秋の陶器市へ


こんにちは。

だいぶ涼しくなり、過ごしやすくなってきましたね。秋の行楽シーズンも間近といったところでしょうか。
 
 さて、春先にご紹介した陶器市に引き続き、秋に開催される陶器市をご紹介致します。今回はオークションではあまりなじみのない焼き物ですが、あのバーナード・リーチの大皿も鑑賞できる陶器市・大分県日田市で行われる“小鹿田民陶祭”(おんたみんとうさい)です。


 小鹿田焼は、江戸時代中期に小石原窯(現:福岡県東峰村)の分窯として大鶴村の黒木十兵衛氏によって開窯されたと言われています。小鹿田皿山で採取された陶土を、唐臼(からうす)を用いてじっくりとつき、蹴轆轤(けろくろ)を使い成形。そして共同の登り窯で焼成する民芸陶器です。

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【唐臼】ししおどしの原理です。水流を使い重くなったら下がり、
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水が流れたら、反対で土をつく仕組みです。この音は「日本の音風景百選」にも選ばれているそうです。


 「小鹿田焼」の名を広めたのは、昭和6年(1931年)に民芸運動の創始者・柳宗悦が伝統技法や作風を称賛したことに始まり、英国の陶芸家バーナード・リーチが昭和29年(1954年)と昭和39年(1964年)に逗留し作陶したことで世界でも知られるようになりました。当時作陶された大皿は、小鹿田焼陶芸館で飾られ、無料で観ることができます!今でも、黒木家は元より、10軒の窯元が小鹿田焼を手掛けています。弟子を取らず、親から子へと伝統技法を守り続けたことが評価され、平成7年(1995年)には重要無形文化財保持団体として認定されました。いわゆる「人間国宝」を小鹿田焼の里全体で得たのです。
 小鹿田焼の名前は知らなくとも、見かけたことがある方は多いと思います。たとえば料理本。もちろんおいしそうな料理は目に入ってくると思うのですが、小鹿田焼はそんな食事を彩る器として重宝され、よく使われています。本屋さんへ行った際は、ぜひ探してみてください。ちなみに私が数年前に小鹿田民陶祭で購入したものはこちら。
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料理の映える器たち。



小鹿田の里は、日本の原風景まさにそのもの。山間に立ち並ぶ10軒の窯元の軒先に、所狭しと陶器が並べられ売られています。この場所に訪れるだけでもかなり癒されます!秋の散策に一度訪ねられてはいかがでしょうか?

詳しい日程はこちら。
http://www.oidehita.com/10763.html
また、小鹿田の元となった小石原でも「民陶むら祭」が催されています。
http://toho.main.jp/mintousai-aki.html

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