こんにちは。前回のブログでもご紹介しましたが、街はすっかりクリスマスらしくなってきましたね。
クリスマスが終わるともうお正月…ということで、今年も残りわずかです。
先日、漢字一文字で一年の世相を表す「今年の漢字」が「絆」に決まったそうですが、皆様にとって今年はどのような一年でしたでしょうか?
3月11日に震災があり、当社では3月26日に「東日本大震災被災地支援緊急チャリティオークション」を開催いたしました。落札金額の全額113万円を寄付したほか、銀座の下見会場と丸ビルのオークション会場には「東日本大震災被災地支援義援金」募金箱を設置し、ご来場いただいた多くのお客様にご協力いただきました。
この場をお借りして心から御礼申し上げます。
募金は3月24日の下見会から12月10日のオークションまで開催し、合計9,173円となりました。こちらも「日本赤十字社東日本大震災義援金」として被災された方々に送られます。
↑ 下見会場の募金箱。 ↑ 募金と皆様のご厚意は
ありがとうございました。 お送りしました。
今年の冬は厳冬という話もありますので、この募金が被災地で暮らす方々のために少しでもお役にたてばいいですね。復興はまだまだ途中ですので、引き続きいろいろな形で活動を続けていけたらと思います。
また、他にもたくさんの法人・団体様にお声掛けいただき、チャリティイベントに参加させていただきました。当ブログでもNIKEやハーマンミラーのチャリティオークションの模様をご紹介しました。
中にはブログでご紹介しきれなかったこんなオークションなども。
東京・増上寺で開催されたフェラーリの お台場で行われたACT FOR JAPAN
チャリティオークション 主催の「未来オークション」
(ともに落札金額は東日本大震災の被災地へ寄付されました。)
来年のオークションは、2月4日(土)の近代美術/近代美術PartⅡオークションからスタートいたします。
2012年の皆様のご多幸をお祈りいたしますとともに、変わらぬご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。
(執筆:佐藤)
続きを読む
月別アーカイブ: 2011年12月
Christmas in Ginza
先週のBAGS、JEWELLERY&WATCHESオークションが終了し、これで2011年のオークションも無事すべてが終わりました。ご参加いただいた皆様本当にありがとうございました。
師走に入り残すところ今年もあと3週間、オークション会場のある銀座界隈はクリスマスや忘年会で人出も多く、街中は綺麗なイルミネーションで彩られています。今回はこの時期にしか見ることのできないそんな銀座のクリスマスツリーを皆様にご紹介したいと思います。
まずはじめは、銀座のクリスマスツリーと言えばまず思い出されるのが中央通り4丁目のミキモトのジャンボクリスマスツリー。弊社ジュエリーオークションでも人気の高いミキモトの本店前広場にそびえる高さ10mの樅の木は、1976年以来今年で34本目となるそうです。そんな銀座の風物詩ともいえるこのツリー、今年は東日本大震災からの復興を願って「子供たちの夢」をテーマにした美しいイルミネーションが飾られています。私が行った日も周りでたくさんの人が写真など撮っていました。
ミキモトジャンボツリー
中央通りを挟んだその向かい、銀座三越にはエントランスホールにこちらも同じく震災からの復興の願いを込めた「祈りのツリー」が飾られています。日本ユニセフ協会主催のプロジェクトである祈りのツリーは銀座エリアに5か所あり、募金活動やワークショップ、ミニコンサートなどが行われています。この時期たくさんの人が集まる銀座でこその活動と言えるのではないでしょうか。
三越の「祈りのツリー」
さて、中央通りを京橋方面へ移動して2丁目まで来ると、目に飛び込んでくるのはクリスマスツリーではありませんが、綺麗なイルミネーションで飾られたカルティエのブティック。ジュエリーはもちろん、昨年から本格的に始まったブランドバッグのオークションでも根強い人気を誇っています。今年はニューヨーク5番街の店も同様のイルミネーションで飾られているとか。いつか私もここで素敵なプレゼントを買いたいですね。
カルティエのイルミネーション
さらに中央通りを進んで1丁目。ここには少し趣向の変わったツリーがあります。貴金属の取り扱いの老舗、田中貴金属のウィンドウにはなんと高さ2.4m、純金の総重量約12kgを使用した参考価格約1億5000万円相当!のゴールドクリスマスツリーが飾られています。今年は金の価格が高騰し弊社オークションでも純金製の工芸品が多数出品され、中には金の相場を大きく上回る金額で落札された作品もありました。純金の胡蝶蘭やハートで装飾されたこのツリーは華道家の假屋崎省吾氏のデザインだそうです。
純金のクリスマスツリー!
今度は1丁目から一気に8丁目へ。外堀通りのリクルートビルの前には大きな青いクリスマスツリーがあります。新橋から銀座への入り口となるこの場所、日中は買い物客や観光客もあまり多くは通りませんが、日が暮れるとこのあたりは飲み屋さんの多い夜の街へと変貌し、この忘年会シーズンは遅い時間まで人出があります。飾りも特になく昼間はちょっと地味ですが、夜になると冴えたブルーのイルミネーションが輝き向かいのタクシー乗り場に並ぶ酔客たちの目を楽しませているこのツリー、この場所にふさわしく思えるのは私だけでしょうか?
リクルートのツリー
弊社でも、先週のBAGS、JEWELLERY & WATCHESオークションの下見会の間にクリスマスツリーを飾っていました。上記のツリーに比べるべくもない小さなクリスマスツリーでしたが、下見会場の雰囲気を盛り上げるのに一役買ってくれました。
我らがツリーです
クリスマスムードが否が応でも盛り上がるこの時期、大切な人へのプレゼントなどを買いに銀座へお越しの際には、少し足を延ばして色々な思いのこもったこれらのツリーを見に行ってみてはいかがでしょうか。
(執筆:平野)
続きを読む
今週はBAGS/JEWELLERY & WATCHESオークションです
クリスマスが近づき、街のイルミネーションが美しい季節になりました。シンワアートミュージアムのある銀座にも多彩なイルミネーションが灯り、歩けば目に入ってくる光になんだかワクワクさせられます。12月に入った途端急に冬らしい冷え込みになりましたが、皆さま暖かくして冬のイベントをお楽しみ下さい。
さて、先週の陶芸オークションにお越しの皆さま、ありがとうございました。今週10日(土)は、BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークションを開催致します。
今回はまず、ロット後半のダイアモンドにご注目下さい。市場でも流通量の少ない2カラット以上で高グレードのダイアモンドが多数出品されています。
・Lot400 RB 2.073ct E VVS1 Cut-Very Good Fluo.-None
エスティメイト¥3,500,000.~¥5,000,000.
・Lot401 RB 3.091ct G VVS1 Cut-Very Good Fluo.-Strong Blue
エスティメイト¥4,000,000.~¥6,000,000.
・Lot402 EM 3.073ct F VVS1 Fluo.-None
エスティメイト¥4,000,000.~¥6,000,000.
・Lot403 RB 3.526ct H VVS1 Cut-Good Fluo.-None
エスティメイト¥6,000,000.~¥8,000,000.
・Lot404 RB 3.018ct F VVS1 Cut-Good Fluo.-Medium Blue
エスティメイト¥5,500,000.~¥7,000,000.
・Lot405 RB 3.014ct G VVS1 Cut-Very Good Fluo.-None
エスティメイト¥6,000,000.~¥8,000,000.
ダイアモンドのグレードを表す4C(Carat, Color, Clarity, Cut)全てにおいて高い水準を示す、希少なダイアモンドの美しい輝きを、下見会で是非ご覧ください。
そして今回の目玉は何と言ってもHARRY WINSTONのダイアモンドリングです。
Lot406 ダイアモンドリング(by HARRY WINSTON)
EM 5.377ct F VVS2
エスティメイト ¥25,000,000.~¥35,000,000.
Lot407 ダイアモンドリング(by HARRY WINSTON)
OV 5.072ct D VS2
エスティメイト ¥25,000,000.~¥35,000,000.
ここでHARRY WINSTONについて少し。
創業者ハリー・ウィンストン(1896-1978)は、第一次世界大戦後、ヨーロッパ貴族が所有していた華やかで装飾過剰なジュエリーを買い取り、当時の新興富裕層のステイタスシンボルとなるシンプルなデザインのジュエリーへのリメイクに着手します。ここでの成功を基に、彼はやがて世界中の富裕層が手にすることとなる、最高級の宝飾品を扱う宝石商へと歩みを進めました。
1932年、ニューヨーク5番街に自身の名を冠した会社「HARRY WINSTON」を設立。ジュエリーのデザインを本格的にスタートさせ、「ウィンストニアン・スタイル」という、あたかも肌の上に宝石だけが散りばめられているかのように見せるセット方法を編み出します。“宝石がジュエリーのデザインを決定する”という信条の下、完璧な角度とバランスで留められた宝石はあらゆる方向に輝きを放ち、厳しい基準をクリアした極上の宝石の魅力は最大限に引き出されるようになりました。
HARRY WINSTONはダイアモンドの選別において、一般的に使われている4Cのグレードが一定以上のものしか扱わないことはもちろん、それに加えて社独自の採用基準を設けているそうです。HARRY WINSTONのジュエリーが宿す褪せることのない美しさは、創業者の意志を継ぐ、社の妥協のない一貫した姿勢とクラフトマンの卓越した技術の結実により生み出されているのでしょう。
こちらも下見会では是非お手にとってご覧ください。様々な色に反射する極上のダイアモンドの華麗で高貴な光を眺めていると、その美しさに胸が高鳴ります。
その他、BAGSの方ではクリスマス用に小物を多めに揃えました。人気のエルメスも充実したラインナップになっていますので、合わせてお楽しみ下さい。
皆さまのご来場、心よりお待ちしています。
下見会
日時:2011年12月7日(水)~12月10日(土)
10:00~18:00(最終日は12:00まで)
場所:シンワアートミュージアム
オークション
日時:2011年12月10日
14:00~
場所:シンワアートミュージアム
続きを読む
紅葉と雪原の陶芸
「毘沙門堂」―真っ赤な紅葉と共にテレビCMでご覧になった方も多いのではないでしょうか?毎年この季節に流れるCMを観ては、京都に行かれる方も多いのではないかと思います。
京都山科区にある天台宗寺院の毘沙門堂門跡は、春には枝垂れ桜の、秋には紅葉の絶景を観ることができます。その地に赤茶碗を献上した人物が今から400年ほど前にいました。
書道、漆芸、陶芸と多彩な才能を持った芸術家、本阿弥光悦(1558-1637)です。光悦は刀剣の鑑定家の家に生まれ、俵屋宗達らとともに、「琳派」という日本文化の大きな流れを生み出しました。その光悦が晩年、樂家二代常慶や三代道入(のんこう)から土や釉薬を分けてもらい取り組んだのが茶碗製作でした。中でも光悦の名作を「光悦七種」(不二山・障子・雪片・七里・雪峰・鉄壁・毘沙門堂)、「光悦十種」(黒光悦・加賀光悦・喰違・鉄壁・有明・障子・雪片・不二山・ヘゲメ・毘沙門堂)と呼び、近年の作家達もその写しを製作しています。
中でも代表格なのが、九代大樋長左衛門です。伝えられている「光悦七種」の種類とは異なりますが、「光悦うつし」として茶碗を発表しています。
黒茶碗:鉄壁・時雨
赤茶碗:毘沙門堂・加賀光悦・雪片(筒)
飴茶碗:紙屋
掛分け茶碗:不二山
これらは別々で発表されることも多いですが、今週末のオークションでは「光悦うつし七種茶碗」として出品されます。何度か出品されてきた七種茶碗ですが、今回の作品はとりわけ美しく、どの茶碗からも多様な景色がうかがえます。
「毘沙門堂」の本家は、淡い赤に青白い鼡釉が掛かっていますが、九代大樋が作った「毘沙門堂」は正に寺院の後ろに見える真っ赤な紅葉と、たなびく白い雲を表しているかのようで、そのコントラストが茶碗によく映えています。
大樋の光悦うつしは、どれも力強い出来栄えです。寒空を感じさせる「時雨」や、雪がちらつき舞っている「雪片」、富士山が雪に覆われ裾野まで続く荒々しい地肌の様子を表現した「不二山」。茶の見立てを存分に味わいながら、お手に取りご鑑賞ください。
【秋の紅葉を表現したかのような毘沙門堂の紅】
本阿弥光悦 九代大樋長左衛門
「毘沙門堂」 「毘沙門堂」
LOT.94 九代大樋長左衛門
「光悦うつし七種茶碗」
落札予想価格:160万~230万
また今回は楠部彌弌の彩埏の花瓶が出品されています。「埏(えん)」とはよく練った土。「彩埏(さいえん)」とはつまり、彩られた土のこと。「いろづちの美」とも後に称されたこの様式は楠部彌弌が独特に編み出した手法です。素地自体に色を付け、何回か塗り重ねて立体的にし、釉薬の色見だけでは表現しきれない奥行きの深さを追及しました。
楠部彌弌は明治30(1897)年京都に生まれました。大正9(1920)年に同志らと共に「赤土社」を立ち上げ、そこから陶芸家としての道が始まります。彌弌は中国陶器や仁清、韓国陶器等の古典研究を行い、自己の基盤となる技術(青磁、均窯、染付など)を身に付けました。そうした中で「彩埏」という技法を見出し作陶を続けますが、「彩埏」が確固たるものになるのは70歳を過ぎてからと言えます。淡い色彩と、キレのある立体感。楠部芸術の結晶と呼ばれるまでになりました。昭和52(1977)年に80歳を迎え、パリ装飾美術館で展覧会を開催、好評を博し翌年文化勲章を受章。昭和59(1984)年に87歳で亡くなりました。
今回出品されます「彩埏飛翔花瓶」は、円熟期を迎える70歳を過ぎてからの作品です。
鶴が二羽、まっすぐに前を向き飛んでいる図柄です。とてもシンプルですが、そこには鶴の形を最小限にデザイン化した美しさがあります。二羽の鶴を交互に見れば、優雅に飛んでいく様子をコマ送りにしているかのように見えてきます。周りにあしらわれている金彩によって空気の流れが感じられ、きらめく雪原の上を飛んでいるかのようです。
静の焼き物の中に表現されている動の世界。楠部芸術・彩埏の技をぜひご覧ください。
【雪原を優雅に飛んでいるかのような二羽の鶴】
LOT.81.楠部彌弌「彩埏飛翔花瓶」
落札予想価格:140万円~180万円
【執筆:E】
続きを読む