カテゴリー別アーカイブ: オークション

杉山寧の『文藝春秋』表紙絵

こんにちは。
GWが終わり、最近は過ごしやすい日が続いていますね。
先週の近代美術PartⅡ下見会にお越しいただいた皆様、ありがとうございました。

さて、今週は近代美術の下見会とオークションを開催いたします。
今日も出品作の中からおすすめの作品をご紹介いたしますが、その前に…
突然ですが問題です。

梅原龍三郎、安井曽太郎、鏑木清方、杉山寧、高山辰雄、平松礼二

シンワアートオークションでもおなじみのこの作家たちには、ある共通点があります。
それは一体何でしょうか?


答えは、「雑誌『文藝春秋』の表紙絵を担当した作家たち」です。
なんとも豪華なメンバーですね。
現在の担当・松村公嗣氏まで、代々そうそうたる顔ぶれが表紙絵を手掛けてきました。その中でも、最も多くの表紙絵を描いたと言われるのは杉山寧です。
今回のオークションには、杉山が制作した『文藝春秋』表紙絵の原画12点が出品されます。


【オークション終了につき、作品の画像は削除させていただきました】

Lot.28 杉山寧《遊》
16.0×16.0cm
麻布・彩色 額装
東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書付
『杉山寧』掲載(文藝春秋)
『文藝春秋』昭和45年6月表紙掲載
文藝春秋60周年記念 文藝春秋表紙装画全展
(1982年・日本橋高島屋)
エスティメイト ¥800,000~1,200,000


 昭和30年、『文藝春秋』の表紙絵を担当していた安井曽太郎が亡くなり、その後任として当時まだ気鋭の日本画家だった杉山寧に白羽の矢が立てられました。
安井の後を引き受けた杉山の表紙絵は、昭和31(1956)年4月号から昭和61(1986)年12月号まで、実に30年9ヶ月という長期にわたって同誌を飾ることとなり、制作された原画の点数は369点にのぼりました。
今回出品される12点は、昭和45(1970)年1月号から12月号までの原画です。

 表紙絵を担当することになった杉山は、「描く以上、たとえ捨て去られるような小さな画面でも、自分は精一杯描き込んでゆきたいのです」と、真摯な姿勢で毎月の原画制作に取り組みました。原画では、通常の本制作同様に岩絵具と麻布を用い、実際の表紙とほぼ同じ大きさの画面に絵を描きました。その一点ずつに漢字一文字のタイトルがつけられていることからも、杉山にとって本制作と同等の存在だったことがうかがえます。また、ときには、石を支持体としたり、石膏で作った凸凹の画面に作画するなど、ほかの画材を使用したり、大胆な実験を試みることもあったようです。

 この原画制作において、杉山が最もこだわり、苦心したのが主題だったといいます。毎月雑誌を手に取る読者のために、写実や抽象、スケッチ風などの様々な表現によって、人物、風景、花鳥、動物といったありとあらゆる題材を描きました。そこには、時代の移り変わりや杉山自身の作風の変化、取材旅行の成果や身辺の出来事までが生き生きと映し出されています。
注目すべきは、これらがきっかけとなって日展出品作などの名作が生まれたり、逆に代表作を描いた後にその派生作品として数々の原画が描かれたりしたことでしょう。


【オークション終了につき、作品の画像は削除させていただきました】

Lot.25 《園》
16.0×15.3cm
麻布・彩色 額装
東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書付
『杉山寧』掲載(文藝春秋)
『文藝春秋』昭和45年1月表紙掲載
文藝春秋60周年記念 文藝春秋表紙装画全展
(1982年・日本橋高島屋)
エスティメイト ¥1,500,000~2,000,000


 孔雀をモティーフとした作品は原画以外の本制作にもありますが、たとえばこのLot.25《園》は同じ画面構成で一羽の孔雀を描いた作品《爽(絢)》(昭和44年作)を発展させたものであり、その後、二羽の孔雀を象徴的な空間に構成した名作《禔》(昭和58年作)に影響を与えたとも想像できます。

 また、美術評論家の小川正隆氏は、一連の表紙絵を「絵による俳句」と評しましたが、本制作以上に四季折々の自然の移り変わりとその感慨が風情豊かに描かれていることが表紙絵の大きな特徴です。8月号のLot.30《風》や9月号のLot.31《叢》などは、特に季節感が重視されています。


【オークション終了につき、作品の画像は削除させていただきました】

Lot.30《風》                 Lot.31《叢》
15.6×15.0cm               15.8×15.4cm
麻布・彩色 額装              麻布・彩色 額装
東京美術倶楽部鑑定委員会       東京美術倶楽部鑑定委員会
鑑定証書付                  鑑定証書付
『杉山寧』掲載(文藝春秋)         『杉山寧』掲載(文藝春秋)
『文藝春秋』昭和45年8月表紙掲載   『文藝春秋』昭和45年9月表紙掲載
エスティメイト ¥500,000~800,000   エスティメイト ¥1,000,000~
                                   1,500,000


 長期にわたる連載という性質上、杉山は読者を飽きさせない視覚的な新鮮さを心掛け、こうして様々な工夫をこらしました。結果としてそれらは、本制作にも大きな刺激をもたらす豊饒な作品群となったのです。また一方で、本制作では見ることのできない画家の素顔をうかがわせるものとしても、大変味わい深い仕事と言えるでしょう。

杉山の表紙絵12点は、22日(水)からの下見会でご覧いただけます。
昔の『文藝春秋』をお持ちの方は、もしかして「この表紙、うちにある!」なんてことがあるかもしれませんね。
下見会・オークションスケジュールはこちら

皆様のご来場を心よりお待ちしています。

(佐藤)

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G.Wは陶器市へ!!

こんにちは。
先週末のBAGS/JEWELLERY & WATCHESオークションにご参加頂いた方々、ありがとうございました。
 さて、もう来週はゴールデンウィークですね。実はゴールデンウィークが、陶器市の季節ということをご存じですか?
 よくテレビなどで紹介されていますが、全国各地の窯元で開催されています。
まず、今年110回目を迎える陶器市・有田陶器市をご紹介します。

■有田陶器市 主催:有田商工会議所
4月29日(月)~5月5日(日):佐賀県JR有田駅~上有田駅周辺約4km

 その始まりは、なんと明治29(1896)年まで遡るとか!その頃「陶磁器品評会」が桂雲寺(けいうんじ)で行われ始め、それと同時に「蔵ざらえ大売り出し」として各陶器店が行ったのが始まりだそうです。それが大正11(1922)年ごろに「陶器市」という名称に変わり、現在に至るとのこと。
有田町は言わずと知れた磁器の町。古伊万里、鍋島、最近では古九谷もこの地で生まれたと言われています。重要無形文化財(人間国宝)に認定された十三代今泉今右衛門、十四代酒井田柿右衛門、井上萬二、さらに重要無形文化財保持団体に指定されている「色鍋島今右衛門技術保存会」と「柿右衛門製陶技術保存会」の窯も巡ることができます。
詳細はこちらへ
有田陶器市

続きまして、関東圏の大きな陶器市と言えば、「益子 春の陶器市」です。

■益子 春の陶器市 主催:益子町観光協会
 4月27日(土)~5月6日(月):栃木県益子町

「春」というくくりでもお分かりのように、「秋」にも陶器市が開催されています。
毎回テーマが決められており、去年は「花」だったようですが、今年は「マグカップ」。販売店約50店舗のほか、約500のテントが張られ、作家から直接購入できます。
 益子焼は、大正13(1924)年に浜田庄司が移住し、柳宗理らとともに民芸運動を行い
始めたことから着目されるようになりました。「用の美」。日常生活の中で使われてこその美として、多くの陶工に影響を与えました。浜田庄司、島岡達三が重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されています。
浜田窯の横には「浜田庄司記念 益子参考館」があります。歴史ある建物は圧巻です。また益子では若手作家の展示も開催されているので、益子焼の幅広さを感じるのも楽しそうです。
 
 詳細はこちらでご覧ください。
益子陶器市

 そのほかの主な陶器市です。

■波佐見陶器まつり(長崎県)主催:波佐見陶器まつり協会
 4月29日(月)~5月5日(日):波佐見町やきもの公園一帯
波佐見陶器まつり

■白山陶器の陶器市
 波佐見陶器まつりに合わせて行われています。(白山陶器本社ショールームなど3か所)
白山陶器の陶器市

■笠間の陶炎祭(茨城県)主催:笠間焼協同組合
 4月29日(月)~5月5日(日):笠間芸術の森公園イベント広場
笠間の陶炎祭

■萩焼まつり(山口県) 主催:萩焼まつり実行委員会 (萩商工会議所内) 
 5月1日(水)~5月5日(日):萩市民体育館
萩焼まつり


■九谷茶碗まつり(石川県) 主催:石川県陶磁器商工業協同組合
 5月3日(金)~5月5日(日) :ふれあいプラザ周辺
九谷茶碗まつり

また、都内では老舗のギャラリーによるイベントが行われています。
■東京アートアンティーク
東京アートアンティーク 
4月26日(金)~4月28日(日)中央区日本橋・京橋エリアのギャラリー


お近くや、旅先などで様々な陶器に触れてみてはいかがでしょうか?

(執筆者:E)

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アンティークジュエリー

こんにちは。今週末はBAGS/JEWELLERY & WATCHESオークションを開催致します。
今回、珍しくアンティークジュエリーがいくつか出品されますので、少しご紹介したいと思います。
アンティークジュエリーとは、製作されてから100年以上経過した宝飾品のことを指します。本場はイギリスで、実際市場に出回るアンティークジュエリーは製作から200年以内のものが大半を占めるため、ほとんどがヴィクトリア時代のものと言えます。
ヴィクトリア時代とは、1837年に18歳の若いヴィクトリアが王位についてから、1901年逝去までの長い治世の時代を指します。この時期イギリスでは既に産業革命が成し遂げられており、また、世界中に植民地を広げ、強力な生産力と富を保持していました。ヴィクトリアはジュエリーをこよなく愛したため普段からそれらを身につけ、ジュエリーは以前より頻繁に人々の目に触れるようになります。それまでは権威の象徴だったジュエリーですが、国家の生産力の向上と富の増大により、様々な階級の女性も女王の真似が出来るようになりました。こうしてジュエリーは、いまだかつてないほどの隆盛を極めます。女王は若い頃、赤いガーネットを特に好んで身につけたため、その影響で、19世紀前半にはガーネットが大流行したようです。
今回まさに、初期ヴィクトリアンジュエリーの典型的なデザインを持つ商品が出品されます。

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Lot582 ガーネットブローチ(1840年頃)
Estimate ¥50,000~¥100,000


アンティークジュエリーの魅力の一つに、現代では再現することが難しく、失われた技術と呼ばれるほど高度な技術を要する、ミリ単位の金の装飾があります。上記右側の画像を見ていただければ分かると思いますが、本当に細かい細工が施されています。
また、このブローチには、“ルポゼ”という金にふくらみをもたせたデザインが見られます。ルポゼはヴィクトリア初期に頻繁に見られる技法で、ふんだんに金が使えない時代、限られた金をより大きく見せるために編み出されました。薄い金の板を叩き出し、立体感と重厚感をもたせています。1848年にカリフォルニアで、1851年にオーストラリアで相次いで金鉱山が発見され金がふんだんに使えるようになると、ジュエリーはずっしりと重量感を持つようになります。これは鉱山発見以前のものなのでしょう。非常に軽く、着けやすい仕上がりになっています。

ヴィクトリア時代中期には、ジュエリーの世界に特に大きな影響を与える、二つの出来事がありました。
まず、1861年に、ヴィクトリアは最愛の夫アルバート公の死という不幸に見舞われます。女王はその後、約25年間もの長い間喪に服しました。執務中も黒いドレスを着用し、ジェットという黒い宝石を身に着け、側近たちにもそれを強要しました。庶民の間ではモーニングジュエリーが大流行し、彫金したゴールドに黒いエナメルで装飾を施し、パールや小さいダイアをあしらい(パールやダイアモンドは、無色ということで喪中でも身につけることが許されたようです)、遺髪を入れるロケットを持った装身具が、一時期製造が間に合わないほどの人気を集めました。喪が明けても、ロケットタイプのジュエリーは人気を保ち続け、様々なものが製作されていたようです。
今回、ロケットタイプのジュエリーは2点出品されています。
   585.jpg
Lot585ガーネット パール ダイアモンドペンダントトップ(1880年頃)
estimate¥150,000~¥250,000
 

   587.jpg
Lot587 ボヘミアンガーネットブローチ(1880年頃)
estimate¥50,000~¥100,000


Lot585の中央に入れられている星の模様は、ヴィクトリア時代の典型的デザインです。この時代、天然パールやダイアモンドで、これと同じデザインを使ったティアラやブローチなど多くの作品が作られています。

そしてもう一つ、1867年に、南アフリカのキンバリーでダイアモンドの鉱山が発見され、ヨーロッパに大量のダイアモンドが流入するようになりました。そして、それまでのローズカットに加えて、新たに発明されたオールドヨーロピアンカットが使用されるようになり、ダイアモンドは一層の輝きを得て人々の間に普及していきます。

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Lot590 ダイアモンドブローチ(1860年頃)
estimate¥400,000~¥600,000


こちらは花の部分の裏にコイル状のバネが仕込まれ、細かく揺れる仕組み(トレンブラン)になっています。

ヴィクトリア時代後期に入ると、大量に供給されるダイアモンドを用いたジュエリーが多く作られるようになりました。また、暗いイメージのモーニングジュエリーへの反動も表れ、全体に明るく繊細なものが好まれるようになります。また、自然主義の影響で、小ぶりな花や葉、月や星を象ったものが多くなっていきました。これが、もっと後のアール・ヌーヴォー様式に繋がっていきます。

アンティークジュエリーはボリュームがあるものが目立つため、現代のスタイルには似合わないとお思いの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、着けてみると意外に使いやすいジュエリーです。特に、ヴィクトリアンジュエリーは、一般の人が着けて美しく見えるようにデザインされたものが多いので、着けた時にこそ、その真価が発揮されるのです。ドレスの胸元やジャケットの襟元に映え、現在のシンプルなスタイルのポイントとしても、とても素敵にお使いいただけます。
時を経て私たちの手元に来るアンティークジュエリーは、その個性的なデザインが何かの意思を持っているようで、歴史を知れば知るほど面白く、見る者を感動させる魅力を持ちます。
下見会は4月17日(水曜日)からです。是非手に取って、細部の細かさを確かめ、アンティークジュエリーならではの魅力を感じてみて下さい。

下見会・オークションスケジュールはこちら

(執筆:N)

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桜満載・近代陶芸/古美術オークション

先週の織田広喜/近代美術/浮世絵オークションは、来場者数も多く、とても活気のあるオークションでした。ご来場頂いた皆さま、どうもありがとうございました。
今週末は近代陶芸/古美術オークションが開催されます。ぜひこちらへも多くのご来場をお待ちしております。

さて、桜満開の季節ですが、「花より団子」という皆さま、本格抹茶茶碗でお茶を楽しまれてみてはいかがでしょうか?今回は普段より多くの茶碗が出品されます。その数ざっと90点!
 会場1
こちらが近代陶芸

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そしてこちらが陶芸PARTⅡです。

  荒川豊蔵、井上萬二、浜田庄司、藤原啓、十二代中里太郎右衛門、坂田泥華、九代大樋長左衛門、そしてバーナード・リーチなどなど!様々な技法と作家により制作された品々が集まりました。中でも最も評価が高いのは、十五代樂吉左衛門の「黒茶碗」(LOT.122:エスティメイト:¥3,500,000~¥4,500,000)です。年始にNHKで特集が組まれ放映されていましたね。ご覧になられた方も多いのではないでしょうか?
千家の茶碗師・樂家当代の黒茶碗を実際に触れられる機会です。ぜひ間近でご鑑賞ください。

 そして古美術オークションからご紹介したいのは、土佐光芳「三十六歌仙歌合帖」です。
(LOT.159 エスティメイト¥1,800,000~¥2,800,000)
カタログには、一番「柿本人麻呂」と三十六番「中務」の部分を抜粋して載せてありますが、他に「桜」についていくつか詠まれている歌がありますので、ご紹介します。

紀貫之4
紀貫之
「桜散る 木の下風は 寒からで 空にしられぬ 雪ぞ振りける」
『春が深くなったと思うけれども、桜の花の散る木のもとは、まだ雪が降っている。』


『土佐日記』で知られる紀貫之の歌です。
桜の散る様子が、雪が降っているように見えるというなんとも綺麗な歌です。「空が知らない」とは、まさに詩人。
 そしてもう一人。「小倉百人一首」で「今こむと いひしばかりに なが月の 有明の月を 待ち出でつるかな」を
詠まれた方です。

素性法師4

素性法師
「みわたせば 柳桜を こきまぜて 都ぞ春の 錦なりける」
『はるかに都の方を眺めると、柳の緑と桜の紅とを混ぜ合わせた都こそ、
春の錦(あでやかで美しいこと)であることよ。』

 
これもまた、詠むだけで情景が浮かんでくるようですね。新緑と薄紅。古来から日本人の色彩感覚が
優れていたことがわかります。

 春を、また違った角度で楽しむことができるオークションへ、ぜひ足をお運びくださいませ。

今回は下見会、オークション開始時間が、いつもと異なりますのでご注意ください。

■下見会日時:
3月28日(木)・29日(金)/10時~18時
3月30日 (土)/9時半~11時半
■オークション日時:
3月30日(土)/15時~(受付は14時半開始)


(執筆者:E)

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杉山寧の抽象絵画―《林》

こんにちは。
16日(土)の近代美術PartⅡオークションにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
この日、観測史上最も早いペースで東京の桜の開花が発表されました。
今週末には都心はもう見頃を迎えるそうなので、お花見の後はぜひオークションにお立ち寄りくださいね。

では、23日(土)の出品作品の中から1点ご紹介します。


【オークション終了につき、作品の画像は削除させていただきました】


181 杉山 寧《林》
188.0×147.0cm
麻布・彩色 額装
1961(昭和36)年作
共シール
東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書付
展覧会歴:第4回新日展(1961年・東京都美術館)ほか多数
文献:『現代日本の美術 第8巻 杉山寧』(1977年・集英社)ほか多数
エスティメイト ★\20,000,000~40,000,000


 今年は杉山寧の没後20年にあたり、現在各地で展覧会が開催されています。
皆様はもうご覧になりましたか?
杉山の大規模な展覧会が開催されるのは、なんと17年ぶりとのこと。会場の一つ、日本橋高島屋は連日たくさんの人で賑わっているそうです。

 杉山寧(1909-1993)は、東京生まれ。東京美術学校在学中に帝展で入選、その後首席で美校を卒業し、注目の若手作家として華々しく画壇デビューを飾りました。松岡映丘に師事する一方、同門の画家たちと「瑠爽画社」(るそうがしゃ)を結成し、新しい日本画の可能性を積極的に追求していきます。初期の写実的な作風から、戦後は抽象表現を経て、エジプトやカッパドキアの風物、裸婦や花鳥など、様々なテーマに卓抜した造形感覚と描写力を発揮しました。1974(昭和49)年文化勲章受章。

 杉山の画業において、ひときわ異彩を放つテーマといえば、1959(昭和34)年から1962(昭和37)年にかけて制作された抽象表現でしょう。
 この時期に欧米から伝わったアンフォルメルや抽象表現主義の流行に敏感に反応したものとも考えられますが、抽象に至る数年間の作品に造形や象徴的な空間づくりへの意識が次第に高まっていく様子が見られるため、むしろ必然的に辿りついたものなのかもしれません。それは伝統的な日本画の情緒的・文学的な要素を徹底的に排除した、純粋な造形表現による絵画であり、日本画家の枠を超えた画家であろうとする杉山の強い意志表明とも言えるものでした。

 1961(昭和36)年(当時52歳)に制作された本作品は、同年の第4回新日展出品作。その完成度の高さから一連の抽象表現の到達点とも評されています。画像では伝わりにくいのが残念ですが、縦188cmという大画面を覆い尽くす重厚な絵肌の迫力は圧巻です。
 こうした抽象絵画は、自然から受けたイメージを象徴的なフォルムにまで高めるという手法で描かれていますが、伝統的な日本画が題材としてきた日本特有の風景を描いたものは一点もありません。本作品では木々が絡み合うようにして立ち並ぶ林のイメージを太い描線で表しており、まるでその隙間から光が差し込んでいるかのように背景の中央付近をやや明るく描くことで、描線は樹木が天へと伸びていくような生命感を感じさせます。
 また、岩絵具に細かい砂などを混ぜた堅牢で重厚なマチエールは、自然を抽象化する過程で見出されたもので、画面に造形の力強さと喚起力、神秘性をもたらしています。こうしたマチエールはこの後の杉山芸術の大きな特徴となり、これを支えるために、本作以降の作品では支持体に麻布が使用されるようになりました。実際の風景と画家の心象とが溶け合う象徴的な画世界が完璧なまでに表現された作品であるとともに、杉山芸術の確立を示すターニングポイントとしても貴重な一点と言えるでしょう。

その圧倒的な存在感をぜひ会場で体感してください。
下見会・オークションスケジュールはこちら

《林》をご覧になった後はこちらもどうぞ。
「杉山寧展」 日本橋高島屋 (~3/25 その後全国巡回)
「杉山寧とポーラ美術館の絵画」 ポーラ美術館 (~7/7)

みなさまのお越しを心よりお待ちしています。

(佐藤)

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「陶器」と「磁器」

陶器と磁器
こんにちは。
突然ですが皆さん、陶芸作品はお好きですか?私は陶芸を勉強していく中で一番最初の大きな「?」がこの問題でした。美術品の良さがどうしたらわかるのだろう?と。
そこで今回は、陶芸作品を鑑賞する上での最も大枠、「陶器」と「磁器」について説明してみようかと思います。一度見方が分かると、あれよあれよという間に陶芸に興味を持てるかもしれません!
 
まず、「何焼か」という判断はというと、・・・ほぼ見た目です。
陶芸は生産地によって釉薬や土が違うので、見た目でどこの土地で作られたかおおよそ判断できます。でも、いくつも見ないと系統が分からず、ややこしいですね。しかも土や釉薬は簡単に運ぶことができるので、最近では「○○の土」としてホームセンターなどで売られていたりします。なので「○○焼」というより、「○○焼き風」と言ったものも多いようです。実際に多くの種類の陶芸作品が生まれ、どこの焼き物か分類できないものまで増えてきています。
そこでまず、もっともシンプルに、且つ大胆に「陶器」と「磁器」に分類してみましょう。
 たとえば、「楽焼」「備前焼」などは「陶器」に、「有田焼」「九谷焼」は「磁器」に分類されます。
陶器3点小


「陶器」は「土もの」とも呼ばれ、釉薬を掛けず素地を焼成して完成だったり、土の中に含まれる石がそのまま表面に出ていたりします。比較的低温(800℃~1000℃)で焼かれ、吸水性も高いことが特徴です。


磁器3点小

反対に「石もの」とも呼ばれる「磁器」は、白い素地でなめらかな陶土で成形され、高温(1200℃~1500℃)で焼いた硬質で吸水性の低い焼き物のことをいいます。叩くと「キーン」という金属音が出るのも特徴的です。
 前者は朴訥とした温かみを感じ、後者は洗練された美しさを感じます。これはその土地で「採れる土」で決まります。中国では古くから磁器の代表とも言える青磁が作られてきました。世界的に最も価値があるのは、南宋時代に作られた砧青磁かもしれません。日本では豊臣秀吉の時代に朝鮮から李三平(り さんぺい)という陶工が連れてこられ、現在の佐賀県有田市で磁器の作れる陶土を発見し有田焼が作られ始めました。その後有田では、色絵磁器が江戸の絢爛豪華な元禄文化を反映し花開き、さらには輸出され、ヨーロッパで柿右衛門様式として模倣されるようにまでなったのです。
 磁器は硬質で型を使い作れることからも、湯飲みや茶碗など量産品としても多く生産されます。そしてこれまで述べたように静謐で気品あふれる作品を生み出すことができるのも磁器です。
 一方陶器は、江戸初期の茶人・古田織部が作らせた歪んだ美を持つ「織部焼」、千利休の千家が認めた茶碗師・樂家の焼く「楽焼」という形で日本の茶の湯とともに、発展していきました。もともと中国から伝わってきた茶の湯は「唐物」と呼ばれる中国製の高価な茶道具が好まれてきましたが、利休が考案した「わび茶」と呼ばれる簡素な茶の湯が広まっていくにつれ、唐物ではなく欠けた水指や茶碗などが「美」として認識されていったのです。それを表現しやすかったのが、磁器ではなく陶器だったのでしょう。
 このように陶器と磁器は、相反するような特徴を持っているのです。

 そうは言っても、作品の見方が難しく、良さを理解することもなかなか簡単ではないのかもしれません。それでも、例えば「きりっとした派」か?「ほのぼの派」か?どちらが好きか、まずは選んでみてください。そしてさらにその中でどのような種類が好きかなぁなどと考えながら触れていくにつれ、生産地がだんだん分かりだし、陶芸の楽しみ方が少しづつ分かってくると思います。

瀬戸物屋さんで売られている大量生産の磁器だけでなく、美術品としての「陶磁器」の世界に一歩足を踏み入れてみてはいかがでしょう?   

(執筆者:E)

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1月の誕生石<ガーネット>

こんにちは。
時が経つのは早いもので、年が明けてから既に一月が経とうとしています。ぼやぼやしていたら2013年もあっという間に終わってしまうのだろうなあと、昨日仕事を終えて帰ろうとした時にふと思ってしまいました。皆さんはこの一月をどう過ごされましたか?充実した年になるよう、日々前向きに、様々なことにチャレンジしていきたいですね。

さて、そんな1月の誕生石はガーネットです。ガーネットは、血液などの循環を促し、生命力を高め、私たちにエネルギーを与えてくれるため、寒い1月を乗り切る力になると言われています。また、精神力を高め、努力を実らせ成功に導く石とも言われます。
「ガーネット」という名は、ラテン語の“ざくろ”を意味するグラナトゥムに由来し、日本名も柘榴石(ざくろ石)。その名の通り、一般的にガーネットとして知られているのは深い赤色を持つ石です。
ガーネット赤

しかし実はガーネットには青を除いたほとんどの色があり(無色・黄・橙・赤・緑・黒など)、色によって様々な呼ばれ方をします。
今回は、赤色のガーネットと同等か、それ以上に人気のある緑色のガーネットの中から、ツァボライト(グリーングロッシュラー・ガーネット)とデマントイドガーネットをご紹介します。
ツァボライトの歴史は、1968年にケニアのツァボ国立公園から発見された緑色のガーネットに、ティファニー社が「ツァボライト」と命名したことにより始まりました。ツァボライトは、光の屈折率がサファイアに近く、硬度もクォーツと同じ程度あるので、宝石としての資質に優れています。色味としては、エメラルドより冴えた、透明度のある緑色をしています。また、インクルージョンの少ないものが比較的多いため、エメラルドのような、オイルを含浸させる処理が行われません。デビューしてまだ30年の新しい宝石で、産出量も少ないため知名度は低いのですが、この石の美しさと宝石としての資質を考えると、今後の需要の増加も予想されます。
同じグリーンのガーネットで、さらに高い屈折率と強い分散を誇る石を「デマントイドガーネット」と呼びます。馬の尾のような、多数の繊維状結晶「ホーステールインクリュージョン」が見られることが特徴です。色は、ツァボライトより黄味がかった若葉色です。デマントイドガーネットは主にロシアのウラル山脈で採掘されています。「デマントイド」には、“ダイアモンドのような”という意味が含まれており、その強い輝きを持つ美しさから、ロシア王室はもとより、イギリス王室やアメリカの上流階級の人々に愛されてきました。ロシア革命によって一時期採掘が中止に追い込まれましたが、1980年代終わりのソ連のペレストロイカで採掘を復活させています。デマントイドガーネットは還流品としてオークションに出され、1カラット当たり1万ドルを超える値がつけられたこともあり、その人気の高さが伺えます。
デマントイドガーネットは次回オークションにも出品される予定です。大きいものが出品されることは稀ですが、小さいものでも鮮やかな若葉色は目に映えます。是非下見会に足をお運び下さいね。

(執筆:N)

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孤高の画家・長谷川潾二郎の静物画―《フライパンと卵》

 こんにちは。毎日寒い日が続きますね。
歩道を歩いていると、まだ月曜に降った雪があちらこちらに残っているのを見かけます。
明日が「大寒」なので、今が一年で最も寒さが厳しい時期ということになります。
ノロウイルスやインフルエンザが今年も流行っているようなので、みなさまも気をつけてくださいね。

 さて、来週26日(土)は、2013年1回目のオークションを開催いたします。
今日は近代美術オークションの出品作品から注目の一点をご紹介します。


【オークション終了につき、作品の画像は削除させていただきました】


lot.33 長谷川潾二郎 《フライパンと卵》
33.5×45.5cm
キャンバス・油彩 額装
1979年作
右下にサイン、裏に署名・タイトル・年代
長谷川潾二郎鑑定登録委員会鑑定登録証書付
エスティメイト ¥1,000,000~1,500,000



 みなさまは、長谷川潾二郎(はせがわ・りんじろう)をご存じでしょうか?
赤い敷物の上で丸くなる愛猫タローを描いた《猫》で一躍脚光を浴びた画家です。

 この《猫》はかつて、『気まぐれ美術館』で知られる美術評論家、画商の洲之内徹氏のコレクションで、氏の没後にそのコレクションの一点として宮城県美術館に寄贈されました。それが2008年に書籍『洲之内徹が盗んでも自分のものにしたかった絵』の表紙になったことを機に画家自身にも注目が集まり、様々なメディアにとり上げられ、各地で展覧会も開催されました。

 長谷川潾二郎(1904-1988)は、北海道生まれ。ジャーナリストの父、後に作家になる兄弟たちに囲まれ、文化的に恵まれた環境で育ちました。1918年北海道庁立函館中学校に入学すると、油彩画を描き始めます。1924年画家を志して上京し、川端画学校に通いますが、数ヶ月で退学して独学で制作を続けました。その一方で、詩や小説を好み、探偵小説家・地味井平造として小説を発表するなど、作家としても才能を発揮しました。やがて絵画に専念し、1931年フランスに渡ります。翌年帰国し、4年連続で二科展に出品しましたが、その後は個展を中心に活動し、画壇から距離を置いた孤高の制作姿勢を貫きました。
 
今回の作品は、1979年(当時75歳)に制作された静物画です。潾二郎は「卓上の静物」という主題を好み、画業の後半を中心に繰り返し描きました。本作では、光を反射してつやつやと輝くポットやざらついた質感の卵、ふんわりとした目玉焼きを親密な眼差しで捉え、平明かつ温厚なリアリズムで描き出しています。身近なものに内在する目に見えない趣きや美を丁寧に掬い取り、自身の詩的世界を静かに表現した作品です。
 潾二郎は、とにかく遅筆で寡作だった、と言われています。6年間《猫》の右ひげを描けず、とうとうタローが死んでしまった話や、風景の土を描くのに10年以上を要したことなど、たくさんの逸話が残されています。この作品は、一体どれほどの時間をかけて描いたのでしょうか。作品が完成する頃には、目玉焼きはもう食べ飽きていたのかも…など、いろいろ想像してみるのも楽しいですね。

この作品は23日(水)からの下見会でご覧いただけます。
下見会・オークションスケジュールはこちら
みなさまのお越しを心よりお待ちしています。

(佐藤)

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今週はBAGS/JEWELLERY & WATCHESオークションです

こんにちは。
先週の近代陶芸/近代美術パートⅡ(陶芸)オークションにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
12月に入り、まさに冬!といった寒い日が続くようになりました。寒さにめっきり弱い私には辛い季節の到来ですが、クリスマスからの冬休み、お正月とイベントが続く、賑やかな季節でもあります。
さて私は、冬休みを先取りして、先週フランスに行って参りました。日本と同じような気温のパリは、木々が黄色に色づき、とても美しい景観を作りだしていました。

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また一方、クリスマスに向けたイルミネーションも施され、シャンゼリゼは一層華やかさを増しています。
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外を歩けばその美しさに寒さもしばし忘れ、散歩を楽しんだり、長いこと立ち止まったりすることもしょっちゅうですが、体は確実に冷えてまいりますので、やっぱり寒い!!と感じたら美術館へ足を運びましょう。
フランスの美術館というと、ルーブル美術館、オルセー美術館、国立近代美術館が三大美術館として知られていますが、大きな美術館を巡るのは一日がかり。気分的にも準備が要りますよね。でもパリには、多様な趣を持った小さな美術館も数多くあります。中でも、サンドウィッチを持ちこんで、美しい庭で気ままなランチが楽しめるロダン美術館、独特な雰囲気をもつマレ地区の邸宅を改修したピカソ美術館、東洋の彫刻やレリーフが充実し、さながらテーマパークの中にいるような気分にさせられるギメ美術館などは私のお気に入りで、以前パリで暮らしていた頃は、その日の気分に合わせて気軽に訪れていましたが、とりわけ16区のマルモッタン美術館は一番のお勧めです。
marmottan1.jpg< マルモッタン美術館 外観>

マルモッタン美術館は、ブーローニュの森にほど近い閑静な住宅街に佇んでおり、モネの息子が多数、モネの作品を寄贈したことで有名です。モネの作品というと、オランジュリー美術館を思い浮かべる方が多いかもしれません。2000年から2006年の長きに渡る大改装によって、「陽光が降り注ぐ一室を『睡蓮』の壁画で飾る」というモネの晩年の夢を叶え、大きな話題になりました。でも実は、世界最大級のモネのコレクションを誇るのはマルモッタン美術館なのです。かの有名な『印象-日の出』もこの美術館のコレクションであり、館外不出のためここでしか見ることが出来ません。通常は地下が一室モネ専用の展示室となっていますが、先日は地下で別の展覧会が行われていたためか、モネの作品は一階の展示スペースに移されていました。そこでは、作品は透明のアクリル板にかけられており、漂っているように見える作品からは、それが有する風の流れや水の透明感、光の層が一層引き立つようでした。その中でも特に私の心に残っているのが『ルーアンの大聖堂』です。通路の突き当たり、緑の庭に面した大きなガラスの前のこの作品は、私が訪れたのがちょうど夕暮れ時で薄暗かったからでしょうか、スポットライトに淡く照らされ、優しく、しかし厳かに浮かび上がっていました。今回の訪問では、作品群の素晴らしさを改めて感じると共に、展示方法も美術の重要な要素だと改めて考えさせられました。マルモッタン美術館では館内撮影が禁止されているため、お見せできないのが残念です。美術館巡りで、こういった展示方法を含めて自分好みの場所を見つけていくのも楽しいですね。

ところで、ご案内が遅くなりましたが、忘れてならないのが今週末のBAGS/JEWERELLY & WATCHESオークションです!
今回は、際立った美しさを持つだけでなく、とっても貴重なTypeⅡBのダイアモンドが出品されます。
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LOT690 ダイアモンド(TypeⅡB)
8.003ct D VVS2 蛍光性なし
エスティメイト¥30,000,000~¥40,000,000


このダイアモンドについて、ジュエリーコンシェルジュの原田信之さんもご紹介下さっています。

http://harada.ho-seki.com/archives/2012-11.html

こちらのダイアモンドは下見会でどなたでもご覧いただけます。滅多にないダイアモンドですので、この機会を逃さぬよう、是非足をお運び下さいね。
社員一同、皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

下見会・オークションスケジュールはこちら

(執筆:N)

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12月近代陶芸/近代美術PartⅡ(陶芸)オークション開催!

こんにちは。
今週は近代陶芸/近代美術PartⅡ(陶芸)オークションが開催されます。
お客様からのご要望もあり、今回からカタログに重要無形文化財保持者(人間国宝)の表記を取り入れてみました。改めて見ると取扱い作家の多くが認定されていることがわかります。
 中でも一番多いのは「色絵磁器」保持者です。富本憲吉、加藤土師萌、藤本能道、十三代今泉今右衛門、そして十四代酒井田柿右衛門の五人です。今回もこれらの作家の作品が出品されます。中でも注目して頂きたいのが藤本能道の「草白釉釉描色絵金銀彩白鷺之図扁壷」です。
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とにかく大きい!扁壷でこれだけの大きさは、滅多にお目に掛かれるものではありません。能道はやはり筥や大皿が多いのですが、草白釉で両面に白鷺が配され、風景もしっかり描かれたものというのは珍しいです。初期のころは、面取の作風が多かったのですが、晩年になるにつれ、角が取れ丸みを帯びた形を作り出しています。この扁壷の丸みも美しい曲線を生み出しています。カタログではなかなかお見せしにくい部分ですので、ぜひ実物をご覧ください。


続いて十四代酒井田柿右衛門ですが、今回は4種類の草花文が出品されます。
さらに十二代からも含めますと十二代の花柘榴、十三代の山茶花文、秋海堂文、小手毬文と実にさまざまです。皆さんはどの花がお好きでしょうか?三代に渡る柿右衛門の草花の描き方の違いを見比べてみるのもおもしろいと思います。
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最後に富本憲吉の作品をご紹介します。
富本は、第一回重要無形文化財保持者に認定された陶芸家です。弊社近代陶芸の最高額落札作品は、富本憲吉の花瓶なのですが、そのような大作とは違い、今回は小品ながらも身近に使えることのできる作品がいくつか出品されています。煎茶器セット、中皿五枚組み、そして陶板です。そもそも「陶板」という言葉は富本が作った造語です。「白雲悠々」「風花雪月」、そして風景文という富本おなじみの図柄が揃いました。風に舞っているような軽やかな文字と、朴訥な温かい絵柄。日常的にお手元に置くならと考えながらご覧になってはいかがでしょうか。
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陶芸作品は、手で触れて感じることのできる美術品です。
 今回は326ロットとたくさんの作品が出品されています。ご自分のお気に入りを見つけるためにも、直に触れて作品を味わいながらお探しください。

執筆者:E

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