こんにちは。厳しかった寒さも和らぎ、少しずつ春らしくなってまいりました。今年の東京の桜の開花予想は3月25日だそうですので、そろそろお花見のプランを立てたいところですね! さて、今週の22日(土)は近代美術/近代美術PartⅡオークションを開催いたします。今回は荻須高徳の作品が3点出品されますので、そちらをご紹介いたします。 荻須高徳(1901-1986)は、愛知県生まれ。1921年上京し、川... Read more
カテゴリー別アーカイブ: オークション
初競り開催!!
年が明け、はや2週間が経ちました。暦の上では間もなく大寒ということもあり、寒い日々が続いております。巷では風邪や胃腸炎が蔓延しているようですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか? さて、外は寒くても本年もオークションは熱く盛り上がってまいりたいと思います。2014年の初オークションは1月25日、近代美術PartⅡ/近代美術オークションを開催いたします。近代美術PartⅡは本日1月... Read more
12月近代陶芸-銀彩で見る藤本能道・北大路魯山人
先週末の近代美術PartⅡオークションにご来場、ご参加頂いたみなさま ありがとうございました。今週は近代陶芸、近代美術PartⅡ(陶芸)オークションが開催されます。 今回は「銀」を巧みに使った作品2点をご紹介したいと思います。 まず一点目は藤本能道の「草白釉釉描(そうはくゆうゆうびょう)色絵(いろえ)銀(ぎん)彩(さい)鵙(もず)枯葉図(かれはず)四角(しかく)隅(すみ)切大筥... Read more
加山又造の動物画―《黒豹》と《日輪》
こんにちは。いたるところでクリスマスイルミネーションの点灯が始まり、早いもので今年も残すところ1ヶ月余りとなりました。シンワアートオークションでは、今週から4週にわたってオークションを開催いたします。最高の盛り上がりで2013年を締めくくりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 さて、今日も23日(土)開催の近代美術オークションの出品作品から、おすすめの作品をご紹介いたします。現... Read more
秋の陶器市へ
こんにちは。
だいぶ涼しくなり、過ごしやすくなってきましたね。秋の行楽シーズンも間近といったところでしょうか。
さて、春先にご紹介した陶器市に引き続き、秋に開催される陶器市をご紹介致します。今回はオークションではあまりなじみのない焼き物ですが、あのバーナード・リーチの大皿も鑑賞できる陶器市・大分県日田市で行われる“小鹿田民陶祭”(おんたみんとうさい)です。
小鹿田焼は、江戸時代中期に小石原窯(現:福岡県東峰村)の分窯として大鶴村の黒木十兵衛氏によって開窯されたと言われています。小鹿田皿山で採取された陶土を、唐臼(からうす)を用いてじっくりとつき、蹴轆轤(けろくろ)を使い成形。そして共同の登り窯で焼成する民芸陶器です。
【唐臼】ししおどしの原理です。水流を使い重くなったら下がり、
水が流れたら、反対で土をつく仕組みです。この音は「日本の音風景百選」にも選ばれているそうです。
「小鹿田焼」の名を広めたのは、昭和6年(1931年)に民芸運動の創始者・柳宗悦が伝統技法や作風を称賛したことに始まり、英国の陶芸家バーナード・リーチが昭和29年(1954年)と昭和39年(1964年)に逗留し作陶したことで世界でも知られるようになりました。当時作陶された大皿は、小鹿田焼陶芸館で飾られ、無料で観ることができます!今でも、黒木家は元より、10軒の窯元が小鹿田焼を手掛けています。弟子を取らず、親から子へと伝統技法を守り続けたことが評価され、平成7年(1995年)には重要無形文化財保持団体として認定されました。いわゆる「人間国宝」を小鹿田焼の里全体で得たのです。
小鹿田焼の名前は知らなくとも、見かけたことがある方は多いと思います。たとえば料理本。もちろんおいしそうな料理は目に入ってくると思うのですが、小鹿田焼はそんな食事を彩る器として重宝され、よく使われています。本屋さんへ行った際は、ぜひ探してみてください。ちなみに私が数年前に小鹿田民陶祭で購入したものはこちら。
料理の映える器たち。
小鹿田の里は、日本の原風景まさにそのもの。山間に立ち並ぶ10軒の窯元の軒先に、所狭しと陶器が並べられ売られています。この場所に訪れるだけでもかなり癒されます!秋の散策に一度訪ねられてはいかがでしょうか?
詳しい日程はこちら。
http://www.oidehita.com/10763.html
また、小鹿田の元となった小石原でも「民陶むら祭」が催されています。
http://toho.main.jp/mintousai-aki.html
執筆者E
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富士山を描く―川合玉堂、片岡球子、山下清
こんにちは。
今日は富士山のお話をしたいと思います。
今年の6月、富士山が世界文化遺産に登録されました。
その後、入山料が導入される、登山鉄道を作る構想がある…などの新しい話題に事欠かず、毎日のように映像や写真を見かけるので、ブームはまだまだ続いているようです。
もしかしたら、この夏に登られた方もたくさんいらっしゃるかもしれませんね。
今年の登山シーズンはもう終わってしまったので、私も来年こそは!と思っています。
富士山が世界「自然」遺産ではなく、「文化」遺産に登録されたのは、古くから日本人の「信仰の対象であり芸術の源泉」だったことが評価されたためだそうです。
平安時代の絵巻《聖徳太子絵伝》(国宝・東京国立博物館蔵)にはすでに富士山が描かれていますし、江戸時代には葛飾北斎や歌川広重が富士山をテーマとした浮世絵の連作を制作しました。
ご存知のように、横山大観や梅原龍三郎など、近代にも富士山に魅了され、その雄大な姿を描いた作家たちがたくさんいます。
9月28日(土)の近代美術オークションにも富士山を描いた作品が出品されますので、その中からおすすめの3点をご紹介したいと思います。
【 オークション終了につき、画像は削除いたしました 】
lot.40 川合玉堂
(1873-1957)
《富嶽》
57.4×73.5cm
絹本・彩色 額装
右下に落款・印
川合修二シール
東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書付
落札予想価格 \1,000,000~2,000,000
川合玉堂は最近出版された、富士山の名作を集めた作品集『富士山百画』の中にも作品が収録されています。「玉堂の富士山が好き」という方がたくさんいるということですね。
この作品は、落款・印より昭和20年代の作と思われます。この時期、川合玉堂は現在の東京都青梅市御岳に住居を構え、豊かな自然の中で充実した画業を展開しました。
ここに描かれたのは玉堂の画室の近く、奥多摩の山から見た富士山でしょうか。実際の風景をもとに、樹木やほかの低山と組み合わせた心象風景として表現しています。辺りに漂う霞が、山のしっとりとした濃密な空気を表わすとともに、平面的に配置された各モティーフを調和させています。日本の原風景を描き続けた玉堂らしい、清々しく穏やかな富士山です。
【 オークション終了につき、画像は削除いたしました 】
lot.44 片岡球子
(1905-2008)
《富士》
37.8×45.5cm
紙本・彩色 額装
右下に落款・印
共シール
東京美術倶楽部鑑定委員会付
落札予想価格 \8,000,000~12,000,000
片岡球子は富士山をたくさん描いた作家です。特に、晩年の20年間は制作の大半が富士山になるほど没頭し、歴史上の人物を題材にした「面構え」シリーズとともに球子のライフワークとなりました。
この作品では、中央に大きな大きな赤富士がそびえ、それを飾るように裾野に様々な花と樹木が描かれています。これらは「描かせてくれてありがとう」というお礼の気持ちを込めて、球子から富士山への献花として、まるで山に華やかな着物を着せるように描き添えられたものです。形の大胆なデフォルメ、三原色や金泥を使った鮮やかな色調などの装飾的な表現によって、富士山の満ち溢れるような生命のエネルギーを描き出しています。
【 オークション終了につき、画像は削除いたしました 】
lot.81 山下清(1922-1971)
《富士山》
43.8×36.4cm
紙・ペン 額装
右上にサイン・印
山下清鑑定会鑑定書付
落札予想価格
\1,300,000~1,800,000
「裸の大将」でおなじみの山下清の富士山です。
山下は放浪の旅で訪れた日本各地の風景を、貼り絵や油彩画、ペン画によって表現しました。
この作品は富士山のよく見える場所を訪れたときのスケッチをもとに描かれたものでしょうか。細やかな点描のタッチとデフォルメされた形から、和やかで物語的な雰囲気が漂います。また、どことなく葛飾北斎の《富嶽三十六景》を思わせるような雲をまとった富士山の佇まい、そのスケール感を引き立たせるような構図が秀逸です。
今週のオークションには、田崎広助、福王寺法林、平松礼二、松尾敏男、松林桂月、松本哲男など、ほかにも富士山を描いた作品がたくさん出品されます。
本日からの下見会で、ぜひお気に入りの1点を見つけてみてはいかがでしょうか。
下見会・オークションスケジュールはこちら
皆様のお越しを心よりお待ちしています。
(佐藤)
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近代陶芸/古美術/富本憲吉記念館 辻本勇コレクション オークション開催!!
今週末9月14日(土)に近代陶芸/古美術/近代美術PartⅡオークション、そしてさらに富本憲吉記念館 辻本勇コレクションオークションが開催されます。
今回注目して頂きたいことは、古美術と富本憲吉記念館が所蔵していた作品群がまとめてオークションに出品されるという点です。
まず、古美術の中から色鍋島の尺皿をご紹介致します。
色鍋島は元禄期に徳川家や大名への献上品、贈答品の為に作られた色絵磁器のなかでも最高峰の器です。当時からその格調の高さは別格でしたが、現在においても評価の高さは変わっていません。むしろ既存の作品が少ない分、さらに人気は高くなっているのではないでしょうか。なによりこの大きさ!盛期に作られた色鍋島で、尺皿(約直径30㎝)の大きさのものが世に出てくるのは、本当に珍しいことなのだそうです。大きさだけでなく、描きこみも細密で萩の花のたわわな感じは、技術の高さを窺わせます。
日本が世界へ誇る「鍋島」を是非一度じっくりとご覧ください。
さて、もうひとつの目玉をご紹介します。
富本憲吉記念館は、昭和49年(1974)に富本の生家である奈良県安堵町に私設美術館として創設されました。これは、富本憲吉と同郷の実業家・辻(本来は“しんにょう”の点は一つ)本勇氏の個人コレクションとして始まり、34年間個人運営をされてこられました。平成20年(2008)に館長である辻本氏が逝去され、平成24年(2012)に閉館されることとなり、平成25年(2013)3月より富本憲吉文化資料館として平成26年(2014)2月迄期間限定で公開されております。そして、閉館に伴い今回ご遺族が所有されていた作品が本オークションに出品されることとなったのです。
富本憲吉作品にこれまでご興味のあった方々は、今回のカタログをご覧になり驚かれたのではないでしょうか?図録などに多数掲載されてきた作品が多く出品されています。また若い頃の作品や、「圖案百図 四十四葉」のように、富本作品の圖案が観られることもまたとない機会と言えるでしょう。富本憲吉の鑑定人でもあった辻本勇氏がコレクションしていただけあり、今回の作品は美術史的にも資料的価値の高いものばかりです。
富本は多くの有名な格言を残しています。
「模様から模様はつくらず」「“たからもの”はつくらない」
そして遺書には「墓不要、残された作品をわが墓と思われたし」と記されてあったそうです。 これほど言葉や精神性を世に残した陶芸家もいないのではないでしょうか。それが多くの人を魅了している理由なのかもしれません。約160点にも及ぶ富本憲吉作品群に、ぜひ会いにお越しください。
(執筆者:E)
下見会・オークションスケジュールはこちら。
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放浪の画家・山下清の貼り絵-《桜島》
こんにちは。
梅雨明け以来、毎日猛暑日が続きますね。
今週の暑さはやや控えめという予報ですが、日中外出される方はくれぐれも熱中症にご注意ください。
さて、そんな暑さの中、先週の近代美術PartⅡ下見会にお越しいただいた皆様、ありがとうございました。
今週の20日(土)は近代美術/近代美術PartⅡオークションを開催いたします。
今回も出品作品の中から一点ご紹介いたします。
【オークション終了につき、作品の画像は削除させていただきました】
Lot.80 山下 清 《桜島》
45.5×53.0cm
貼り絵 額装
左横にサイン
山下清鑑定会鑑定書付
「生誕80周年記念 山下清展」(2001年・大丸ミュージアム)出品
エスティメイト ¥4,000,000~7,000,000
「裸の大将」でおなじみの山下清の作品です。
ドラマは見たことあるけど…という方のために、プロフィールを簡単にご紹介します。
山下清(1922-1971)は東京都浅草区(現在の台東区)生まれ。3歳のときに患った大病がもとで軽い言語障害と知的障害になりました。12歳で千葉県の養護施設・八幡学園に入園し、授業の一環として始めた貼り絵に才能を開花させていきます。1937年早稲田大学で開かれた学園の子供たちによる展覧会で注目を集め、1939年には個展を開催。これが大きな反響を呼び、多くの画家や文学者たちから賞賛を受けます。1940年に初めての放浪の旅へ出て、その後も繰り返し日本中を旅しました。1949年には点描風の油彩画の制作を開始。1961年初のヨーロッパ旅行へ出かけます。才能が認められるにしたがって注目を集め、生前に山下を主人公とした映画も制作されました。49歳で亡くなった後も、その作品と「裸の大将」と呼ばれる親しみやすいキャラクターは多くの人に愛されています。
1951~54(昭和26~29)年にかけて、山下は放浪の旅の途中で鹿児島を訪れました。桜島を題材とした本作品は、その際のスケッチをもとに制作されたものでしょう。山下は記憶力が大変優れており、一度見たものをはっきりと覚えていることができたため、たとえ数年前に見た風景であっても今目の前にある風景のように鮮やかに表現することができたそうです。そのため、こうした貼り絵作品は、旅先ではなく放浪生活を終えて学園に戻った後に制作されました。
本作品では、鹿児島の市街から錦江湾(鹿児島湾)を隔て、噴煙を上げる桜島を望む風景を描いています。ご注目いただきたいのは貼り絵の緻密さ、それに相反するようなスケール感です。まるで油彩画の点描技法のように小さな紙片を規則正しく並置し、この雄大な風景を表現した点は本当にお見事!としか言いようがありません。
よく見ると前景の家々が立体的に表わされており、これが画面にいっそう奥行きをもたらしていることがわかります。
【オークション終了につき、作品の画像は削除させていただきました】
(拡大図版。屋根瓦や窓の枠が立体的になっています。)
よく晴れた日に眺めた桜島の美しさと満ち溢れるようなエネルギー、それらに抱いた感動を生き生きと表わす一方で、画面構成においては実はとてもクールに計算していたのかもしれません。山下の「貼り絵」の魅力が存分に発揮されたとても優れた作品です。
こちらの作品は本日からの下見会でご覧いただけます。
下見会・オークションスケジュールはこちら
皆様のお越しを心からお待ちしています。
(佐藤)
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先週の陶芸オークションにお越しいただいた皆様、誠にありがとうございました。
さて、7月に入りました。梅雨が明ければ夏本番を迎えますが、汗ばむこの季節、気をつけていただきたいのが金属アレルギーです。
人間にはもともと、自分の体を構成しているものとは異なったものを排除して、自分の体を健康に保とうとする仕組みが備わっています。異物が侵入した場合、普通は吸収され腸などを経て排泄されますが、何らかの理由で有害物質が入り、リンパ球がその物質を「排除すべき異物」と判断すると、リンパ球はその有害物質を攻撃し、死滅させ液体にします。これが皮膚表面に小さな水庖として現れ、かゆくなるのが「かぶれ」です。更に、リンパ球がその有害物質を覚えていて、再度同じ物質が侵入した時、直ちに過剰な拒絶反応を起こすようになることをアレルギーといいます。一度アレルギーになってしまうと、ほとんど治ることがありません。そして、アレルギーを起こす物質をアレルゲンといいますが、アレルゲンの量がほんのわずかでも拒絶反応を起こしてしまいます。
金属は普通、水には溶けませんが、汗や体液(ピアッシングなどの傷口から出ます)には極微量に溶ける場合があります。これを金属のイオン化といいます。金属イオンは体内に取り込まれ、体の蛋白質と結合します。人によっては、この結合物質が身体の方で異常な物と認識されます。そのため「かぶれ」や「炎症」が起こり、一度炎症が治っても、同じ金属が触れる度に症状を繰り返します。これが、金属アレルギーです。
身の回りの金属で、金属アレルギーを起こす可能性のあるものは20種ほど知られています。そのうち、水銀、ニッケル、コバルト、クロム、パラジウムが、パッチテスト反応が高いとの報告があります。水銀は装飾品に使われることはまずありませんので問題外として、ニッケルとパラジウムは、知らず知らずのうちに身につけている可能性が高い金属です。
現在ニッケルに関しては、(社)日本ジュエリー協会が、ピアスアッセンブリー(針、キャッチ及び、耳たぶに直接接する部分)にはニッケル含有金属を用いないよう、会員メーカーに働きかけています。ただし、ピアス以外のジュエリーで用いるホワイトゴールドには、割り金として微量のニッケルが使用されている場合があります。同協会では、ピアスアッセンブリー以外のニッケルの使用制限は設けていません。ニッケルが全面的に使用禁止であるとの間違った噂により、使用が避けられるようになったのも事実ですが、ホワイトゴールドでは特に、硬さ、ばね性、色調を求めるために、ニッケルの特性を活かすことがあります。また、ピアスでも、海外のものにはニッケルが用いられているものが稀にありますのでご注意下さい(ヨーロッパにもニッケル溶出率での使用制限はあります)。
そして、ニッケル以上に私たちが接することが多いものが、パラジウムです。一般にはあまり馴染みのない金属のように思いますが、実は大変白くて美しいということで20年ほど前に流行った金属です。価格が暴騰したことや、パラジウムによる公害が報告されたことで、ジュエリーに一定量以上を使うことははばかられるようになったとのことですが、今現在でもプラチナの割り金としてパラジウムは使われています。また、前出のホワイトゴールドに、ニッケルの代わりとして使われることも多い金属です。割り金として少量使う事で、見た目により白く、美しい輝きが出せるということから、用いられているようです。
また、非常に少ない割合ですが、プラチナや金そのものに対してアレルギーを示す方もいらっしゃいます。
人によってアレルギー反応を起こす金属が違いますし、実際何の金属が原因でアレルギーが起きているのかは調べてみるまで分かりません。肌が弱く心配な方や、何らかのアレルギー症状が見られた方は、早めに病院へ行き、パッチテストを受けることをお勧めします。アレルギー反応が見られた金属を避けてジュエリーを選ぶことで、より安全に身につけていただけることと思います。商品によっては、「ニッケルフリー」「ノンニッケル」「パラジウムフリー」などの表示があったり、使用している金属が明記されているものがありますので、そういう物を選ばれると良いですね。そして何より、ジュエリー自体を清潔に保っておくことが、金属のイオン化を防ぎます。夏場は特にお手入れには気をつけて、ジュエリーを楽しんで下さい。
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~涼をもとめて~青磁鑑賞(6月近代陶芸オークション)
先週のBAGS/JEWELLERY & WATCHESオークションにご参加頂いた皆さまありがとうございました。今週末は近代陶芸/近代美術PartⅡ(陶芸)オークションが開催されます。ぜひこちらにも足をお運びください。
さて、今回は小品ながらも珍しい作品が出品されます。
LOT.68 岡部嶺男「窯変米色瓷盃」
H5.7×D10.4㎝
高台内に掻き銘
岡部美喜箱
1974年5月14日作
エスティメイト¥800,000~¥1,200,000
岡部嶺男(1919-1990)は戦後間もなく、生まれ育った瀬戸で地元の伝統技法である灰釉をベースとし、織部・志野・黄瀬戸などを作陶しました。当初より「製作記録」として土と釉薬の研究をノートに書き遺しています。その記録は、事細かに分類され、「実験」「テスト」といった言葉が相応しいように思います。その後、天目・青瓷へと自らの技法を広げて行くわけですが、いずれも釉薬の研究をしていく中で偶然に発見されたものでした。
1962年(昭和37年)のノートには、次のように記されています。「土の芸術として最後の姿は青瓷として現れた。これは中国に於ける土器の最後の花として現れた宋官窯青瓷と同一の経路のように思える」。独自の研究を重ねる中で中国の陶磁器文化の変遷を追体験したという、なんともスケールの大きな話です。
織部や志野と対照的とも言える青瓷の技法ですが、嶺男作品は全てにおいて形の美しさが一貫しています。陶磁器では箆目(へらめ)を生かした姿が、青瓷では轆轤(ろくろ)引きの美しさが伺えます。そして薄造り!これは類を見ません。陶芸家としての技量は相当だと誰もが認めざるを得ないでしょう。
今回の窯変米色瓷盃は、その形と、窯変のきめ細やかな美しさが互いに引き立てあっているように感じます。また高台脇にシールが貼られています。こんな綺麗な作品なので外したくなりますが、実はこれが釉薬の研究を示しているものなのです。
上が制作年月日、そして下がどの棚に置いてあったかという棚の番号です。
直接作品に”印(しるし)”を入れてあることもありますが、これもまた岡部嶺男を物語る貴重な資料と言えるでしょう。
そしてもう一点ご紹介したいのが、こちらです。
LOT.67 板谷波山「青磁菊式湯鐘 一双」
H8.1×D8.1㎝/H7.4×D7.1㎝
各高台内に印銘「波山」
共箱 1919年作
エスティメイト¥700,000~¥1,000,000
板谷波山(1872-1963)は、白磁・青磁・天目・鉄釉といった磁器を作陶し、最終的に葆光彩磁を生み出しました。アール・ヌーヴォーに影響を受けた波山は、植物を流線的に図案化しました。自らほの明るく光を放っているかのような葆光彩磁は、「近代陶芸の最高峰」と称される波山の代名詞と言っても良いほどの技法です。それとは別に青磁や白磁で良く見られる薄肉彫という彫文での技術もまた、格別な技を誇っています。その代表格である「青磁香爐」(LOT.106 ¥1,300,000~¥2,300,000)も今回出品されますが、こちらのような「湯呑」は、弊社でも初めての出品です。
「菊式」とあるように、薄肉彫されているのは菊の花のデザインです。サイズの違いから見ても夫婦湯呑と言えますが、それよりもっと”一対”という確証が持てるのは、それぞれの印銘です。

両面が印になっている判子を使用し、それぞれに押しています。珍しく印が違う組み合わせだったというのには、こういう意味があったのですね。
これでこの湯呑二客が一対であることがよくわかります。
両者とも青磁の涼やかな器です。涼を求めにご来場なさってみてはいかがでしょうか?
(執筆者:E)
下見会・オークションスケジュールはこちら
【参考文献】
『-青磁を極める-岡部嶺男展』東京国立近代美術館 他/2007年
『出光美術館蔵品図録 板谷波山』平凡社/1988年
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