桜満載・近代陶芸/古美術オークション


先週の織田広喜/近代美術/浮世絵オークションは、来場者数も多く、とても活気のあるオークションでした。ご来場頂いた皆さま、どうもありがとうございました。
今週末は近代陶芸/古美術オークションが開催されます。ぜひこちらへも多くのご来場をお待ちしております。

さて、桜満開の季節ですが、「花より団子」という皆さま、本格抹茶茶碗でお茶を楽しまれてみてはいかがでしょうか?今回は普段より多くの茶碗が出品されます。その数ざっと90点!
 会場1
こちらが近代陶芸

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そしてこちらが陶芸PARTⅡです。

  荒川豊蔵、井上萬二、浜田庄司、藤原啓、十二代中里太郎右衛門、坂田泥華、九代大樋長左衛門、そしてバーナード・リーチなどなど!様々な技法と作家により制作された品々が集まりました。中でも最も評価が高いのは、十五代樂吉左衛門の「黒茶碗」(LOT.122:エスティメイト:¥3,500,000~¥4,500,000)です。年始にNHKで特集が組まれ放映されていましたね。ご覧になられた方も多いのではないでしょうか?
千家の茶碗師・樂家当代の黒茶碗を実際に触れられる機会です。ぜひ間近でご鑑賞ください。

 そして古美術オークションからご紹介したいのは、土佐光芳「三十六歌仙歌合帖」です。
(LOT.159 エスティメイト¥1,800,000~¥2,800,000)
カタログには、一番「柿本人麻呂」と三十六番「中務」の部分を抜粋して載せてありますが、他に「桜」についていくつか詠まれている歌がありますので、ご紹介します。

紀貫之4
紀貫之
「桜散る 木の下風は 寒からで 空にしられぬ 雪ぞ振りける」
『春が深くなったと思うけれども、桜の花の散る木のもとは、まだ雪が降っている。』


『土佐日記』で知られる紀貫之の歌です。
桜の散る様子が、雪が降っているように見えるというなんとも綺麗な歌です。「空が知らない」とは、まさに詩人。
 そしてもう一人。「小倉百人一首」で「今こむと いひしばかりに なが月の 有明の月を 待ち出でつるかな」を
詠まれた方です。

素性法師4

素性法師
「みわたせば 柳桜を こきまぜて 都ぞ春の 錦なりける」
『はるかに都の方を眺めると、柳の緑と桜の紅とを混ぜ合わせた都こそ、
春の錦(あでやかで美しいこと)であることよ。』

 
これもまた、詠むだけで情景が浮かんでくるようですね。新緑と薄紅。古来から日本人の色彩感覚が
優れていたことがわかります。

 春を、また違った角度で楽しむことができるオークションへ、ぜひ足をお運びくださいませ。

今回は下見会、オークション開始時間が、いつもと異なりますのでご注意ください。

■下見会日時:
3月28日(木)・29日(金)/10時~18時
3月30日 (土)/9時半~11時半
■オークション日時:
3月30日(土)/15時~(受付は14時半開始)


(執筆者:E)