カテゴリー別アーカイブ: アート情報

「2012 韓国国際アートフェア」

先週の「近代美術 / 近代美術PartⅡオークション」にご参加いただいたお客様、誠にありがとうございました。
来週10月6日(土)には「BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション」を開催します。3日(水)からの下見会をお楽しみに。

さて今日は、9月12日から17日にかけて開催された韓国を代表するアート・フェスティバル「2012韓国国際アートフェア(KIAF:Korea International Art Fair)」をご紹介します。

今年で11回目を迎えたKIAFは毎年9月半ばに開催されますが、今年は世界20カ国から181のギャラリーが参加し、約7,000点の作品が展示されました。

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< 入り口の行列と会場内の風景>

毎年主賓国を選定し、選ばれた国のアートについてより詳しく紹介する企画を持つKIAF-今年は韓国-ラテン・アメリカ修交50周年を記念し、アルゼンチン・コロンビア・メキシコ・ドミニカ・ウルグアイ・ベネズエラなど、ラテン・アメリカの国々から14のギャラリーが発信した様々な作品を見ることができました。
中でも、ベネズエラ出身の世界的なアーティスト、カルロス・クルス=ディエスのスペシャルブースや日本でも多くのファンを持つフェルナンド・ボテロの作品群にはたくさんの人々が集まっていました。

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< ボテロの作品を撮影する来場者>

コンテンポラリーアートを取り扱うギャラリーの参加が多いKIAFですが、日本人アーティストの中では、名和晃平の立体作品「シカ」が、今回のアートフェアのメインイメージとして広告に使われるなど、その人気の高さが感じられました。

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名和晃平 「シカ」(202×182×150cm、韓国・アラリオギャラリー)
   
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< 日本人作家の作品のブース風景>

アートフェアは、よく「美術愛好家たちのお祭りである」などと言われますが、本来の目的は展示や観賞だけではなく、コレクターの財布を開けさせることにあります。今回のKIAFでは、いわゆる“スーパー・リッチ”と呼ばれるお客様へのサービスに特に力を注いでいました。VIPプレビューはもちろん、美術投資への成功戦略を主題とする様々な講座、「VIP・ナイト・パーティー」等の催しや提携美術館での無料観覧サービス、また、BMWコリアの協賛で、会場からVIPの行きたい先までの「カー・サービス」の提供などもあったとか。今までよりも更に充実した様々なサービスを通じて、この不景気を乗り越えようとする努力がひしひしと伝わってきました。

KIAFは9月17日閉幕、5日間で-来場者数85,000名、売上140億ウォン(約10億円)と、結果としてはほぼ昨年並みだったそうです。

(執筆:W)

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Area Parkの「写真の路」@エルメス・コリア

「写真の路-宮城県でアルバムを拾う」展

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エルメス・コリアが運営するアトリエ・エルメスは、アーティストの発掘及び支援、またその企画展示を目的に、2000年ソウル一番のオシャレのメッカと呼ばれるチョンダムドンに設立されました。今年初の企画展には、日本を拠点に情熱溢れる活動を見せている韓国出身の写真作家、Area Park(エリア パク)が選ばれ日韓アート界の注目を浴びています。


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〈オープニングパーティの風景〉


作家、Area Park(エリア パク
本名は、朴晋暎(パク、ジンヨン)、「Area Park」というアーティストネームで日本と韓国を中心に活動している若手写真家です。
1972年韓国の釜山生まれ。大学と大学院で報道写真とドキュメンタリー写真を勉強したパクは、韓国のテレビ局であるMBCのフォトエッセイ<人>、KBSの<人物現代史>、<日曜スペシャル>などのドキュメンタリー番組でスチール写真を担当し、作家としての基礎を固めました。2004年朝興(ゾフン)ギャラリーでの<ソウル...間隔の社会>展で作家としてデビューして以降、Kumho美術館で5回の個展と共に、ドイツでの韓国現代写真展<Fast Forward>、ロダンギャラリー<思春期の徴候>、第1回デグ写真ビエンナーレ<テーマ展>、国立現代美術館<韓国写真60年>、ソウル市立美術館<韓国現代写真の風景>、ヒューストンミュージアム<Chaotic Harmony>の他、およそ100回の国内外グループ展に参加し、現在は東京に居住しながら活動を続けています。


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名取市_写真額縁(14.7m), light jet print, 220×180cm, 2011 

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名取市_カメラ(14.7m), light jet print, 220×180cm, 2011 


今回の「写真の路-宮城県でアルバムを拾う」展は、昨年の東日本大震災発生の4日後に酷い交通渋滞と通行制限された道路を潜り抜けて訪ねた宮城県で作家の目に入った印象的な風景から始まります。泥まみれになって風に揺れている持ち主の分からない数枚の写真、そしてその写真を拾い集めて水で洗っている人々の姿、「今一番探したいものは何か」という質問に「家族のアルバムだ」と一様に答える人々。そして跡形もなく消えてしまった写真館の建物と既にゴミになってしまった数百個のカメラ。作家の目の前に広がったその全ての場面は、まるで巨大な「死」の下で忘却と闘争する人類の現状、そのものであったのでしょうか。


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石巻市_銅像(13.8m), light jet print, 120×150cm, 2011 

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陸前高田_Yamaha(16.7m), light jet print, 150×120cm, 2011 


今回の展示のモチーフは、被災地の宮城県で偶然に拾った金子さんというアマチュア写真家のアルバム。娘であるマリさん(生存していれば60歳前後)の成長過程を残したものと類推されるこのアルバムの発見から、パクの作業は記録としての行為だけではなく、時や言葉を超えた写真家同士、あるいは同じ人間としての共感を求める行為が加わります。

アナログカメラの研ぎ澄まされた視線とフィルムの純粋性をいまだに信頼すると言い、「写真の路」の連作を通して写真本来の意味とその存在価値を問い掛けてきたパクが、何万人もの人々が亡くなったこの場所で見つけたのはいったい何だったのでしょうか。それは「家族のアルバム」という再び取り戻すことのできない世の中で一番大切な「懐かしさ」だったのではないでしょうか。
「おそらく展示会場には私が撮った写真もあるだろうが、それよりも私が見つけた数枚の写真がもっと重要な意味を付け加えてくれるだろう。」と作家は語ります。


【展示概要】
会期:2012年1月6日~3月13日
会場:アトリエ・エルメス
   MAISON HERMES Dosan Park
630-26 Shinsa-dong, Gangnam-gu, Seoul KOREA
TEL: 82・2・544・7722


そして、いよいよ今週からは「近代美術PartⅡオークションの下見会」をはじめ、新年初のオークション月間に入ります。皆様のご来場を心からお待ちしております。

【オークション】
2012年2月4日 丸ビルホール
15:00-近代美術PartⅡ/ 福井良之助コレクション
18:00-近代美術

【下見会】
近代美術PartⅡ/ 福井良之助コレクション
シンワアートミュージアム
2012年1月25日(水)~27日(金) 10:00~18:00
2012年1月28日(土)      10:00~17:00

近代美術
シンワアートミュージアム
2012年2月1日(水)~3日(金) 10:00~18:00
2012年2月4日(土)      10:00~12:00


〈執筆:W〉

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63スカイアート『FACES展』

63スカイアート(63 Sky Art)は、ソウル市内が一望できる63ビル(1985年に完成した地上60階地下3階からなる超高層ビル)の60階に位置する美術館です。「国際文化交流や国内の美術文化の発展のため」というスローガンを揚げ、63ビルの所有企業であるハンファ・グループによって2008年に開館されました。
地上246mから、ソウルの中心を貫いて流れる漢江(ハンガン)や都市風景、そして現代美術が一緒に楽しめる63スカイアートは、六本木ヒルズの森美術館をベンチマーキングしたものだそうです。

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〈まるで、外の景色を望めるように展示された造形作品〉

63ビルは完成以来20年以上も展望台としてよく知られてきたので、特に美術を求めて訪ねる人よりは家族や恋人と眺めを楽しむ一般の観客が多いことから、難解な美術よりは身近で親しみやすい作家や作品が多く展示されています。

今回の『FACES展』も、韓国内外の作家7名によって「停止された顔」、「単純な顔」、「優しい顔」、「偽装された顔」、「明快な顔」、「楽しい顔」の、六つのコーナーに分けられ、人の顔というやさしいテーマとアニメ風の作風で、夏休み中の子供たちも楽しめそうな企画でした。

中でも、「停止された顔」のタイトルで紹介されているアレックス・カッツ(Alex Katz)は、20世紀のアメリカ絵画を語る際に最も重要な一人として評価される作家です。自分の家族や友達、芸術家や有名人などの顔をアニメ風に描くカッツは、人の顔をクローズアップしたり画面をうまく分割することで、広告のイメージのように停止された場面を作り出します。細密な部分は果敢に省略し、著しい特徴だけをうまくデフォルメするカッツの代表作品を、今回の展示からも見ることができます。

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〈カッツの「停止された顔」の展示風景〉

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〈オピーの「単純な顔」の展示風景〉

また、近年コンテンポラリーアート界のブルーチップとして高い人気を集めるジュリアン・オピー(Julian Opie)の作品は、「単純な顔」というタイトルを持って展示されています。
オピーの肖像作品は、写真で撮った人物を、コンピューター作業を通した省略や単純化の過程を経って表現されます。目はただ2つの「点」に変化し、誰もが似たような顔をしているオピーの人物画ですが、個性は顔付きや表情ではなく、洋服やポーズ、ヘアスタイル、歩き方などの、その人物が選んだその他の要素によって表すものだというオピーのアート観がよくみえる展示だと思います。

他にも、「恋」をテーマに人の温かい感情をやさしいパステル色で画面に満たす韓国の人気作家イ・スドンの作品や、韓国の若手作家の作品も多く展示されていますので、ソウルに行かれる予定がある方は、ぜひご覧になってはいかがでしょうか。

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〈韓国の若手作家、ユン・ギウォンの「明快な顔」の展示風景〉


【展示概要】
期間:2011年7月9日~11月13日
時間:10:00~22:00 年中無休
料金:12,000ウォン(約900円)
H P : http://www.63skyart.co.kr/

(執筆:W)

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米で描くアーティストLee・DongJae

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『icon』
acrylic, bean on canvas / 72.7×92cm / 2005

上の作品は、豆(bean)で再現されたイギリスのコメディの主人公、「ミスター・ビーン(Mr. Bean)」。
米に代表されるいろいろな穀物で時代のアイコン(icon)を描いてきたLee・DongJae(イ・ドンゼ)は、韓国をはじめ、世界各国で開催される個展やグループ展で活躍する若手の作家。韓国では彼が使用したはじめての素材が米であったことから「米で描く作家」としてよく知られています。また、アジアを中心にヨーロッパやアメリカの各オークション会社からのラブコールが多いLeeの作品は、韓国のオークション界ではすでにブルーチップ作家として認知されています。
上のミスター・ビーンの他にも、「米」で表したアメリカのライス国務長官や、レジン(resin)のモチーフで知られるイギリスの作家ダミアン・ハーストの顔を、またレジンで完成させた作品(下)など、作家の面白い逆転の発想は、観る人に愉快な気持ちを与えてくれます。


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『icon』
acrylic, resin on canvas / 120×120cm / 2008
<イギリスの作家、ダミアン・ハースト>

一色で綺麗に塗られたキャンバスの上に、コーティングした一個一個の米や豆、アワやカプセル剤、あるいはクリスタルなどを丁寧に集中して貼り付けるLeeは、「オブジェの有機性、物質と図像との有機的な関係、図像の有機的な拡張」という意識を持ちながら制作を進めるそうです。つまり、20世紀を代表する有名な人物の肖像というモチーフは、観客へのアプローチとして作用し、米に代表されるいろいろな素材は、それ自体が有機性をもつ物質であること、そして人間の体を構成・維持する食べ物としての「米」と、また別の有機体としての人間の「体」との間に生じる関係性や拡張を表しています。

 Leeの作品によく登場する、マリリン・モンロー、アンディ・ウォーホル、ルイス・アームストロング、マザー・テレサ、ナムジュン・パイク、ジョン・レノン、チェ・ゲバラなどの、芸術家・政治家・宗教家にわたる20世紀を代表するアイコンたちは、各界での熱情的な活動を果たし、また歴史の中に去って行った人物が多く見られます。彼らは、作家の有機的な作業によって生成と消滅の繰返しと言われる人類の歴史の中にまた新たに生き返ったように見えます。

日本では2009年の冬、東京での日・韓グループ展で彼の作品を見ることができましたが、今後ともLeeの日本での活動を期待したいと思います。


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『rice_price』
acrylic, rice on canvas / 91×116.7cm / 2004


【プロフィール】:Lee・DongJae (B.1974)
1999 (韓国)Dong-Guk大学校 美術学科 卒業
2002 (韓国)Dong-Guk大学校 大学院 美術学科 卒業

【レジデンス】
2006-2009 ジャンフン(Jang Heung)・アトリエ、ジャンフン
2008 パリ国際芸術共同体 / Cite Internationale des Arts, Paris

【個展】
2009 Two Icons (Gallery Artside Beijing SpaceⅡ, 北京)
2008 icon (Cite Internationale des Arts, パリ)
2007 The Contemporary (Insa Art Center, ソウル)
2004 rice_price (Insa Art Center, ソウル)
rice, rice (Seoul Arts Center, ソウル)
2003 seed (Gallery Chang, ソウル)

【主な団体展】
2011 Beyond Limits (Shinsegae Gallery, ブサン)
記憶の未来を追いかける人たち (Gana Art Center, ソウル)
2010 思惟の森(Youngeun Museum of Contemporary Art, 光州)
My Room Our Atelier (Gana Art Center, ソウル)
2009 The Great Hands (Gallery Hyundai, ソウル)
未来の作家 (Gallery Rho, ソウル)
2008 Real Illusion (Gana Art Gallery New York, ニューヨーク)
Let a thousand flowers blossom (Cite Internationale des Arts, パリ)
2007 ARCO art fair, Spain (Juan Carlos I Exhibition Centre, マドリード)
SH Contemporary Art fair (上海)
2006 Contemporary Asian Art (Sotheby`s New York, ニューヨーク)
10 Faces of DAKS (DAKS Plaza, ソウル) 



<執筆:W>

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市民の憩いの場にアートが集結!

上海万博も残すところあと数日。先日はついに入場者数が7000万人を達成し、閉幕前に足を運んでおこうという観光客でさらに賑わいをみせています。

さて、今回は上海の中心地にある静安彫塑公園にて開催されている、「2010世博静安国際彫塑展」(世博:世界万国博覧会の意味)をレポートいたします。この展覧会は公園の管轄区である静安区人民政府が主催、世博局等の協力で開催されています。テーマは「都市幻想」。上海万博のテーマである「より良い都市、より良い生活」に関連しており、「幻想」、「記憶」、「生活」を通して上海の過去、現在、未来を解釈するとともに、芸術と生活が重なり合って文化的な生活を築き上げることを目的としています。彫刻作品は公園内に35作品設置されている他、その近辺の公共の場や文化施設などにも設置されており、アーティストの国籍も中国、フランス、アメリカ、ベルギー、スペイン等国際色に溢れています。平日の昼間に訪れたからか、子供を連れた家族や年配の方が多く、芸術に囲まれた中でくつろぐ人々の姿に微笑ましく感じました。

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ではその中から、中国人アーティストの作品をご紹介いたします。

≪Naughty Boy≫ 羅氏兄弟(Luo Brothers)

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羅氏兄弟(ルオ・ブラザーズ)は、羅衛東(Luo Weidong 1962年-)、羅衛国(Luo Weiguo 1964年-)、羅衛兵(Luo Weibing 1972年-)の3兄弟からなるグループで、1996年より共同制作を開始しています。代表作に『歓迎世界名牌(Welcome, Welcome)』シリーズがあります。これは「年画」と呼ばれる中国の新年を祝う際に家に飾られる、伝統的な吉祥の図柄をモティーフにした民衆絵画をベースに、中国人の生活に急速なスピードで根付いていったコカ・コーラ、ペプシコーラ、マクドナルド、ケンタッキーなどの商品やロゴを組み合わせ、中国の現代の消費社会を風刺した作品です。この年画は文化大革命の時代には、政治経済や平和に対するスローガン付きで大衆への宣伝媒体として利用されており、羅氏兄弟はその歴史的背景も引用し、独自の作品を展開しています。

≪Our Generation―No≫ 高孝午(Gao Xiaowu)
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高孝午は1976年福建省生まれのアーティストです。代表作『標準時代』では、機械的な笑み、決められた角度でお辞儀をするサラリーマンをモティーフとした作品を展開しています。同シリーズの作品は、上海の超高層ビル、上海環球金融中心内にあるパークハイアットホテルのエレベーターホールにも展示されています。

≪中国風景No,1≫ 陳文令(Chen Wenleng)
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陳文令は1969年福建省出身、北京を拠点にするアーティストで、人物や動物などの巨大な立体作品やインスタレーションを手掛けています。特に豚をモティーフに、富や欲望などを風刺したユーモア溢れる作品で知られています。『中国風景』のシリーズでは、ステンレス素材を用い、自然や伝統と現在の風景を混在させた不思議な立体作品を展開しています。氷が解ける氷山のようであり、鹿の頭のようであり、中国の伝統的な庭園にある亭のようにも見える奇抜な風景を作り上げることで、変化に富んでとらえがたい世の中や現代社会の冷淡さを表現しています。

(執筆:M)

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光州ビエンナーレ『萬人譜 10,000 Lives』

光州ビエンナーレ『萬人譜 10,000 Lives』

【ビエンナーレ展示概要】
会期:2010年9月3日(金)~2010年11月7日(日)
場所:光州ビエンナーレ展示館・光州市立美術館・光州市立民族博物館
http://www.gb.or.kr/


光の都市と言われる韓国の光州。第8回を迎えた「光州ビエンナーレ」の取材で活気に溢れる秋の光州に行って参りました。

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今回の光州ビエンナーレのテーマは『萬人譜 10,000 Lives』。
『萬人譜10,000 Lives』とは、韓国では民衆詩人と呼ばれる、ゴ・ウン(Go Eun)の同名の連作詩から採用されたテーマです。ゴ・ウンは、今年のノーベル文学賞にノミネートされたことで世界によく知られています。「萬人譜」は、ゴ・ウンが、1980年光州事件(正式名:光州民主化運動‐民主化を求める活動家とそれを支持する学生や市民が韓国軍と衝突し、多数の死傷者を出した事件)に関わった疑いで監禁された時から創作し始めた作品で、今年の4月にそのラストになる30巻を発表することで完結しました。それは、詩人が一生の間直接会った人、または歴史や文学を通して影響を受けた人物など、およそ3,800名の人生を要約して紹介した一種の肖像画集とも言えます。

ビエンナーレのディレクターは、「イエスより若い:Younger than Jesus」という展示企画でニューヨークのダーリン(寵児)に浮上したイタリア出身のマッシミリアーノ・ジョーニ(Massimiliano Gioni)。写真評論家であるスーザン・ソンタグ(Susan Sontag)の「生きることとは、撮られること:To live is to be photographed」という言葉を副タイトルに考えていたというジョーニの話通り、展示の構成は圧倒的に写真が多いようでした。

出品作品は、1901年から2010年まで活動した作家、31ヶ国134名の作品で、ドキュメンタリー写真、映像、民芸品などが展示されています。中には今回の光州ビエンナーレのために制作された新作も含まれています。

2.jpg < ビエンナーレ館> 3b.jpg < 光州市立美術館>

          
展示空間は、ビエンナーレ館(1~5展示館)、光州市立美術館、そして光州市立民族博物館と大きく三つに分けられ、各展示館ごとに個性的な空間演出がなされています。各展示スペースが持つ小主題、そしてそれに関わる一連の作品群は、形や使われたメディア、あるいは歴史的な意味などによって分類され、『萬人譜10,000 Lives』というテーマにふさわしいヒトの「生」を語ってくれます。

「写真での表現、ポーズをとること、イメージを通した人のアイデンティティーへの探求作業」という小主題をもつ「ビエンナーレ1展示館」には、光州市民のボランティア参加によるパフォーマンスや観客の参加を積極的に誘導する作品で目立ちました。中でもイタリア出身の作家フランコ・バカリーの作品、「この壁にあなたの痕跡を写真に残しなさい」は、展示場に置かれた写真ブース(証明写真)に入った来訪者が、自らポーズをとりながら演出した写真を壁の全面に貼ることで完成させようとする作品です。参加者はその行為や残した痕跡(写真)によって彼の作品の一部となります。

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フランコ・バカリー(Franco Vaccari) 
「この壁にあなたの痕跡を写真に残しなさい」

また、宗教的な人物、偶像、人形などで構成された「ビエンナーレ4展示館」では、今回のビエンナーレで一番の話題となった「テディベア・プロジェクト」を見ることができます。キュレーターでありながら収集家であるイデッサ・ヘンデルス(Ydessa Hendeles)が作り出したこの空間は、テディベアを抱いてポーズをとった人々の写真が3千枚以上展示されています。古い白黒の写真の中には仲よさそうに写された人とテディベア。今は一人ぼっちでその写真とともに展示されているあの時のままの人形の姿は、なんとなく寂しさを感じさせるものでした。

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イデッサ・ヘンデルス(Ydessa Hendeles)
「テディベア・プロジェクト(The Teddy Bear Project)」

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ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)
「陳腐さの到来」 1988
Polychromed wood
Deste Foundation, Athens
案内のスタッフさんが今回のビエンナーレで一番高い作品と自慢げに話してくれたジェフ・クーンズの「陳腐さの到来」。

ほかにも、第8回光州ビエンナーレは、メディア・アートの形を借りて残された光州事件や9.11テロ、そして過去世界で繰り返されてきた民衆への虐待と搾取という悲惨な歴史を見せることで、「歴史」が起こしたヒトの「死」が、個人の「歴史」の中ではどんな意味を持つ「死」として残されるのかを提示してくれます。


< 執筆:W>

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上海は今、アートイベントが目白押し!

今年も上海がアートで賑わう季節がやってきました。
ただでさえ上海万博で活気に溢れる上海において、第14回目の歴史を誇る「上海アートフェア」、現代アートに特化した「Shコンテンポラリー」が同時期に開催され、また来月下旬からは「上海ヴィエンナーレ」が始まるなど、アートイベントが目白押しです。今回はその中からShコンテンポラリーについてレポートいたします。

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Shコンテンポラリー(上海芸術博覧会国際当代芸術展)は今年4回目を迎える若いアートフェアですが、アジアで最大規模の国際的なアートフェアとしての地位を確立しています。今年も昨年同様、1955年に当時のソ連から中国へ贈られたスターリン式の豪華な建築物、上海展覧中心で開催されていました。メインとなる「ベストオブギャラリーズ」、企画展「ディスカバリー」、また特別展としてイタリアのアーティスト、ジョルジオ・モランディ(Giorgio Morandi)の作品展という構成で成り立っており、「ベストオブギャラリーズ」ではアジアを中心とした83のギャラリーが参加。その他、美術館、オークションハウス、出版社等のブースも設けられていました。
                           歴史を感じさせる建物内は豪華に装
                           飾され、エキゾチックな雰囲気が漂う。


Sh+5_convert_20101001225309.jpg Sh+3_convert_20101001224331.jpgベストオブギャラリーズ」の様子         メディア等のブース

昨年のフェアでは大成功を収めたとレポートしましたが、今年は上海万博が開催中の開催ということもあり、これまで以上に数多くのアートとアート関係者が集結し、今年も3万人を超える観客とコレクターが来場したと報告されています。

今年の「ディスカバリー」では「Re-value」というテーマの下、アートの価値とは一体何なのかを見出すべく、22のブースが設けられ、計26名のアーティストの作品が展示されていました。そのうち日本人アーティストでは、青山悟、Chim↑Pom、金川晋吾、満田晴穂が招待されていました。天井の高いホールでは、韓国人アーティスト崔正化(Choi Jeong Hwa)の風船を用いた巨大な作品が圧倒的な存在感を見せつける一方、満田晴穂の自在置物という江戸時代の伝統工芸に倣った原寸大の昆虫は、本物かと見まがうほど細部に至るまで精巧に作られており、インスタレーション、絵画、彫刻、映像、写真等、バラエティに富んだ展示となっていました。

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「ディスカバリー」の様子。手前の巨大なバルーンは崔正化の作品

個人的に興味深かったのは、札幌市立大学の専任教員を務めるドイツのアートユニット、ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニ(Nina FISCHER & Maroan el SANI)の映像作品、≪Spelling Dystopia≫(2008/09年、カラー、ステレオ、17分)。かつて炭鉱によって栄え、今や無人の廃墟と化した端島(はしま、通称軍艦島)を舞台とし、その現実を映し出しながら、学生が無人島で殺し合いをする映画『バトルロワイヤル』を絡めており、現実とフィクションの間で観る者を惑わす衝撃的な作品でした。

年度を重ねる度に人々の注目と充実度を増していくShコンテンポラリー。
上海万博でさらなる発展をみせる上海において、来年以降は一体どのように展開していくのか、期待は高まります。

Sh Contemporary THE Asia Pacific Contemporary Art Fair
上海芸術博覧会国際当代芸術展 亜太地区当代芸術展
会期:2010年9月9日~12日
会場:上海展覧中心
http://www.shcontemporary.info/(中国語、英語のみ)


【 展覧会のお知らせ*榮榮&映里(RongRong & inri)展 】

北京を拠点に活動する中国人と日本人のアーティストユニット、榮榮&映里(RongRong & inri)の日本での初個展がMEM(東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2F)にて開催されています(~10月22日まで)。
榮榮&映里はアーティストとしての活動の他、北京の草場地芸術区にThree Shadows Photography Art Centre(三影堂映像芸術中心)という、ギャラリー、図書館、レジデンス施設、暗室、カフェレストランなどを有した複合写真センターを設立し、写真展の企画や教育、普及にも力を入れています。詳細は下記ウェブサイトを参照ください。
http://mem-inc.jp/

(執筆M)

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【上海万博】会場を彩る野外アート②

 先日、上海万博会場内に設置されたアートをご紹介いたしましたが、今回も引き続き、数あるアートの中から、中国人アーティストにより制作された作品を数点ご紹介いたします。

 万博会場中央に位置する中国国家館のはす向かいに佇む2体の巨大パンダは、張洹(Zhang Huan)による作品です。張洹は今月よりはじまる「あいちトリエンナーレ」にも参加する、国際的な活躍が目覚ましい中国人アーティストの一人で、巨大なインスタレーションや大胆なパフォーマンスで知られています。ステンレススチールの鏡が使用された、2体のパンダが向き合う作品≪Hehe, Xiexie≫は、中国語の「大和平、大和谐(hexie)」、すなわち「大きな平和、大きな調和」よりそれぞれのパンダの名が付けられています。この「和谐」とは近年、中国でスローガンなどによく使われる言葉の一つであり、本作品においても、調和のとれた社会や世界を表現しています。

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張洹≪Hehe, Xiexie≫


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 また、同じく中国国家館のそばには陳長偉(Chen Changwei)による、12の動物の頭が連なった作品が設置されています。タイトルや作品解説によると、古代中国から伝統的に伝わる12支における哲学や神話をモティーフとし、都市の発展は自然と調和すべきだという理念のもと制作されているとあります。しかし実際作品を見ると、明らかに12支には属さない動物の頭が多く、作家が中国の伝統を現代風に置き換え、その理念を表現していることが窺えます。

陳長偉≪十二生肖柱≫
※生肖とは12支によって唱える生まれ年を意味する。

 続いて、万博会場の公園内の歩道に突如として現れる巨大なチューインガムのごみくずは、焦興濤(Jiao Xingtao)の作品です。焦興濤は包装紙やごみくず、ビニール袋など身近にあるものをモティーフとした立体作品を制作するアーティストです。環境保護をテーマとした本作品においても、日常生活でなおざりにしがちなものをモティーフとしながらも、誇張されたインパクトのある形態と明るい色彩により、ごみを捨てるという行為、増え続けるごみの量、また過剰に包装する消費社会といった社会問題が浮き彫りにされているかのようです。

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焦興濤≪Yellow & Green≫

 同じく公園内の歩道に佇む3体のかかし。こちらは安然(An Ran)の作品、≪都市草人≫です。作者は農村でよく見かけるかかしを現代の工業化された姿へと置き換え、現代の生活理念や審美眼を表しています。急速なスピードで都市化が進んでいく中で、「都市を守る人」を次の世代へと引き継いでいこうというユーモア溢れる作品となっています。

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安然≪都市草人≫

 他にも、ダン・グラハムのコンセプチュアルな作品や、インド人アーティストSubodh Gupta の作品などもありました。ここに作品のすべてをご紹介できず残念ですが、万博会場に展示されるに相応しいテーマやコンセプトが垣間見られる作品が多く、アートを通じて改めて万博のテーマ、「よりよい都市、よりより生活」を再認識することはもちろん、今の中国の発展に伴う様々な問題を考えさせられました。

 各国のパビリオンは並んでも見たいですが、野外のアートを見てまわるのも楽しそうですね。今年の夏休み、上海万博にお出かけになる方は、ぜひご紹介した作品を探してみてください。

(執筆:M)

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【上海万博】会場を彩る野外アート①

 上海万博が始まってもうすぐ3カ月。早くも折り返し地点を迎えようとしています。
梅雨が明けて猛暑が続いているのにも関わらず旅行客は日を追うごとに増えており、入場者数はすでに3000万人を突破しました。
 
 さて、万博会場内では、奇抜なデザインのパビリオンを見て歩くだけでも楽しめるのですが、各パビリオンに設置された野外アートの他、会場内のあちこちにも彫刻作品が設置されており、それらを発見する楽しみも味わうことができます。

 フランス館では、パビリオンの入口周辺の池に中国人アーティスト厳培明(yan pei ming)の作品、≪Enfants de Shanghai≫が展示されています。厳培明は上海出身、フランスで約30年間活動しており、オークションで高額落札されるアーティストとしても知られています。池に浮かぶように設置された作品は、子供の笑顔や泣き顔など様々な表情がすべてモノクロで描かれており、入場を待つ観客に親しみを感じさせる雰囲気が漂っています。
 日本産業館のトステム株式会社のブースでは、推定3億円ともいわれるアニッシュ・カプーアの黄金の門をモティーフにした作品が展示されており、話題を集めています。

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厳培明 ≪Enfants de Shanghai≫


 また、会場内の各公園や、中国館付近にある中央の通りには中国、アメリカ、オーストラリア、日本、フランス、イタリアなどのアーティストによる合計36体の彫刻作品が設置され、その一部は万博閉幕後も永久に展示されます。

日本からは藤井浩一朗の≪父子情≫が万博公園内の川のそばに展示されています。これは約2mの透明アクリルによる作品で、「浦江城市―上海 生命的紐帯(川沿いの都市―上海 生命のつながり)」をテーマに制作されています。

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藤井浩一朗 ≪父子情≫ 


 「世博軸」と呼ばれる万博会場中心に位置するアーケードには、19作品が設置され、それらと記念写真を撮影する観客の姿が目立ちました。
今回の上海万博のシンボル的建築物である中国国家館を背景に設置されているのはジュリアン・オピーの作品です。LEDが用いられ、電光パネルの中を等身大の人がそれぞれの方向へ歩いていく、ユニークな作品となっています。

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ジュリアン・オピー≪Jennifer walking, Orange≫他


 続いて、中国のコンテンポラリーアートにおいて、ポリティカル・ポップを代表する作家として世界的に人気が高い王広義(Wang Guangyi)の作品≪水・東風・金龍≫は、鉄製の車をモティーフにしています。1958年、中国で最初に生産された乗用車は毛沢東の言葉「東風圧倒西風(東風が西風を圧倒する)」から「東風金龍」と名付けられ、毛沢東が中南海で試乗したといいます。このエピソードをもとに制作された本作品は、王広義作品の特徴である、社会主義的な理想への複雑な思いが垣間見られるのではないでしょうか。

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王広義 ≪水・東風・金龍≫

(執筆:M)

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上海万博、各国の芸術作品が集合!

 上海万博がはじまって約2カ月が経ちました。
市内の至る所に上海万博のキャラクター、海宝の姿や、ボランティアスタッフが常駐する案内スタンドが設置され、また地下鉄等の交通機関や公共の場のテレビでも、時間毎の入場者数や各パビリオンでのイベントなどが常に報道されており、万博会場外であっても市内は万博色で染まっています。

 さて、過去の万博を遡ると、1867年のパリ万博では日本の工芸品や浮世絵が紹介されて印象派の画家たちに影響を与えたことや、1889年のパリ万博ではエミール・ガレのガラス工芸がグランプリを受賞し、国際的に評価されるきっかけとなったこと、また1937年のパリ万博、スペイン館にパブロ・ピカソの『ゲルニカ』が展示されて観衆に衝撃を与えたことなど、万博で紹介される芸術は、その後の芸術に多大な影響を与え得る重要な役割を担っていたことが窺えます。
今回のこの上海万博においても、世界の秘宝や芸術作品が一堂に会し、話題を集めています。

 フランス館では、フランス・オルセー美術館が所蔵する印象派の作品を中心に7点の作品が出展されています。(ミレーの『晩鐘』、マネーの『バルコニー』、ヴァン・ゴッホの『アルルのダンス・ホール』、セザンヌの『Woman with Coffee Pot』、ポール・ゴーギャンの『ミール(バナナとも呼ばれる)』、ピエール・ボナールの『化粧室』、オーギュスト・ロダンの彫刻『青銅時代』)
これらの作品は国外で同時に展示されるのは初めてで、総額10億ユーロ(約1230億円)もの保険が掛けられているそうです。

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フランス館


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デンマーク館では、アンデルセンの童話で有名な人魚姫の彫刻が展示されています。この彫刻は1913年にデンマークの彫刻家エドワード・エリクセンが制作したもので、コペンハーゲンのシンボル的存在として愛されてきました。その彫刻がはじめて国外を出て上海万博に登場したということで、大きな話題を呼びました。

 メキシコ館では、アステカ文明やマヤ文明の時代から、現代に至るまでの歴史を芸術作品を通してひもとく試みがなされており、文明時代の石像彫刻の他、現代芸術作品としては、メキシコの著名な現代画家でその人生が映画化されたことでも知られるフリーダ・カーロの自画像が展示されています。

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マヤ文明石像彫刻                       フリーダ・カーロ
900~1200年代のもので、178×494×30cm     《自画像》 キャンバス・油彩
という迫力ある逸品。                            64×84cm


 また各国家館が並ぶ会場(浦東エリア)とは川を挟んだ別会場(浦西エリア)にある都市足跡館と万博博物館においては、世界各国の博物館や美術館から借りた330点もの文化財が展示されています。
前者の都市足跡館では、日本の江戸時代を紹介したコーナーがあり、江戸の町を再現した模型と共に、葛飾北斎や歌川広重の浮世絵を発見!過去の万博を紹介した後者の万博博物館には、宮川香山の重要文化財『黄釉錆絵梅樹文大瓶』、鈴木長吉の彫刻『鷹』、涛川惣助(なみかわそうすけ)の七宝焼きで描かれた日本画『七宝焼富士山図』等が紹介されています(共に東京国立博物館所蔵)。
また1900年のパリ万博に出展されたというロダンの『考える人』をはじめとする7点の作品も展示されています。

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都市足跡館                   万博博物館
歴史ある都市を再現したパビリオン      万博の歴史を紹介したパビリオン
江戸の町の模型や浮世絵を展示       手前のオブジェは中国の伝統工芸
                            「中国結び」をモチーフとしたもの


 万博会場内には他にも、前述したピカソ『ゲルニカ』のスケッチ手稿、レンブラントの『手を腰に置く男性の肖像』、レオナルド・ダ・ビンチの手稿など、普段なかなか見ることのできないお宝の数々を鑑賞することができます。またもちろん、中国の秘宝も数多く展示されており、それらの展示の前では人だかりが絶えないようです。この機会にぜひ実物を鑑賞したいものです。

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岡本太郎《太陽の塔》 (万博博物館内)
1970年大阪万博のシンボルの模型
上部の液晶には、塔が360°回転する映像が流れる。

(執筆:M)

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