月別アーカイブ: 2008年10月

町田久美―強く、しなやかな線

アジア太平洋地域で最大規模といわれる香港の現代美術コンクール、ソブリン・アジア美術賞(The Sovereign Asian Art Prize)をご存知ですか?
本日は昨年この美術賞の大賞を受賞し、世界へと活躍の場を広げている女性アーティスト、町田久美をご紹介いたします。



lot348 町田久美 《からくり》
雲肌麻紙に墨(青、茶)、左下にサイン、印
146.2×190.7cm
エスティメイト HK$300,000-400,000 / \4,000,000-6,000,000

町田久美は、雲肌麻紙、墨、岩絵具といった伝統的な日本画の素材を用いながらも、懐かしさと現代的な要素を併せ持った画風で、今までにない新しいスタイルを確立した作家です。
「VOCA展」(2005年/2007年、上野の森美術館)、「MOTアニュアル No Border-「日本画」から/「日本画」へ」(2006年、東京都現代美術館)をはじめ、オランダ、ニューヨーク、韓国でのグループ展にも参加。今年はドイツのケストナーゲゼルシャフトにて個展、また町田の故郷である群馬県、高崎市タワー美術館においても個展が開催されました。
その他、MoMA(ニューヨーク近代美術館)をはじめパブリックコレクションも多く、国際的に注目を集めています。

町田の作品に見られる生命力を感じさせる筆線は、一見すると一筆で描いたようですが、実際は、墨で緻密な線を何度も重ねることによって生み出されています。大きな作品ともなると一日に数十センチしか進まないこともあり、また、筆圧の強さからくいしばる歯を痛めるのを避けるため、マウスピースを着用して制作しているといいます。身を削り、気の遠くなるような作業により追求した筆線。そこには緊張感が漂い、極度に突き詰めた妥協のない絵画思考が垣間見られます。

今回のオークションでは、3点の作品が出品されています。これらの作品においても、主観や感情が排除された線は一層研ぎ澄まされ、強くしなやかに我々の前に立ち現れます。大胆に取られた余白に、必要最低限の要素で構成された対象物は潔く、画面の中に美しく納まりながらもシュールな印象を湛えています。そのオリジナリティー溢れる作品に、観る者は幻想的な世界に引き込まれ、現実と非現実の間で揺さぶられることでしょう。

昨年のソブリン・アジア美術賞においては、アジア太平洋地域13カ国から推薦された作家の作品、約670点の中から大賞を射止め、ますます国際的な評価を高めている町田久美。今後の活躍が大いに期待されます。
(執筆:M)

Asian Auction Weekに関してはこちら

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コンテンポラリーアートオークション 下見会開催中です!

 11/28開催のコンテンポラリーアートオークションの下見会が昨日から始まりました。
通常の下見会はオークションを開催する週に行いますが、今回はかなり早め。
なぜかといいますと、今回のコンテンポラリーは「Asian Auction Week」と題しまして、アジアのオークションハウス4社合同で、マカオにてオークションを開催することになったためです!
11/25~11/28はマカオのザ ヴェネチアン リゾート ホテルで下見会を行いますので、それに間に合うよう、東京では今週開催することになりました。

では、下見会の様子をレポートいたします。

エントランスのドアを開けるやいなや、宮島達男の《Floating time》が!
夜は20時まで開催しておりますので、
ご覧いただくのは暗くなってからがおすすめです。

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こちらはおなじみ音声ガイド。
20作品分ご用意しましたので、ぜひぜひご利用ください。
今回は超豪華に《トらやん》と《Puppy》が受付係です。



1Fは大型作品や人気作家の作品が勢ぞろいで、かなり見ごたえがあります。
草間彌生や白髪一雄などビッグネームの作品の奥には、こんな秘密のスペースも。
ちょっとここには書けない作品もありますので、
何が展示してあるかはご自身でお確かめください。

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B1Fは若手作家の作品や写真を中心に、盛りだくさんです。
まだ目新しい作家も多いと思いますので、お気に入りの作家をみつけてみてはいかがでしょうか。

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今回は作品が多いためギャラリーに展示しきれず、なんと2Fの弊社オフィスのエントランスにも作品が展示されています。
こちらにもぜひお越しください。



さて、今回の目玉はなんといってもこちら。
現在世界で最も影響力を持つアーティストの一人、村上隆の作品をご紹介いたします。

村上隆 《そして、そしてそしてそしてそして 4-b》
 100×100cm
 キャンバス、アクリル
 1996年作
 裏にサイン・年代
 「村上隆展 召喚するかドアを開けるか回復するか全滅するか」出品
  (2001年 東京都現代美術館)
 エスティメイト HK$ 6,000,000.-10,000,000.

村上隆と言えば、今年5月のサザビーズのオークションで《My Lonesome Cowboy》というフィギュアが約16億という高額で落札され、大きな話題を呼びました。弊社にも、かつて初期の《レイチェル》が出品されましたが、今回の作品はペインティングです。

村上は、1990年代後半より日本のオタク文化とポップアートを融合させたコンセプトを確立し、アニメやフィギュアなどの作品を発表するようになりました。2000年に「奇想の系譜」(日本美術史家の辻惟雄提唱)を取り込んだ「Super Flat」という概念を提示。これは明治以後・特に第二次大戦後に急速に西洋化していった日本文化の中で、「超二次元的」な特質が脈々と流れていることを意識し、その歴史の上に自らのアートを「Super Flat」の最前衛として位置づけた理論でした。

本作品は、磨き上げられた宝石のように艶やかな画面に、村上を代表するDOB君が描かれています。DOB君は、マンガ『いなかっぺ大将』の台詞とコメディアン由利徹の「おしゃまんべ」のギャグを組み合わせて作られた造語「どぼちてどぼちておしゃまんべ」の頭文字3文字から誕生しました。

本作品が制作された1996年は、HIROPON FACTORY(現Kaikai Kiki)初期にあたり、この時期の村上作品は手仕事の魅力に溢れ、高い人気を誇ります。きらきらと輝く銀箔の貼り合わせを思わせる琳派風のデザイン、輪郭線に沿ってにじみやぼかしが高度に駆使された、古画の味わいに通じるテクスチャーは、村上が確実に日本画家として超一流のテクニックを有することを示しています。また同時に、平面をいくつもの重層的なレイヤーにして重ねて現れ出たかのような空間表現は、本作品を彼の「Super Flat」理論が貫いていることを明らかにするようです。村上がこれほど高く評価されている背景には、その作品が世界に通じる確かな理論に裏付けられつつ、驚嘆すべき完成度を誇るからであることを再認識させる作品と言えるでしょう。

まだお越しになっていない方、実際にご自身で作品をご覧になってみませんか?
皆様のご来場、心よりお待ちしております。

                                          (担当:S)

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李錠雄(Lee Jung -Woong)

 私たちは普段、生活で目にする風景・人・モノには取り立てて感動しないのに、その実物をそっくり描いた一枚の絵を目にすると「キレイ」と感動の声を上げることがあります。実際は、描かれたものより、本物の風景や、人物、静物の方が生き生きして綺麗かもしれないのに・・・。なかなか実物には感動せず、それを作品にしたものには感動する――ということは、ただその「そっくり」写せる作家の描写力に驚いているだけなのでしょうか?
 最近の韓国の美術界では、どうやら超写実主義(ハイパー・リアリズム)が流行っているようです。今さら?という声もあるかもしれませんが、それは、どれほど「そっくり」描かれたのかを「検討」することだけではなく、作家の集中力や緻密な描写力、高度のテクニックの上に、現代的な感覚を加えた新たなハイパー・リアリズムであることが、多くの人々にこれほどの魅力を感じさせているのだと思います。

 今日は、11月のマカオ(コンテンポラリーアートオークション)に出品される、韓国の作家、李錠雄(Lee Jung -Woong)のハイパー・リアリズムの作品をご紹介します。
 

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Lot 376
李錠雄(Lee Jung -Woong、1963年) 
「Brush」
各167×48cm / 韓国紙、油彩
落札予想価額:HK$330,000-500,000

 李は、「筆」をモチ-フにする超写実的な作品を描く韓国の作家です。彼の作品は一見すると、そのモチ-フや東洋的な「余白の美」から、東洋的な画家と勘違いされやすいと思いますが、彼は大学から西洋画を専攻した西洋画家です。写真のように写実的に描かれた筆や墨の滲みは、長い間静物画だけを描き続けた、対象に向かう作家の粘り強さがよく表現されたもので、韓国紙に油彩でという彼の特徴的な技法が用いられています。
 昨年からはクリスティーズに作品が出品されるなど、最近韓国を含む世界から最も注目されている作家の一人です。

 今回シンワに出品される李の作品は、高さ167cmの2枚セットになっている精神性の豊かな作品です。作品の前に立つと、その恐ろしいほどの精密さや、モチ-フから漂う静かさ、そして西洋の技術に東洋の精神を込めた完成度に圧倒されるのはもちろん、東洋人に生まれてよかったと実感できるのではないでしょうか。皆さん、現代のハイパー・リアリズムをぜひお楽しみください。(執筆者:W)

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あの天野喜孝がコンテンポラリーに出品!

 ファイナル・ファンタジーやドラゴンクエストの音楽が、ふとTVから流れ始めると、背筋がゾゾッとするというか、条件反射的に心が躍るのは、ゲーム世代の私たちに共通する感覚ではないでしょうか。少年・少女時代にテレビの前に座り込み、夢中になった思い出が、あの音楽と共に蘇る・・・そんな感覚を、この世代は共有しているはずです。

 そんな思いから、ゲームを作りたい、漫画家になりたい、と思った子どもは多かったでしょう。彼らは皆、「ドラクエの鳥山明」や、「FFの天野喜孝」に憧れたのです。その天野喜孝の作品が、今回のコンテンポラリーアートオークションに出品されます!なんてワクワクする出来事でしょうか。

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天野喜孝 《作品》
51.0×38.6cm
落札予想価格 HK$45,000.~65,000.

 軸装に仕立てられた墨画は、天野に対してFFのイメージを持つ私には新鮮に映りました。これは、天野が若い頃タツノコ・プロで人気アニメーション「ガッチャマン」のキャラクターデザインをしていた時に創造されたイメージを、後に描いた作品です。今や天野は、国内はもちろん、ヨーロッパをはじめ世界中で展覧会が開催されるほどの人気作家です。

 ヨーロッパでの人気の一因は、美術品コレクターである富裕層の子弟が日本アニメ世代になりつつあることもあると言われています。本作品は紙を素地として墨で描かれており、そこには日本文化の長い伝統の中で培われたストイックな黒の魅力が漂います。

 日本発のゲームが世界を席巻していることはよく知られていますが、数多あるゲームのデザイナーの中でも天野のような独特の世界観を確立し、言葉の無い世界にめくるめく幻想風景を創出することができる才能は稀でしょう。彼はプロダクションから独立して以後、エロス、エキゾチシズム、ファンタジーを組み合わせた美しいイメージを次々に発表しました。天野の洗練された描線と、ファンタジックな世界観を持つ作品は、日本が世界に誇る”Cool Japan”の、一つのアイコンと言えます。

 御紹介した作品は、水曜日から当社にて実物をご覧頂くことができます。ぜひじっくりとご覧になって、ついに天野の芸術性が認められる日が来た!という喜びを実感して下さい。


CONTEMPORARY ART AUCTION概要
〈 Asian Auction Week in Macao 〉

オークション日時: 2008年11月28日(金)13:00
オークション会場: ザ ヴェネチアン マカオ リゾートホテル(マカオ)
下見会: < 東京> シンワアートミュ-ジアム
           10月29日(水)~10月31日(金)  10:00~20:00
           11月1日(土)             10:00~18:00
     〈マカオ>ザ ヴェネチアン マカオ リゾートホテル
           11月25日(火)~28日(金)
                                         (執筆者:I)

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ワインオークション&名古屋下見会 同時開催!

本日のオークションにご来場いただいたお客様、どうもありがとうございました。
今年に入って2回目のワインオークションとなりましたが、なんと落札率100%という好結果になりました!
これもご参加くださった皆様のおかげです。心よりお礼申し上げます。

では、本日のオークションのハイライトをご紹介しましょう。

Lot.124 ロマネ コンティ(ドメーヌ ドゥ ラ ロマネ コンティ)
 1979  1mathusalem(5.5リットル)
 落札予想価格:\3,200,000.~\4,500,000
 落札価格:\3,200,000.

いわゆるレアアイテムです。
通常、ワインボトルは750mlの倍数でサイズアップしていきますが、これは5.5リットル。計算が合わないので、特別に受注生産されたものなのかもしれませんね。
サイズが珍しいだけでなく、肝心な中身は超一級品です。
一流かつレア、なんてコレクター心をくすぐったに違いありません。

そのほかに、
Lot.128 ロマネ コンティ(ドメーヌ ドゥ ラ ロマネ コンティ)
 1985 1bottle
 落札予想価格:\450,000.~\800,000.
 落札価格:\860,000.

Lot.126 ロマネ コンティ(ドメーヌ ドゥ ラ ロマネ コンティ)
 1983 1bottle
 落札予想価格:\250,000.~\450,000.
 落札価格:\560,000.

などなど、落札予想価格の上限を軽く超えるワインも!
ご落札いただいたワインを気持ち良くお楽しみいただけるよう、お祈りしております。


さて、東京ではワインオークションを開催いたしましたが、名古屋では近代美術・陶芸・ジュエリー&ウォッチ・コンテンポラリーアートの下見会を行っておりました。

会場となったのは、名古屋の繁華街、栄に誕生したばかりのDAITEC SAKAE。
24、25日に行われた下見会の様子をレポートいたします。

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↑ こちらは近代美術ブース。11/9の近代美術オークションに出品される日本画で
  す。中央には愛知県生まれの川合玉堂の作品が里帰り。


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↑ こちらは陶芸ブース。いずれの作品も12/13の近代陶芸オークションに出品され
  る予定です。


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↑ 11/22の近代美術PartⅡオ-クションに出品されるジュエリー&ウォッチも展示
  しました。たくさんのお客様に身につけてお試しいただけました。


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↑ 11/28にマカオで開催されるAsian Auction Weekに出品予定のコンテンポラリー
  アートの作品です。これらは来週、東京の下見会でも展示いたします。


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↑ 今回初の試み、コンサルティングデスクです!


名古屋下見会にお越しくださったお客様、どうもありがとうございました。
お楽しみいただけましたでしょうか?
この下見会は今後も継続していく予定ですので、次回もどうぞよろしくお願いいたします。

(担当:S)

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今週はワインオークションです

西洋美術オークションにご来場いただいたお客様、どうもありがとうございました。どのロットも大変盛り上がり、5時間に渡る長いオークションになりました。最後までお付き合いくださったお客様には心より感謝いたします。

さて、今週はワインオークションを開催いたします。ときどき「ワインも扱ってるの?」というお声を耳にしますが、海外ではワインのオークションが盛んに行われており、クリスティーズやサザビーズも定期的に開催しています。弊社は、日本でワインを取り扱っている数少ないオークション会社の一つです。

さて、ワインオークションの魅力は、何と言っても市場にはあまり出回らないレアアイテムに出会えることではないでしょうか。本日は今週末に出品されるワインの中から、珍しいものをご紹介いたします。

Lot.223 Meursault Les Vireuils Vieilles Vignes
(Domaine Jean Francois Coche-Dury)
 9bottles(1996~2004 各1bottle)  
落札予想価格 \125,000.~\200,000.

「シャルドネの神」と呼ばれるジャン・フランソワ・コシュ・デュリによってつくられたワインです。コシュ・デュリは、ブルゴーニュの白ワインにおいて随一と言われている生産者で、世界中のワイン通の憧れの的。現在最も影響力のあるワイン評論家ロバート・パーカーもその味を絶賛しています。

彼のワインの主な特徴は、
①アリエ産オークの新樽を使うこと
②二度の澱引きの後18~22ヶ月樽熟させること
③無ろ過であること
だとか。まさにこだわりの逸品です。

また、コシュ・デュリのワインは小さな畑でつくられているため、生産量が限られており、フランス国外への出荷量も少ないというとても希少なものです。さらに、今回出品されるワインは、コシュ・デュリ自身のドメーヌではなく、彼が生産と管理を任されている別の畑でつくられたもの。そのため、ボトルには、彼のドメーヌでつくられたワインとは異なるオリジナルのラベルが使われています。クリスマス、お正月と、イベントやパーティーが増えるこれからの季節、コシュ・デュリファンの方はぜひこのワインとともに、楽しいひとときをお過ごしになってみてはいかがでしょうか。

担当:S

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大阪・名古屋下見会のご案内

11月の近代美術オークションのカタログが出来上がりました。
いち早く皆様のお手元に届くよう発送作業を進めていますので、もうしばらくお待ちくださいね。

さて、本日は11月のオークションの下見会についてご案内いたします。
今回は東京以外に、大阪と名古屋でもプレビューを開催いたします。

プレビュー

まず、今週末は今や恒例となった大阪下見会を開催いたします。
近代美術オークション、ジュエリー&ウォッチオークションに出品される作品を
ゆったりとご覧いただけます。


そして、次週は名古屋での下見会です。同地での開催は今年2月に引き続き3回目です。
名古屋で一番の繁華街、栄に位置するDAITEC SAKAEを会場に、近代美術オークション出品作品を全て展示するほか、ジュエリー&ウォッチ、コンテンポラリーアートなども多数展いたします。
1度に複数のオークションの出品作品をご覧いただける機会は、東京でもありません。

また、初めての企画として、「コンサルティング・デスク」も設置いたします。
ご所蔵されている美術品に関するあらゆるご相談にお応えします。

●いま、この作品はいくらくらいの価値がある?
●オークションに出品するには?
●美術品て、どうやって保存したらいいの?
●美術品の相続税ってどれくらい?


などなど、日頃疑問に思っていらっしゃることを何でもご相談ください。
勿論、ご相談は無料です。

お近くにお住いの方は是非、お誘いあわせの上ご来場ください。
スタッフ一同お待ちしております。



~開催概要~
<大阪下見会>
日時:10月19日(日)・20日(月) 11:00~18:00 / 10:00~18:00
会場:シンワアートオークション大阪営業所
    (大阪市中央区今橋4-4-7 京阪神不動産淀屋橋ビル1階)
展示内容:近代美術・ジュエリー&ウォッチオークション出品作品の一部
アクセス:https://www.shinwa-art.com/company/com_access/index.html

<名古屋下見会>
日時:10月24日(金)・25日(土) 10:00~20:00 / 10:00~18:00
会場:DAITEC SAKAE・6F クリエイトホール
   (名古屋市中区錦3-22-20)
展示内容:近代美術(全部)・ジュエリー&ウォッチ(全部)
       コンテンポラリーアート(一部)・陶芸(一部)
アクセス:http://www.nagoya-kaigi.com/map.htm


(担当:N)

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注目されてます、Asian Auction Week!

11月の開催までいよいよ1か月半となり、出品作品も出そろったAsian Auction Week。
アジア各国のオークションハウスが協調してセールを開催するという、オークション業界の長い歴史のなかでも類を見ない試みのため、様々なメディアからも問い合わせを沢山いただいています。

本日は、中国で最もよく知られた美術情報サイト、Artronに弊社社長の倉田と、今回の共同主催社である韓国のKオークションのキム社長が受けたインタビューをご紹介します。

社長
↑各国の社長達

下記URLよりインタビュー動画をご覧いただけます。
http://artvideo.artron.net/show_news.php?column_id=178&newid=57596

インタビューは英語で行われましたので、下記のサマリー(要約)も併せてご参照ください。
Asian Auction Weekにかける二人の熱い想いを感じていただけるのではないでしょうか。


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~インタビュー 要旨~

(倉田)
マカオで11月に開催するAsian Auction Weekにおいて、私たちはオークションビジネスの新しい形を示したいと思っています。
韓国のトップオークション会社、K-Auctionのキム社長と私は友人で、新しいことを始めたいということを以前から話していました。

<海外でのビジネス展開について>
(倉田)
私たちの会社は国際的にビジネスを展開しようとしています。上海で現地スタッフも採用しました。現在、アジアでのビジネス展開を考える上で、上海はもっとも重要な都市のひとつですから。
加えて、中国の方々は、香港・マカオ・シンガポールも大切な場所だととらえているように思いますね。
私個人としては、北京がこれから文化の中心として世界でも重要な都市になっていくと考えていますが、今回のAsian Auction Weekの開催地としてはマカオを選択しました。
香港は既に多くのオークション会社がセールを開催していますし、マカオこそが新しい挑戦の地にふさわしいと感じたのです。

私たちが今回開催するのは、オークション版アートフェアです。オークション会社が、共同でオークションを開催する。そこでコレクターたちは各国の作品を一度に目にすることができます。
日程としては、11月25~28日までプレビューを、そして最終日の28日にはオークションを開催します。韓国からK-Auction、台湾からKingsley’s、そして日本からはシンワ。すでに5カ国のオークション会社が参加を表明しています(註:10月15日現在、参加決定しているのは4カ国です)。現在仲間を増やしている途中で、非常に面白いイベントになると思います。

(キム社長)
今まで、アジアのアートはサザビーズやクリスティーズなどの海外のオークション会社によって紹介され、その評価を高めてきました。もちろん彼らはうまくやってきましたが、しかし、アジアのアートはアジアのオークション会社によって紹介されてもいい、されるべきだと考えています。

(倉田)
キム社長は韓国の市場のことをよくご存知なので、素晴らしい韓国の作品を集めてくださるものと思います。我々も日本でそれをしなければいけないですね。

(キム社長)
欧米のオークション会社とは違う目線で作品を集めることができるだろうと思います。そしてそれがとても重要であるとも考えます。

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Room to Read チャリティパーティ in Estnation,Ginza

今日は、10/4(土)に行われたチャリティーオークションのお話をさせていただきます。これまで、当社はオークションを通していろいろなNGOやNPO、各種団体の社会貢献活動にご協力してきました。今回は、国際協力NGO「Room to Read」主催のチャリティパーティに、出張オークションに行ってまいりました。

「Room to Read」は、途上国の子供たちの教育を支援するために、マイクロソフトの幹部社員だったジョン・ウッド氏が2000年に設立した国際NGO団体です。活動内容は、学校や図書館などの施設開設、児童書の寄贈や現地語版の発行、男子に比べて教育を受ける機会の少ない女子への奨学金の支給などで、8年間でアジアやアフリカを中心とした13ヶ国、250万人の子供たちに支援を行いました。
今回シンワがご協力したのは、このジャパンチャプター(日本支部)の活動の一環となるイベントです。

当日、会場となったエストネーション銀座店には、イベントの趣旨にご賛同された250名以上のお客様がご来場されました。パーティは、スタイリスト・森岡弘さんのトークショー、エストネーションの商品を購入すると、代金の一部が寄付されるというショッピングタイム、豪華賞品が当たる抽選会(はずれてもチケット代金が寄付されるシステム)、そしてオークションとイベントが盛りだくさん。


エストネーション
↑ エストネーション店内。大混雑です。

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↑ いよいよオークション開始。おしゃれな洋服とバッグと平野オークショ ニア。


オークションにかけられたのは9アイテム。
といってもいつも私たちが扱っている絵画ではなく……、
Lot.1 北海道トマムコンドミニアム1週間滞在権
Lot.2 森岡弘パーソナルファッションアドバイス権
Lot.3 サウスビーチコンドミニアム1週間滞在権
Lot.4 ダイヤブレスレット
Lot.5 ダイヤブレスレット(ピンク)
Lot.6 ヘリコプター東京1周&アークヒルズお食事券
Lot.7 学校建設(スリランカ)
Lot.8 図書館建設(カンボジア、インド、スリランカ、ラオス、ザンビア)
Lot.9 女子への奨学金10年分(ネパール、カンボジア、インド、スリランカ、ラオス)

という、なんともスケールの大きなラインナップ。


もし自分の建てた学校が海の向こうにあって、そこに子供たちが通って足し算を覚えたり、走り回ったりして大きくなって…と想像すると、本当にすごいことですよね。

平野オークショニアが会場を盛り上げに盛り上げ、なんと落札合計額は1000万円近くにも!
不落札のアイテムは一つもありませんでした。


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↑ オークション風景。白熱してます。


落札された方々のチャリティへのご理解のすばらしさはもちろんのこと、パーティを盛り上げてお客様に楽しんでいただこうというスタッフの方々の姿勢もすばらしく、私たちも良い経験をさせていただきました。

(担当:S)

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高山辰雄遺作展

高山辰雄 聖家族Ⅰ 1993年 小川美術館
《聖家族Ⅰ》1993年 小川美術館所蔵
早くも10月ですね。皆さんはどんな「秋」をお過ごしでしょうか。
本日は芸術の秋にぴったりな展覧会をご紹介いたします。

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高山辰雄が昨年9月に95歳で逝去してから1年。
現在、練馬区立美術館では「高山辰雄遺作展」が開催されています。
これは、高山辰雄の初期から絶筆までの代表作を一堂に集め、その画業を振り返る構成になっています。

高山辰雄は日本画滅亡論が叫ばれる戦後の逆風の中、日本画の改革に尽力し、東山魁夷、杉山寧とともに日展三山と称された画家です。東京美術学校日本画科で松岡映丘に師事し、在学中から帝展で入選するなど活躍。戦後はゴーギャンの影響を受けた作品を手掛けながらも、独自の作風を確立する姿勢が見られるようになります。そして50年代になると心象風景や人間存在を深く掘り下げた作品を描くようになり、より深い精神性を画上に表現していきました。1979年、文化功労者として顕彰され、82年には文化勲章を受章しました。

高山辰雄 森1985年
                《森》1985年 
高山は画壇の頂点を極めながらも、「百年二百年あっても、志したあの一点に到達したい、そう念じ見つめながらも、しかも未完なのか。」(『高山辰雄』 日本経済新聞社 1997年)と自らに問いています。
没して改めて、生きることの意味を求め続けた厳格な作画姿勢とその存在の大きさに気づかされます。


先日、展覧会のオープニングレセプションに伺ったのですが、人物画、静物画、風景画などの大作がずらりと並び、会場全体が一種幻想的な空気に包まれていました。立体感ある絵肌、絶妙な色彩が美しく、岩絵具という素材がいかに美しいものなのか、改めて実感しました。実物でなければその魅力が伝えきれないのが残念です。ぜひ、練馬区立美術館に足を運んでみてはいかがでしょうか。前期は10月5日(日)まで、後期は10月11日(土)~11月3日(月・祝)で展示作品の大半が入れ替わるとのことなので、前期の展示は今週末がラストチャンスです!(執筆:M)


〈展覧会情報〉
会  期  〔前期〕2008年9月13日(土)~10月5日(日)
      〔後期〕2008年10月11日(土)~11月3日(月・祝)
開館時間   午前10時~午後6時(入館は5時30分まで)
休館日   毎週月曜日(ただし9月15日(月)と10月13日(月)は開館、翌日休館)
※10月6日~10月10日は展示替えのため閉館。
会場    練馬区立美術館
      〒176-0021 東京都練馬区貫井1-36-16  
      http://www.city.nerima.tokyo.jp/museum/

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