西洋美術オークション下見会


 こんにちは。朝晩もめっきり涼しくなり、街もすっかり秋めいてまいりました。毎年10月といえば、そうです、弊社では西洋美術オークションのウィーク!今回もバラエティーに富んだ品揃えで全393ロット、作品たちが皆様のコレクションの一つとなれるよう真心込めて展示しております。
下見会ブログ用
下見会場風景


 今回は、その中から私平野が個人的に気に入っているものを数点ご紹介したいと思います。
 まず1点目は、象徴主義の画家としても知られるベルギー生まれの、Henri Privat-Livemontによる「彫刻家/画家」のリトグラフ2点組です。リヴモンは数多くのポスターを手掛け、その作風から「ベルギーのミュシャ」とも評されています。繊細でやわらかなタッチで描かれた女性や象徴化された植物の背景など、典型的なアール・ヌーボー様式のこの作品、芸術の秋に飾るにはまさにうってつけだとは思いませんか?
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lot207 Henri Privat-Livemont 「彫刻家/画家」2点組
シート:各70.5×52.0cm
エスティメイト¥100,000~¥200,000


 2点目は、Ernest Sanglan作「ブロンズ彫刻蟹文インクスタンド」。こちらも同じくアール・ヌーボー期のフランスの作家。貝殻のトレーをベースに海草の上でエビをとらえた蟹の甲羅が、ブロンズの質感と相まって非常にリアルに描写されています。なんだか明治の陶芸家、宮川香山の作品を連想してしまうのは私だけでしょうか?甲羅を空けると中にはカニ味噌…、ではなくインク壷があります。現代ではインクをお使いになる方も稀かと思いますが、インクスタンドとしてではなく小物入れとしても使用できますし、大切なものは甲羅の中にそっとしまっておいて“蟹さんに守ってもらう”、というのはいかがでしょう?
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lot229 Ernest Sanglan 「ブロンズ彫刻蟹文インクスタンド」
W22.6cm 見込みに銘
エスティメイト¥50,000~¥100,000


 3点目に紹介したいのは、何とも素朴な味わいのあるミュージカルチェア。一見ただの小さな子供用の椅子に見えますが、座面の内部に小さなオルゴールが仕込まれており、座ると可愛らしい音楽を奏で始めます。金彩のかかった花の模様には手彫りの温かみが感じられ、以前にはどこかでフランス人形が腰をかけていたのかなぁ、などとつい想像を巡らせてしまいます。
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lot306 ミュージカルチェア
H65.0×W28.0×D27.5cm
エスティメイト¥50,000~¥100,000



 オークションというと、高額な作品や希少性の高い作品などに注目が集まりがちではありますが、今回ご紹介した3点は、いずれも落札予想価格下限が10万円以下の作品です。普段からあなたのそばで愛玩できるお気に入りの1点、今週の西洋美術オークションで見つけてみませんか?

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皆様のお越しを心よりお待ちしております。

(平野)