カテゴリー別アーカイブ: コンテンポラリー

Asian Auction Week in 香港!!

 本日(2009年11月27日)より明日まで、香港マンダリン・オリエンタル・ホテルにてオークション下見会を開催しております。
 今週はじめから現地入りしているスタッフに写真を送ってもらいました。

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下見会場入口


 今回は2008年11月のマカオ、2009年5月の香港に続き、第3回目となる、“Asian Auction Week”です。
 韓国(Kオークション)台湾(キングスレー)シンガポール(ララサティ)日本(シンワ)の4つのオークションハウスが集結し、合同でオークションを開催。
 各国を代表するコンテンポラリーアートを世界に発信します。

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マンダリン・オリエンタル・ホテル外観


開催日程詳細:https://www.shinwa-art.com/aaw/aaw0911.html

公式ウェブサイト: www.asianauctionweek.com


 シンワアートオークションからは、河原温、白髪一雄、草間彌生、奈良美智など日本人アーティストを中心に40点が出品されます。

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下見会場の風景

全4社の出品作品(英語):http://aaw2009.iauctionsystems.com/


 以前、今回のオークションに派遣されているスタッフとニューヨーク出張に行った時、各国オークションハウスの下見会を眺めながら「勉強すべきところ」「日本の方が優れているところ」という話をしたことを思い出します。
 今回、オークション運営のエキスパートとして香港入りした彼女。きっと大活躍して、今の日本作品を代表する作品たちを立派に展示してきてくれるでしょう!

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香港の街角1


 “Asian Auction Week”でオークションを共同開催する3社には熱意溢れる若手スタッフが多く、高いモチベーションでこのプロジェクトに挑んでいる印象を受けます。
 そんな彼らから私達も元気をもらっています!

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香港の街角2

 シンワでは3回目となる海外オークション。
 価格や点数は様々ですが、国内で20年の経験を重ねた上に海外進出を果たした分、オークション運営はよりスマートに、磨きをかけていっています。

           ***

 さて今回は、昨年亡くなった白髪一雄の名品が出品されています。
 去る9-10月にかけてシンワアートミュージアムで開催された「日本・韓国 戦後現代美術展」で、正面に掛けられた白髪のパワーに圧倒された方も多かったのではないでしょうか。

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Lot 31 白髪一雄 《錦秋》
Estimate: 1.300.000 – 2.000.000 HKD
170.000-260.000 USD
1983年、キャンバス、油彩、130.5×162.0cm

 本作品は紅葉する秋の美を表現した「錦秋」(きんしゅう)という言葉がタイトルに用いられています。赤や黄色に染まる木々を、華やかな織物に例えている言葉です。
 白髪は滑車につかまって画面の上を滑走しながら足で描くアクションペインターですが、そのアクションには、神による大地の創造や破壊を想起させる迫力があります。
 作家の宇宙的なスケールの大きさをも感じさせる作品です。


(井上素子)

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アジアン・オークション・ウィーク・イン香港 会場風景

 こんにちは。歩いていると汗ばむような初夏の陽気になりました。

 さて、いよいよ本日から、アジアン・オークション・ウィーク・イン香港のプレビューが始まりました。
会場は、香港の中心地・セントラルにあるコンラッド・ホテルです。

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 今回、シンワアートオークションからは5名のスタッフが現地入りし、下見会の展示作業にあたりました。
 昨年11月のアジアン・オークション・ウィーク・イン・マカオに引き続き2回目ということもあり、展示作業はスムーズに進み、プレビューの開始時間を予定されていた12時から前倒しして10時からオープンしました。


 写真は、ボール・ルームでの下見会場風景です。
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 ラグジュアリ―なホテルの会場に、4社合計146点の作品が一堂に展示されています。

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 下見会オープンと同時にお客様も入りだし、日本からの方もいらしたそうです。

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 明日のオークション本番では、シンワアートオークションを皮切りに、台湾のキングスレー・オークション、韓国のKオークション、シンガポールのララサティ・オークショニアズと続いてセールが行われます。
キングスレー・オークションによると、台湾ではシンワアートオークションの出品作品への反応が良かったとか。

 また現在、香港では第2回目となるアートフェア、Art HK09も開催中で、アジア中のアート・ファンが香港に詰め掛けています。
 明日のオークションも熱く盛り上がることを日本から期待しています。

<オークションの詳細はこちら>

(執筆者:K)

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Asian Auction Week in Hong kong

花粉症もやっと落ち着き、これからくる夏をまだかまだかと心待ちにしているコンテンポラリーアート担当のKです。
土曜日の西洋美術オークションにご来場いただいたみなさま、どうもありがとうございました。 

 さて、いよいよ5月15日に、アジアの4つのオークション会社が、香港にて共同開催するAsian Auction Week in Hong Kongが迫ってまいりました。コンテンポラリーアートオークションのカタログを年間購読されているお客様には今週中にもカタログが届くことと思います。4月初旬に開催いたしましたコンテンポラリーアートオークション下見会にて、Asian Auction Week出品作品をご覧になったお客様もいらっしゃるのではないでしょうか?

 今回のオークションでは、以前ブログでもご紹介した名和晃平(図版1)、深堀隆介(図版2)の作品や、アートフェア東京でも好評だった塩田千春の、DVDによる作品(図版3)など、アートコレクター垂涎の作品も出品されます。

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(図版1)                      (図版3)
Lot.27 名和晃平 / Kohei Nawa         Lot.14 塩田千春 / Chiharu Shiota
《PixCell-Zebra》2007               《Bathroom》1999
ミクストメディア                    DVD(video performance)
h.111×w.43×d.80cm               5min. Ed. 2/3

Estimate: HKD 240,000-480,000         Estimate: HKD 40,000-60,000
JPY 3,000,000-6,000,000             JPY 500,000-750,000
USD 31,000-62,000                 USD 5,200-7,800



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(図版2)
Lot.23 深堀隆介 / Riusuke Fukahori
《七四季 / nanashiki》2008
パネルにマウントされた和紙にアクリル
88×180cm
Estimate: HKD 24,000-60,000 / JPY 300,000-600,000 / USD 3,100-6,200
         

その中で今回私が是非紹介したい作品はこちらです!

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(図版4)
Lot.16  北川宏人 / Hiroto Kitagawa 
《早川 みる子 / Miruko Hayakawa》2007
テラコッタにアクリル彩色
h.48cm
Estimate: HKD 40,000-60,000 / JPY 500,000-800,000 / USD 5,200-7,800


北川宏人は1967年に滋賀県に生まれ、1989年に金沢美術工芸大学彫刻科を卒業、その後イタリア彫刻に感銘をうけ、渡伊。14年間にわたるイタリア滞在時代に出会ったテラコッタの技法を自らの表現手法とし、一貫してテラコッタにアクリル彩色というスタイルで制作しています。近年では金沢21世紀美術館や東京国立近代美術館工芸館をはじめとする国内の美術館に展示されており、また、先日のアートフェア東京などのアートフェア、そして弊社を含めたアジアのオークション会社がこぞって作品を出品しています。

代表的な作品はマンガやアニメに登場するヒーローをイメージした【ニュータイプシリーズ】や、07年の夏から続く「今どきの若い人」をテーマに《花房みどり》など、具体的な名前を冠した【ポストニュータイプシリーズ】があり、今回の作品《早川みる子》はこのシリーズにあたります。

 この【ポストニュータイプシリーズ】では、一見お洒落な服装を身にまとい、「普通」に見える若者たちが主題となっています。しかし、そこにはそんな彼らが直面し、その心に内包するいじめや引きこもりなど現代特有の問題が、ポケットに手を突っ込んだ猫背の体、焦点の定まらない瞳といった現代の若者に共通するような特徴によって表現されています。彼らが抱える不安が、北川宏人という作家の視点によって鋭角的に切り取られた作品であるといえるでしょう。


それでは、最後にAsian Auction Week in Hong Kongについて改めてご案内をさせていただきます。

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CONTEMPORARY ART AUCTION概要 =Asian Auction Week in Hong Kong= はこちら


(執筆:K)

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樋口佳絵のテンペラ

 本日は、前回ご紹介致しました写真家、須田一政の作品に続き、今週末のコンテンポラリーアートオークションに出品される、樋口佳絵の作品をご紹介したいと思います。


 1975年生まれの樋口佳絵は、油彩にテンペラという手法を加えながら、独自のアート世界を築いてきた若手の作家です。

 テンペラとは、混ぜ合わせるという意味のラテン語「Temperare」を語源としている絵画技法のひとつです。材料としては、鶏卵の黄身や膠(にかわ)、蜂蜜などを乳化剤に使い、粉状態の色付きの顔料と混ぜて作った絵具を使います。
 15世紀のヨーロッパの画家たちは、自ら色付きの鉱物を探し、それを粉にして作った顔料に乳化剤を混ぜて絵を描いたそうで、乳化剤には、現在と同様に手に入れやすかった鶏卵が主に使われたそうです。

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Lot 59
樋口佳絵 《正午》
パネル、油彩・テンペラ 裏にサイン・年代
31.8×40.9cm
エスティメイト:¥150,000 – 300,000


 テンペラの支持体になるのは、普通、板の上に純白の石膏を綺麗に塗りつけ、それを乾かしたものです。その乾いた地の上に絵を描くのですが、それは、最初の支持体から一つ一つ手作業で作り上げるという、作家にとってキャンバスでの制作とはまた異なる愛着が生まれる作業に違いありません。
 ヨーロッパでは昔から使われてきたこのテンペラという技法は、耐久性にすぐれ、時間が経っても色が変わりにくいので、何世紀も持つと言われます。現代になってからのテンペラは、テンペラに油彩の長所を加えて、一緒に使うのが普通になりました。

 このような古典的なテンペラ技法をコンテンポラリーアートに用いるアーティスト・樋口佳絵は、1997年東北生活文化大学生活美術学科を卒業し、2005年には宮城県芸術選奨新人賞受賞、2007年の「VOCA展2007」大原美術館賞受賞など、仙台を拠点に精力的な活動を見せながら、その実力を認められてきた作家です。

 当社のコンテンポラリーアートオークションにも、彼女の作品はよく出品され、日本はもちろん海外からもその問い合わせが増えつつあります。

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Lot58
樋口佳絵 《発声練習》
パネル、油彩・テンペラ 裏にサイン・年代
88×75cm
エスティメイト:¥400,000 – 600,000

 ご覧の通り、樋口の作品には子供たちの純真無垢で可愛い姿が主なモチーフとして現れます。彼女は子供たちがふとした時に見せる心の隙間を掬い取り、静かに優しく描き出します。そして、テンペラ下地の石膏の奥に染み込んだ絵具は、深くあたたかな色に熟成され、永遠に続き、広がっていきそうな不思議な空間を生み出しています。彼女の作品を前にしていると、子供たちの素直な顔、時に悲しげなその表情から、心の奥までシンと届くような言葉にはしがたい穏やかな気持ちに包まれます。


 本作品は、今週の土曜日の12:00まで、シンワアートミュージアムでお客様をお待ちしております。
 是非お見逃しなく!

(執筆者:W)

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須田一政《煙突のある風景 東京・1980~82年》

28日の陶芸オークションにご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。

 さて、今週からいよいよ4月ですね。花冷えの影響で東京の桜は遅れぎみですが、お花見を予定されている方は今週がチャンスかもしれませんよ。
桜だけでなく、今週の東京はコンテンポラリーアートも見頃です。SHINWA ART JOURNALでもご紹介しました秋葉原の101Tokyo、東京国際フォーラムで開催されるアートフェア東京に加えて、当社も銀座でコンテンポラリーアートオークションを開催します。今週はアートと桜を楽しむという美しいものづくしの休日をお過ごしになってみてはいかがでしょうか。4/1からは下見会も開催しておりますので、ぜひぜひお立ち寄りください。夜は20時まで営業しています!

では本日も今週のオークションの出品作品の中から、1点ご紹介します。

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Lot.92 須田一政
《煙突のある風景 東京・1980~82年》
39枚のシート、ゼラチンシルバープリント、各裏に鉛筆でサイン
シートサイズ 各30.4×25.3cm イメージサイズ 各21.9×21.5cm
エスティメイト \2,000,000-3,000,000


 須田一政は、1962年東京綜合写真専門学校卒業。寺山修司主宰の劇団、天井桟敷の専属カメラマンを経て1971年にフリーになりました。この時期から日本各地を旅し、6×6判で撮影した作品を発表していきます。1976年《風姿花伝》により日本写真協会新人賞受賞。以後、1983年に日本写真協会年度賞、1985年東川賞、1997年土門拳賞を相次いで受賞します。現在は大阪芸術大学芸術学部写真学科教授。自身の制作活動のほかに、自主ギャラリーやワークショップを主宰するなど、次世代の育成にも積極的に取り組んでいる写真家です。

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 須田一政の代表作の一つ《煙突のある風景 東京・1980~82年》は、雑誌『アサヒカメラ』で発表された39枚組の作品です。モチーフとなった東京は、須田が生まれ育った場所であるとともに、継続して撮り続けている街でもあります。須田にとってごく身近な風景を、そして煙突というどこにでもあるものを撮影しながら、作品には旅の空の下のような漂泊の雰囲気が漂っています。

 例えば、駅のホーム、誰もいない公園、布団を干したベランダなど、「日常」という捉えどころのない対象に向けて、須田は直感でシャッターを切っていきました。それによって、作品には「日常」の中に潜む「非日常」がはっきりと浮かび上がっています。須田愛用の6×6判の二眼レフカメラを使ったスナップショットというスタイルは、プリントの天地が曖昧で、さらにモノクロームであるために観る者の想像を様々に掻き立てます。およそ30年前、須田が捉えた東京の姿は、ノスタルジーと独特のエロティシズムが溶け合った不思議な魅力を放っています。

 
≪CONTEMPORARY ART≫
オークション : 2009年4月4日(土) 17:00 
下見会: 2009年4月1日(水)-4月3日(金) 10:00-20:00
      2009年4月4日(土)          10:00-12:00
 ※会場はすべてシンワアートミュージアム

みなさまのお越しを心よりお待ちしております。

                            (執筆者:S)

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座りにいらっしゃいませんか?

WINTER+オークション下見会が本日オープンしました!
さて、恒例の下見会場ご案内です。

今回のオークションは、デザイン&コンテンポラリーアートということで、
下見会もいつもとちょっと違う雰囲気に。
アートにあまり興味のないご友人やお子様とご一緒にお越しくださっても、
楽しんでいただけるかもしれませんよ。


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↑ 1階はこんな感じで、デザイン家具にぴったり合う写真やプリントが展示
   してあります。

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こちらはB1階です。 →
フロアの明かりをやや落として、倉俣史朗のテーブル、デザイン照明や発光ダイオードの作品など、「光」がポイントとなる作品をたくさん展示しています。シャンパンが欲しくなってしまうような、とってもいい雰囲気です。


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Lot.338 トム・ディクソンの照明です。 →
本体の部分がスイングします。
天井に映った影までスパイラル!





会場に置いてある椅子は、実際に座ってお試しいただけます。
スタッフも座ってみました。

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↑ Lot.291 イームズのロッキングチェアー。かわいいです!女性にぴったり。

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↑ Lot.271&272 ヤコブセンです。DVDを見たり、音楽を聴くときのおともにぜひ。

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↑ Lot.324 ナナ・ディッツエルのベンチとテーブル。こんなベンチでコーヒー
飲みたいですね。

今日もおすすめの作品をご紹介します。
個人的には、冬のボーナスでこんな贅沢なお買いものができたら…、
と夢見てしまう憧れの逸品です。

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Lot.313,314 ミース・ファン・デル・ローエ
《バルセロナチェアー》A,B
 w76×d76×h76 cm
 ステンレス、革・ノル
 エスティメイト ¥400,000-600,000


 モダンデザインの代名詞的存在であり、言わずと知れた名品です。リプロダクトの製品も多く作られていますので、もし《バルセロナチェアー》という名前をご存じなくても、テレビドラマやCMで使われていたり、カフェやバーに置いてあるのをご覧になったことがあるかもしれません。

 この作品をデザインしたミース・ファン・デル・ローエ(1886-1969)は、20世紀モダニズム建築を代表するドイツの建築家です。建築の5原則を見出したル・コルビュジエ、旧帝国ホテル・ライト館の設計で日本にも馴染みの深いフランク・ロイド・ライトとともに、近代建築の3大巨匠と呼ばれています。「よりシンプルであることは豊かなこと」という“Less is more”というコンセプトに基づいて住宅や高層ビル、家具を設計・デザインしました。1930年には、カンディンスキーやクレーが教鞭をとった建築と芸術の学校、バウハウスの第3代校長も務めています。

 《バルセロナチェアー》は、1929年ミースがバルセロナ万博のドイツ館を設計した際、スペイン国王アルフォンソ13世を迎えるためにデザインしたもので、「20世紀の王様の椅子」と呼ばれています。Xの形に交差し、なめらかな曲線を描く脚部が目を引きますが、これはハサミをモチーフにしたもの。古代ギリシアやローマ帝国において、ハサミ型の椅子は神々や支配者が座る玉座であり、権力の象徴でした。ここから発想を得て、近代的な新しい解釈で本作品を表現したミースは、スマートかつシンプルな形で、この椅子に座る人が最高の快適さを得られるようにデザインしました。高い機能性を備えながら、「神は細部に宿る」というミースの言葉を見事なまでに美しく体現した作品です。

◆DESIGN and CONTEMPORARY ART◆
=WINTER + AUCTION=
12月6日(土) 17:00~ シンワアートミュージアム
下見会  12月3日(水)~5日(金) 10:00~19:00
       12月6日(土) 10:00~12:00
※ワインオークションは 12月6日(土) 14:00~ シンワアートミュージアム
  にて開催いたします。

                                      
                                         (執筆:S)

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WINTER+AUCTION開催!

 来週末の12月6日(土)、WINTER+AUCTIONと題して、デザイナーズ家具、コンテンポラリーアートのオークションを開催いたします。

 そもそもこのブログは、7月に開催したSUMMER+AUCTIONに関する情報をお知らせすることを目的にはじめたのですが、あれから半年が経過し、こうしてWINTER+AUCTIONを告知できることに喜びを感じています。いつもブログを読んでくださっている皆様、ありがとうございます。

 さて、前回のSUMMER+AUCTIONではじめて試みたデザイナーズ家具。今回はさらにパワーアップし、椅子、ソファ、テーブルなど、78点出品されます。シンワアートジャーナルでも取り上げましたが、倉俣史朗の幻の遺作、カウンターテーブル《橘》は一見に値します。(詳細はこちら

 その他、アルネ・ヤコブセンの《エッグチェアー》をはじめとするモダンなデザインの椅子や、フィン・ユール、ハンス・ウェグナーといったデンマークを代表するデザイナーの存在感溢れる家具、イタリア建築界の巨匠、アンジェロ・マンジャロッティの大理石のテーブルなど、美しさだけでなく、機能性を兼ね備えた名品が出品されています。空間をよりスタイリッシュに演出するデザイナーズ家具の数々を、この機会にぜひご覧ください。
◆DESIGN and CONTEMPORARY ART◆
=WINTER + AUCTION=
12月6日(土) 17:00~
下見会 12月3日(水)~5日(金) 10:00~19:00
      12月6日(土) 10:00~12:00

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 また同日、ワインオークションも併催いたします。こちらでは、キラキラと輝くゴールドのボトルが印象的なアルマン・ド・ブリニャック(Armand de Brignac、シャンパーニュ)が登場します。これを生産しているキャティア家は、1763年から フランスのシャンパーニュ地方の中心ランスにてシャンパンの製造を行ってきた老舗。すべての生産工程を手作業で行っており、ピノ・ノアール、シャルドネ、ピノ・ムニエの3種類の葡萄を3分の1ずつ使用した独自のブレンドが特徴です。アメリカでは高級シャンパンとしてセレブリティーを中心に人気を博しているといいます。

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 その他、ブルゴーニュ地方におけるワインの神様と称されている醸造家、アンリ・ジャイエ(Henri Jayer)のワインも出品されています。彼が2006年に亡くなってからその価格は高騰していますが、中でも1級畑の葡萄で生産されたヴォーネ・ロマネ・クロ・パラントゥー(Vosne Romanee Cros Parantoux)は生産量が少なく、大変貴重な逸品です。
 これからイベントが盛り沢山なこの季節に、ラグジュアリーなワインはいかがですか?

◆ワインオークション◆
12月6日(土) 14:00~
下見会:12月5日(金) 13:00~15:00、寺田倉庫品川トランクルームにて
※下見会は予約制となっております。ご連絡お待ちしております。

(執筆者:M)

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夜を描く作家、鈴木雅明

いよいよ明日はオークション当日です。
マカオの本日の最高気温は28℃ということですが、こちら東京は日増しに寒くなっていきますね。
日が落ちるのも早くなり、なんとはなしに気忙しい気分にさせられます。
そうこうするうちに師走を迎え、2008年も締めくくりとなっていくのでしょうか。

すこしばかり、気が早いですね。
さて、本日もAsian Auction Weekに出品される作品をご紹介します。


鈴木雅明
鈴木雅明は1981年生まれの、まだ20代のアーティストです。
とはいえ、その活躍はめざましく、2005年には若手作家の登竜門のひとつであるシェル美術賞のグランプリも受賞しました。
当社のコンテンポラリーアートオークションにもほぼ毎回作品が出品され、人気を博しています。

鈴木が描くのは、夜の街角です。
暗闇にふわりと浮かぶ街灯や、家々から漏れる灯り。道端に佇む人々。
クールでありながら、どこかセンチメンタルな空気を漂わせるこれらの風景は、
鑑賞者それぞれが持つ、夜の街の記憶を呼び起こさせます。

鈴木雅明
鈴木雅明「街灯」
キャンバス、油彩 / 145.5×112.1cm
落札予想価格:HK$30,000~50,000


鈴木雅明―略歴―
1981 愛知県生まれ
2004 名古屋造形芸術大学洋画コース卒業
2006 第21回ホルベインスカラシップ奨学者
現在 愛知県立芸術大学大学院 美術研究科 油画専攻 在学中


【主なグループ展】
2004 シェル美術賞展2004(代官山ヒルサイドフォーラム)
2005 第4回夢広場はるひ絵画ビエンナーレ(はるひ美術館)
   シェル美術賞展2005(代官山ヒルサイドフォーラム)
2006 名古屋市美術館特別展「名古屋」の美術-これまでとこれから- (名古屋市美術館)
2007 夢広場はるひ収蔵作品展(はるひ美術館)
   第26回損保ジャパン美術財団-選抜奨励展(損保ジャパン東郷青児美術館)


【受賞】
2005 第4回夢広場はるひ絵画ビエンナーレ 夢広場はるひ大賞
   シェル美術賞2005 グランプリ
2007 第26回損保ジャパン美術財団選抜奨励展 秀作賞

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名和晃平 研ぎ澄まされた空間

 シンワではいよいよ明日からのAsian Auction Weekに向けて、多くの社員が海外に出張しています。お問い合わせのお電話と、ご来社頂くお客様の多さに、いない社員の存在をひしひしと感じる連休明けです。
 海の向こうと連携しつつ、つつながくオークションが成功するよう、東京チームも頑張ります!


 さて、今日は、当社のコンテンポラリーアート通が一押ししているアーティスト・名和晃平をご紹介します。
 シンワではここ一年のコンテンポラリーアートオークションに連続して出品されている人気作家です。

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名和晃平《PixCell-Banana#1, 2007》
H19.8×w24.3×d24.3cm
Est. 香港$20,000~30,000



 そのキャリアは、京都市立芸大大学院在学中に英国王立美術院に留学し、京芸博士課程を修了後、キリンアートアワード受賞、森美術館での展覧会「六本木クロッシング」で審査員特別賞受賞・・・と、極めて順調です。2008年の夏には、東京都現代美術館で「パラレルワールド もうひとつの世界」にも出展しており、この二つの話題性ある展覧会に参加したというだけでも、近年の活躍ぶりがうかがわれますよね。
 今年はドバイ、バルセロナ、バーゼル、チューリッヒ、北京と海外での作品発表が続いています。

 
 今回マカオに出品される、バナナが入ったプリズムボックスは、光の屈折で、実際には存在しないバナナの虚像が浮かび上がる構造になっています。プリズムシリーズ以外の名和の作品には、ビーズを利用して球体の表面に無数のイメージが反射するものや、水面を利用したものがあり、そのどれもが、実像と虚像を扱っています。
 名和が選ぶ素材は現代のテクノロジーで生まれた工業製品が多く、その主題もつかみどころのないイメージが氾濫する現代社会におけるものであるだけに、とてもクールな印象を受けます。

 名和の作品を見ていて気付いたのですが、実際に見えているものと、実際に存在する物とは違う、ということは、実は昔にはこれほど多くなかったはずですよね。インターネットの普及やCGの技術的な革新があってこそ、私達はすでに無くなってしまったモノや、これから誕生するであろうモノを目にすることができるのです。
 
 確かなコンセプトと、きちんとそれを形にしていくスタイルには、安定感があります。
 ぜひ今後ともご注目ください。


CONTEMPORARY ART AUCTION概要
=Asian Auction Week in Macao=
オークション日時: 2008年11月28日(金)13:00
オークション会場: ザ・ヴェネチアン・マカオ・リゾートホテル フローレンスルーム(マカオ)
下見会:ザ・ヴェネチアン・マカオ・リゾートホテル ホールD
11月25日(火)~28日(金) 

(執筆者:I)

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栗田咲子《小豆洗い, 2007》

 日曜の夜に開催となった昨日の近代美術オークションにご来場下さいましたお客様、ありがとうございました。

 東京国際フォーラムから丸の内へと続く並木道も、美しくイルミネーションが輝きはじめて、ショッピングの楽しい季節になってきました。 

シンワアートオークションのブログでは、これまでにオークションに出品されることが珍しい作家や作品を取り上げてきましたが、今回は、解説担当のIが今、特に気になっている作家・栗田咲子をご紹介します。

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栗田咲子
《小豆洗い, 2007》
89.8×145.5cm
Est. 香港$15,000~30,000
 
 
 栗田咲子は、1997年京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。2000年 VOCA展(上野の森美術館)に作品を出品したほか、年に1・2度の個展を定期的に開催し、力の抜けたどことなくユーモラスな作品を発表してきました。
 現在、大阪のギャラリー(11月1日~29日)と神戸アートヴィレッジセンター(11月1日~24日)で新作展を開催しています。

 11月のマカオに出品される作品は、《小豆洗い,2007》というタイトル。
 茶色の空に星がまたたき、麻雀パイのような立方体の足元でひたすら小豆洗いに勤しむ人間――。言葉に直してしまうと、何が何だか分からないのですが、その作品の強烈な存在感に、一目ぼれしました。
この画面には破たんが無く、空間の表現も、ある平面に必要な要素をぐっと押し込めたかのような密度の高いもので、画家の「絵ごころ」とテクニックが優れているであろうことを感じます。それでいて、伝わってくるものには自分の才能を誇示するような所がなくて、迷いや悩みが立ちこめているのです。

作家の人となりを伺ったところ、描く内容を初めから限定せず、描きながら悩み、模索するように制作していくと聞きました。今回出品される《小豆洗い, 2007》以外の作品でも、栗田咲子のポートフォリオにはそのことがにじみ出ている、密度の高いものがたくさんありました。
 
シンワアートオークションでは巨匠の描いた代表的作品を取扱うこともしばしばで、一つの様式美の極致を示しているものもあります。しかし、一方では、そうした作家が大成する前に描いた初期の作品にも、魅力があります。
コンテンポラリーアートオークションには、「この作家は今後どのように展開するのだろう」という興奮を感じさせてくれる作品があり、栗田咲子はまさにそのような作家なのです。

 
 作品は既に日本を発ち、マカオで開催されるオークション会場に向かっております。書面での入札も可能です。コンディション等はお気軽にお問い合わせください。
(執筆者:I)


CONTEMPORARY ART AUCTION概要
=Asian Auction Week in Macao=
 オークション日時: 2008年11月28日(金)13:00
  オークション会場: ザ・ヴェネチアン・マカオ・リゾートホテル フローレンスルーム(マカオ)
 下見会      :ザ・ヴェネチアン・マカオ・リゾートホテル ホールD
            11月25日(火)~28日(金) 

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