4/16西洋美術オークション 下見会開催中です

こんにちは。
3月30日に羽田空港で開催いたしました「United Asian Auctioneers  SHINWA AUCTION×LARASATI Auctioneers×iART auction×ISE COLLECTION」にご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
今週の16日(土)は、「西洋美術 BAGS/JEWELLERY&WATCHES」オークションを開催いたします。本日から下見会を開催しておりますので、今回は会場の様子をご紹介いたします。


1階はラリックやガレ、ドームなど、ガラス作品を中心に展示しています。
幾何学文や「マグダラのマリア」など、マイセンの陶板も色々出品されます。











ジュエリーや時計、バッグのコーナーも1階にあります。
今回はパテック・フィリップの時計の品揃えが充実しています。











地下はギリシャ、ローマ、エジプト、ペルシャ、シリアなど、古代の美術品を展示しています。土偶や土器、銀化硝子瓶といった、長い年月を経て現在に遺る作品が100点以上並ぶ様子は、まるで展示ケースのない博物館のようです。

 

 

 

 

 

ぜひ下見会場で実物をご覧ください。
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なお、ご入札は、ご来場のほか、書面入札、オンライン入札、電話入札、ライブビッディングなどの方法でも承っておりますので、お気軽にご参加ください。
新型コロナウイルスの感染予防対策をしっかりと行い、皆様のご参加をお待ちしております。

(佐藤)

山口長男のかたちと構成―《五つの線》

こんにちは。
12日(土)の「WINE/LIQUORオークション」にご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
30日(水)は、「United Asian Auctioneers   SHINWA AUCTION×LARASATI Auctioneers×iART auction×ISE COLLECTION」を開催いたします。今回のオークションはDAY SALEとEVENING SALEの2部構成となり、下見会とオークションは通常と一部会場が異なりますので、ご確認の上ご来場くださいますようお願いいたします。
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また、オークションは予約制となります。(下見会はご予約なしでご覧いただけます)
お手数をおかけいたしますが、当日ご来場される方は事前のご予約をいただきますようよろしくお願いいたします。
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さて、今回も出品作品の中からおすすめの1点をご紹介いたします。
日本の抽象絵画のパイオニアの一人、山口長男(やまぐちたけお)の大作です。






352  山口 長男(1902-1983)
《五つの線》
 180.0×180.0cm
 板・油彩 額装
1954年(昭和29)作
 山口長男作品登録会登録カード付

落札予想価格 
¥70,000,000~¥120,000,000

掲載文献
・『山口長男作品集』(1981年/講談社)№92

出品歴
・「第39回二科展」1954年
・「第3回サンパウロ・ビエンナーレ展」1955年
・「現代日本洋画展―戦前から戦後へ―」1980年(群馬県立近代美術館)
・「山口長男展」1987年(練馬区立美術館)
・「山口長男とM氏コレクション展」2016年(ときの忘れもの)

山口長男は、イエロー・オーカー(黄土色)やヴェネチアン・レッド(赤茶色)の色彩を用いて、かたちの構成や色面の広がりを表現した、日本の抽象美術の先駆的な存在です。朝鮮の漢城(現・ソウル)に生まれ、19歳の時、東京美術学校(現・東京藝術大学)西洋画科に入学するために上京。1927年の同校卒業後すぐに渡仏し、パリでは佐伯祐三らとともに制作に励みました。1931年に朝鮮に戻った後は二科会を主な発表の場としながら、九室会や日本アヴァンギャルド美術家クラブなどにも参加し、戦前から戦後にかけての前衛美術運動に深く関わっていきました。
戦後は東京に住居を構え、自然の実体を大らかに捉えて簡潔なかたちによって表現する抽象絵画を追求し、円熟期にはかたちの面的な広がりとともに、「絵具を塗る」というプリミティブな動作の表象へと作品を還元していきました。1955年に第3回サンパウロ・ビエンナーレ、1956年には第28回ヴェネチア・ビエンナーレに出品するなど、国際的にも活躍しました。

1954(昭和29)年作の本作は、同年の第39回二科展、翌年の第3回サンパウロ・ビエンナーレに出品された、この時期を代表する作品の一つ。山口が限定して使用した二組の色彩のうち、プルシャン・ブルー(紺青色)の地とヴェネチアン・レッドの図の組み合わせが表されています。これは山口が自身の「性格色」*1)と呼んでこだわり続けた色彩であり、特にヴェネチアン・レッドは山口が生まれ育った朝鮮をイメージした色彩であるといいます。
円形とそれを中心として構成された五つの帯状の矩形は、幾何学的な抽象とは異なり、手仕事ならではの自然なゆがみを備え、有機的でぬくもりを感じさせます。さらに、それぞれが響きあうかのように均衡と緊張感を保ち、地と拮抗して確かな存在感を湛えているようです。また、色面が画面を覆い尽くすような円熟期の作品に見られる、塗ることへの強い執着は本作にはまだ表れていませんが、ペインティングナイフを用いた丹念な筆致と重厚なマチエールにはその萌芽が見て取れます。山口の創造の源泉である自然との交感、そして生命のリズムが、豊かに朴直に表現された作品と言えるでしょう。

この作品は保税対象作品となりますので、3/28(月)~3/29(火)の期間、羽田空港第1ターミナル内6F ギャラクシーホールの下見会場でご覧いただけます。(銀座下見会場には展示いたしません)
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ご入札は、ご来場のほか、書面入札、オンライン入札、電話入札、ライブビッディングなどの方法でも承っておりますので、お気軽にご参加ください。
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(佐藤)


*1)山口長男「色いろの告白」『芸術新潮』第10巻6号 1959年

―明治期に生まれた二大陶芸作家 《板谷波山と富本憲吉》―

こんにちは。

先週末からようやく春の気配が感じられるようになり、梅の見頃も近づいてきているところが多いのではないでしょうか?引き続きコロナ禍のなかではありますが、感染対策につとめながら下見会とオークションを行います。ぜひ気分転換のつもりで足をお運びくださいね。

 

さて、今週末に行われます「近代陶芸/近代陶芸PartⅡオークション」からこちらの作品をご紹介いたします。

明治に入り、近代化する社会のなかで、職人としての陶工ではなく、作家としての陶芸作家の地位を確立させたのは、板谷波山(いたや はざん)【1872-1963(明治5-昭和38)】と富本憲吉(とみもと けんきち)【1886-1963(明治19-昭和38)】の影響が大きかったと言われています。

 波山は、代々の家業を継ぐ形で陶工になったのではなく、美術学校で様々な工芸を学び、それぞれの技術を総合し融和させ、地場産業ではない陶芸(当時は波山焼きと呼ばれていました)を生み出しました。また、富本も大和(奈良)、東京、京都と制作地を変えながらも、西欧化する生活のなかに於いて“インテリア”としての陶芸を追求しました。

 両者に共通していることは、「図案」に強い信念を持っていたことでしょう。まずは波山ですが、波山はアールヌーヴォーや、インド更紗、ネイティブ・アメリカンの土器模様など異文化社会の芸術を取り入れ、巧みに発展させた意匠を生みました。とりわけ大正中期頃からは、吉祥文を好んで描いています。今回出品の「瑞凰雲龍文」や「瑞芝(ずいし)文」も不老長寿などを意味する吉祥文です。

そして富本は、既存の模様を使うのではなく、自ら模様を生み出していきました。今回の1952年に作られた「羊歯(しだ)模様」は、前年に金と銀を同時に焼き付けることに成功し出来た金銀彩が、最も映えるとされ、富本を代表する模様であると言われています。4枚の羊歯の葉を菱型に配置し、それを連続させており、鑑賞者を引き込む力強いものです。

その他にも、波山は「青磁」と「裂文(れつもん)青瓷」の袴腰(はかまごし)形の香爐が、富本は「天目釉蝋抜模様壷」、色絵の「風景曲がり道」と「壷と花」の陶板、そして四弁花の「大鉢」が1点出品されます。

 

また、色絵磁器でも、佐賀の地場を引き継いでいる作家も多く出品されます。重要無形文化財保持者(人間国宝)十四代今泉今右衛門の作品をはじめ、洗練された技術を誇る当世作家の作品もお楽しみください。

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【江口】

岸田劉生の鵠沼時代―《鵠沼風景》と《村娘之図》

こんにちは。
今週の29日(土)は、2022年1回目のオークションとなります、近代美術/近代美術PartⅡ/コンテンポラリーアートオークションを開催いたします。
新年のご挨拶が遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回も近代美術オークションの出品作品の中から、おすすめの作品をご紹介いたします。
日本の近代洋画を代表する異才・岸田劉生が最も充実した画業を展開した、鵠沼(くげぬま)時代に制作された2つの作品です。

岸田劉生(1891-1929)は38年という短い生涯に、その強烈な自我と個性で、重要文化財として名高い《道路と土手と塀(切通之写生)》(1915年作・東京国立近代美術館蔵)や《麗子微笑》(1921年作・東京国立博物館蔵)といった名作の数々を生み出した画家です。
1916年に肺結核を患った劉生は、その翌年、療養のために温暖な神奈川県鵠沼海岸(現・藤沢市)に転居します。この地で次第に健康を取り戻し、「麗子像」と「村娘図」の連作のほか、風景画や静物画、日本画の制作にも取り組み、関東大震災で自宅が被災する1923年9月までのおよそ6年7ヶ月(25歳から32歳まで)、旺盛な制作活動を行いました。

まず1点目はこちらの風景画です。



254 《鵠沼風景》
23.4×32.8cm
(額装サイズ43.8×53.0cm)
板にキャンバス・油彩 
1919(大正8)年
右上にサイン・年代
裏に木村荘八の署名・印
劉生の会登録証書付



『郡山市立美術館 研究紀要第3号 岸信夫作成「岸田劉生の作品に関する私ノート」1915-1929』

(2003年/郡山市立美術館)№62、図32

落札予想価格 ★¥12,000,000~¥18,000,000


1919年6月に制作された本作では、初夏の長閑な鵠沼の情景が伸びやかで素朴な作風によって表現されています。広い空と明るい陽光の下、道の両脇や後景に鬱蒼と生い茂る草木は、そのフォルムが省略され、野性味が際立たされています。また、画面前景から奥へと続く道は、画業を通して多くの風景画に描かれたモティーフであり、芸術家としての「自分の行く道」を示すものとも考えられます。その途上に描き込まれた点景人物、着物を着た小さな子どもは愛娘の麗子でしょうか。神秘的な「麗子像」の連作とは異なり、本作では愛するもののいる穏やかな世界を描くことと、それに相応しい朴訥とした表現を楽しむような劉生の作画姿勢をうかがわせます。


2点目は鵠沼時代の代名詞の一つ、「村娘図」シリーズの作品です。

 
 255 《村娘之図》
 43.3×32.5cm(額装サイズ61.2×50.4cm)
 紙・コンテ、水彩 額装
 1920年作
 左上にサイン・年代・タイトル
 劉生の会登録証書付

 落札予想価格
 ¥12,000,000~¥22,000,000

 
「村娘図」のモデルとなったのは、お松という名の近所に住む漁師の娘です。お松の母が岸田家の台所の手伝いをしていたことから、年齢の近い麗子と遊ぶようになり、その田舎風の素朴な姿を劉生が気に入って、描かれるようになったといいます。

本作は、画面左上の年記より1920年10月22日の作とわかりますが、劉生の
この日の日記に「午後からお松が来たので素描一枚かく。」と記された作品でしょうか。赤い花の髪飾りと羽織を身に付け、きちんと手を組んで座るお松の様子が、コンテを使用し、陰影と立体感を強調した筆致によって描かれています。さらに、真っ直ぐ前を見つめる無垢な瞳、血色の良いふっくらとした頬や手が水彩によって愛らしく生き生きと表現されてもいます。
なお、この「村娘図」の連作は、本作のように主に水彩と素描の技法によって描かれました。劉生は水彩の「新鮮(フレッシュ)な自由な大胆な強い味」*1)と、油彩ほどの時間をかけず、対象の「美をいきなりつかむ」*2)ことができる特性を好んだといいます。本作においても、お松から感じ取った「顔や眼や眉の変(ママ)に宿る不思議な澄んだ永遠な美、生きた力」*3)を直ちに捉え、実にみずみずしく描き出したと言えるでしょう。

                          
                          サイン・年代  →
                                                                                                 (拡大)

鵠沼時代の2つの作品、ぜひ下見会場で実物をご覧ください。
また、今回は同日に「イセコレクション特別オークション」を開催いたします。
ローランサンやデュフィ、ビュッフェなど、フランスの近代美術の作品が出品されますので、こちらもお楽しみに。

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(※オークション当日は下見会を開催いたしませんので、ご注意ください)

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(佐藤)


引用文献
*1)「水彩素画個人展覧会に就て其他雑言」『白樺』第11年3号 1920年
*2)前掲註1
*3)岸田劉生『色刷会報』第1輯6 1918年

陶芸/古美術オークション下見会・本日より開催(3日まで)


こんにちは。12月に入りまた一段と冷え込みが深まるようですが、体調お変わりないでしょうか?

 

今週4日土曜日に、「近代陶芸/古美術/近代陶芸PartⅡオークション」が開催されます。今回は通常とはスケジュールが異なりまして、本日から3日金曜日午後4時まで下見会を開催しております。土曜日は下見会を行いませんので、お気をつけください。また、引き続き、オークション・下見会ともに新型コロナウイルスの感染予防対策を行いながら実施してまいりますので、何卒ご協力のほどお願い致します。

 

本日から始まりました下見会場はこのような雰囲気です。

古美術下見会場

こちらの部屋では、左から宗達、光琳、乾山、そしてもう一幅、光琳といった名立たる琳派の作家の書画が並び、右の壁には狩野元信・永徳・探幽と共に「狩野派四大家」として数えられている狩野常信の三幅対が掛けられています。

 また、平成元年(1989)に新発見されたという円空仏(えんくうぶつ)も出品されています。

円空

LOT.231 円空H30.8×W15.6cm
長谷川公茂箱
『円空研究 28』掲載(円空学会 編)
落札予想価格:500万円~800万円

 円空【寛永九–元禄八(1632-1695)】は、美濃国(現・岐阜県南部)に生まれた江戸時代前期の修験僧(廻国僧)です。寛文六年(1666)から約30年間に渡り各地を巡り、修行を続けながら人々を苦しみから救うため、造仏に励んだ仏師としてよく知られています。

 その足跡は近畿から遠く北海道にまで及び、生涯で12万体の仏像を彫ったと推定されています。そのうち、現在までに発見されているのが約5,300体。それらは、「円空仏」と呼ばれ、こよなく愛されてきました。一見素朴な木彫りの仏像に見えますが、山村で田畑や山の仕事に携わっていた人々が、切実に願った恵みの雨、豊かな実り、無病息災といった祈りに寄り添い造ったからでしょうか、円空仏は慈愛と迫力に満ち、目前にすれば、その存在感に圧倒されます。

 今回はこのような作品を含め古美術作品が、90点出品されますので、ぜひこの世界観をご堪能ください。

 

続いてこちらは、魯山人の作品群です。

魯山人の大壷4点

今回は、魯山人のなかでも人気のある良寛詩が描かれた染付と、鳥と竹が絵付けされた染付が出品されます。また、伊賀の朽ちた風情を敢えて真似た、魯山人の美意識が表れた作品が、偶然にも大型の壷で揃いました。ぜひ見比べてお楽しみ頂ければと思います。

 

オークションは、4日土曜日14時です。スケジュール詳細は下記をご参考ください。

オークション・下見会のスケジュールとご予約について、オンラインカタログはこちら

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                       執筆者:E

夭折の天才・佐伯祐三の「下落合風景」 その2

こんにちは。
東京は暖かい日が続いておりますが、あっという間に11月も半ばとなりました。実感は全然ありませんが、今年もあと少しです。今年の年末は久しぶりに旅行に行かれるという方や、遠方のご家族やご友人と一緒に過ごされるという方も多いのではないでしょうか。引き続き感染対策をとりながら、お楽しみくださいね。

さて、今週20日(土)は、近代美術/近代美術PartⅡ/コンテンポラリーアート/MANGA オークションを開催いたします。今回も出品作品の中からおすすめの一点をご紹介いたします。
3/27の近代美術オークションに、佐伯祐三の《下落合風景》が出品されたのを覚えていらっしゃる方もおられるかもしれませんが、このたびまた「下落合風景」シリーズの作品が出品されることになりました。
















401 佐伯祐三
《看板のある道》
33.5×45.5cm(額装サイズ 55.0×66.8cm)
キャンバス・油彩 額装 
1926年頃作
裏木枠に署名
『佐伯祐三全画集』(1968年/講談社)№295
東美鑑定評価機構鑑定委員会鑑定証書付
落札予想価格 ¥8,000,000~¥12,000,000

佐伯祐三(1898-1928)は、パリの街頭の風景を狂おしいほどの情熱で描き、30歳という若さで夭折した画家です。
1924年、25歳で念願のパリに渡った佐伯は、フォーヴィスムの画家ヴラマンクとの出会いを機にその天賦の才を大きく開花させました。パリの裏街の風景、特に歴史と生活感の漂う古びた壁をモティーフに自らの芸術を確立しましたが、1926年に一時帰国することを決意します。
一時帰国中は、留学仲間の里見勝蔵や前田寛治らとともに一九三〇年協会を結成し、同年の第13回二科展で二科賞を受賞。さらに個展も開催するなど、再びパリに旅立つまでのわずか1年4ヶ月ほどの間に洋画壇で華々しく活躍しました。また、「下落合風景」や「滞船」を主題とした連作の制作にも精力的に取り組みました。

1926年頃作の本作も、東京の下落合(現・新宿区中落合)にある自身のアトリエ周辺に取材した「下落合風景」の連作の一つです。通りを作品の主役とし、そこに沿って立つ電柱や歩く人々の姿とともに鑑賞者の視線を画面奥へと導くような構図は、佐伯がこの連作でしばしば用いたものです。特に、電柱は「下落合風景」の重要なモティーフであり、画面に垂直のリズムをもたらしてもいます。そして、生い茂る樹木や赤土の道に見られる、疾走するような情熱的な筆致、絵具をチューブから直接ひねり出したかのような重厚なマチエールには、パリで開花した生来のフォーヴの気質が発揮されています。

また、一部は読み取ることができませんが、「落合倶楽部」、「富永醫院」と書かれているのでしょうか。通りの分岐点に立てられた看板には、佐伯らしい踊るような字形で近所の病院の名前などが書かれています。看板やポスターの文字といえば、第1次パリ時代後半から表され、第2次パリ時代の主要なモティーフとなる佐伯芸術の代名詞。本作では、日本の風景においてもそれらに興味を抱き、線の表現を絵画の要素として取り入れようという佐伯の姿勢をうかがわせます。

以前、当ブログで《下落合風景》の記事を掲載した際にもご紹介しましたが、佐伯の制作メモ、古地図、過去の気象データなどの様々な資料をもとに「下落合風景」シリーズの描画ポイントを特定しておられるブロガーさんがいらっしゃいます。
とても興味深いので、ぜひこちらもご覧ください。

ChinchikoPapa様ブログ「落合学(落合道人 Ochiai-Dojin)」より、「道」の下に「富永醫院」の看板があった。[気になる下落合]


幸運にも、今年は1年のうちに2点も佐伯作品を取り扱うことができましたが、その作品がオークションに出品されるのはとても希少です。ぜひ下見会場で実際の作品をご覧ください。

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(佐藤)

ガレの愛した黒いガラス―《エナメル彩蜉蝣と蝉文花器》

こんにちは。
10/9(土)の戦後美術&コンテンポラリーアートオークションにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

さて、今週の23日(土)は、西洋美術/BAGS/JEWELLERY&WATCHESオークションを開催いたします。今回も出品作品の中から、おすすめの一点をご紹介いたします。
アール・ヌーヴォーを代表する芸術家、ガレのガラス作品です。当ブログでは、以前家具をご紹介しましたが、ガレの真骨頂といえばやはりガラスです。



367   ガレ

《エナメル彩蜉蝣と蝉文花器》
H18.6×W20.4cm
底部に陰刻銘

落札予想価格 
¥3,000,000~¥4,000,000

 







フランスのナンシーに生まれたガレ(1846-1904)は、哲学や文学、植物学、鉱物学などの知識を礎に、ガラス作品を主として陶器、家具など、幅広い分野に創造力を発揮しました。透明感のある淡青色の月光色ガラスを開発し、マルケットリー(ガラスに色ガラスを象嵌し、再び加熱して模様を作る方法)などの技法で特許を取得。1900年のパリ万博ではガラスと家具の両部門でグランプリを受賞。ジャポニスムや自然主義、象徴主義など、19世紀後半の時代の精神を様々に反映した作風は、国内外から高く評価されました。

本作は、透明ガラスに蜉蝣(かげろう)と蝉(せみ)を浮彫りで表現した花器です。余白部分に漂う黒褐色の靄は、グラヴュールで黒色の被せガラスを丹念に彫り、地文様としたもの。見どころは、アプリカッシオンの技法で色ガラスを熔着して研磨した蜉蝣の羽と蝉の胴部でしょう。それは宝石のような深みのある輝きを湛え、黒色が用いられた器体の中で神秘的な美しさを醸し出しています。また、器の底部には自身のサインとともに図案化された昆虫の絵が刻まれており、ガレの自然への愛着をうかがわせます。
なお、モティーフの蜉蝣はガレが繰り返し作品に描いた昆虫であり、羽化するとわずか数時間で死んでしまうため、生命あるものの儚さを象徴しています。それは、移ろいゆく季節に思いを馳せ、自然の中に息づく様々な生命を愛でる日本人の美意識に通じる感覚、そして、人間の内面世界を動植物の姿に託して表現する象徴主義など、ガレの研ぎ澄まされた感性と彼が影響を受けた思潮を色濃く感じさせます。


 

 

 

 

 

蜉蝣の羽に施されたアプリカッシオン。                        底部にはサインとかわいらしい昆虫の図。
羽の透明感が細やかに表現されています。


花や風景がきれいな色で表された花器も魅力的ですが、本作は繊細で複雑なニュアンスに富んだ19世紀末のガレ芸術の魅力が凝縮された名作です。美術館ではガラスケース越しにしか鑑賞することができませんが、当社の下見会では直接実物をご覧いただけます。

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(佐藤)

関根伸夫の「位相絵画」シリーズ

こんにちは。
9/18(土)の近代美術/近代美術PartⅡオークション、23(木)のワイン/リカーオークションにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

さて、今週の9日(土)は、戦後美術&コンテンポラリーアートオークションを開催いたします。
今回のオークションには、もの派を代表する作家の一人、関根伸夫(1942—2019)の作品がたくさん出品されますのでご紹介いたします。

1942年、埼玉県に生まれた関根は多摩美術大学絵画科に入学し、斎藤義重に師事。同大学院美術研究科に進み、高松次郎の助手も務める中で、素材を変形させることにより、物体や空間の基本構造を明らかにしようとする「位相」シリーズの制作に着手しました。1968年、「第1回神戸須磨離宮公園現代美術展」では、もの派誕生のきっかけとなった記念碑的な作品《位相―大地》を発表し、美術界に大きな衝撃を与えました。1970年の「第35回ヴェネチア・ビエンナーレ」に日本代表作家として参加した後は、ヨーロッパ各地に2年間ほど滞在し、制作活動を行います。帰国後は環境美術研究所を設立し、都市の公共空間に設置するモニュメント制作などの環境美術の仕事に力を注ぎ、「位相絵画」シリーズの制作にも取り組みました。

【 オークション終了につき、画像は削除いたしました 】

  127 
  《G15-67 2つの位置》
   65.0×53.0cm(額装サイズ80.0×68.0cm)
   ミクストメディア 
   1988年
    裏シールにサイン・タイトル・年代

    落札予想価格 ¥400,000~¥600,000



【 オークション終了につき、画像は削除いたしました 】

               132 
              《B60-3 6つの磁場》
               130.0×97.0cm(額装サイズ142.5×110.3cm)
               ミクストメディア
               1987年
                裏シールにサイン・タイトル・年代

                落札予想価格 ¥1,500,000~¥2,500,000

このたびのオークションには、「位相絵画」シリーズより6点の作品が出品されます。「位相絵画」は、1987年から1992年にかけて集中的に制作された「位相」を主題とした絵画のシリーズ。極厚の鳥の子紙にアクリル絵具を塗布し、破る、引っ掻く、切断するといった変形を加えた後、木枠にとめて金箔や銀箔、グラファイト(黒鉛)などを施すという手法で制作されました。
関根自身はこのシリーズについて以下のように語っています。

「『位相絵画』とは、画面にむかい、ひっかき描き、破り貼るという一枚の画面のなかでの変換、変形作業による絵画である。そして紙一枚の画面が、つまり表皮が増えも減りもしないように(ゴミを出してはならない)しながら僕自身の内なる欲望や感情や思想や愛を込めて、金箔や黒鉛で封印する被膜変換絵画なのである。
そして偶然や意識的な形相がレリーフ状の表面に自然還元されて、観照する人々と交感可能なメディアとなることを望む僕流の瞑想絵画なのである。」
(関根伸夫「位相の岸辺で」『関根伸夫 位相絵画Ⅱ』環境美術研究所 1989年)

Lot.127やLot.132のように、6点の出品作品も表面の被膜が変換され、和紙が鮮やかな金箔やグラファイトなどによって覆われています。このように和紙の表面を今見えているものとは別の状態に変形させることで、鑑賞者の空間認識を刺激し、新しい世界との出会いを促すということを関根は意図したのでしょうか。しかも、和紙の総面積は増減していないので、作品はつねにもとの表皮(和紙)に戻る可能性をはらんでいます。そこにあるのは、あの《位相―大地》にも共通する論理であり、生涯変わることなく関根作品の核であり続けた「もの派」の思考であると言えます。

残念ながら、《位相―大地》は現在写真や画像でしかみることができませんが、「位相絵画」なら関根の理論を目前で体感できます。
下見会場でぜひ実際の作品をご覧ください。
下見会では奈良美智や名和晃平、山口長男、三島喜美代など、そのほかの人気作家たちの作品もご覧いただけます。
下見会・オークションスケジュール、オンラインカタログはこちら

なお、ご入札は、ご来場のほか、書面入札、オンライン入札、電話入札、ライブビッディングなどの方法でも承っておりますので、お気軽にご参加ください。
新型コロナウイルスの感染予防対策をしっかりと行い、皆様のご参加をお待ちしております。

(佐藤)

美人画の巨匠 深水・夢二・松園―女性美の競演

こんにちは。
4日(土)の近代陶芸/近代陶芸PartⅡ オークションにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
さて、今週の18日(土)は、近代美術/近代美術PartⅡ オークションを開催いたします。
東京は緊急事態宣言発令中となりますので、新型コロナウイルスの感染予防対策として、会場にご入場いただける人数に定員を設け、オークションは予約制にて開催させていただきます。
(下見会は予約制ではありません)
詳細はこちらをご覧ください。
新型コロナウイルス感染予防対策について

今回のオークションの出品作品には、ご注目いただきたい美人画がたくさんあります。その中でも特におすすめの3点をご紹介いたします。


199 伊東 深水
《夕涼み》
 78.0×62.0cm
(額装サイズ104.5×88.5cm)
紙本・彩色 
右上に落款・印
共シール
東美鑑定評価機構鑑定委員会鑑定証書付
落札予想価格 ★¥3,000,000~¥5,000,000

まず一つ目は、歌川派浮世絵の流れを汲む美人画や同時代を生きる女性たちを描いたモダンな風俗画で高く評価された伊東深水(1898—1972)の作品です。

本作では、絽の着物を身につけた女性が縁台に腰掛け、夕涼みをする様子が表されています。左手の指をじっと見つめる仕草と傍らに置かれた団扇。一目見て、あの名作を思い出された方も多いと思います。
本作は、「美人画家・伊東深水」の名を決定的なものとした出世作であり、代表作の一つとしても名高い《指》(1922年作)と同じ題材、同じポーズで描かれています。異なる点は、《指》のモデルが左手の薬指に指輪をはめた深水の妻であったことでしょうか。《指》では若妻らしい初々しさが表現されていたのに対し、本作のモデルは指輪をつけておらず、《指》よりも成熟した女性の色香を漂わせています。


200
 竹久 夢二
《舞姫》
114.3×33.7cm(軸装サイズ184.5×52.6cm)
絹本・彩色
1921年作
右下に落款・印・年代
竹久みなみ箱
東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書付
落札予想価格 ¥8,000,000~¥12,000,000

二つ目は、「夢二式美人画」と呼ばれる女性像を描き、大正ロマン香る詩情豊かな作風で大衆の人気を博した竹久夢二(1884-1934)の作品です。
明治末期から京都を度々訪れ、一時期住居も構えた夢二は、生涯を通して繰り返し舞妓を描きました。本作も画題の通り、舞妓を題材とした女性像です。画面右下には、「千九百二十一年晩秋」(大正10年)という年記と「為新瀧楼主人」という為書きが落款とともに記されています。この年の夏から秋にかけて、夢二は福島県を旅しており、本作は定宿の一つとして知られる会津東山温泉(会津若松市)の新瀧楼に宿泊した際、温泉場の舞妓をモデルに制作し、宿の主人に贈ったものでしょうか。
斜め後ろから舞妓を捉えた構図、足を描かず着物の裾を長く引いた危うげな立ち姿、舞妓の長いまつ毛と憂いを帯びた表情に、甘美な「夢二式美人画」の特徴が見て取れます。



203
 上村 松園
《柳さくら》
163.2×64.8cm(軸装サイズ253.0×88.7cm)
絹本・彩色
左下に落款・印
共箱
東美鑑定評価機構鑑定委員会鑑定証書付
『鎌倉大谷記念美術館名品選』
(2000年/鎌倉大谷記念館)№62
落札予想価格 ¥40,000,000~¥60,000,000

そして最後は、生涯を通して理想の女性美を追求し、気品溢れる女性像を数多く残した上村松園(1875-1949)の作品です。
同画題の類似作品の制作年代より、本作は1938(昭和13)年頃に制作された幅でしょうか。この昭和前期、松園は代表作の一つ《序の舞》(1936年作・東京藝術大学蔵・重要文化財)や《砧》(1938年作・山種美術館蔵)などを次々と発表し、充実した画業を展開しました。

本作では、桜の花びらが舞い散る中、若い女性たちが花見に興じる姿が表されています。この四季の風物を楽しむ二人組の女性という題材は、松園が好んで繰り返し描いたもの。左の日傘を持つ女性はその可愛らしく華やかな装いから、京都の豊かな町家の令嬢と見て取れ、右の島田髷と思しき髪を結った女性は年長者らしい落ち着いた優美さを漂わせています。二人の着物と髪型、傘を持つ、あるいは袖の中に手を隠す仕草より、浮世絵などの古画を参照し、江戸中後期の風俗を主題としたものと考えられます。円熟味を感じさせる端正ではりのある線描、洗練された感性による優雅な色彩と均整の取れた構図には高い品格が漂い、松園が追い求めた「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵」註)として描き上げられた作と言えるでしょう。

註)上村松園「棲霞軒雑記」『青眉抄・青眉抄拾遺』講談社 1976年

下見会では、近代を代表する美人画家による三者三様の女性美をお楽しみください。
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なお、ご入札は、ご来場のほか、書面入札、オンライン入札、電話入札、ライブビッディングなどの方法でも承っておりますので、お気軽にご参加ください。
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(佐藤)

《最晩年の色彩》浅蔵五十吉/《1973年のドット》加守田章二

こんにちは。

東京では引き続き緊急事態宣言出ておりますが、今週末に「近代陶芸/近代陶芸PartⅡオークション」を開催致します。オークション・下見会ともに新型コロナウイルスの感染予防対策を行いながら実施してまいりますので、何卒ご協力のほどお願い致します。オークション当日は、ご予約が必要ですのでご注意ください。詳細はこちらをご覧ください。
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さて、今回数多く出品されますのが、九谷焼作家の作品です。初代徳田八十吉、三代徳田八十吉、浅蔵五十吉、須田菁華、そして武腰潤らの作品が出品されます。九谷焼とは、石川県で370年ほど前から製陶されている色絵磁器です。作風は様々で、青・黄・紫・赤・緑の五彩を用いて絵画的表現力の高い「古九谷風」のものや、青木木米の指導により、赤を基調とした唐子など描いた「木米風」もの。また、赤絵の細密画で全面に仕上げられた「飯田屋風」や、永楽和全の指導で始まった「京焼金襴手風」などが挙げられます。更に、大正期以降には、青粒(あおちぶ)と言われる細かい緑色の点を盛り上げ並べ、絵を構成する「青粒技法」や、徳田八十吉に見られる「彩釉技法」、吉田美統らに見られる「釉裏金彩・銀彩技法」など今なお発展を遂げている焼き物です。

そのなかから一点、こちらの作品についてご紹介します。

LOT.10 浅蔵五十吉「白陽彩牡丹飾壷」
H33.4×D33.8cm
高台内に掻き銘「五十吉作」、「平成十年初春」刻
共箱 1998(平成10)年作
「第37回 日本現代工芸美術」出品 東京都美術館他/1998(平成10)年
落札予想価格:★2万円~5万円

 

二代浅蔵五十吉は、父から陶技を習い、15歳・1928年(昭和3)に初代徳田八十吉に、1946年(昭和21)に北出塔次郎に師事し、九谷焼を学びました。同年に開催された第1回日展に入選以後、九谷焼の伝統を踏まえ、独自の色彩感覚で新たな九谷焼を発表し続けました。1977年(昭和52)には日展内閣総理大臣賞を受賞。1993年(平成5)には日展の顧問となり、1996年(平成8)に文化勲章を受章しました。

本作は、制作年から言っても、二代の作品でしょう。「白陽彩牡丹飾壷」は、没年である1998年に制作され、「第37回日本現代工芸美術」展に出品された作品です。当初明るい黄色や緑を基調に用いてきた作風は、プラチナを用いた銀彩へ移行し、最晩年には、「白陽」と称する白釉へ辿り着きました。本作は、大輪の牡丹の青が銀地に鮮やかに映え、重厚感があるのにどこかさわやかさを感じさせる作品です。色彩と最期まで向き合った五十吉ならではの一作でしょう。

 

また今回最後を飾るのは、1973年の加守田章二の作品です。

LOT.173 加守田章二「壷」
H24.8×W15.9cm
底部に掻き銘「章」、「一九七三」刻
共箱
1973(昭和48)年作
『加守田章二全仕事』掲載 P.286(講談社)
落札予想価格:200万円~300万円

 

LOT.174 加守田章二「壷」
H17.2×W21.2cm
底部に掻き銘「章」、「一九七三」刻
共箱
1973(昭和48)年作
『加守田章二全仕事』掲載 P.287(講談社)
落札予想価格:200万円~300万円

LOT.173は、褐色の線状の上に細かい灰青と灰色の丸が綺麗に並んでいます。魚の鱗のようにきらめいて見えるドット柄です。LOT.174もドット柄ですが、灰青と茶褐色の輪の中心部が丸く捺され大きく感覚を取って並べられています。全体は人間のデコルテ部分を抽出したような有機的な形で、対称的に口辺と側面は鋭利な形と刻文が施されています。どちらもサイズは小さいものの、1973年の加守田らしさを凝縮した作品と言えるでしょう。

コレクター心をくすぐる作品をぜひご堪能ください。

なお、ご入札は、ご来場のほか、書面入札、オンライン入札、電話入札、ライブビッディングなどの方法でも承っておりますので、お気軽にご参加ください。
新型コロナウイルスの感染予防対策をしっかりと行い、皆様のご参加をお待ちしております。

                                  (執筆者:E)

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