵 / 近代美術PartⅡオークション」として開催されます。
どうぞお楽しみに。

今日は、その中から外国絵画の作品2点をご紹介したいと思います。

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Lot 682
金 春子(キム・チュンジャ)
 
『Growing Earth』
53.5×41.1cm
キャンバス・アクリル 中央下にサイン・年代(2011)
エスティメイト:\50,000~\100,000

上の作品は『Growing Earth』のシリーズを通して生命のメッセージを強いインパクトで表現する韓国の作家、金春子(キム・チュンジャ)の近作です。1957年韓国の釜山で生まれ、新羅大学校美術学科で西洋画を専攻し、1983年釜山青年ビエンナーレを始め、2003年韓国現代美術交流展(東京・元麻布ギャラリー)、2006年Pre-国際インチョン女性ビエンナーレ、2011年Art stage Singapore (シンガポール)の他、160回以上のグループ展や個展を開き、精力的な活動を見せてきた金は、人間と自然の調和をテーマに独自の生命力溢れる画面を作り出します。作家の想像力から生み出された植物と動物の混在するイメージは、まるで太古の地球に存在したかのような神秘的な生き物を思わせます。
本作品では、きわめて純潔で美しい草食動物の頭上に角のような生命体が加わり、この地球上に力強く新しい生命が誕生したことを謳っているようです。作家は、それぞれの生き物が持つ独自の生命力をこのように一つに束ねる作業を通して、「生」自体の、あるいは生きているこの瞬間への感謝の気持ちを語ろうとするのでしょう。


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Lot 684
崔 錫云 (チェ・ソッウン)
『秋』
45.7×53.2cm
キャンバス・油彩 左下にサイン・年代(’95)
エスティメイト:\50,000~\100,000

もう一人の韓国人の作家、崔錫云(チェ・ソッウン)の作品、『秋』です。
1960年韓国の釜山で生まれた崔錫云(チェ・ソッウン)は、釜山大学校芸術大学美術学科を卒業し、弘益大学校美術大学院で絵画を専攻しました。30回以上の個展と、韓国を始め、中国・アメリカ・オーストリア・ロシアなどでの国際的なグループ展を中心に多数の作品を発表してきた崔は、親しみやすい色鮮やかな画面に、日常生活での出来事や個人的な所感を淡々とした視線で描き出します。作家が持つ詩的な感覚やユーモラスな画面作りは、韓国朝鮮時代の風俗画を連想させると評価され、韓国ではすでに高い人気を集めています。
本作品では、各モチーフの間に一定の空間的な距離を置くことで、画面への視線を一ヶ所に集中させず、登場する人物やモノに分散させています。それは、モチーフが持つイメージを観賞者それぞれの記憶や感覚に沿って解釈してもらおうという作家の意図を感じさせます。また、画面の中央に用いた鮮やかな黄色の絵具はタイトルである「秋」のイメージを提示し、鑑賞者が持つ様々なノスタルジアの感覚を蘇らせるのでしょう。

9日(水)から始まる銀座での下見会にて、皆様のお越しを心よりお待ちしております。

(執筆:W)

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「光の芸術」―ステンドグラス《最後の晩餐》

こんにちは。
先週のBAGS/JEWELLERY&WATCHESオークションにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
さて、来週15日(土)は、銀座のシンワアートミュージアムにて西洋美術オークションを開催いたします。今回はステンドグラスがたくさん出品されますのでご紹介させていただきます。

まずはステンドグラスとその歴史について少々。
私たちの生活に身近なステンドグラスですが、その歴史は古く、現在確認されている最古のステンドグラスは9~10世紀にドイツで作られたものだそうです。建物の窓にガラスを入れるという習慣は古代ローマ時代からあったようですので、そのガラスが装飾化されたものがステンドグラスなのでしょう。

制作方法は大きく分けて二通りあり、A.透明ガラスにエナメルやガラス製の顔料で絵や模様を描いて焼き上げるタイプ、B.色ガラスを組み合わせて図柄を表わすタイプがあります。A,Bどちらかの方法でパーツを作り、それを鉛の枠でつなぎあわせることで1枚のステンドグラスが完成します。Aの方法がステンドグラスでは主流で、今回の出品作品もAによって作られています。

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BAGS/JEWELLERY & WATCHES 下見会始まります

先週の近代陶芸/近代美術PartⅡ(陶芸)オークションにお越しいただいた皆様、誠にありがとうございました。今週はBAGS/JEWELLERY & WATCHESオークションを開催いたします。28日水曜日から銀座のシンワアートミュージアムにて下見会が始まりますので、是非お立ち寄り下さい。

皆様、ルビーとサファイアが同じ鉱物だということをご存知ですか?赤と青、全く異なる色を持つ2つですが、元はコランダムという同じ石からできています。
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諏訪恭一(2002)『宝石2 品質の見方と価値の判断のために』世界文化社

上の表の石はすべてコランダムです。生成される際に混ざる物質の比率によって、大きく分けて虹と同じ赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の7色が生み出されます。そして、この中の赤いものをルビー、それ以外のものを全てサファイアと呼びます。
さて、9月の誕生石はサファイアです。石言葉は誠実。今回はサファイアについてご紹介します。
ラテン語で「青」という意味を持つサファイア、その名の通り、美しい青色のものが高値で取引されています。主な産地はカシミール、ミャンマー、タイ、スリランカ、オーストラリアです。それぞれの産地ごとに色味、透明度が異なりますが、とりわけカシミール産のコーンフラワー(矢車草)ブルーと呼ばれるサファイアの美しさは格別です。その少し白みがかりながらも高い透明度と彩度を持つ、上品で優しいブルーは他の追随を許しません。カシミールでは現在商業ベースでの採掘が行われていないため、カシミール産サファイアの取り引きは主にオークションで行われますが、大きく競り上がることが多いのも特徴です。
サファイアの価値は、青色及びパパラチアサファイアと呼ばれるオレンジがかった艶やかなピンクの石を除き、基本的に色名ではなく美しさで決まります。値段も、とても高価なものからアクセサリーレベルのものまで様々です。透明度があり、明るく鮮やかな輝きを持つものが良いとされていますが、これだけ多彩な石ですので、ご自身の目で見て美しいと思うものを選ぶのが一番です。様々な色のサファイアで彩られたジュエリーで遊ぶも良し、お好みの色を持つ一石を見つけて輝きを愛でるも良し、お気に入りのサファイアジュエリーを探すのは、とても楽しそうですね。

今週のオークションでは6点サファイアの商品が出品されますが、その中のいくつかをご紹介します。
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(左)
Lot147 サファイア ダイアモンドリング
エスティメイト ¥50,000~100,000
(右)
Lot155 サファイア ダイアモンドブレスレット
エスティメイト ¥100,000~200,000

その他、今回の下見会では、Lot244 ダイアモンドネックレス(by Cartier)をぜひご覧ください。
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Lot244 ダイアモンドネックレス(by Cartier)
エスティメイト ¥5,000,000~7,000,000

ダイアモンドの連のネックレスは度々出品されますが、このネックレスのダイアモンドの輝きにはブランドジュエリーのクオリティーの高さを再認識させられます。手にとって気品ある輝きをご自身の目でご確認くださいませ。

皆様のご来場を心よりお待ちしています。

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Kyohei Fujita ― ヴェニス、そして琳派 「イタリア・日本の美」

本年秋は、「日本におけるイタリア2011・秋」として展覧会やイベントなど、様々な催し物が開催されています。イタリア統一150周年を迎え、日伊の文化・芸術交流が益々盛んになってきています。   
先週の近代美術、近代美術PartⅡオークションに引き続き、今週9月24日(土曜日)には近代陶芸オークションが開催されます。その中からヴェネツィアン・グラスに日本の伝統美を吹き込んだガラス工芸作家・藤田喬平の作品2点を紹介します。

 一点目は、「手吹ヴェニス花瓶」です。タイトルだけ聞くと、弊社のオークションでもたびたび出品されているタイプの作品のように思われるかもしれませんが、ご覧の通り、ラッパのような広がった口とアルファベットの「J」のようなユニークながらも美しい姿形をしています。この作品を生み出している技法は、吹き竿を使って息を吹き込み形を広げ、型を使わずに金(かね)箸(ばし)《金(かね)鋏(ばさみ)》などで成形する「手吹(てふき)《宙(ちゅう)吹(ふ)きとも呼ばれる》」という技法です。藤田はこの「手吹」の技法を用い、ヴェニスで多くの作品を生み出しました。初期の代表的シリーズである水や炎の動きを連想させる流動ガラスと共に、ヴェネツィアン・グラスのオブジェの影響を多大に受けている作品と言えます。

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                               LOT.86 藤田 喬平
「手吹ヴェニス花瓶」
H36.6×W29.2cm 
底部に掻き銘「Kyohei Fujita」 
共箱 
エスティメイト
¥800,000~¥1,200,000

 


もう一点は、「手吹飾筥(てふきかざりばこ) 琳派」です。
飾筥シリーズは1973年に発表され、1975年頃より海外での招待出品が増えていき、「フジタガラス」「ドリームボックス」として世界的にも有名になりました。
海外のメディアから「筥に何を入れるのか」と聞かれた藤田は、「あなたの夢を入れてください」と答えたそうです。この夢の筥は、技術に裏付けされた日本的装飾美の結晶と言えます。
藤田は、尾形光琳の螺鈿(らでん)硯箱(すずりばこ)のような琳派の装飾美をガラスで表現することを目指し、金銀箔をかすれさせることで、日本人の心に響くわび・さびをも感じさせたと支持されました.
身と蓋をぴたりと合わせ、ガラスでは不可能と言われていた印籠(いんろう)蓋(ぶた)で仕上げています。

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LOT.87 藤田 喬平
「手吹飾筥 琳派」
H22.4×W24.2cm
底部に「Kyohei Fujita」
共箱
エスティメイト
¥1,000,000~¥1,500,000


今回出品されます飾筥には、まさに藤田が目指した「琳派」という銘が付けられています。
ガラスの国ヴェネツィアの美と、祖国日本の美。藤田の魅力が存分に感じられる作品をぜひご覧下さい。

また今回はその他に富本憲吉の「白磁壷」や、十五代樂吉左衛門の「赤茶碗」、そして濱田庄司ら民芸運動を行った作家の作品が数多く出品されます。どうぞこの機会にお気に入りの作品を見つけに下見会へ足をお運びください。

とみはま中
★LOT.89富本憲吉「白磁壷」    ★LOT.47 浜田庄司「柿釉赤絵方壷」
H16.8×D25.1cm              H23.1×W16.7cm
共箱  1931(昭和6)年作         共箱
 ¥1,500,000~¥2,500,000.       ¥300,000~¥400,000.


(執筆者:E)
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川端龍子と金閣寺放火事件―《金閣再現》

朝晩は涼しくなってきましたが、今週は暑い日が続きますね。
9月とはいえ熱中症になってしまうこともあるそうなので、お気をつけくださいね。

ただいま銀座のシンワアートミュージアムでは、明日9月17日(土)の近代美術オークションの下見会を開催しております。
今回はその出品作品の中から1点、川端龍子の掛け軸の大作をご紹介いたします。


【オークション終了につき、図版は削除いたしました】



Lot.129 川端龍子《金閣再現》
83.0×113.8cm
絹本・彩色 軸装
昭和31(1956)年作
右下に落款・印 
共箱
東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書つき
春の青龍社展出品 1956年(日本橋・三越)
エスティメイト ★\1,500,000~3,000,000

 
 川端龍子(1885-1966)は、和歌山県の商家に生まれました。上京後、洋画家を志し、19歳のとき白馬会洋画研究所や太平洋画会研究所に学びます。同じ頃、国民新聞社に入社し、雑誌の挿絵や漫画を手掛けました。文展で入選を果たすなど洋画家として本格的に活動を始め、大正2(1913)年さらに油彩画を学ぶために渡米。滞在中、ボストン美術館で日本の絵巻物とシャヴァンヌの大壁画に深い感銘を受け、一転して日本画を、そして大作主義を志すこととなります。独学で日本画を学び、再興院展への出品を始めると直ちに頭角を現し、昭和4(1929)年には健剛なる「会場芸術」を唱え、その実践の場として青龍社を樹立。自由でダイナミック、ときに繊細巧緻、ときに洋画的といった様々な作風を自在に展開した画家です。

 川端龍子のテーマ「会場芸術」では、展覧会場に映えるスケールの大きさとともにもう一つ大切なことがありました。それは大衆的な感覚と現代性です。「会場芸術」は民衆のための美術行動でしたので、広く一般の人々に支持され、時代の要請に答えるような題材を描くことも必要とされました。そのため、龍子は時事的、社会的な題材を次々に作品に表現していきます。そこには龍子が青年時代、国民新聞社に入社して風刺画を手掛け、美術ジャーナリズムの先駆けをなした経験が生かされており、それは近代化していく時流の中で生まれた新しい日本画と言えるでしょう。

 龍子の時事的な題材の代表作と言えば《金閣炎上》(昭和25年作・東京国立近代美術館蔵)です。雨の夜、猛火に包まれる国宝・鹿苑寺金閣を描いたこの衝撃的な作品は、金閣が放火によって焼失するという昭和25年に起きた事件を描き、2ヶ月後の青龍社展に出品されたものです。龍子は事件翌日の新聞に掲載された写真を見て、国宝が失われたことを惜しむ気持ちや悲しみを感じつつも、描かなければならないという画家としての使命感を燃やしたそうです。
 そして、昭和30年に金閣が再建され創建当時の姿が蘇えると、龍子は待ち構えていたかのように本作品を描きました。昭和31年の春の青龍社展に出品された本作品は、事件のその後を描いたという意味では《金閣炎上》と対をなすイメージと言えるでしょう。ここでは、勢いよく画面を走る大胆な筆の動きと厚塗りのマチエールが、龍子のはやるような気持ちとジャーナリスト的な一面を窺わせます。また、それは「筆致の見えない作品はつまらない」と考え、観賞者が画家の筆技を楽しめるような絵肌の創出を心がけた龍子らしいものでもあります。豊かな緑と輝かしい姿を美しく映し出す鏡湖池に抱かれ、再び眩い光を取り戻した金閣―その麗しい姿を描いた画家はたくさんいますが、「事件」という切り口で捉えた画家はきっと、川端龍子ただ一人でしょう。

下見会場では、そのスケール感をご堪能ください。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

下見会・オークションスケジュールはこちら

(執筆:S)
 

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8月の誕生石 ペリドット

涼しい日が続き夏が終わるのかと思いきや、ここ数日でまた暑さが舞い戻って参りました。残暑も厳しくなるようですが、皆さま気温の変動で体調を崩されないよう十分お気をつけ下さいませ。
さて、今回は8月の誕生石、ペリドットについてご紹介します。
ダイアモンドやルビー、サファイア等に比べたら、あまり馴染みのない石かもしれません。当社のオークションでも頻繁に出てくるものではありませんが、そのオリーブの実のようなグリーンの輝きは、独特の美しさを持って私たちの目を惹きつけます。
歴史的産地はエジプトの紅海に浮かぶザバルガッド。現在はアメリカのアリゾナやミャンマー、ノルウェーが主な産地となっています。遥か昔ローマ人は、ペリドットが夜でも明るい緑の光を発したことから「イブニングエメラルド」と呼びました。また、ドイツのドレスデンにある“緑の丸天井”の宝飾展示室には、大粒のペリドットがはめ込まれた剣や杖が、ダイアモンドやルビー、サファイア、エメラルドと肩を並べています。昔は色が似ているために違う宝石どうしが混同されることがあったようですが、ペリドットもエメラルドと間違われたことがあったようですね。今でこそ宝石にはその魅力を最大限に引き出すカットが施されており、この2つの石の色の違いを見極めることは簡単です。しかし当時はまだカット技術も発展途上、それ故に見間違えることもあったのでしょう。その他、ドイツのケルン大聖堂では、200カラットのペリドットが東方三博士の3つの聖堂を飾っています。
ペリドットは鉱物的にはオリビンというありふれたものですが、その中でも黄色と褐色を混ぜたような輝きを持つものは多くはありません。貴重ではありますが、比較的手頃な値段で美しいグリーンのファセットカットを楽しめる宝石として、今後脚光を浴びる可能性が高い石とも言えるようです。硬度はダイアモンドの10に対して6.5~7。硬度とは、引っかきや摩耗に対する強度を示す数値ですが、6.5はナイフを突き立ててやっと傷がつく程度ですので、身につけるには十分な硬さを持っていると言えます。
ペリドットの明るい緑は、昔イブニングエメラルドと呼ばれていた通りに、夜のわずかな光でも軽やかな輝きを放つことでしょう。身に纏う黒いドレスも、ポイントの鮮やかな緑に引き立てられる様子が目に浮かびます。ぜひカジュアルなパーティー等で身に付けてみてはいかがでしょうか。

当社で近年出品されたペリドットの商品はこちら。
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(左)アメジスト ペリドットイヤリング(by ANTONINI)
エスティメイト¥150,000~250,000
落札価格¥180,000

(右)アメジスト ペリドットイヤリング(by VanCleef&Arpels)
エスティメイト¥200.000~300.000
落札価格¥200,000

ちなみにペリドットの石ことばは「夫婦の幸福」。新緑を思わせる明るい緑の輝きを見ていると、優しく穏やかな気持ちになれる気がします。

(執筆 N.I)

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「いいね」から始める陶芸コトハジメ

「いいね」―インターネット上で近頃見かけるこの言葉、 これはソーシャル・ネットワーキング・サービスのFacebookにおいて、まさに「いいね!」と思ったらクリックするというものです。英語圏では「Like」と表記しているそうですが、それに比べると日本語はやはりやんわりした表現に感じますよね。ですが、日本でも400年も前から、はっきり堂々と「これは“好き”なものだ!」と公言して憚(はばか)らない世界があるのです。
それは、お茶道具の世界です。
お茶道具は千家の宗匠(当主、家元のことです)が書付(かきつけ)(鑑定書の一種)をしていると道具自体の権威が上がり、それがさらに“好み物(このみもの)”だとまた一段と位が上がります。
 
「好み物」。

そうです。これは茶人が「このデザインは好きだな」と表記したもののことで、書付に
「好」と書かれているのです。
好み物は千利休より以前の茶人・村田珠光が和物の道具を茶席で使うために、自分好みの道具を作らせた室町時代の中期頃より始まりました。茶銘や和菓子などあらゆるものを好みにしており、それは利休へと受け継がれていきました。利休は茶道を系統立て、わび・さびの茶道具の基本を作ったと言っても過言ではありません。
また珠光の好み物は「昔形(むかしがた)」、利休の好み物は「利休形」とも呼ばれます。

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 裏千家九世不見斎(1746-1801)が「蛤香合利休好」と書付(鑑定の一種)をしています。
このように「好」と大々的に書かれているのです。作品は右下画像です。

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三代中村 宗哲作 「蛤香合」
 大振な本物の蛤が使用されています。
『裏千家歴代好み物』(1991年/茶道資料館)参照

 戦後、表千家の宗匠・即中斎が多く好み物を残したのは、どのような道具が茶席に適しているかを人々に広め、そのような道具が多く製作され使われる事によって、茶道をより広く普及させていこうという狙いがあったと言われています。

普段遠いと感じる茶の湯の世界ですが、実は今の文化とも通じているところがあるのです。
そして、それはとても情のある社会であるということも感じます。

まずは皆様も弊社の陶芸オークション下見会に一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか?
茶人が「いいね」とした道具に気軽に触れていただく事で、茶の湯の世界の美しさを垣間見る事ができるのではないかと思います。

(執筆:E)

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