カテゴリー別アーカイブ: オークション

BAGS/JEWELLERY&WATCHESオークション下見会

先週の「近代陶芸 / 近代美術PartII(陶芸)オークション」にお越しいただいたお客様、誠にありがとうございました。
つづきまして、今週はBAGS/JEWELLERY&WATCHESオークションが開催されます。

いつもシーズンに合わせた品揃えで充実するシンワのBAGS/JEWELLERY&WATCHESオークション。今回も、夏を目前に控えたこの季節に相応しい商品がたくさん出品されます。今日は、本日から銀座でスタートする下見会の様子を少しだけお伝えいたします。

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<正面からの風景>

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<シャネル>
まず、下見会場に入って奥の右側には、今回たくさんの点数が出品されます、シャネル・コレクションが皆様をお迎えします。いろいろな形や色のバッグからお好みのスタイルを是非お試しください。
 
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<エルメス他>
こちらはバッグオークションで毎回注目を浴びるエルメス・コレクションです。バーキンを始め、ケリーや人気のガーデンパーティなどが今回もたくさん出品されます。他にもルイ・ヴィトンのビステンや書類カバンなどのメンズ商品はもちろん、レディース向けの様々なブランドのバッグも幅広く揃えております。

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<小物>
こちらは、小物コーナーです。今回のバッグオークションの特徴は、いろいろな種類の小物が用意されているところです。エルメス、ルイ・ヴィトンのベルトやカルティエのボールペン、またエルメスのスカーフとハンカチセット、そしてルイ・ヴィトン、シャネルのサンダルなどが揃っております。

時計とジュエリーの商品もお見逃しなく。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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<執筆:W>

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6月の誕生石 真珠

先週の浮世絵/近代美術PartⅡオークションに参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
間もなく梅雨の季節がやってまいります。梅雨と聞くとなんとなく憂鬱な気分になってしまいますが、菖蒲や紫陽花等、雨雫の似合う花々を愛でるのは、この季節ならではの楽しみです。
さて、そんな6月の誕生石といえば、こちらも水を連想させる「真珠」です。今回は真珠についてご紹介いたします。

私たち日本人にとって、最も身近で馴染みのある宝石と言えば真珠ではないでしょうか。冠婚葬祭どの場面でも使い勝手が良いため、ファーストジュエリーとして親から娘へ贈られることも多いようです。
真珠は、日本書紀や古事記、万葉集において既に記述されており、『魏志倭人伝』にも邪馬台国の台与が曹魏に白珠(真珠)5000個を送ったと記されています。しかし、真珠が今日のように身近になったのは、19世紀も後半に入ってからのことです。現在世界屈指のパールメーカーとして君臨している御木本真珠店(現・ミキモト)の創始者、御木本幸吉(みきもとこうきち)が、世界に先駆けて養殖真珠の産業化に成功したことがその要因です。
真珠は基本的に真珠層を持つ貝ならばすべて生成可能ですが、天然で生まれることが非常に稀であることから、養殖技術が発達する以前は、現在とは比較にならないほど珍重されていました。現在は養殖技術による量産が可能になりましたが、品質の良いものは未だ高値で取り引きされています。

真珠の品質基準としては、主に「大きさ」「色」「形」「キズの有無」「照り」「巻き」の要素があります。その中でもお客様からよくご質問をいただく、「照り」と「巻き」について少しご説明致します。
< 照り>
「照り」とは、真珠の輝きや光沢のことです。真珠の光沢は真珠層の結晶構造によって決まり、結晶が規則正しく並んでいるものほど美しい光沢を見せます。真珠の一粒一粒に映り込むライトの光やご自身のお顔をご覧ください。照りが良いものは真珠に映り込むものがシャープに見え、照りの悪いものはぼやけて見えます。選ばれる際は複数の商品を手に取り比べてみることをお勧めします。
< 巻き>
真珠はドブ貝を加工して作った核を貝の中に埋め込み、その周りを貝自身が分泌物で覆うように巻いていくことによって作られます。その覆っている分泌物の厚さが厚いことを「巻きが厚い」と言います。巻きの厚い真珠は内側から力強い輝きを発します。巻きの良し悪しは、照りに比べて分かりにくいかもしれません。しかし数多くの真珠を見ていると、照りや質感に重量感のあるものと、そうでないものがあることがお分かりいただけるかと思います。

真珠は、生成する母貝の種類によって、さまざまな特徴があります。
最もポピュラーな真珠は、アコヤ貝に生成する「アコヤ貝養殖真珠(和珠)」です。
貝自体の大きさが10センチ程度なので、9mm以上の和珠は滅多になく、非常に貴重です。ピンク系、シルバー系、イエロー系、ブルー系等、様々な色調がありますが、日本ではピンク系を好む人が多いようです。さりげなく身につけられる和珠に纏うピンクの光は、上品さに加えて可愛らしさをも感じさせるからでしょうか。
6月23日開催BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション 
LOT293 アコヤ貝養殖真珠ネックレス(エスティメイト¥350,000~450,000)

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こちら、一粒の大きさは9.0~8.5mm。大きさ、照り、巻き共に非常に優れたロングネックレスです。


白蝶貝から産出するものは、一般に「南洋真珠」と呼ばれ、主にオーストラリア、インドネシア、フィリピン、ミャンマーで養殖されています。この貝は真珠貝の中では最も大きく、成貝は30センチにも達します。よって真珠自体も大粒のものが多く、身につければそれだけで目を引く、ゴージャスな装いを可能にします。産地によって色合いに違いがあり、オーストラリア産のものは青みの強い白色、フィリピン産は金色のものが多いのが特徴です。
6月23日開催BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション 
LOT227 白蝶貝養殖真珠ネックレス(エスティメイト¥200,000~300,000)

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美しいゴールドの輝きを持った真珠の連です。色味がしっかりしており傷も非常に少ないため、近くで見た時はもちろん、遠目でも華やかさが際立ちます。

6月23日開催BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション 
LOT297 白蝶貝養殖真珠(エスティメイト¥200,000~300,000)

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こちらは真円ではありませんが、これだけの大きさのものは白蝶真珠の中でも大変貴重です。


黒蝶貝から産出される真珠は、「黒蝶真珠」と呼ばれます。黒蝶真珠のタンパク質には、赤、黄、緑の三つの色素が含まれており、これらが重なり合うことによって、それぞれ実に多彩で個性的な色合いを生み出します。黒蝶真珠は主にタヒチや沖縄県などで養殖されています。黒蝶真珠の中でもピーコックカラーと呼ばれる一級品は、その名の通り、黒色の地色の上にクジャクの羽根のような光を纏い、その神秘的な光は観るものの心をとらえ、シンプルな装いにも、妖艶な美しさを加えます。
6月23日開催BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション 
LOT298 黒蝶貝養殖真珠(エスティメイト¥500,000~700,000)

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黒蝶貝養殖真珠でこれだけの大きさ、色、形、照り、巻きが揃ったものは滅多にありません。非の打ちどころのない逸品です。


カリブ海に生息する巻貝、コンク貝から採れる「コンクパール」は、珊瑚のようなピンク色で、炎のような火焔模様が見られるのが特徴です。コンク貝は巻貝なので、人工的に核を入れることは不可能です。そのため出回っているもののほとんどが天然のものと言われ、非常に希少性が高いとされています。
4月21日開催BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション
LOT59 コンクパール ダイアモンドリング by MIKIMOTO
(エスティメイト¥200,000~300,000)

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次回オークションにはコンクパールは出品されませんので、前回のオークションからのご紹介です。可愛らしいピンクがとても印象的でした。27万円で落札されております。

その他、淡水性の池蝶貝から採れ、ビーズの材料として人気のある「淡水パール」、マベ貝を母貝とする半球の「マベ真珠」も稀に出品されますので、形や輝きの違いをお楽しみください。


鉱物から成る宝石に比べて、有機質である真珠はとてもデリケートな宝石です。クレオパトラが酢で真珠を溶かしたという話がある通り、汗や酢、果汁などには非常に弱いので、身につけた後はやわらかい布で拭いていただくようお願い致します。香水を使う方は、直接ふきかけないように注意が必要です。保管する場所は、光の当たらないところが最適です。
正しいお手入れとメンテナンスにより、真珠の劣化のスピードは格段に遅くすることが可能です。目に留まる一品を手に入れた際は、コンディションに気をつけ、真珠の持つ包み込むような美しい輝きを存分にお楽しみ下さいね。

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フォーヴィスムの旗手 林武の《舞妓》

こんにちは。
ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか。
まだ体がお休みモード…という方も多いかもしれませんね。体調を崩しやすい時期でもありますので、どうかお気をつけください。

さて、本日は19日(土)に開催されます近代美術オークションの出品作品の中から1点ご紹介いたします。
たくさんの画集や展覧会でも紹介された力作です。


【オークション終了につき、図版は削除いたしました】



林武(1896-1975)
《舞妓》
62.5×42.0cm
キャンバス・油彩 額装
1958年作
右下にサイン
共箱

文献:
『林武全画集』P.125 №630(日動出版)
『林武』№59(美術出版社)
『世界名画全集 第24巻』カバー/P.105(平凡社)
『現代美術家シリーズ 林武』P.129/P.136(時の美術社)

展覧会:
林武回顧新作展 1958年(日本橋・高島屋)
明治・大正・昭和 美人画名作展 1962年(松屋/毎日新聞社)
日本芸術院 恩賜賞・院賞美術展 1968年(新宿・伊勢丹/日本経済新聞社)
画業50年記念 林武展 1970年(梅田・阪神百貨店/毎日新聞社)
女の美名作展 1971年作(千葉・そごう百貨店/日本経済新聞社)
林武展―この不屈の人― 1975年(日本橋・高島屋/毎日新聞社)
名画に見る舞子展 1979年(日本橋・三越/朝日新聞社)

エスティメイト \4,000,000~6,000,000



 1896(明治29)年、林武は東京の麹町に三代続く国学者の家系に生まれました。ほぼ独学で油彩画を習得し、25歳のとき第8回二科展にて新人賞にあたる樗牛賞、翌年には優秀賞にあたる二科賞を受賞し、画壇に頭角を現しました。その後、一九三〇年協会や独立美術協会に参加し、日本のフォーヴィスムの旗手として活躍していきます。やがて東洋の哲学や印象派の巨匠・セザンヌの構図理論などを取り入れた独自の絵画論や構図法の追求を始め、戦後には理知的な構成と情熱的なフォーヴ風のタッチというアンビバレントな要素を調和させた個性豊かな林芸術を展開していきました。

 本作品のモティーフ、舞妓は林が薔薇や富士とともに好んでよく描いたものの一つ。多くの画家たちが魅せられた舞妓の華やかさや日本的な美しさではなく、林は豪華な衣装や髪飾りに身を包んだ姿に安定感やボリューム感を見出し、均整のとれた造形美に着目しました。また、色彩において他の人間像よりも圧倒的に彩り豊かで複雑である点にも魅力を感じたといいます。
 
 1958年作(当時62歳)の本作品では、鮮やかな赤色の背景を斜めに切るように舞妓の上半身を大きく描き出しています。骨太な黒い輪郭線で対象を縁取ったステンドグラスのような色面構成と重厚なマチエール、奔放なタッチは林芸術の特徴をよく示すものと言えるでしょう。また、全体に立体感や量感を強調し、舞妓の顔や首には白粉と頬紅を塗った肌の質感を表現しました。そして、絵具が乾く前に背景に施した文様は林が装飾的な表現にも力を注いだことを窺わせます。
 このように画面上に交錯する立体感と平面性、舞妓の人形のような造形の安定感と生身の人間の繊細さ、それぞれの相克に林は微妙なつりあいを求めたのでしょう。自身の絵画論をもって伝統的な日本美に挑む画家の情熱が満ち溢れる作品です。

この作品は16~19日に開催予定の下見会にて展示いたしますので、ぜひご覧ください。
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みなさまのお越しを心よりお待ちしています。

(佐藤)

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4月BAGS/JEWELLERY&WATCHES 下見会

先週の西洋美術オークションにお越しいただいたお客様、誠にありがとうございました。
つづきまして、今週はBAGS/JEWELLERY&WATCHESオークションが開催されます。

いつもシーズンに合わせた品揃えで充実するシンワのBAGS/JEWELLERY&WATCHESオークション。今回も、春本番を迎えたこの季節に相応しい商品がたくさん出品されます。水曜日からスタートする下見会を是非お楽しみに。

今日は、毎回BAGSオークションのメイン商品として出品されます、エルメスについて話していきたいと思います。

1837年ティエリー・エルメス(Thierry Hermès)により、馬具工房としてパリに設立されたエルメスは、ナポレオン3世やロシア皇帝などを顧客として発展したそうです。事業は、ティエリーの孫にあたる3代目のエミール=モーリス・エルメスに至って多角化され、1892年エルメス最初のバッグ、サック・オ-タクロアが製作されました。そして1927年には、腕時計の発表をはじめ、服飾品・装身具・香水などの分野に次々と事業を拡大し、現在では世界的な高級ファッションブランドとしてその頂点に位置づけられていますね。中でも、1935年に発表したハンドバッグは、モナコ王妃となった女優のグレース・ケリー(Grace Kelly)が妊娠中の腹部を隠すために持っていた写真が1956年アメリカの雑誌「ライフ(LIFE)」の表紙に掲載されたことから「ケリーバッグ」と呼ばれ、現在でも世界中の女性たちの人気を集めています。

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Lot 318
エルメス

ケリー28
21×29×10cm
素材:ポロサス 金具:ゴールド Z刻印 色:ブラック
カデナ・キー・クロシェット・布袋付き
エスティメイト:900,000円~1,200,000円

また、1984年、5代目の社長ジャン・ルイ・デュマ・エルメスが、飛行機の中で偶然出会った女優ジェーン・バーキン(Jane Birkin)のために提案し誕生した「バーキン」は、週に2点しか作ることができないという極めて入念な製作過程で知られます。

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Lot 319
エルメス

バーキン30
23×30×14cm
素材:オーストリッチ 金具:ゴールド I刻印 色:インディゴブルー
カデナ・キー・クロシェット・レインカバー・布袋・箱付き
エスティメイト:1,300,000円~1,500,000円

中でも、今回のオークションには2011年春夏コレクションから登場した新シリーズ、キャンディバーキンが出品されます。その名の通り今にも踊り出してしまいたくなるようなカラフルでポップな蛍光色が何とも新鮮なシリーズです。その素材として使用されたエプソンは、美しいフォルムをいつまでも味わうことができる硬い質感が特徴的な人気の高いレザーです。エルメスならではの上質さや繊細さに、こうした魅力がプラスされたキャンディバーキンをお供に春のお出掛けはいかがでしょう。

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Lot 313
エルメス

キャンディバーキン25
21×25×13cm
素材:エプソン 金具:パラジウム O刻印 
色:ライム(内側:グリペール)
カデナ・キー・クロシェット・レインカバー・布袋・箱付き
エスティメイト:1,000,000円~1,500,000円

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Lot 314
エルメス

キャンディバーキン35
26×35×18cm
素材:エプソン 金具:パラジウム O刻印 
色:ブルーエレクトリック(内側:ミコノス)
カデナ・キー・クロシェット・レインカバー・布袋・箱付き
エスティメイト:1,350,000円~1,600,000円

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みなさまのお越しを心よりお待ちしております。

(執筆:W)

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今週の西洋美術オークション

こんにちは。
3月の近代美術、近代美術PartⅡオークションにご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

東京は先週から桜が見頃です。
入学式の時期に桜が咲いているというのはめずらしいですね。まだお花見に行かれていない方、都内は今週末が最後のチャンスのようですよ。

さて、今日は14日(土)に開催いたします、西洋美術オークションの出品作品をご紹介します。今回のオークションは、アール・ヌーボーの彫刻や家具、オルゴール、絨毯が充実しています。

まずは絨毯から。
今回は新品同様の絨毯がたくさん出品されます。

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lot.116 ペルシャ絨毯
「クム産 ホセイニ工房」
195.2×130.6cm
シルク
銘有


 こちらはその1点、現在イランで最も注目を集める新進気鋭の若手作家・ホセイニ氏の工房で制作された作品です。全体に配された花々に、50種類を超える色数を用いたという色づかいが見どころです。




アール・ヌーボーからはこちら。
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lot.236 Francois-Raoul Larche
ブロンズ彫刻「嵐」
H57.5×33.3cm
下部に銘・鋳造所銘「SIOT」
エスティメイト \1,000,000~1,500,000


 フランソワ=ラウル・ラルシュ(1860-1912)は、グラン・パレをはじめ、フランスの公的建造物の正面を飾る作品を数多く手掛けた、アール・ヌーボーを代表する彫刻家。シオ=デコヴィル社が生産したブロンズ製品で人気を博す一方、日常の生活用品の装飾化に関心を寄せ、照明器具や飾り鉢など生活を美しく彩る作品を数多く制作しました。特に、アメリカ人の踊り子ロイ・フラーの曲線美を表現したランプはアール・ヌーボーの粋として高く評価されています。

 本作品は、嵐と渾然一体となる5人の裸婦を巧みなバランスで表現した一点です。上流階級の邸宅の客間に飾られたサロンサイズの彫刻としては大型の部類に入ります。ここでは、アール・ヌーボーの女性像に多く見られる曲線的な造形や甘美な雰囲気ではなく、裸婦を飲み込むように激しく渦巻く嵐の猛威、それに抗うような肉体の力強さと躍動感が強調されています。裸婦の勇壮な姿は人間が生きることに立ち向かう様を象徴するようで、ラウル・ラルシュの彫刻家としての信念と技術力が結集された名作と言えるでしょう。

オルゴールはシリンダー式、ディスク式、オートマーターなど各種出品されます。
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lot.348 シンフォニオン社
ディスク式オルゴール「シンフォニオン エロイカ」
H283.0×W68.0×D43.5cm
ディスク:D34.7cm 39枚付
鍵1本
エスティメイト ★\2,000,000~3,000,000








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内部:3枚のディスクが同時に回って合奏します。

 シンフォニオン社(1886-1914)は、パウル・ロッホマンがドイツのライプチッヒに設立したディスク・オルゴールメーカーです。世界で初めてその製品化に成功して発展し、三大ディスク・オルゴールメーカーの一つとなっりました。複数のディスクを同時に使用して演奏するマルチプル・ディスクのオルゴールなど、音の表現の可能性やケースの装飾性を追求したユニークな製品を製作したことで知られています。

 「英雄」を意味する「エロイカ」は、マルチプル・ディスクのオルゴールの中でも最も多く作られた傑作です。メイン、サブ、アクセントの三枚のディスクを同時に使用することで、音の強弱や連続など豊かな音楽表現を可能にしました。
 本作品は時計が付いたホールクロック型の一点です。ケースにドーム型の屋根と天使をモチーフとした美しい彫刻が施されており、その音色だけでなくエレガントな調度品としても楽しめる点が大きな魅力です。

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みなさまのお越しを心よりお待ちしております。

(佐藤)

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51年ぶりに発見された幻の作品―岸田劉生《黒き土の上に立てる女》

こんにちは。
先日の近代陶芸/古美術/近代美術PartⅡオークションにご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。

今日は今週、3月24日(土)に開催されます近代美術オークションの出品作品の中から1点ご紹介いたします。こちらは、なんと「51年ぶりに発見された幻の作品」ということで新聞でも報道されました。

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Lot.126 岸田劉生(1891-1929)
《黒き土の上に立てる女》
62.0×46.8cm
キャンバス・油彩 額装
1914年作
右下にサイン・年代
裏にサイン・タイトル・年代
劉生の会登録証書つき
エスティメイト ★\7,000,000~10,000,000

掲載文献:
『岸田劉生画集 目録・解説』P.136参考33(岩波書店)
『岸田劉生の作品に関する私ノート(郡山市立美術館研究紀要第2号)』P.67№41(郡山市立美術館)
『岸田劉生とその周辺』№2(東出版)
『劉生と御舟展図録』参考図版掲載 P.14 fig.4 1996年(豊田市美術館)
『芸術選書 岸田劉生』挿図22(中央公論美術出版)
『国際写真情報 1961年10月』
展覧会歴:
岸田劉生作品展覧会 1914年(京橋・田中屋)
第14回巽画会美術展覧会 1914年(上野竹之台陳列館)



 「麗子像」の連作で知られる岸田劉生は、日本の近代美術を代表する画家の一人です。まずはその生涯についてお話します。

 1891年、実業家・岸田吟香の第九子として東京・銀座に生まれた岸田劉生は、17歳のとき白馬会葵橋洋画研究所に学びました。20歳の頃、雑誌『白樺』との出会いから後期印象派の洗礼を受け、フュウザン会を結成します。その後、北方ルネサンス絵画に傾倒して写実を追求し、草土社のリーダーとしても活躍。さらに、中国の宋元画や初期肉筆浮世絵といった東洋美術に心酔し、神秘的で内省的な「内なる美」の芸術を生み出していきました。

 では、本題に入りましょう。
本作品はキャンバス裏面の記述より、1914年7月25日(当時23歳)に制作されました。副題を《農夫の姫》といい、1961年に雑誌『国際写真情報』に掲載されて以来行方知れずだったと伝えられています。代々木に住居を構えたこの時期、劉生はデューラーやウィリアム・ブレイクといった北方ルネサンスや西洋古典の巨匠たちの作品に大きな影響を受けました。その「クラシックの感化」は愛情をもって自然を見つめる写実の姿勢や細密描写として、また、宗教画や構想画の要素を取り入れる試みとして作品に表されていきます。

《南瓜を持てる女》rgb_convert_20120319192735
 本作品は、このわずか19日前に制作された代々木時代の名作《南瓜を持てる女》(右参考図版:石橋財団ブリヂストン美術館蔵)に題材と構図が極めて類似しており、同じ西洋古典絵画を参考にしたものと推測されます。両作品ともに、麗子を産み母になったばかりの妻・蓁(しげる)をモデルにしたと思われる農婦が、胸を露わにし大地を踏みしめて立つ姿を生命や豊穣の象徴として描いています。
 劉生は《南瓜を持てる女》において、農婦を聖女に見立て、アーチ型の縁飾りを取り入れて宗教性や精神性の高さを表わしました。それに対して、本作品では農婦の女性らしさやみずみずしさを強調し、高く盛り上がった赤土と密集して茂る草木をいっそう力強く描き出すことにより、満ち溢れるような生命感を理想化して表現しています。
 また、こうした自然の描写には、翌年に制作され草土社の名称の由来となった《赤土と草(赤土と草の道)》(浜松市美術館蔵)との共通性がすでに見て取れ、それは劉生の代表作の一つである前述の重要文化財《道路と土手と塀(切通之写生)》へと展開していきます。

 ちなみに、今週のオークションでは、劉生の代名詞的なテーマ《麗子》も出品されます。こちらは鵠沼時代、1922年5月18日にコンテで描かれた作品です。8歳の麗子が横目で微笑む姿を妖しくデフォルメして描き出したものですが、これはこの時期劉生が没頭していた「グロテスクな美」、すなわち東洋的な超現実性を追求したものです。こうした神秘的な表現は、同じ年に制作された《二人麗子図》(泉屋博古館蔵)や《野童女》にも見て取れます。

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Lot.122 岸田劉生《麗子》
34.2×25.5cm
紙・コンテ 額装
1922年作
左上にタイトル、右上にサイン・年代
劉生の会登録証書つき
『岸田劉生の作品に関する私ノート(郡山市立美術館研究紀要第2号)』P.102№22(郡山市立美術館)
岸田劉生個人展覧会出品 1922年(野島邸)
エスティメイト ★\2,000,000~3,000,000


ミュージアムピースが揃った今回のオークションは、ぜひ下見会で本物をご覧ください。
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皆様のお越しを心よりお待ちしております。

(佐藤)

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今週の近代陶芸/古美術オークション

こんにちは。まだまだ寒暖の差はありますが、ひと雨降る毎に春が近づいて来る気がします。

さて、今週は通常の近代陶芸と共に、「古美術」として厳選された18作品を加え、
近代陶芸/古美術/近代美術PARTⅡ(陶芸)オークションを開催致します。

 今回「古美術」に出品されている作品から何点かご紹介したいと思います。
 
 まず古伊万里、古九谷など江戸時代中期から末期にかけて制作された色絵磁器の作品です。特に注目して頂きたいのはこちらの作品。
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LOT.133「古九谷松鶴文輪花中皿」
D20.5㎝
高台内に描き銘「福(角福)」
『色絵の煌古九谷』掲載 №65(大阪美術倶楽部)
エスティメイト¥8,000,000~¥12,000,000


正保から寛文年間(1644-1661)頃に制作されたと伝えられる古九谷は、大胆な意匠と華麗な色彩感で今なお世界中のコレクターより高く評価されています。この作品は、緑・黄・青・紫・赤の五色を絵付けに用いた五彩手の作品です。吉祥を表わす松と鶴を描き、外側面には宝尽しの文様、高台内には角福が配してあります。
 また古九谷様式で評価されているポイントとしては、皿を斜めにすると虹のような虹彩が見えるかどうかという点があるそうです。この作品は、まさにその虹彩をはっきり見ることができます。これは、釉薬に含まれている銅と炭素が焼成時に結び付き、金属銅に還元し起こるそうです。
 古九谷様式が栄えた後の1690年代末から1700年代初頭に掛けて、古伊万里様式が全盛期を迎えます。金襴手はまさにその頃生まれました。
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LOT.128「古伊万里金襴手獅子大根文兜鉢」
H9.4×D22.3㎝
高台内に「大明萬暦年製」記
エスティメイト¥1,000,000~¥1,500,000


金襴手は色絵に金彩を施した絢爛豪華な磁器を指し、江戸時代元禄期の繁栄と富の象徴として当時の大名や豪商たちを魅了する存在でした。
この作品は鉢の見込みに獅子と牡丹文様、内側には赤の窓絵に大根と人参を描いています。その周囲を埋め尽くす緑地と点描が装飾的であり、金襴手の優れた作例の一つと言えます。


そして、その頃に即位していたのが、東山天皇です。
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LOT.138 東山天皇「震翰御懐紙」
 紙本、軸装
 旧重要美術品認定
 伊達家伝来
エスティメイト¥3,500,000~¥5,000,000
 

東山天皇【延宝3年~宝永6年(1675-1709)】は、霊元天皇の第4皇子で貞亨4年(1687)に即位しました。東山天皇在位期間(23年)は元禄時代に相当し、犬公方と呼ばれた第5代将軍徳川綱吉の在職期間と重なっています。綱吉は皇室を敬ったため、朝廷と幕府との関係は良好で、東山天皇は御料(皇室領)を1万石から3万石に増やし、長く廃絶していた大嘗祭の儀式も復活させました。また、和歌や書をよくし、特に書は元禄という江戸時代の最も華やかな時代を反映した豊かで華麗な作風で知られています。
この懐紙は宝永3年(1706)、東山天皇31歳の時の作で、戦前まで伊達家に伝えられたものです。その後、昭和11年(1936)に伯爵伊達興宗の申請により国の重要美術品に指定されました。300年以上前に書かれたものとしては保存状態も良く、由緒正しき逸品と言えるのではないでしょうか。

また、近代陶芸オークションの見所は、加藤唐九郎、岡部嶺男、加藤重高親子の茶碗がそれぞれ出品される事が挙げられます。

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LOT.87加藤唐九郎「志野茶碗」     LOT.88加藤唐九郎「紅志野茶碗」
H7.8×D13.3㎝               H7.7×D13.2㎝/共箱
高台脇に掻き銘「TK」/共箱        高台内、脇に掻き銘「一ム才」                 エスティメイト                エスティメイト
★¥1,200,000~¥1,800,000     ★¥2,000,000~¥3,000,000
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LOT.86 岡部嶺男              LOT.189加藤重高
「瀬戸黒茶碗」               「志野茶碗 銘 春野」
H8.0×D11.6cm              H7.2×D12.4㎝
高台脇に掻き銘/共箱          高台脇に掻き銘/共箱
エスティメイト              エスティメイト
★¥800,000~¥1,200,000     ★¥50,000~¥100,000


是非、下見会場へ足をお運びください。
近代陶芸/古美術/近代美術PARTⅡ(陶芸)オークション
3/10(土) 16:00~(15:30開場)

下見会日程
 3/8(木) 10:00~18:00
 3/9(金) 10:00~18:00
 3/10(土) 10:00~12:00

ご来場、心よりお待ちしております。

(執筆者:E)

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ザ・ジョージアンクラブ コレクション

こんにちは。
先週のBAGS/JEWELLERY&WATCHESオークションにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

今週25日(土)はワインオークションを開催いたします。
今回の目玉は何といっても「ザ・ジョージアンクラブ コレクション」です。フレンチがお好きな方なら「ザ・ジョージアンクラブ」の名前はよくご存知でしょうか。もし東京にお住まいならば「思い出の場所!」という方もいらっしゃるかもしれません。今回のオークションでは、憧れのグランメゾン旧蔵のワインが194ロット出品されます。
というわけで、今日は「ザ・ジョージアンクラブ」のお話をさせていただきます。


「とあるディレッタントの英国紳士が自分のタウンハウスを開放し、
同好の志が集まるクラブを結成しました。
その紳士の名はジョン・ラッカム。
そしてクラブの名は ザ・ジョージアンクラブ。」


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かつて東京・西麻布にあったザ・ジョージアンクラブは、このような雰囲気を理想として建設された一軒家のグランメゾン。設計から竣工まで10年の月日を費やした建物は、「Age of Elegance」と称された18世紀後半から19世紀前半にかけてのイギリスのジョージ王朝様式を忠実に再現した白亜の洋館です。この様式は古代ギリシア・ローマ美術を基に生み出され、その調和のとれた威厳漂うデザインが英国貴族たちの間で流行し、彼らの邸宅へ取り入れられたもの。ザ・ジョージアンクラブは、イギリスのレストランではもう体験することのできないこの古き良き英国の貴族文化を蘇らせるべく、本場の建築家に設計を依頼し、シャンデリアや燭台、絵画といった様々な家具や調度を輸入して当時の内外装を見事に実現させました。特に、螺旋階段の階下に広がるメインダイニングは、まるで近世のヨーロッパにいるかのような豪奢で気品溢れる空間として演出され、訪れるゲストに優雅な時間をもたらし、非日常の世界へと誘ったといいます。
 
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豪華なメインダイニング。日本にいることを忘れてしまいそうです。

レストランの主役である料理は、フランスの三つ星レストランで部門シェフを務めたシェフによるもので、西洋の美意識が貫かれた伝統的な味つけに目新しい西洋野菜やフレッシュハーブ、複雑にミックスしたスパイスを使用したモダンなスタイル。その多彩な味わいに合わせ、ワインは6000本以上収容可能な地下のワインセラーでつねに充実した質量が用意され、日常の保管はもちろんのこと夏期に納品させないなど、徹底した温度・湿度管理で品質が保持されました。
 そのセレクションの秀逸さには定評があり、ワインを目当てに訪れる愛好家も多く、Krug前当主・Henri Krug氏と現当主・Olivier Krug氏、Taittinger前当主・Claude Taittinger氏、Domaine de la Romanee-Conti当主・Henri-Frederic Roch氏、ヌーヴェル・キュイジーヌ界で最も影響力のあるレストランガイド『Gault Millau』を創刊した料理評論家・Henri Gault氏、英国王室御用達のワイン商Berry Bros. & Ruddのマスター・オブ・ワインなど、そうそうたる顔ぶれも料理とともにワインを楽しんだそうです。また、それらを提供するサービスも料理や建物同様に一流で、ゲストにとって心地よい空間づくりやぬくもりを重視した接客で知られました。

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Bar(左)やSalon(右)もステキです。随所にオーナーのこだわりが見て取れます。

こうしたすべてのもてなしは、このレストランに集う人々に幸福が訪れるようにというオーナーの願いが反映されたもので、建物の正面に刻まれた「FORTUNA DOMUS MEA(我が幸福はこの家と共に在り)」というラテン語の銘文にもそれが見て取れます。日本屈指のグランメゾンとしてフランス料理界にその名を轟かせたザ・ジョージアンクラブは、2007年秋に発表された『ミシュランガイド東京2008』で一つ星を獲得。しかし、2008年3月、このレストランを愛した多くの紳士や淑女たちに惜しまれながらその歴史に幕を下ろしました。

特別な日に、あるいはザ・ジョージアンクラブの思い出とともに、世界中のワイン通に愛された名店のワインを楽しまれてはいかがでしょうか?

下見会・オークションスケジュールはこちら
※下見会は予約制になります。

みなさまのご来場を心よりお待ちしています。

(佐藤)

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2月18日開催 BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション

2月も半ばに差し掛かり、春の訪れを予感させるような、少し寒さの緩む日も出て参りました。外を歩けば梅の蕾が少しずつ膨らみ始めており、今年の寒さももう少しの辛抱かなと明るい気分にさせてくれます。

さて、今週は2月18日(土)に、BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークションを開催致します。
カタログをご覧いただいた皆様はご存じかと思いますが、今回はヒスイが多数出品されています。過去の弊社オークションでもヒスイは競り上がることが多く、他の色石と比べても群を抜いた人気の高さが窺われます。ヒスイは第二次世界大戦後に大きく値が上がり、数十倍の価格がつくものもありました。その後は高値安定で、産出よりも需要が多いという、まさに希少性の高いものとなっています。
一般的にヒスイは英語でjade(ジェイド)と呼ばれますが、ヒスイ(ジェイド)とは、全く別の鉱物である軟玉(ネフライト)と硬玉(ジェダイト)の総称です。ちなみにヒスイの宝飾加工品と言えば中国を思い浮かべる方も多いと思いますが、現在世界的に宝石とみなされるジェダイトは中国からは産出されません。中国で古くから加工されていたのはネフライトの方であり、ジェダイトの加工が行われるようになったのは、ミャンマーから中国にジェダイトが伝わった18世紀以降のことです。一方、日本では約7000年前の縄文時代に現在の新潟県糸魚川市からジェダイトが出土し、その頃から宝石文化は生まれていたようです。
ヒスイは不老不死および生命の再生をもたらす力があると信じられており、古代中国や中南米では権力者の遺体全体を玉で覆うということが行われていました。日本でも、天皇家の象徴である三種の神器の一つ、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)は、ヒスイで作られているといわれています。
宝石の中でもとりわけ古い歴史を持ったヒスイですが、中国では現在でも皇玉として他の宝石より価値が高いとされています。日本では現在ヒスイの採取は全面的に禁止されていますが、我が国から出土する数少ない宝石の一つとして安定した人気があるのは頷けますね。

さて、そんなヒスイの購入時にはいくつか注意したい点がございます。まず、そのヒスイがジェダイトであるのかネフライトであるのか、十分にお調べ下さい。深く魅力的な緑色を持つものがジェダイトと言われていますが、物によっては見た目で判断がつきにくい場合があります。弊社で扱う商品はもちろんジェダイトのみですが、鑑別機関に検査を依頼して初めてネフライトと判明するものもまれにあります。その他、多孔質なヒスイの性質を利用して、ヒスイに染料を吸収させ良い色を出しているもの、色つきの樹脂を含浸させたもの、ヒスイの粉末を樹脂で練り固めたものも多数出回っていますので、信頼できる鑑別機関を通っているものをご購入されることをお勧めします。

今回出品されているヒスイの商品をいくつか紹介します。
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LOT309 ヒスイ
  落札予想価格¥50,000~100,000

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LOT330 ヒスイ ダイアモンドリング
 落札予想価格¥130,000~250,000

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LOT333 ヒスイ ダイアモンドリング
  落札予想価格¥230,000~350,000


皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

[下見会] シンワアートミュージアム
2月15日(水)~2月17日(金) 10:00~18:00
2月18日(土)10:00~12:00

[オークション] シンワアートミュージアム
2月18日(土)14:00~


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器の歪み ─ 歪みの美学(志野焼)

一月も半ばに入り、寒さがますます厳しくなってきました。
遅ればせながら、本年も弊社をよろしくお願いいたします。また箸休め的にこちらのブログもチェックしてみてくださいね。

 さて、今年は陶芸の産地毎のそれぞれの見どころをご紹介できればと思います。では焼き物生産量トップである美濃焼(みのやき)の「志野」から。

「志野」というのは、岐阜県多治見市、土岐市、瑞浪市など作られている美濃焼の種類のひとつです。他にも「織部」「黄瀬戸」「瀬戸黒」、「天目釉」など種類が多岐に渡ります。ただこれは基本の種類であって、ここから「鼡志野」、「織部黒」、「鳴海織部」など派生し約15種類にも及ぶそうです。下記の画像でも分かるように艶やかな色が特徴といえるでしょう。
美濃焼4画像450

荒川豊蔵、加藤唐九郎、加藤卓男、鈴木蔵氏などが代表的な作家として挙げられます。
2010年には加藤孝造氏が人間国宝(重要無形文化財保持者:瀬戸黒)に認定されました。
  
 

さて、器の楽しさ、美しさとはどこにあるのか。日々素晴らしい器に触れさせていただく中で、それは器特有の「歪み」にあるのではないかとふと思うことがあります。歪みといっても、単にひしゃげていたり、乱雑に手が加えられたということではなく、たとえば手びねりによる歪み、形態が持つ独特の歪みは否定的な意味を超え、接する者にとって愛着のある美となりえます。
個人的に志野焼は、この歪みが合うように思います。志野の長石釉の美しさは、たとえば有田焼のような凛とした白磁の器の美しさとは全く異なるものです。手に取れば温かみを感じるような土くささが魅力なのではないでしょうか。
 器の醍醐味は、視覚だけでなく、直接作品に触れるという+アルファの鑑賞ができることです。つまり、愛着を持つことにあると思います。
こちらの鈴木蔵氏の《志野白梅皿》の魅力は、雪のような志野の釉薬、ほっこりするような緋色の暖かさといった視覚から感じられるものはもちろん、作家が愛でながら成型したであろう心地よいでこぼこ ─ 「歪み」にあると思います。白梅のモチーフや志野特有の柔らかい釉薬の質感に手で触れることによって、一層温かみが感じられるのです。

オークションの下見会は、見て、愛でる機会でございます。

本年もぜひ、絵画・立体に関わらず、弊社オークションにお足運びいただけましたら幸いです。

(執筆者:E)

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