月別アーカイブ: 2013年9月

JEWELLERY & BRAND SHOP 1周年記念セールのお知らせ

9月29日(日)からジュエリー&ブランドSHOPの1周年記念のセールが始まります。

50%OFFの商品を、たくさんご用意しております!

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また、セール期間中の10月9日(水)~11日(金)にはデザイナーを招いて、ジュエリーのリフォーム・オーダーメイドの無料相談会を開催いたします。

眠っているジュエリーや、理想のジュエリーのイメージがありましたらぜひお気軽にご相談くださいませ。

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昨年の9月12日に正式OPENしてから、これまでたくさんのお客様にご利用いただき、沢山のあたたかいお言葉をかけていただきました。本当にありがとうございます。

喜んでいただけるよう、精進してまいりますので今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

笑顔でお待ちしております!


ジュエリー&ブランドSHOP 販売担当 永井

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富士山を描く―川合玉堂、片岡球子、山下清


こんにちは。
今日は富士山のお話をしたいと思います。

今年の6月、富士山が世界文化遺産に登録されました。
その後、入山料が導入される、登山鉄道を作る構想がある…などの新しい話題に事欠かず、毎日のように映像や写真を見かけるので、ブームはまだまだ続いているようです。
もしかしたら、この夏に登られた方もたくさんいらっしゃるかもしれませんね。
今年の登山シーズンはもう終わってしまったので、私も来年こそは!と思っています。

富士山が世界「自然」遺産ではなく、「文化」遺産に登録されたのは、古くから日本人の「信仰の対象であり芸術の源泉」だったことが評価されたためだそうです。
平安時代の絵巻《聖徳太子絵伝》(国宝・東京国立博物館蔵)にはすでに富士山が描かれていますし、江戸時代には葛飾北斎や歌川広重が富士山をテーマとした浮世絵の連作を制作しました。

ご存知のように、横山大観や梅原龍三郎など、近代にも富士山に魅了され、その雄大な姿を描いた作家たちがたくさんいます。
9月28日(土)の近代美術オークションにも富士山を描いた作品が出品されますので、その中からおすすめの3点をご紹介したいと思います。

【 オークション終了につき、画像は削除いたしました 】

lot.40 川合玉堂
(1873-1957)  
《富嶽》
57.4×73.5cm
絹本・彩色 額装
右下に落款・印
川合修二シール
東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書付
落札予想価格 \1,000,000~2,000,000


 川合玉堂は最近出版された、富士山の名作を集めた作品集『富士山百画』の中にも作品が収録されています。「玉堂の富士山が好き」という方がたくさんいるということですね。
 この作品は、落款・印より昭和20年代の作と思われます。この時期、川合玉堂は現在の東京都青梅市御岳に住居を構え、豊かな自然の中で充実した画業を展開しました。
 ここに描かれたのは玉堂の画室の近く、奥多摩の山から見た富士山でしょうか。実際の風景をもとに、樹木やほかの低山と組み合わせた心象風景として表現しています。辺りに漂う霞が、山のしっとりとした濃密な空気を表わすとともに、平面的に配置された各モティーフを調和させています。日本の原風景を描き続けた玉堂らしい、清々しく穏やかな富士山です。


【 オークション終了につき、画像は削除いたしました 】

lot.44 片岡球子
(1905-2008)   
《富士》
37.8×45.5cm
紙本・彩色 額装
右下に落款・印
共シール
東京美術倶楽部鑑定委員会付
落札予想価格 \8,000,000~12,000,000


 片岡球子は富士山をたくさん描いた作家です。特に、晩年の20年間は制作の大半が富士山になるほど没頭し、歴史上の人物を題材にした「面構え」シリーズとともに球子のライフワークとなりました。
 この作品では、中央に大きな大きな赤富士がそびえ、それを飾るように裾野に様々な花と樹木が描かれています。これらは「描かせてくれてありがとう」というお礼の気持ちを込めて、球子から富士山への献花として、まるで山に華やかな着物を着せるように描き添えられたものです。形の大胆なデフォルメ、三原色や金泥を使った鮮やかな色調などの装飾的な表現によって、富士山の満ち溢れるような生命のエネルギーを描き出しています。


【 オークション終了につき、画像は削除いたしました 】

lot.81 山下清(1922-1971)
《富士山》
43.8×36.4cm
紙・ペン 額装
右上にサイン・印
山下清鑑定会鑑定書付
落札予想価格 
\1,300,000~1,800,000



 「裸の大将」でおなじみの山下清の富士山です。
山下は放浪の旅で訪れた日本各地の風景を、貼り絵や油彩画、ペン画によって表現しました。
 この作品は富士山のよく見える場所を訪れたときのスケッチをもとに描かれたものでしょうか。細やかな点描のタッチとデフォルメされた形から、和やかで物語的な雰囲気が漂います。また、どことなく葛飾北斎の《富嶽三十六景》を思わせるような雲をまとった富士山の佇まい、そのスケール感を引き立たせるような構図が秀逸です。

今週のオークションには、田崎広助、福王寺法林、平松礼二、松尾敏男、松林桂月、松本哲男など、ほかにも富士山を描いた作品がたくさん出品されます。
本日からの下見会で、ぜひお気に入りの1点を見つけてみてはいかがでしょうか。
下見会・オークションスケジュールはこちら

皆様のお越しを心よりお待ちしています。

(佐藤)
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近代陶芸/古美術/富本憲吉記念館 辻本勇コレクション オークション開催!!


今週末9月14日(土)に近代陶芸/古美術/近代美術PartⅡオークション、そしてさらに富本憲吉記念館 辻本勇コレクションオークションが開催されます。

今回注目して頂きたいことは、古美術と富本憲吉記念館が所蔵していた作品群がまとめてオークションに出品されるという点です。
まず、古美術の中から色鍋島の尺皿をご紹介致します。
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色鍋島は元禄期に徳川家や大名への献上品、贈答品の為に作られた色絵磁器のなかでも最高峰の器です。当時からその格調の高さは別格でしたが、現在においても評価の高さは変わっていません。むしろ既存の作品が少ない分、さらに人気は高くなっているのではないでしょうか。なによりこの大きさ!盛期に作られた色鍋島で、尺皿(約直径30㎝)の大きさのものが世に出てくるのは、本当に珍しいことなのだそうです。大きさだけでなく、描きこみも細密で萩の花のたわわな感じは、技術の高さを窺わせます。
 日本が世界へ誇る「鍋島」を是非一度じっくりとご覧ください。

さて、もうひとつの目玉をご紹介します。

 富本憲吉記念館は、昭和49年(1974)に富本の生家である奈良県安堵町に私設美術館として創設されました。これは、富本憲吉と同郷の実業家・辻(本来は“しんにょう”の点は一つ)本勇氏の個人コレクションとして始まり、34年間個人運営をされてこられました。平成20年(2008)に館長である辻本氏が逝去され、平成24年(2012)に閉館されることとなり、平成25年(2013)3月より富本憲吉文化資料館として平成26年(2014)2月迄期間限定で公開されております。そして、閉館に伴い今回ご遺族が所有されていた作品が本オークションに出品されることとなったのです。

 富本憲吉作品にこれまでご興味のあった方々は、今回のカタログをご覧になり驚かれたのではないでしょうか?図録などに多数掲載されてきた作品が多く出品されています。また若い頃の作品や、「圖案百図 四十四葉」のように、富本作品の圖案が観られることもまたとない機会と言えるでしょう。富本憲吉の鑑定人でもあった辻本勇氏がコレクションしていただけあり、今回の作品は美術史的にも資料的価値の高いものばかりです。

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 富本は多くの有名な格言を残しています。
「模様から模様はつくらず」「“たからもの”はつくらない」
そして遺書には「墓不要、残された作品をわが墓と思われたし」と記されてあったそうです。 これほど言葉や精神性を世に残した陶芸家もいないのではないでしょうか。それが多くの人を魅了している理由なのかもしれません。約160点にも及ぶ富本憲吉作品群に、ぜひ会いにお越しください。
(執筆者:E)

 下見会・オークションスケジュールはこちら。
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オークションの舞台裏 -愛すべき小道具たち-

猛暑もひと段落して朝晩も涼しくなり、ようやく秋の気配が訪れ始めましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

さて、社内では夏季休暇が終わり9月のオークションに向けて、各部署ともリフレッシュしたメンバーが精力的に働いております。今回の舞台裏は、普段私たちが社内外で使用している色々な道具についてご紹介したいと思います。

風呂敷
もしかすると皆さんの中に、銀座の街中で風呂敷包みを抱えて歩いている人を見かけたことがある方がいらっしゃるかもしれません。風呂敷は美術業界では今でも日常的に使われている道具の一つです。風呂敷、真田紐
風呂敷と真田紐。その柄でどこの画廊かわかることも

 弊社では、入社するとすぐに風呂敷の扱い方を教わります。キチンと包めているかどうかでこちらの美術に対する姿勢や技量が計られることもあるので、たかが風呂敷と侮ることはできません。
この風呂敷、大きさはさまざまありますが、絵画や陶芸作品はもちろん画集や備品などとにかく何でも包んで持ち運ぶことができ、使い終わったら小さく丸めてしまっておけるという大変便利な代物です。営業や鑑定、倉庫から下見会場への移動時など、さまざまなシーンで活用されています。

風呂敷

入社してはじめの頃は、銀座の大通りを風呂敷包み抱えて歩くのが恥ずかしかった覚えがありますが、しばらく使っていると、何でも包めてとても使い勝手がよく、かつ、エコでもあるこの風呂敷の魅力が段々とわかってきて、そのうちに包みを持って歩くことがカッコよく思えてきたから不思議です。

今では私用でも使っており、引っ越しの時に使ったり、旅行のときなどトランクに一つ忍ばせて、旅先などで荷物が増えた時などにとても役立っています。

真田紐
これも、陶芸作品や茶道具などの桐箱に使用されているので、美術品の愛好者ならば一度は目にしたことがあると思います。しかし、ここで私がご紹介するのは、幅約2~3cmのもう少し太い真田紐。どの様な使い方をするのかと言うと、先ほどご紹介した風呂敷で包んだ作品などを更にしっかりと固定するために使います。例えば、風呂敷で大きさの違う陶芸作品を数点包んで運ぶ場合、風呂敷のみだと歩いている間に作品自体の重みで結び目が伸びてきたり、段々と包みが緩んできてしまいます。そうすると、持ちにくくなったり荷崩れしたりするので、作品に危険が及んできてしまいます。そこでこの真田紐を使って全体をくくると、作品がしっかり固定できて包みも緩まなくなり、また、画像でもわかる通り鞄のような具合となり大変持ちやすくなります。
つつむ風呂敷紐完成
なるべく四角くまとめて、クルクルっと完成!

風呂敷同様、使い慣れてくると昔からある日本の日用品がこんなにも便利で使いやすいものであることに改めて驚きを感じます。

メジャー(ART SCALE)
 世の中では、さまざまな業種でそれぞれの用途に合わせて色々なメジャーが使われていると思います。美術業界でも、多くの方に支持され長く使用されているメジャーが存在します。
多聞堂メジャー

 一見ただのグレーの小さな巻尺に見えるこのメジャー、中を引っ張りだすと目盛りの他に絵画の号数が印刷されています。もちろんオークション会社の社員として号数が頭に入っていることは大前提ですが、一度に多くの作品を採寸する場合などには、サッと測ってすぐわかるこのメジャーがとても威力を発揮するのです。
 このスグレもののメジャーは、額装の老舗、岡村多聞堂さんの実用新案登録で、業界では多聞堂メジャーなどとも呼ばれています。裏側にはフランス寸法があり、洋画、日本画、外国絵画いずれも対応可能なのです。メジャーは2mまでですが、号数はなんと500号まで記載されています。私も入社してすぐに渡されたメジャーを常に鞄に忍ばせ、今でも使い続けています。
多聞堂目盛
私のメジャーには尺寸を手書きで入れています


 今回ご紹介した3つは私たちが使っている諸道具のほんの一部ですが、美術業界にはなくてはならないモノと言っても過言ではないものです。私も入社以来、非常に愛着を持って使い続けています。風呂敷などは普段から使用できるものですので、皆さまも是非お使いになってみてはいかがでしょうか?

(平野)

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