月別アーカイブ: 2012年2月

ザ・ジョージアンクラブ コレクション

こんにちは。
先週のBAGS/JEWELLERY&WATCHESオークションにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

今週25日(土)はワインオークションを開催いたします。
今回の目玉は何といっても「ザ・ジョージアンクラブ コレクション」です。フレンチがお好きな方なら「ザ・ジョージアンクラブ」の名前はよくご存知でしょうか。もし東京にお住まいならば「思い出の場所!」という方もいらっしゃるかもしれません。今回のオークションでは、憧れのグランメゾン旧蔵のワインが194ロット出品されます。
というわけで、今日は「ザ・ジョージアンクラブ」のお話をさせていただきます。


「とあるディレッタントの英国紳士が自分のタウンハウスを開放し、
同好の志が集まるクラブを結成しました。
その紳士の名はジョン・ラッカム。
そしてクラブの名は ザ・ジョージアンクラブ。」


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かつて東京・西麻布にあったザ・ジョージアンクラブは、このような雰囲気を理想として建設された一軒家のグランメゾン。設計から竣工まで10年の月日を費やした建物は、「Age of Elegance」と称された18世紀後半から19世紀前半にかけてのイギリスのジョージ王朝様式を忠実に再現した白亜の洋館です。この様式は古代ギリシア・ローマ美術を基に生み出され、その調和のとれた威厳漂うデザインが英国貴族たちの間で流行し、彼らの邸宅へ取り入れられたもの。ザ・ジョージアンクラブは、イギリスのレストランではもう体験することのできないこの古き良き英国の貴族文化を蘇らせるべく、本場の建築家に設計を依頼し、シャンデリアや燭台、絵画といった様々な家具や調度を輸入して当時の内外装を見事に実現させました。特に、螺旋階段の階下に広がるメインダイニングは、まるで近世のヨーロッパにいるかのような豪奢で気品溢れる空間として演出され、訪れるゲストに優雅な時間をもたらし、非日常の世界へと誘ったといいます。
 
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豪華なメインダイニング。日本にいることを忘れてしまいそうです。

レストランの主役である料理は、フランスの三つ星レストランで部門シェフを務めたシェフによるもので、西洋の美意識が貫かれた伝統的な味つけに目新しい西洋野菜やフレッシュハーブ、複雑にミックスしたスパイスを使用したモダンなスタイル。その多彩な味わいに合わせ、ワインは6000本以上収容可能な地下のワインセラーでつねに充実した質量が用意され、日常の保管はもちろんのこと夏期に納品させないなど、徹底した温度・湿度管理で品質が保持されました。
 そのセレクションの秀逸さには定評があり、ワインを目当てに訪れる愛好家も多く、Krug前当主・Henri Krug氏と現当主・Olivier Krug氏、Taittinger前当主・Claude Taittinger氏、Domaine de la Romanee-Conti当主・Henri-Frederic Roch氏、ヌーヴェル・キュイジーヌ界で最も影響力のあるレストランガイド『Gault Millau』を創刊した料理評論家・Henri Gault氏、英国王室御用達のワイン商Berry Bros. & Ruddのマスター・オブ・ワインなど、そうそうたる顔ぶれも料理とともにワインを楽しんだそうです。また、それらを提供するサービスも料理や建物同様に一流で、ゲストにとって心地よい空間づくりやぬくもりを重視した接客で知られました。

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Bar(左)やSalon(右)もステキです。随所にオーナーのこだわりが見て取れます。

こうしたすべてのもてなしは、このレストランに集う人々に幸福が訪れるようにというオーナーの願いが反映されたもので、建物の正面に刻まれた「FORTUNA DOMUS MEA(我が幸福はこの家と共に在り)」というラテン語の銘文にもそれが見て取れます。日本屈指のグランメゾンとしてフランス料理界にその名を轟かせたザ・ジョージアンクラブは、2007年秋に発表された『ミシュランガイド東京2008』で一つ星を獲得。しかし、2008年3月、このレストランを愛した多くの紳士や淑女たちに惜しまれながらその歴史に幕を下ろしました。

特別な日に、あるいはザ・ジョージアンクラブの思い出とともに、世界中のワイン通に愛された名店のワインを楽しまれてはいかがでしょうか?

下見会・オークションスケジュールはこちら
※下見会は予約制になります。

みなさまのご来場を心よりお待ちしています。

(佐藤)

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2月18日開催 BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション

2月も半ばに差し掛かり、春の訪れを予感させるような、少し寒さの緩む日も出て参りました。外を歩けば梅の蕾が少しずつ膨らみ始めており、今年の寒さももう少しの辛抱かなと明るい気分にさせてくれます。

さて、今週は2月18日(土)に、BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークションを開催致します。
カタログをご覧いただいた皆様はご存じかと思いますが、今回はヒスイが多数出品されています。過去の弊社オークションでもヒスイは競り上がることが多く、他の色石と比べても群を抜いた人気の高さが窺われます。ヒスイは第二次世界大戦後に大きく値が上がり、数十倍の価格がつくものもありました。その後は高値安定で、産出よりも需要が多いという、まさに希少性の高いものとなっています。
一般的にヒスイは英語でjade(ジェイド)と呼ばれますが、ヒスイ(ジェイド)とは、全く別の鉱物である軟玉(ネフライト)と硬玉(ジェダイト)の総称です。ちなみにヒスイの宝飾加工品と言えば中国を思い浮かべる方も多いと思いますが、現在世界的に宝石とみなされるジェダイトは中国からは産出されません。中国で古くから加工されていたのはネフライトの方であり、ジェダイトの加工が行われるようになったのは、ミャンマーから中国にジェダイトが伝わった18世紀以降のことです。一方、日本では約7000年前の縄文時代に現在の新潟県糸魚川市からジェダイトが出土し、その頃から宝石文化は生まれていたようです。
ヒスイは不老不死および生命の再生をもたらす力があると信じられており、古代中国や中南米では権力者の遺体全体を玉で覆うということが行われていました。日本でも、天皇家の象徴である三種の神器の一つ、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)は、ヒスイで作られているといわれています。
宝石の中でもとりわけ古い歴史を持ったヒスイですが、中国では現在でも皇玉として他の宝石より価値が高いとされています。日本では現在ヒスイの採取は全面的に禁止されていますが、我が国から出土する数少ない宝石の一つとして安定した人気があるのは頷けますね。

さて、そんなヒスイの購入時にはいくつか注意したい点がございます。まず、そのヒスイがジェダイトであるのかネフライトであるのか、十分にお調べ下さい。深く魅力的な緑色を持つものがジェダイトと言われていますが、物によっては見た目で判断がつきにくい場合があります。弊社で扱う商品はもちろんジェダイトのみですが、鑑別機関に検査を依頼して初めてネフライトと判明するものもまれにあります。その他、多孔質なヒスイの性質を利用して、ヒスイに染料を吸収させ良い色を出しているもの、色つきの樹脂を含浸させたもの、ヒスイの粉末を樹脂で練り固めたものも多数出回っていますので、信頼できる鑑別機関を通っているものをご購入されることをお勧めします。

今回出品されているヒスイの商品をいくつか紹介します。
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LOT309 ヒスイ
  落札予想価格¥50,000~100,000

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LOT330 ヒスイ ダイアモンドリング
 落札予想価格¥130,000~250,000

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LOT333 ヒスイ ダイアモンドリング
  落札予想価格¥230,000~350,000


皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

[下見会] シンワアートミュージアム
2月15日(水)~2月17日(金) 10:00~18:00
2月18日(土)10:00~12:00

[オークション] シンワアートミュージアム
2月18日(土)14:00~


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