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夭折の画家・中村彜のスケッチブック―《婦人像他(スケッチブック21作品)》

こんにちは。
先週の近代美術PartⅡの下見会にご来場くださったみなさま、ありがとうございました。
今週の土曜日、17日はいよいよオークションです。
14日(水)からは近代美術の下見会を開催いたしますので、そちらにもぜひお越しください。

さて、今日は近代美術の出品作品から一点ご紹介いたします。
近代の洋画がお好きな方は必見の大変希少な一点です!

Lot.27 中村 彜 《婦人像他(スケッチブック21作品)》
19.5×12.8cm
紙・パステル、鉛筆、インク
東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書付
エスティメイト  ¥1,500,000~2,500,000


 中村彜(なかむら・つね 1887-1924)は大正時代に活躍し、37歳で亡くなった夭折の画家です。
 水戸市に生まれた彜は、18歳のとき結核にかかり軍人になる目標を断念。療養しながら次第に画家を志すようになります。白馬会や太平洋画会の研究所で修業を積み、24歳の頃からは新宿・中村屋のアトリエに移り住み、若い芸術家たちが集うサロンの中心的な存在となっていきました。しかし、この頃から病状は悪化し、1920年の帝展出品作《エロシェンコ氏の像》(重要文化財・東京国立近代美術館蔵)で大きな賞賛を受けた後は、残された生命を燃やし尽くすように制作に取り組みました。
 レンブラントやルノワールなどの様々な西洋絵画に学び、対象の生命感や自身の内省的な世界観を描き出した作品は、個性派ひしめく大正期を代表するものとして現在も多くの洋画ファンを魅了しています。


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さて、今回の作品はスケッチブックです。
病床の彜がいつも枕元に置いていたものかもしれません。
右の表紙は自筆ではありませんが、意外と(?)かわいらしいですね。
この表紙を開くと…

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図版1                       図版2

 パステルで人物像が描かれています。この2点、どこかで見覚えはありませんか?
図版1は《老母の像》(1924年作・彰考館徳川博物館蔵)、図版2は《頭蓋骨を持てる自画像》(1923-24年作・大原美術館蔵)、どちらも晩年の代表作に大変よく似ています。このスケッチブックは晩年に使用していたものでしょうか。

ページをめくっていくと、その可能性がいっそう高まっていきます。

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図版3                       図版4

 彜は晩年、図版3のようなキュビスムを取り入れた静物画の連作を制作しました。この鉛筆スケッチと一致する油彩画はみつかりませんでしたが、いずれかの原案になったものでしょう。
 また、図版4には、卓上に十字架のついた祭壇のようなものが描かれていますが、これは彜が板で制作した《キリスト磔刑像》(1923年作)によく似ています。この板の作品は《カルピスの包み紙のある静物》(1923年作・茨城県近代美術館蔵)など、静物画のモチーフにも用いられました。

中にはこんな作品も。

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図版5                       図版6

 図版5のような観音像のスケッチが数点見られます。晩年の彜は死期を悟り、「残存せる全生命の死力を尽して」制作に打ち込んでいきます。こうした観音像や図版4のようなキリスト教のモチーフは、死を覚悟して絵筆を握る彜の心の支えだったのかもしれません。
 図版6の抽象画は何かのデザインのようにも見えますが、彜の繊細な心模様を表わすようであり、後に流行するシュルレアリスム風の神秘的な雰囲気も漂わせています。

 こうしてページをめくっていくと、このスケッチブックに晩年の彜の心情が率直に語られているのが伝わってきます。湧き上がるイメージを生き生きと描き留めたもの、祈るように静かに描かれたものの数々は、彜が絵を描くために生きた画家であることを改めて感じさせます。
 また、彜は作品数の少ない画家ですので、たくさんの図柄が描かれたスケッチブックがオークションに出品されるのは大変めずらしいことです。その上、図版1や2のような名作の下絵と思われるものを含み、晩年の彜の制作過程を知ることができる作品は、もしかしたら他にはないかもしれません。
 この作品は今週の下見会にて展示いたしますので、ぜひ実物をご覧ください。

下見会・オークションスケジュールはこちら

みなさまのご来場を心よりお待ちしています。

(佐藤)

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オノサトトシノブ 「S-A」

 こんにちは。本日より、近代美術PartⅡオークションの下見会が始まりました。例によってどの作品をご紹介しようかとカタログを繰りながら思案していたところ、ふと目に止まった作品がありました。
 
 その作品はカタログ製作の作業中に目にして覚えていたのですが、小品なのに妙に惹きつけられる作品でした。今回近代美術PartⅡオークションに出品されている、lot732 オノサトトシノブの「S-A」です。

 この作品をご紹介するに当たり、社内にある資料を改めて読んでみました。そうすると、オノサトトシノブについて恥ずかしながら知らなかったことばかり。作家名が本名であることは知っていましたが、漢字で「小野里利信」と書くことや、太平洋戦争に徴兵され終戦後シベリアに抑留されていたこと、帰国後は絵を描きながらも1962年に職業画家となるまでは養鶏場を営んでいたことなど、意外に思われることを数多く知りました。

 この絵の描かれた1965年と言うと、オノサトは53歳。養鶏場を止めてから3年、個展を開催し、美術展で賞を取り、’64年にはベネチアビエンナーレに出品(’66年にも出品)という、オノサトのキャリアの中でも充実していたといえる時期です。
 作品に関して言えば、1950年代まではフリーハンドで描かれていた「丸」のモチーフが(オノサト自身は「モチーフ」ではなく「ルール」と呼んでいますが)、’60年前後よりコンパスを使うようになり、色も一色で塗りつぶされていたものが四角や三角で分割されるようになります。
  今回出品されているこの絵も、サムホールと言う小品ながらオノサト独自の幾何学的な法則に則った図柄。額装もシンプルな木の枠で、規則正しい模様やその色合いともうまくマッチしています。

 戦前より独自の視点で抽象画を模索し続け、ついには「絵画を離脱する」ところまで突き詰めたオノサトトシノブ。「丸」はモチーフではなく、「絵を描くことの面白さがモチーフ」であるという彼の主張が、この小さな絵を眺めていると静かに伝わってくる気がします。

 この作品は、近代美術PartⅡオークション下見会でご覧いただけます。
 下見会、オークションのスケジュールはこちらから。
下見会場1 


 皆様のお越しを心よりお待ちしております。

 (平野)

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カラフル加守田

先週のワインオークションにご参加頂いた皆様、誠にありがとうございました。

さあ、いよいよ秋まっただ中!ジュエリー、西洋美術に続き今回は陶芸で“芸術の秋”を感じて頂こうかと思います。
 
「鑑賞陶器」は読んで字のごとく、観て楽しむ陶器のことです。これはもちろん最初から決まっているというより、お持ちの方が決めるべきことですが、作家の多くは徳利、ぐい呑、お茶碗など機能性ある「日用陶器」を制作する一方、作家性・芸術性を全面に打ち出した「鑑賞陶器」を制作しています。
 
 そこでご紹介したいのが、加守田章二(1933-1983)です。
 加守田は大阪府岸和田生まれ。1952年に京都市立美術大学工芸科陶磁器専攻に入学し、富本憲吉(教授)、近藤悠三(助教授)らに学びました。卒業後日立製作所の日立大甕(おおみか)陶苑の技術員、益子の塚本製陶所の研修生を経て、1959年に益子で独立し作陶を始めます。当時オーソドックスな益子焼とは異なっていた意匠だった為、なかなか買い手が付きませんでした。そこへ偶然窯出しを見に来た浜田庄司に称賛され、地元の業者に注目されるようになります。
 1960年、結婚をしたころから次々と出品した公募展に入選をし始め、頭角を現しました。そして1966年に「日本伝統工芸展」に出品した「灰釉鉢」が文化庁の買い上げとなり、(現在は東京国立博物館蔵)翌1967年にその「灰釉鉢」が第十回高村光太郎賞を受賞しました。    
  陶芸家として受賞したのは、加守田が初めての快挙でした。陶芸界のみならず、美術界全体からも支持をされていたことが伺えます。
 1968年から岩手県遠野で試作品の制作を始め、翌1969年(44歳)には遠野で本格的に作陶を開始。私たちがよく目にしている「加守田章二」の作品は、ほとんどこれ以降のものです。遠野へ移ってからの作品は、加守田の思想、芸術性が一気に花開いたとも言えるでしょう。1983年に50歳で亡くなる前年まで作品を発表し続けました。81年には白血病と診断され、入退院を繰り返していた最中ですら作陶していたのです。また加守田は遠野へ移ってから毎年作風を変えていました。売れた後も惜しげもなく新たなものを作っていく。これが加守田が天才・鬼才とたびたび称される所以でしょう。
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 遠野初期の作品です。特にこの頃の作品は、世に出ることが少なく加守田の中でも評価の高い年代です。波状が器全体にまわっている炻器(せっき)から、彩陶(さいとう)という色彩豊かな作品群への転換は圧巻ですね。弊社でもほとんど取り扱ったことがないので、
ぜひ一度は間近で観てみたいものです。

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  そして1976年のこの年は、個展毎に作風を変えています。上記②と③は白黒のハート形で同じ作品群に入れてもいいかもしれませんが、大きく分けて4種類制作されています。初期に比べ、より簡略化されデザイン的になってきています。加守田のデザインは波状や、ドット形、鱗文といった比較的柔らかい柄を炻器という力強い陶磁器に描いているのも特徴的ですが、ハート形まであったとは!驚きです。

加守田線文
  更に翌年からは有機的なデザインから、線文が現れ、さらに翌年は線で全体を覆う作品も登場しました。この青と白、黄色と灰色の縞がとても加守田らしいと感じます。
やはりこの薄青はなかなか他の作家の作品では観ることができません。寒色であるにも関わらず、質感や模様により冷たい印象が和らいでいます。

加守田晩年
 そして晩年です。線文も円を成し、82年でも使用されている緑釉が80年から使われ始めており、器全体に釉薬を掛けています。また新たな作風へ移り変わる様子だっただけに、早世してしまったのは非常に残念です。

 加守田章二の作品が放つ存在感は独特なものがあります。「孤高」という言葉を使いたくなるほど力強く、他の作家とは一線を画しています。
 
 弊社の近代陶芸オークションでも、毎回必ず一点は出品されるような作家です。ぜひ一度ご鑑賞ください。また作品集も多く出ておりますので、作風の変遷を秋の夜長に眺めてみてはいかがでしょうか。


(執筆者:E)

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西洋美術オークション下見会

 こんにちは。朝晩もめっきり涼しくなり、街もすっかり秋めいてまいりました。毎年10月といえば、そうです、弊社では西洋美術オークションのウィーク!今回もバラエティーに富んだ品揃えで全393ロット、作品たちが皆様のコレクションの一つとなれるよう真心込めて展示しております。
下見会ブログ用
下見会場風景


 今回は、その中から私平野が個人的に気に入っているものを数点ご紹介したいと思います。
 まず1点目は、象徴主義の画家としても知られるベルギー生まれの、Henri Privat-Livemontによる「彫刻家/画家」のリトグラフ2点組です。リヴモンは数多くのポスターを手掛け、その作風から「ベルギーのミュシャ」とも評されています。繊細でやわらかなタッチで描かれた女性や象徴化された植物の背景など、典型的なアール・ヌーボー様式のこの作品、芸術の秋に飾るにはまさにうってつけだとは思いませんか?
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lot207 Henri Privat-Livemont 「彫刻家/画家」2点組
シート:各70.5×52.0cm
エスティメイト¥100,000~¥200,000


 2点目は、Ernest Sanglan作「ブロンズ彫刻蟹文インクスタンド」。こちらも同じくアール・ヌーボー期のフランスの作家。貝殻のトレーをベースに海草の上でエビをとらえた蟹の甲羅が、ブロンズの質感と相まって非常にリアルに描写されています。なんだか明治の陶芸家、宮川香山の作品を連想してしまうのは私だけでしょうか?甲羅を空けると中にはカニ味噌…、ではなくインク壷があります。現代ではインクをお使いになる方も稀かと思いますが、インクスタンドとしてではなく小物入れとしても使用できますし、大切なものは甲羅の中にそっとしまっておいて“蟹さんに守ってもらう”、というのはいかがでしょう?
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lot229 Ernest Sanglan 「ブロンズ彫刻蟹文インクスタンド」
W22.6cm 見込みに銘
エスティメイト¥50,000~¥100,000


 3点目に紹介したいのは、何とも素朴な味わいのあるミュージカルチェア。一見ただの小さな子供用の椅子に見えますが、座面の内部に小さなオルゴールが仕込まれており、座ると可愛らしい音楽を奏で始めます。金彩のかかった花の模様には手彫りの温かみが感じられ、以前にはどこかでフランス人形が腰をかけていたのかなぁ、などとつい想像を巡らせてしまいます。
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lot306 ミュージカルチェア
H65.0×W28.0×D27.5cm
エスティメイト¥50,000~¥100,000



 オークションというと、高額な作品や希少性の高い作品などに注目が集まりがちではありますが、今回ご紹介した3点は、いずれも落札予想価格下限が10万円以下の作品です。普段からあなたのそばで愛玩できるお気に入りの1点、今週の西洋美術オークションで見つけてみませんか?

オークション・下見会のスケジュールはこちらから
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

(平野)

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10月の誕生石 オパール

こんにちは。空を流れる淡い雲が、秋の訪れを感じさせます。一年のうちでも過ごしやすいこの季節、食に、読書に、運動に、存分に秋を満喫したいですね。
今週末はBAGS/JEWELLERY & WATCHESオークションを開催します。下見会は3日(水)からですので、是非お越しください。
さて今回は、10月の誕生石「オパール」についてご紹介します。

「それはまるで、赤や緑や青や様々の火が烈しく戦争をして、地雷火をかけたり、のろしをあげたり、又いなづまが閃いたり、光の血が流れたり、さうかと思ふと水色の焔が玉の全体をパッと占領して。今度はひなげしの花や、黄色のチュウリップ、薔薇やほたるかづらなどが、一面風にゆらいだりしてゐるように見えるのです。」
宮沢賢治は著書『貝の火』の中で、オパールについてこう言及しています。まるで自分が美しい色彩の世界に漂っているかのように思わせるこの描写は、オパール独特の煌めきと特徴を見事に表現しています。オパールは、一つの石の中にいくつもの色が共存する、魅惑的な美しさを持つ宝石です。見る角度によって色が変わったり、内部で虹色の光がちらついたりする「遊色効果」は、実は非結晶体である石の内部が、シリカゲルのような球状の粒子の集合体であるために現れます。ほとんど同じ大きさの球状粒子の集合ですが、ほんの少し小さい粒子では紫、中間が緑、少し大きな粒子では赤といったように、粒子のサイズに対応して波長が変わった反射光が、様々な色となって私たちの目に入ってきています。
『貝の火』では、主人公が与えられたオパールは、最後には曇って砕けてしまいます。さすがは鉱物が大好きだった宮沢賢治ですね。オパールの脆さまでしっかり作品に入れ込んでいます。オパールは水分を含んでいるため、熱や乾燥によって曇ったり、亀裂が入ったりしてしまうことがあります。弊社の下見会にいらした事のある方の中には、オパールが入っているショーケースに、水を張ったグラスが置いてあることに気付かれた方がいらっしゃるかもしれません。現在では、ある程度の水抜きに耐えた石のみが市場に出されていますし、そもそも高温多湿な日本では、普通に取り扱っていて割れることはほとんどありません。しかし、ショーケースに陳列する際は、石がライトによって熱せられ、乾燥してしまわないよう、念のために水を置いているのです。

そんなオパールですが、弊社オークションでは大きく分けて4種類のオパールが出品されています。オパール・ブラックオパール・ボルダーオパール・メキシコオパールです。
10月6日開催のBAGS/JEWELLERY & WATCHESオークションに出品されるものの中からいくつかをご紹介します。

< オパール>
弊社がオパールと表記しているものはライトオパール、或いはホワイトオパールとも呼ばれ、地色(ボディーカラー)が乳白色から白色のオパールのことをさします。
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LOT273 オパール ダイアモンドリング
エスティメイト¥100,000~¥200,000


< ブラックオパール>
ブラックオパールはその名の通り地色が黒いため、ライトオパールに比べて遊色効果が際立ちます。日本人は特にブラックオパールを好む国民だと言われ、最近まで産出量の半分以上が日本に輸入されていたと言われています。
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(左)LOT276 ブラックオパール ダイアモンドリング
   エスティメイト¥150,000~¥250,000
(右)LOT277 ブラックオパール ダイアモンドリング
   エスティメイト¥150,000~¥250,000


< ボルダーオパール>
ボルダーオパールはしばしばブラックオパールと似ているものも見かけますが、母岩がオパールの一部となっているところに特徴があります。そのため石の裏面には褐色の母岩が確認できます。
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LOT278 ボルダーオパール グリーントルマリンペンダントトップ
エスティメイト¥50,000~¥100,000


< メキシコオパール>
メキシコが産地で地色がオレンジ~赤色のオパールをファイアオパール、水色~無色透明のオパールをウォーターオパールと呼び、それら2つを合わせてメキシコオパールと呼びます。メキシコオパールは他のオパールに比べて透明度が高く、品質の良いものは、まるで水面に映る虹や夕日のような瑞々しい美しさを持っています。
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LOT349 メキシコオパール ダイアモンドリング
エスティメイト¥120,000~¥200,000


何れのオパールも、一般的に赤色の光を持つものの価値が高いと言われています。しかし、遊色のバランス、モザイク模様の大きさ、輝きの冴え、地色の明度など、美しさを決める要素が多々あるのがオパールです。二つとして同じ輝きを持つ石はありませんので、ご自身の目で見て惹きつけられる一石を選ばれると良いと思います。今回のオークションでは、上記以外にも出品されます。是非お手にとってそれぞれの個性をお楽しみください。

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皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

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「2012 韓国国際アートフェア」

先週の「近代美術 / 近代美術PartⅡオークション」にご参加いただいたお客様、誠にありがとうございました。
来週10月6日(土)には「BAGS/JEWELLERY & WATCHESオークション」を開催します。3日(水)からの下見会をお楽しみに。

さて今日は、9月12日から17日にかけて開催された韓国を代表するアート・フェスティバル「2012韓国国際アートフェア(KIAF:Korea International Art Fair)」をご紹介します。

今年で11回目を迎えたKIAFは毎年9月半ばに開催されますが、今年は世界20カ国から181のギャラリーが参加し、約7,000点の作品が展示されました。

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< 入り口の行列と会場内の風景>

毎年主賓国を選定し、選ばれた国のアートについてより詳しく紹介する企画を持つKIAF-今年は韓国-ラテン・アメリカ修交50周年を記念し、アルゼンチン・コロンビア・メキシコ・ドミニカ・ウルグアイ・ベネズエラなど、ラテン・アメリカの国々から14のギャラリーが発信した様々な作品を見ることができました。
中でも、ベネズエラ出身の世界的なアーティスト、カルロス・クルス=ディエスのスペシャルブースや日本でも多くのファンを持つフェルナンド・ボテロの作品群にはたくさんの人々が集まっていました。

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< ボテロの作品を撮影する来場者>

コンテンポラリーアートを取り扱うギャラリーの参加が多いKIAFですが、日本人アーティストの中では、名和晃平の立体作品「シカ」が、今回のアートフェアのメインイメージとして広告に使われるなど、その人気の高さが感じられました。

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名和晃平 「シカ」(202×182×150cm、韓国・アラリオギャラリー)
   
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< 日本人作家の作品のブース風景>

アートフェアは、よく「美術愛好家たちのお祭りである」などと言われますが、本来の目的は展示や観賞だけではなく、コレクターの財布を開けさせることにあります。今回のKIAFでは、いわゆる“スーパー・リッチ”と呼ばれるお客様へのサービスに特に力を注いでいました。VIPプレビューはもちろん、美術投資への成功戦略を主題とする様々な講座、「VIP・ナイト・パーティー」等の催しや提携美術館での無料観覧サービス、また、BMWコリアの協賛で、会場からVIPの行きたい先までの「カー・サービス」の提供などもあったとか。今までよりも更に充実した様々なサービスを通じて、この不景気を乗り越えようとする努力がひしひしと伝わってきました。

KIAFは9月17日閉幕、5日間で-来場者数85,000名、売上140億ウォン(約10億円)と、結果としてはほぼ昨年並みだったそうです。

(執筆:W)

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具体・元永定正の抽象絵画《いち》

こんにちは。
12日にオープンしましたJEWELLERY&BRAND SHOPにはもうご来店いただけましたか?
オークション開催日を除き、土日も営業しておりますので、銀座にお出かけの際はぜひお立ち寄りください。

さて、今日は22日(土)開催の近代美術オークション出品作品の中から注目の一点をご紹介します。


【オークション終了につき、画像は削除いたしました】


Lot.77 元永定正
(1922-2011)
《いち》
90.9×72.7cm
キャンバス・アクリル 額装
1982年作
右下にサイン、年代


文献:『元永定正作品集 1955-1989』P.Ⅰ-90(アラベル)
   『元永定正展図録』目録掲載 P.115 №303(西宮市大谷記念美術館/毎日新聞社)
   『元永定正展図録』目録掲載 p.139 №307(三重県立美術館/中日新聞社)
エスティメイト \500,000~800,000


 元永定正は、具体美術協会のメンバーの一人です。
具体は、戦後の高度経済成長期、リーダーの吉原治良の「今までにないものをつくれ」という指導のもと、ユニークな活動を展開した前衛美術グループ。
彼らは今再び世界的に注目を集めており、今年開催された「田中敦子―アート・オブ・コネクティング」(東京都現代美術館)や「具体―ニッポンの前衛18年の軌跡展」(国立新美術館)も記憶に新しいところです。当社の7月の近代美術オークションにも吉原治良の作品が出品されました。

 10代の頃、漫画家を志していた元永は、郷里の三重在住の画家に師事して油彩画を学びました。1955年、吉原治良との出会いを機に具体に参加し、抽象画制作とともに水を使った立体作品や煙によるパフォーマンスを発表して注目を集めます。1966年、ジャパン・ソサエティの招聘によりニューヨークでの制作の機会を得ると、ユーモラスな造形と鮮やかな色彩による抽象絵画を展開。そのほかにもインスタレーションやパブリックアート、絵本など、多岐にわたる創作活動で国内外から高く評価されました。

 1982年作(当時60歳)の本作品は、ニューヨーク時代から手掛け始めたエアブラシを使用したシリーズのひとつです。
描かれた生き物のようなものは、人や山などの有機的なイメージをもとに生み出された「かたち」。エアブラシによって立体感が表わされています。具体的なモティーフを描いたものではありませんが、親しみやすくキャラクター性が強いのは、この時期の元永が絵本の制作にも力を注いでいたためでしょう。
絵本をご覧になったことがある方はご存知かもしれませんが、『かにつんつん』や『おおきいちいさい』のキャラクターにも少し似ていますよね。

 この「かたち」に対し、私たちは例えば漢数字の「一」や「のそのそと歩く姿」など、様々なイメージを想像してしまいます。
このように鑑賞者が「自由に作品を観て楽しみ、そこに美を見出す」ことは、元永が自作に求めたものです。すなわち、作品は「美のかたちは無限に存在し、新しいもの、新しい美を生み出す力が人間には備わっている」という元永の思想を映し出したものとも言えるでしょう。
具体のテーマだった「新しい美」の追求は、解散後も元永自身のテーマとして作品に表現されていったことがわかります。

この作品は19日(水)からの下見会で展示いたします。
オークション・下見会のスケジュールはこちら

皆様のお越しを心よりお待ちしております。

(佐藤)

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JEWELLERY&BRAND SHOP 本日オープン!!

こんにちは。9月に入っても暑い日が続きますね。
先週の近代陶芸/古美術/近代美術PartⅡオークションにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

さて、今日はショップオープンのご案内をさせていただきます。
このたびシンワアートオークションは、銀座のシンワアートミュージアム1Fに「JEWELLERY&BRAND SHOP」をオープンすることとなりました。
このショップでは、オークションでも展開しておりますリングやネックレスなどのジュエリーと、人気のブランドバッグを店頭で販売いたします。また、ジュエリーや貴金属の買取査定も行います。


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オープン初日の9月12日(水)から14日(金)までの3日間は、オープニングセールにつきジュエリーを全品2割引とさせていただきます。
各日とも18~19時はドリンクや軽食をご用意いたしますので、お仕事帰りにぜひお立ち寄りください。

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店舗はおなじみの銀座のオークション会場にあります。


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こちらが店内です。
同時に近代美術PartⅡ下見会も開催中です。


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HERMESバーキンなどのブランドバッグは、なんと常時50点以上取り揃えております!

ショップへのアクセスはこちら

皆様のお越しを心よりお待ちしております。

(佐藤)

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近代陶芸まめ知識

 日本全国、日々暑さが続いて夏真っ盛り!ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、9月第一弾のオークションは、近代陶芸/古美術オークションを開催致します。陶芸作品をよく理解して頂くためにも、今回はカタログによく使われている陶器の名称や部位について解説してみようかと思います。
弊社のカタログはだいたい下記のような形式で掲載しています。

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 作品名は基本的に作品の入っている箱に書かれたタイトルをなるべく忠実に表記しています。この“作品の入っている箱“というのがかなり重要です。ほとんどの作品に「共箱(ともばこ)」と書かれていますが、これは作家本人が自分の名前や号を書き、タイトルを書いている箱のことを指しています。陶芸作品の場合、共箱があるとないとでは価格に大きな差が付いてしまうのです。共箱以外には、「○○箱」と人名や屋号の後に「箱」が付いている事があります。これは亡くなった作家の鑑定家が、作家本人の代わりに作家名と作品名を書いた箱のことです。さらに、共箱あるなしに関わらず、茶人や僧侶が作品の名前を書き、極(きわ)めている場合があります。これを”書付(かきつけ)“といい、特に茶道の世界では、作品の貴重性を高めています。
 また部位の名称も、あまり他で目にすることはないかと思います。これは作家が入れている銘(サイン)の場所を分かりやすくするために掲載しています。
陶器は種類によって名称も変わることもありますが、基本的に同じ呼び名です。
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 作家は陶器の正面ではなく、裏面、そして下部や底部に銘を入れることがほとんどです。
作家によって決まった箇所に入れることが多く、入れてある場所の違いにより、作った時期の判断や、真贋を推し量ることもあります。多くの作品を見ていると、そのブレが許容範囲であるかどうかおおよそ分かってきます。
次に銘の種類ですが、陶器に関してはほぼ三種類の銘の入れ方で分けています。
一つ目は焼成前に生地を引っ掻いて銘を入れる「掻き銘(ひっかきめい)」。
二つ目は絵付けをする要領で筆で描く「描き銘(えがきめい)」。
そして三つ目は判子を押して入れる「印(いん)銘(めい)」です。
「掻き銘」と「描き銘」は、本来両方とも「かきめい」と読みますが、区別のため「ひっかきめい」と「えがきめい」と読まれています。つまり「高台脇に掻き銘」と表記している場合は、高台まわりに作家本人の名前や、マークが引掻いて入れられているのです。この銘というのも、作家によっては年代別で変えており、何年に制作されたかはっきり分かることもあります。最たるものは富本憲吉です。富本は、毎年銘を変え、その符号表も公表されています。ほかには、富本ほどでは無いにしろ、研究により加藤唐九郎、金重陶陽はある程度制作年代が分かります。たとえば陶陽ですと、「陶陽造」だと初期のころの作品ですし、「ト」だと昭和27(1952)年以降ということになります。(あとはトの長さで判断されたりもします。)
 
 それぞれ作家にはこだわりが多いにある作家や、そうでない作家がいます。そこからは作家の人となりを伺うことができ、様々な角度から作品を見ることで、さらに興味や作品への理解が深まるような気がします。
 9月近代陶芸のオークションカタログも現在制作中です。多くの作品と出会える機会ですので、楽しみにお待ちください!
     
(執筆者:E)

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展覧会のご紹介「市制80周年記念展 上村松園と鏑木清方」

 こんにちは。夏休みは各美術館でさまざまな企画が催されていますが、今日はその中から日本画の展覧会を一つ、ご紹介いたします。

 現在、平塚市美術館では「市制80周年記念展 上村松園と鏑木清方」が開催されています。上村松園と鏑木清方は当社のオークションでもおなじみの作家ですが、ともに「西の松園、東の清方」と並び称された近代を代表する美人画の巨匠です。

 松園(1875-1949)は京都で生まれ、江戸時代の風俗や伝統芸能をテーマに理想の女性像を表現し、昭和23年には女性として初めての文化勲章を受章しました。
一方、清方(1878-1972)は東京神田に生まれ、挿絵画家として出発した後に歌川派の浮世絵の系譜を継ぎ、江戸の下町風俗を情緒豊かに描き出した画家です。
 この展覧会では松園30点、清方45点を一堂に展示し、二人の初期から晩年にいたる画業を紹介しています。

<上村松園>
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  図版1                  図版2

図版1 《花下美人図》 明治30年頃作
松園が22歳頃に制作した作品です。この作品のような季節の花を愛でる美人は、浮世絵にも多く見られる伝統的な主題です。ここでは、身近な若い女性を写生することを通して、その表情だけでなく華やかで初々しい雰囲気をつぶさに描き出しています。

図版2 《桜可里図》 昭和11年頃作
同じく桜を愛でる女性像ですが、こちらは画業の後期、61歳頃に制作されたものです。眉を剃り、子どもがいることを示した「青眉」(せいび)の女性(左)と若い女性(右)は親子でしょうか。花とともに人生の花の季節を謳歌する二人の幸福そうな姿には、普遍的な女性美が表現されています。

ご紹介した2点は、以前当社のオークションに出品されたことのある作品で、約1年半ぶりに展覧会場で再会することができました。このほかにも、今回の展覧会には《花がたみ》(大正4年作・松伯美術館蔵)や《楊貴妃》(大正11年作・松伯美術館蔵)といった代表作が出品されています。(※一部展示替えあり)


<鏑木清方>


【オークション終了につき、図版は削除いたしました】


図版3 《鰯》 昭和2年作、東京国立近代美術館蔵
清方が49歳のときの作品です。関東大震災の後、復興していく東京からは江戸下町の名残が次第に失われていきました。その中で清方は、古き良き江戸の市井の人々の姿や暮らしぶりを懐かしむように数々の風俗画を描きました。この作品のように鰯売りの少年が佃島から京橋界隈を売り歩く姿は、夏から秋にかけての風物詩だったといいます。

図版4 《春雪》 昭和21年作、サントリー美術館蔵
この作品は戦時中、清方が疎開先に運んで制作し、終戦の翌年(当時68歳)に完成させたものです。その後、同年の第一回日展に出品されました。雪の降る中、武家の女性が外出から戻った夫の羽織をたたんでいる様子が描かれています。梅や水仙の花が配された女性の着物から春の気配が伝わってくるようです。

清方もこのほかに、《深沙大王》(明治37年作)、《朝涼》(大正14年)(ともに鎌倉市鏑木清方記念美術館蔵)といった名作の数々が出品されています。

ほぼ同じ時代に活躍した二人の美人画をこうして同時に鑑賞する機会は意外と少なく、思いがけない共通点や相違点が発見できます。夏休みは美人画の名作を鑑賞しながら夕涼みなどされてみてはいかがでしょうか。


「市制80周年記念展 上村松園と鏑木清方」
会期        2012年7月21日(土)~2012年9月2日(日)
会場        平塚市美術館
開館時間     9:30~18:00(入館は~17:30)
休館日      月曜日
ホームページ   http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/

(佐藤)

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