先週の近代美術・近代美術PartⅡオークションにご参加の皆さま、誠にありがとうございました。
いよいよ夏本番といった暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしですか?熱中症の予防を心掛ける他、室外・室内の気温差も大きくなって参りますので、体調を崩されないようお気をつけ下さいね。
夏といえば海外旅行にお出かけになる方も多いのではないでしょうか?その際は、現地のジュエラーを是非巡ってみて下さい。特に欧米ではジュエリー文化がしっかりと根付いているため、日本ではあまり見られないような大振りで華やかなものがショーケースに飾られていたりします。高価なものは店頭には置いていない場合がほとんどですが、陳列してあるジュエリーのラインナップやデザインの傾向を見るだけでも楽しめるかと思います。
ということで、今回は世界5大ジュエラーについてご紹介します。
世界5大ジュエラーとは、その名の通り、世界中で非常に有名なハイジュエラー5つの総称です。その5つとはHARRY WINSTON(米)、Cartier(仏)、TIFFANY & Co.(米)、BVLGARI(伊)、Van Cleef & Arpels(仏)です。
・HARRY WINSTON
以前、弊社ブログでもご紹介しましたハリー・ウィンストンは、「キング・オブ・ダイアモンド」と呼称され、特にダイアモンドジュエリーで圧倒的な人気を誇っています。石の選別には、質を見極める際に通常使われる4C以外にも、社独自の非常に厳しい基準を設けているそうです。芸能人が結婚指輪にハリー・ウィンストンを選んだという話は良く聞きますね。アカデミー賞でハリウッド女優がよく身につけることでも有名です。弊社オークションでも時々出品されますが、毎回注目を集めています。
ハリー・ウィンストン本店 ニューヨーク
・Cartier
フランス・パリ発祥のカルティエは、その洗練されたデザインで、創業当初から王侯貴族をとりこにしてきました。社会の要求に見合った、実用的なものをカルティエ風に装飾して制作する、という信条の元に作られた作品は、ジュエリーにとどまらず、色石の色彩と質感を存分に活かした時計やオブジェ・ダール(美術品)にまで及びます。カルティエはしばらくの間、特権階級の一部の人のみを顧客としていましたが、一般市民の手に渡るようになった後も、その気品あるデザインや作りの精巧さは群を抜き、今でも世界中の王室から御用達店の指名を受けています。
カルティエ本店 パリ
・TIFFANY & Co.
高級感のあるブランドながら、比較的お手頃なシルバーの定番ジュエリーから高価なハイジュエリー、文具、食器まで、取り扱い商品に幅をもたせているティファニー。それだけに、幅広い層に夢を与え、人気があります。『ティファニーで朝食を』では、いつかあの商品を、あの生活を、といった夢が見事に描かれていますね。ティファニーが考案したダイアモンドのセッティング方法である、6本の立て爪によるティファニーセッティングは、現在のエンゲージメントリングで主流となっています。
ティファニー本店 ニューヨーク
・BVLGARI
ギリシャ建築にヒントを得ているブルガリのジュエリーはボリュームのあるデザインが多く、様々な色石を駆使した個性的で華やかなものが多く見られます。その豪華さが女性の強さを感じさせるためか、世界中のセレブに非常に人気があります。ブルガリ・ブルガリが1977年に発売されて以来、時計も大変高い評価を得ました。以来、時計メーカーとしても確固たる地位を築いています。
ブルガリ本店 ローマ
・Van Cleef & Arpels
フェミニンで繊細、エレガントなデザインが特徴的です。ブランドコンセプトが「愛・夢・美」であるという通り、動植物からインスピレーションを得た商品や、リボンモチーフの商品を多様に展開し、とても可愛らしい世界が表現されています。また、ミステリー・セッティングという留め金が見えないセッティング方法を考案するなど、既存の技術だけに頼らない職人の精神と技術力がその豊かな世界観を支えてきました。2009年~2010年にかけて、森アーツセンターギャラリーで、創造の100年を辿る大規模回顧展が開催されました。その軌跡は正に芸術と呼ぶにふさわしいものでした。世界5大ジュエラーの中で唯一、パリのヴァンドーム広場を拠点とするグランサンク(パリ五大宝飾店)にも名を連ねており、モナコ王室御用達のジュエラーでもあります。
ヴァンクリーフ&アーペル本店 パリ
以上が定番の世界五大ジュエラーですが、ふと通りすがったその土地土地のジュエラーを覗くのも面白いと思いますので、是非足を運んでみてくださいね。
パリのヴァンドーム広場及びグランサンクについては、またの機会にご紹介します。
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作成者別アーカイブ: SHINWA ART AUCTION
関西洋画壇の雄・黒田重太郎の代表作《ケルグロエの夏》
こんにちは。
先日は彫刻家・澄川喜一氏の立体作品をご紹介しましたが、今日も近代美術PartⅡオークションの出品作品の中から一点ピックアップしてお話しいたします。
今、当社のホームページのトップやミュージアムのウィンドウを飾っている作品です。
【オークション終了につき、図版は削除いたしました】
Lot.675 黒田重太郎《ケルグロエの夏》
64.8×80.8cm
キャンバス・油彩 額装
右下にサイン・年代
裏に署名・タイトル・年代
1917年作
第6回二科展 1919年
第20回二科展 1933年
第24回二紀展 1970年
黒田重太郎遺作展 1971年(京都市美術館)
エスティメイト ★\100,000~200,000
まずは作家について。
滋賀県大津市に生まれた黒田重太郎(くろだ じゅうたろう・1887-1970)は、17歳のとき鹿子木孟郎に入門し、のちに関西美術院で浅井忠に学びました。1916年初めてヨーロッパに留学。1923年二科会会員となり、1947年には二紀会創設に参加するなど、中央画壇でも活躍しましたが、1924年小出楢重らと信濃橋洋画研究所を設立、戦後は京都市美術大学教授となるなど、京都を拠点に活動し、関西の洋画壇で指導的地位を務めました。印象派やキュビスムを取り入れながら、写実的で親しみやすい作風を確立した作家です。また、美術関係の著述を多く残し、美術史家としても知られています。
本作品は1917年(当時29歳)、ヨーロッパ留学中に制作されたものです。この年の7月から2ヶ月間ほど、黒田はブルターニュ地方のクレゲレックに滞在していますので、画題の「ケルグロエ」とはクレゲレックを指すものでしょうか。留学中はフランス各地を転々とし、美術館や画廊で様々な作家の作品を見て学びましたが、特に心ひかれたのは印象派のカミーユ・ピサロだったといいます。
ピサロが得意とした主題、田園風景を描いた本作品にはその影響がよく表れています。細やかなタッチを重ねて畑と農作業をする人々を捉え、遠近法を用いて風景全体に奥行きをもたらしています。明るい陽光が降り注ぐ様子は、戸外での制作を重視した印象派のスタイルを取り入れたものでしょう。
黒田は帰国後、本作品を第6回二科展に出品し、二科賞を受賞。それがきっかけとなり、中央画壇でも高く評価されるようになっていきました。その後、本作品は黒田の代表作として第20回二科展に再出品、没後は第24回二紀展の遺作室や作家の遺作展にも出品されました。
この作品は今週11日(水)からの下見会でご覧いただけます。
オークション・下見会スケジュールはこちら
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
(佐藤)
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オークションの舞台裏 ‐オークショニア2‐
5月のブログではどうやってシンワアートオークションのオークショニアが誕生するか、について書きましたが、今回はそのオークショニアが実際にオークションに登場する時までにはどんな準備をしてオークションに臨むのか、をご案内したいと思います。
まず、オークショニアが壇上に立つ際に必ず持っているものが三つあります。1つはもちろんハンマー、あとの二つは時計、そしてボールペンです。ハンマーは当然落札の際にたたくもの。時計は進行具合を確かめるために使います。弊社のオークションの場合は通常1時間に100ロット程進みますが、オークションが1日で二つあるときなどは、後半のオークション開始予定時刻との間が詰まりすぎないよう進行状況を確認しながら競っていきます。ボールペンは万が一途中でインクが切れた時のために2本持って臨みます。重なった紙の上で書くので私の場合はペン先の太いものを使っています。
演台の上には、他に水の入ったコップとハンカチが置いてあります。時にはメインロットの前などにさりげなく水を飲んで会場の空気をあえて鎮めてから競りに入ることなどもありますが、我々も競っている間はひたすら発声しっぱなしなので水は必需品です。
壇上ではスムーズな進行をしているオークショニア。しかしそのスムーズな進行のためにはそれ相応の準備が必要です。
オークション当日、オークショニアとはいえ営業担当を兼ねている者はまずは下見会場での接客の仕事があります。たとえば近代美術オークションですと、通常は午前10時から12時まで銀座のシンワアートミュージアムで下見会を行っています。そして、下見会が終わってオークションは午後5時からですが、その間にお客様への連絡や打ち合わせなどがありオークショニアとして準備に費やす時間は実はあまり多くはありません。
下見会が終わり、オークション会場である丸ビルに移動するとまず会場内の確認をします。オークショニアの演台の位置や会場の椅子の並び、そしてライティングも目に入ってくると会場が見えにくくなるので必ずチェック。会場内のチェックが終わると、会議の合間をぬって今度はオークショニアの準備をします。
ここで登場するのが「オークショニア台帳」と呼ばれる紙の束です。この台帳には1枚に3ロット分のロット番号、作家名および作品名、そしてエスティメイトが印刷されています。オークション本番でハンマーを叩くごとに、我々はここに落札金額とパドル番号を書き入れていきます。
こうやって準備している間にも、ギリギリで追加の注文や変更が発生しその都度変更を余儀なくされ、その日のオークションで一人目のオークショニアを担当する場合は本番直前に準備が終了することもしばしばです。
さて、なんとか準備も終わり、いざ本番。時間の限られた中、万端整えてようやく晴れ舞台。ですが、その模様は次回のブログでご紹介いたしたいと思います。
(平野)
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東京スカイツリーのデザイン監修―澄川喜一《そりのあるかたちL》
こんにちは。
先週のBAGS/JEWELLERY&WATCHESオークションにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
先週の22日、下町の新名所、東京スカイツリーが開業1ヶ月を迎え、展望台の見学者だけで35万人、スカイツリータウン全体では、なんと来場者580万人を突破したそうです。
皆様はもうお出かけになりましたか?
展望台のチケットは入手困難だそうですが、タワーを近くでご覧になったことはありますでしょうか。
三角形の足元からゆるやかに反りながら、上部にいくほど円筒形になるという形は、「空に向かって伸びる大きな木」をイメージしたものだそうです。この反りのある形や、古くから五重塔に使われてきた「心柱」を採用した構法によって、634mの高さを実現できたと言われています。
こうした伝統的な日本建築の要素を取り入れたデザインを監修したのは、彫刻家の澄川喜一氏です。
7月14日(土)の近代美術PartⅡオークションには、澄川氏の彫刻作品が出品されますので、今回はそちらをご紹介いたします。
【オークション終了につき、図版は削除いたしました】
lot.695 澄川喜一 《そりのあるかたちL》
H23.2×W61.1×D4.0㎝
木彫 下部に銘
自筆証明書つき
エスティメイト \100,000~200,000
まずは澄川氏について。
1931年島根県生まれ。1952年東京藝術大学彫刻科に入学し、平櫛田中教室に学びました。1960年同大学彫刻専攻科修了。在学中から現在にいたるまで新制作協会で活躍を続け、様々な彫刻展において数多くの賞を受賞しています。1976年文化庁在外研修員として渡欧。1981年東京藝術大学教授、1995年同大学学長に就任。(2001年に退官し、現在は名誉教授) 1998年紫綬褒章、翌年に紺綬褒章を受章。2004年日本芸術院会員、2008年文化功労者となりました。日本の抽象彫刻の第一人者として知られ、このたび東京スカイツリーのデザインを監修したことでいっそう注目を集めています。
本作品はライフワークである「そりのあるかたち」シリーズの一点。
これは澄川氏が1979年から着手したシリーズで、長い木彫制作の経験から生まれたものです。
木は人間と同じように生きて呼吸をしているので、それぞれの性格や美しさがあり、作り手の思うように切り刻もうとするとうまくいかないそうです。そのため、澄川氏は素材となる木との対話を通して、そりやゆがみ、木肌といった木の個性を見出し、それを抽出するように意図する造形を作り上げていきます。
本作品に表われた「そり」は、日本刀や寺院の屋根、和船などに見られるデリケートなカーブを想起させます。また同時に、この「そり」によって鋭い空間を提示しています。モダンでシャープでありながら、自然の息づかいや日本的な美意識を感じさせる、多面的な魅力に富んだ作品です。
この作品は7月11日(水)からの下見会で展示いたします。
下見会・オークションスケジュールはこちら
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
(佐藤)
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BAGS/JEWELLERY&WATCHESオークション下見会
先週の「近代陶芸 / 近代美術PartII(陶芸)オークション」にお越しいただいたお客様、誠にありがとうございました。
つづきまして、今週はBAGS/JEWELLERY&WATCHESオークションが開催されます。
いつもシーズンに合わせた品揃えで充実するシンワのBAGS/JEWELLERY&WATCHESオークション。今回も、夏を目前に控えたこの季節に相応しい商品がたくさん出品されます。今日は、本日から銀座でスタートする下見会の様子を少しだけお伝えいたします。.jpg)
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<シャネル>
まず、下見会場に入って奥の右側には、今回たくさんの点数が出品されます、シャネル・コレクションが皆様をお迎えします。いろいろな形や色のバッグからお好みのスタイルを是非お試しください。
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<エルメス他>
こちらはバッグオークションで毎回注目を浴びるエルメス・コレクションです。バーキンを始め、ケリーや人気のガーデンパーティなどが今回もたくさん出品されます。他にもルイ・ヴィトンのビステンや書類カバンなどのメンズ商品はもちろん、レディース向けの様々なブランドのバッグも幅広く揃えております。
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<小物>
こちらは、小物コーナーです。今回のバッグオークションの特徴は、いろいろな種類の小物が用意されているところです。エルメス、ルイ・ヴィトンのベルトやカルティエのボールペン、またエルメスのスカーフとハンカチセット、そしてルイ・ヴィトン、シャネルのサンダルなどが揃っております。
時計とジュエリーの商品もお見逃しなく。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
下見会・オークションスケジュールはこちら
<執筆:W>
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ヒューマン・ライツ・ウォッチ チャリティー・ディナー東京 2012
昨年初めてお手伝いさせていただいたチャリティー・ディナー。ヒューマン・ライツ・ウォッチ(以下、HRW)の一年間の活動の成果の発表と、活動資金を募るファンドレイジングのために今年も開催され、ディナー後半でのイベントであるチャリティーオークションのオークショニアを私平野が務めてまいりました。
各界の著名人が多く集うこのディナーは、「人権」という重いテーマを扱いながら同時にイベントとして楽しめる要素も併せ持つ、国内でも珍しい欧米型のファンドレイジングイベントです。ディナー前のレセプションは、並行して行われるサイレントオークションの下見も兼ねており、装いも美々しい参加者はカクテルなどを片手に出品作品を眺めながら楽しげに談笑していました。
(VTRはこちらから見ることができます)
Uprising 民衆蜂起
スピーチが続き乾杯の後は、ディナーの始まりです。ホテルオークラの本格的ディナーを食しつつ歓談に移ると、席を立ち知人のテーブルに移って談笑する方などもいらっしゃり和やかなパーティーの雰囲気に。途中、チュニジアのジャーナリスト、シヘム・ベンセドリン氏へのアリソン・デ・フォージ人権賞(自らの危険も顧みず人間の尊厳と権利の保護に奮闘している個人の勇気をたたえる賞)の授賞式や、世界的なダンサー黄帝心仙人さんによるダンスパフォーマンスなどがあり、チャリティーとしての真摯な雰囲気とイベントとしての楽しさが両立され、全体として非常に飽きさせない構成となっていました。なんと、この黄帝心仙人さんのダンスパフォーマンスは「踊ってもらう権利」としてその場でオークションにかけられ、激しい競りの応酬の結果、52万円で落札されました。

ベンセドリン氏

黄帝心仙人&タイムマシーンのパフォーマンス
そして、スピーチを挟んでいよいよチャリティーオークションの始まりです。今回のロットは5点。まず始めは「世界に1つだけのヒューマン・ライツ・“ウォッチ”」と題された、ウブロの腕時計。この時計、文字盤にミクロの文字で世界人権宣言の30カ条が刻まれており、このチャリティー・ディナーのために特別にデザインされたもの。破格とは思いましたが、ビッドを引き出すため敢えて30万円からスタート。早速会場の各テーブルからたくさんのパドルが上がります。1万円ずつ競り上げ、40万円後半からは残った2人の1対1。じりじり競り上がり、結果56万円でご落札いただきました。
残りの4点はアート作品。今回のチャリティーにはアーティストやギャラリーからも多くの寄付を受け、他にもサイレントオークションに9点出品されていました。
以下、出品された4点と落札金額です。
米田知子 「池-地雷でできた池/メシヌリッジ・ベルギー」 20万円
照屋勇賢 「Color the World」 18万円
ピーター・マクドナルド 「Cup of Tea」 90万円
荒木経惟 「花曲」 70万円
上の3点は、アーティスト自らがこのチャリティーにふさわしいものとして自ら選んだ作品です。その思いが来場者にも伝わったのか、オークションは大いに盛り上がりギャラリーでの販売価格を上回る金額で落札されていきました。

そしてオークション後半は、HRWの活動を支援するためのロット。昨年同様こちらは競り上げではなく、希望者を募る形でのオークションです。今年サポートする活動は、「中東での緊急調査ミッション」、「HRWモスクワ事務所の活動」そして「HRW東京事務所の活動」でした。中東のミッションは一口50万円、モスクワ事務所のサポートは一口20万円でしたが、いざビッドを募ると中東は5名の方、モスクワは4名の方がビッドされました。いずれの方も躊躇なくパドルを上げていらして、HRWをサポートするという強い意志が壇上にいる私にもはっきりと感じられました。最後の東京事務所へは3万円からサポートが可能ということもあり多くのビッドがよせられました。
おそらくこれらのビッダーの中には、昨年の私のようにHRWという国際人権NGOの存在すら知らなかった方々もいたかもしれません。
人権NGOなどと言うと堅いイメージを受けがちですが、このチャリティー・ディナーはこうして参加者がイベント全体を楽しみながら重要なテーマについて考え、そして寄付という形でそれに参加できる非常に意義のあるものだと感じました。

HRW日本代表の土井香苗さん
2年連続でこのディナーのお手伝いができたのは、弊社にとっても大いに得るべきもののあることでした。こうしたイベントを通して世界の知らなかった部分を知ることができ、自らの世界が広げられたことに私自身も改めて感謝したく思います。微力ながら、シンワアートオークションにもできる社会貢献の形を今後も探り続けていきたいと思います。
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6月の誕生石 真珠
先週の浮世絵/近代美術PartⅡオークションに参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
間もなく梅雨の季節がやってまいります。梅雨と聞くとなんとなく憂鬱な気分になってしまいますが、菖蒲や紫陽花等、雨雫の似合う花々を愛でるのは、この季節ならではの楽しみです。
さて、そんな6月の誕生石といえば、こちらも水を連想させる「真珠」です。今回は真珠についてご紹介いたします。
私たち日本人にとって、最も身近で馴染みのある宝石と言えば真珠ではないでしょうか。冠婚葬祭どの場面でも使い勝手が良いため、ファーストジュエリーとして親から娘へ贈られることも多いようです。
真珠は、日本書紀や古事記、万葉集において既に記述されており、『魏志倭人伝』にも邪馬台国の台与が曹魏に白珠(真珠)5000個を送ったと記されています。しかし、真珠が今日のように身近になったのは、19世紀も後半に入ってからのことです。現在世界屈指のパールメーカーとして君臨している御木本真珠店(現・ミキモト)の創始者、御木本幸吉(みきもとこうきち)が、世界に先駆けて養殖真珠の産業化に成功したことがその要因です。
真珠は基本的に真珠層を持つ貝ならばすべて生成可能ですが、天然で生まれることが非常に稀であることから、養殖技術が発達する以前は、現在とは比較にならないほど珍重されていました。現在は養殖技術による量産が可能になりましたが、品質の良いものは未だ高値で取り引きされています。
真珠の品質基準としては、主に「大きさ」「色」「形」「キズの有無」「照り」「巻き」の要素があります。その中でもお客様からよくご質問をいただく、「照り」と「巻き」について少しご説明致します。
< 照り>
「照り」とは、真珠の輝きや光沢のことです。真珠の光沢は真珠層の結晶構造によって決まり、結晶が規則正しく並んでいるものほど美しい光沢を見せます。真珠の一粒一粒に映り込むライトの光やご自身のお顔をご覧ください。照りが良いものは真珠に映り込むものがシャープに見え、照りの悪いものはぼやけて見えます。選ばれる際は複数の商品を手に取り比べてみることをお勧めします。
< 巻き>
真珠はドブ貝を加工して作った核を貝の中に埋め込み、その周りを貝自身が分泌物で覆うように巻いていくことによって作られます。その覆っている分泌物の厚さが厚いことを「巻きが厚い」と言います。巻きの厚い真珠は内側から力強い輝きを発します。巻きの良し悪しは、照りに比べて分かりにくいかもしれません。しかし数多くの真珠を見ていると、照りや質感に重量感のあるものと、そうでないものがあることがお分かりいただけるかと思います。
真珠は、生成する母貝の種類によって、さまざまな特徴があります。
最もポピュラーな真珠は、アコヤ貝に生成する「アコヤ貝養殖真珠(和珠)」です。
貝自体の大きさが10センチ程度なので、9mm以上の和珠は滅多になく、非常に貴重です。ピンク系、シルバー系、イエロー系、ブルー系等、様々な色調がありますが、日本ではピンク系を好む人が多いようです。さりげなく身につけられる和珠に纏うピンクの光は、上品さに加えて可愛らしさをも感じさせるからでしょうか。
6月23日開催BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション
LOT293 アコヤ貝養殖真珠ネックレス(エスティメイト¥350,000~450,000)
こちら、一粒の大きさは9.0~8.5mm。大きさ、照り、巻き共に非常に優れたロングネックレスです。
白蝶貝から産出するものは、一般に「南洋真珠」と呼ばれ、主にオーストラリア、インドネシア、フィリピン、ミャンマーで養殖されています。この貝は真珠貝の中では最も大きく、成貝は30センチにも達します。よって真珠自体も大粒のものが多く、身につければそれだけで目を引く、ゴージャスな装いを可能にします。産地によって色合いに違いがあり、オーストラリア産のものは青みの強い白色、フィリピン産は金色のものが多いのが特徴です。
6月23日開催BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション
LOT227 白蝶貝養殖真珠ネックレス(エスティメイト¥200,000~300,000)
美しいゴールドの輝きを持った真珠の連です。色味がしっかりしており傷も非常に少ないため、近くで見た時はもちろん、遠目でも華やかさが際立ちます。
6月23日開催BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション
LOT297 白蝶貝養殖真珠(エスティメイト¥200,000~300,000)

こちらは真円ではありませんが、これだけの大きさのものは白蝶真珠の中でも大変貴重です。
黒蝶貝から産出される真珠は、「黒蝶真珠」と呼ばれます。黒蝶真珠のタンパク質には、赤、黄、緑の三つの色素が含まれており、これらが重なり合うことによって、それぞれ実に多彩で個性的な色合いを生み出します。黒蝶真珠は主にタヒチや沖縄県などで養殖されています。黒蝶真珠の中でもピーコックカラーと呼ばれる一級品は、その名の通り、黒色の地色の上にクジャクの羽根のような光を纏い、その神秘的な光は観るものの心をとらえ、シンプルな装いにも、妖艶な美しさを加えます。
6月23日開催BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション
LOT298 黒蝶貝養殖真珠(エスティメイト¥500,000~700,000)

黒蝶貝養殖真珠でこれだけの大きさ、色、形、照り、巻きが揃ったものは滅多にありません。非の打ちどころのない逸品です。
カリブ海に生息する巻貝、コンク貝から採れる「コンクパール」は、珊瑚のようなピンク色で、炎のような火焔模様が見られるのが特徴です。コンク貝は巻貝なので、人工的に核を入れることは不可能です。そのため出回っているもののほとんどが天然のものと言われ、非常に希少性が高いとされています。
4月21日開催BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション
LOT59 コンクパール ダイアモンドリング by MIKIMOTO
(エスティメイト¥200,000~300,000)

次回オークションにはコンクパールは出品されませんので、前回のオークションからのご紹介です。可愛らしいピンクがとても印象的でした。27万円で落札されております。
その他、淡水性の池蝶貝から採れ、ビーズの材料として人気のある「淡水パール」、マベ貝を母貝とする半球の「マベ真珠」も稀に出品されますので、形や輝きの違いをお楽しみください。
鉱物から成る宝石に比べて、有機質である真珠はとてもデリケートな宝石です。クレオパトラが酢で真珠を溶かしたという話がある通り、汗や酢、果汁などには非常に弱いので、身につけた後はやわらかい布で拭いていただくようお願い致します。香水を使う方は、直接ふきかけないように注意が必要です。保管する場所は、光の当たらないところが最適です。
正しいお手入れとメンテナンスにより、真珠の劣化のスピードは格段に遅くすることが可能です。目に留まる一品を手に入れた際は、コンディションに気をつけ、真珠の持つ包み込むような美しい輝きを存分にお楽しみ下さいね。
下見会・オークションスケジュールはこちら
皆さまのお越しを心よりお待ちしています。
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オークションの舞台裏 -オークショニア-
先週土曜日オークションにご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。
オークションにおいて、皆様の正面に立ち、テンポよくビッドをとり競り上げていくオークショニア。肩書きとしてはおそらく珍しい部類に入るであろうこの仕事、その裏側をこのブログで少しずつご紹介していきたいと思います。今回はどうやってシンワオークショニアが生まれるか、です。
弊社には現在3人のオークショニアがおりますが、それぞれがシンワオークショニアとしてのスタンダードをわきまえながら個性を発揮しています。
よく、どうしてオークショニアとなったのか?と聞かれますが、私の場合は留学時代にイギリスでオークションを見学した時に見たオークショニアが強く印象に残っていて、入社前からこの仕事に興味を抱いていました。過去在籍したオークショニアは私のように入社後自ら立候補した者が多いですが、中には会社が「彼ならできそうだ」と判断し声をかけられた者もおります。
欧米ではオークショニアとなるにはライセンスが必要な国が多いですが、オークション自体が始まってまだ歴史の浅い日本ではオークショニアのためのライセンスは必要ではありません。
ただし、高額な作品を大勢の前で会社を代表して競りを取り仕切るわけですから、ライセンスがないとはいえ、ただテンポよく競って行けばよいわけではなくオークションを通して常に一貫した基本姿勢で競りを行っていかなくてはいけません。このため、弊社ではオークショニアとなるために当然「研修」があります。この研修では、実際のオークションよりもずいぶんと難しい状況が作られます。来場者役の社員が、オークショニア候補が間違えるようわざと複数で同時にビッドするなどはまだやさしい方で、競っているふりをしてビッドを取ると競っていなかった、とんでもない金額で声を出して惑わせたりなど、数々の嫌がらせ…、いや、愛の鞭を振るってくれます。オークショニア候補はそれらの難題を乗り越え、研修によって公平性、一貫性の重要さを学びます。
また、そうした基本以外にもオークショニアには必要なものがあります。お客様が競り易くオークションを進行するために必要な要素、「リズム」です。オークションによく参加される方ならば、オークショニアの違いによって競り易い競りにくいというのを感じたことがあるかもしれません。弊社オークショニアは、できるだけお客様にビッドしやすく競っていただくためにこのリズムを重要と考えています。この「リズム」、簡単そうに見えるかもしれませんがやってみると案外難しく、刻一刻と変わる金額や誰が競っているかなどを示すために場所やパドル番号などを金額の合間に挟むとつい乱れがちになります。私も研修の頃は、通勤途中やお風呂でブツブツ「10万円、11万円、12万円…」などとつぶやいて練習していました。
こうして研修を終え、その時その時の状況に合わせて対処するための理論的な根拠や、スムーズな進行と競り易さのためのリズム、そして突発的なことが起こっても動じずに対応する力など、シンワオークショニアとしての基本をしっかりと身につけます。
ここまで来れば後は、いざ、デビューの日を待つばかり。

私が初めて壇上に立ったのはもう10年以上前ですが、緊張してオークション直前に水を飲む手が震えたのを今でも覚えています。いざ始まってみると無我夢中で何をどうしたのかよく覚えていませんが、大きなミスなく終えられたのは厳しい研修の成果と社員のみなさんのサポート、そしてお客様の寛大な心のおかげであったかもしれません。
これからもシンワアートオークションのオークショニアとして、公平でかつ楽しいオークションをお送りできるよう精進してまいりたいと思います。
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フォーヴィスムの旗手 林武の《舞妓》
こんにちは。
ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか。
まだ体がお休みモード…という方も多いかもしれませんね。体調を崩しやすい時期でもありますので、どうかお気をつけください。
さて、本日は19日(土)に開催されます近代美術オークションの出品作品の中から1点ご紹介いたします。
たくさんの画集や展覧会でも紹介された力作です。
【オークション終了につき、図版は削除いたしました】
林武(1896-1975)
《舞妓》
62.5×42.0cm
キャンバス・油彩 額装
1958年作
右下にサイン
共箱
文献:
『林武全画集』P.125 №630(日動出版)
『林武』№59(美術出版社)
『世界名画全集 第24巻』カバー/P.105(平凡社)
『現代美術家シリーズ 林武』P.129/P.136(時の美術社)
展覧会:
林武回顧新作展 1958年(日本橋・高島屋)
明治・大正・昭和 美人画名作展 1962年(松屋/毎日新聞社)
日本芸術院 恩賜賞・院賞美術展 1968年(新宿・伊勢丹/日本経済新聞社)
画業50年記念 林武展 1970年(梅田・阪神百貨店/毎日新聞社)
女の美名作展 1971年作(千葉・そごう百貨店/日本経済新聞社)
林武展―この不屈の人― 1975年(日本橋・高島屋/毎日新聞社)
名画に見る舞子展 1979年(日本橋・三越/朝日新聞社)
エスティメイト \4,000,000~6,000,000
1896(明治29)年、林武は東京の麹町に三代続く国学者の家系に生まれました。ほぼ独学で油彩画を習得し、25歳のとき第8回二科展にて新人賞にあたる樗牛賞、翌年には優秀賞にあたる二科賞を受賞し、画壇に頭角を現しました。その後、一九三〇年協会や独立美術協会に参加し、日本のフォーヴィスムの旗手として活躍していきます。やがて東洋の哲学や印象派の巨匠・セザンヌの構図理論などを取り入れた独自の絵画論や構図法の追求を始め、戦後には理知的な構成と情熱的なフォーヴ風のタッチというアンビバレントな要素を調和させた個性豊かな林芸術を展開していきました。
本作品のモティーフ、舞妓は林が薔薇や富士とともに好んでよく描いたものの一つ。多くの画家たちが魅せられた舞妓の華やかさや日本的な美しさではなく、林は豪華な衣装や髪飾りに身を包んだ姿に安定感やボリューム感を見出し、均整のとれた造形美に着目しました。また、色彩において他の人間像よりも圧倒的に彩り豊かで複雑である点にも魅力を感じたといいます。
1958年作(当時62歳)の本作品では、鮮やかな赤色の背景を斜めに切るように舞妓の上半身を大きく描き出しています。骨太な黒い輪郭線で対象を縁取ったステンドグラスのような色面構成と重厚なマチエール、奔放なタッチは林芸術の特徴をよく示すものと言えるでしょう。また、全体に立体感や量感を強調し、舞妓の顔や首には白粉と頬紅を塗った肌の質感を表現しました。そして、絵具が乾く前に背景に施した文様は林が装飾的な表現にも力を注いだことを窺わせます。
このように画面上に交錯する立体感と平面性、舞妓の人形のような造形の安定感と生身の人間の繊細さ、それぞれの相克に林は微妙なつりあいを求めたのでしょう。自身の絵画論をもって伝統的な日本美に挑む画家の情熱が満ち溢れる作品です。
この作品は16~19日に開催予定の下見会にて展示いたしますので、ぜひご覧ください。
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みなさまのお越しを心よりお待ちしています。
(佐藤)
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児島善三郎 新画集刊行記念展覧会
こんにちは。
先週のBAGS/JEWELLERY&WATCHESオークションにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
今週4/25(水)~4/27(金)迄、シンワアートミュージアムにて「児島善三郎 新画集刊行記念展覧会」を開催いたします。
本展覧会は最近では海外市場でも取引されており、再び注目を浴び始めている児島の全画業を網羅した新画集の刊行と没後50年を記念し、その画業を回顧するものとなっております。
初期から晩年まで約50点を展示しており、新画集やリトグラフの販売も行っております。
今回は展示作品の一部をご紹介いたします。

《5人の女(審判の前)》
139.0×162.5㎝ 1929年作

《松》
115.5×80.7㎝ 1938年頃作

会場風景
こちらでご紹介しきれないのが残念ですが、普段はなかなか目にすることのできない作品の数々を無料でご覧いただける貴重な機会となっております。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
【展示概要】
児島善三郎 新画集刊行記念展覧会
入場無料
会期:2012年 4月25日(水)10時~17時
4月26日(木)10時~18時
4月27日(金)10時~16時
会場:シンワアートミュージアム
東京都中央区銀座7-4-12 ぎょうせいビル1F
(執筆:K)
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