カテゴリー別アーカイブ: オークション

近代美術・一政・ジュエリー&ウォッチ下見会スタート

 本日よりシンワアートミュージアムにてJEWELLERY&WATCHES、中川一政コレクション、近代美術の、オークション下見会がスタートしました。

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SAM地下1F


<中川一政の書>
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 一政のパワフルな筆遣いの書で埋め尽くされた一角。

 現在、歌手の長渕剛さんが火付け役となって、若者の間でも書を楽しむ方が増えていると言いますよね。
 「技巧を用いず心で書け」と語ったという一政の書には、若い年齢層の方でも読みやすく、親しみやすい作品も多く並びます。


<日本画>
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 日本画の軸のコーナーには、奥田元宋の《水仙》(Lot11 落札予想価格30万円~50万円)がひときわ凛とした風情を湛えます。

 白い水仙は初春から花をつけるので、冬の季語ですが、本作品で描かれている黄水仙は3月頃の開花で、春の季語。ちょうど今の季節のお花です。
 本作品で花瓶に活けられた黄水仙は、台が描かれていません。無背景の中を浮遊し、超現実的な雰囲気を漂わせています。
 このような精神性の高い静物画からの学習は、やがて元宋の「胸中山水」と呼ばれる格調高い風景画を生み出していく糧となっていくのです。


<洋画>
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 1月のオークションで人気を博した長谷川利行作品。
 今回も、数々の展覧会に出品された名品が並びます。

 戦前、《靉光像》などで利行が脚光を浴びていた時期に二科展に出品した《子供》(Lot61 落札予想価格500万円~700万円)や、稀にみる力強い大作の《裸婦》(Lot62 落札予想価格800万円~1200万円)は、他と一線を画する優れた肖像画と言えます。

 今年は利行が亡くなってから70年の年に当たります。
 現在利行の作品が展示されているSAMから歩いて五分程の場所にあるカフェ・パウリスタで、利行はよく日銭を稼ぐために作品を描いていました。
 生前は経済的に恵まれず、「日本のゴッホ」とも異称された画家ですが、さて没後70年を経た今回のオークションではどのような評価が下されるのでしょうか・・・。

会場地図など詳細はこちら


※1月の近代美術オークションにお越しになったお客様はご存知の通り、1928-1929年に描かれた《カフェ・パウリスタ》は、1月に当社のオークションに出品され、520万円で落札されました。

(井上素子)

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PartⅡ、中川一政コレクション、浮世絵下見会@銀座

今週は銀座で、近代美術PartⅡ、中川一政コレクション、浮世絵の下見会を開催しています。

エントランスを入っていただくと、
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全体像                   お顔は怒りを顕わにした「阿形」です


中川一政コレクションの《木彫 仏像》がお出迎えいたします。
平安後期の作と思われる本作品は、四天王のひとりですが、
左手に持っていたであろう持物が失われているため、
尊名は特定できません。
お顔の表情から、増長天もしくは持国天の可能性が高いです。


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こちらも一政コレクション。
今回の出品作品は書が中心となっています。
一政らしい味のある文字が壁中を踊っています。

そのほかにも、1Fには目黒雅叙園コレクション、肉筆浮世絵など、
日本画の名品がたくさん展示されています。

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こちらは目黒雅叙園コレクション。
目黒雅叙園さん旧蔵の日本画が14点出品されます。
目黒雅叙園さんでは、昭和3年の創業から戦時中まで、
活躍中の日本画家を大勢招き、建物内の壁や天井を彩る作品の制作を依頼したそうです。
作品を日展や院展に出品してから雅叙園さんに納めた画家も多く、
今回の作品に日展・院展の出品作が多いのはそのためです。


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lot.624 今尾景年《松菊白鵬図》、lot.625 野口小蘋《花鳥之図(松竹梅鴛鴦白鶴之図)》は、かつて明治天皇の御物となり、その後竹田宮恒徳王のご所蔵となった由緒正しき作品です。
天皇や皇族の方々が愛された、精緻な筆致と鮮やかな色彩をぜひ会場でご覧下さい。


下見会スケジュールはこちら


みなさまのご来場を心よりお待ちしています。

(執筆:S)

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浮世絵オークションの見どころ

 3月20日(土)、浮世絵や近世絵画など226ロットを集めた浮世絵オークションが開催されます(近代陶芸および近代美術パートⅡ(陶芸)オークションと同日開催)。
 東洲斎写楽をはじめ、葛飾北斎、喜多川歌麿、歌川広重、鈴木春信・・・と、優品ぞろいです!
今日はその中からいくつか見どころをご紹介します。


<初摺りと後摺り>
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Lot 326 歌川 広重《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》
初摺 36.7×24.8㎝
落札予想価格:700万~1100万円


 今回のオークションには、初摺りと後摺りの両方が、別のロットで出品されているものがあります。
 上図の歌川広重《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》は、風景画の名手・広重の代表的な作例ですが、Lot326は初摺り、Lot324は後摺りのものです。後摺りは落札予想価格150万円~250万円となっています。

 初摺りでは橋の上や川の中景にぼかしが入っており、タイトル部分に当たる「関防(かんぼう)」には二色のグラデーションが用いられています。また、黒くたちこめる雨雲の表現も、後摺りでは横に真一文字の表現に変えられています。


 広重の《名所江戸百景》のうち、「王子装束ゑの木大晦日の狐火」も初刷りと後摺りが出品されます。
 Lot322の後摺りは落札予想価格50万円~80万円、初刷りのLot325は同500万円~800万円です。

 東京都北区にある王子稲荷神社にまつわる民話をもとに作られた作品。大晦日の夜、榎木(ゑの木)のもとに数百の狐が集まって、装束を整え、参拝に行くというお話です。ユーモアと日本的なオカルト趣味が、味わいある高度な木版の技で表現されています。
 下見会ではぜひ実物を見比べて違いをお楽しみください。


<土佐派「中興の祖」、光起>

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Lot 384 土佐 光起《人麿図 後西天皇宸翰讃》
絹本・彩色 軸装 重要美術品認定 118.0×44.0㎝
落札予想価格:1200万~1800万円


 土佐光起(とさ・みつおき 1617-91)は江戸前期の画家です。
 江戸時代、幕府の御用絵師となった狩野派や住吉派に押され気味であった土佐派を、再び宮廷の絵師として高い地位にまで押し上げた、中興の祖と言われています。

 土佐派は室町時代からの長い伝統を持つ名門一族でしたが、江戸幕府が奥絵師として新興の漢画系である狩野派を召し抱えたため、光起の父の代までは京都を離れて大阪(堺)に活躍の場を見出していました。
 しかし土佐光起の活躍により、一家は再び京の地へ戻り、そこで貴族的で優雅・繊細な画風を確立したのです。

 本作品は「土佐派の絵画展」(1982年、サントリー美術館)に出品されたもので、三十六歌仙のひとり、柿本人麻呂を描いています。宮廷歌人を題材とした、いかにも土佐派らしい作品です。

浮世絵オークション日程など詳細

(井上素子)

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長谷川利行など、情趣溢れる作品群

 昨日より、近代美術オークションの下見会が銀座でスタートしています。
 会場には新春にふさわしい絵柄の日本画や、長谷川利行の味わい深い作品群が並んでいます。

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シンワアートミュージアム1階の様子

奥に見えるのは川端龍子の作品。華麗な色彩で大空間を彩っています。
(LOT15 川端龍子《花山》¥3,500,000.~¥4,500,000.)


昔から日本画の画題として最もよく描かれてきた、春を祝う絵柄が、今回はよく揃っています。

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これは伊藤小坡という女流画家が描いた、桃の節句を祝う立雛(たちびな)の作品。
(LOT5《立雛》¥600,000.~¥900,000.)


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前田青邨の《紅白梅》(左/¥1,800,000.~¥2,500,000.)。

 このほか、LOT7奥村土牛の《梅》やLOT19片岡球子の《わらべ梅の頃》も、春の梅を描いています。


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地下一階の様子


 前回のブログでもご紹介したように、長谷川利行の名品が並んだ今回のオークション。

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 中でも《ノア・ノア》(画面左)は利行の短い生涯の中でも最も優れた時代と言われる頃に描かれたもの。
新宿の喫茶ノア・ノアの給仕の女性を描いた作品です。
 チカチカと明滅するライトの下で堂々と座る女性を、利行が貪るような視線でとらえた様子が思い浮かびます。画家はこの作品を。わずか1時間で描き上げたと言います。


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 地下1階の奥の壁には、坂本繁二郎、梅原龍三郎、香月泰男といった近代の巨匠の作品が並び、さながら美術館の雰囲気を醸し出しています。
 こんな壁が、居間にあったらステキですね。



 さて最後にひとつご紹介です。

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 シンワアートミュージアムの近代美術オークション下見会では、お客様がご自由に美術品の相場をお調べ頂ける、パソコンを常設しております。
 簡単な操作で、シンワアートオークションに出品された過去の作品の落札データを瞬時に表示することが可能です。

 ご利用はもちろん無料です!
 美術品をお求め・売却の思案中といった方は、会場の作品とともに是非ご利用下さい。

(井上素子)

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長谷川利行《カフェ・パウリスタ》

 こんにちは。今週はいよいよ今年初めてのオークションです。
近代美術オークションの出品作品の中からおすすめの1点をご紹介します。


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長谷川利行 (1891-1940)
《カフェ・パウリスタ》
40.7×60.3cm
キャンバス・油彩 額装
1928-29年作
右下にサイン
木村東介シール
長谷川利行遺作油繪鑑賞展(1974年・東京美術會館)
生誕100年記念 長谷川利行展(1991年・新宿小田急百貨店)
没後60年長谷川利行展(2000年・神奈川県立近代美術館)
鬼才長谷川利行と二人―熊谷登久平・矢野茫土 一関ゆかりの画家生誕百年―(2001年・一関市博物館)
エスティメイト ¥3,500,000~5,000,000



 長谷川利行は、「リコウ」の愛称と放浪の画家として知られる画家です。その激情的な生き様と作風から「日本のゴッホ」とも称されています。利行は1891(明治24)年、京都に生まれました。中学時代から詩や短歌を創作し、28歳の時、私家版歌集『木葦集』を刊行。やがて独学で始めた油絵に夢中になり、1921年頃上京した後は公募展への出品を始めました。関東大震災を機に京都に戻りましたが、1926年再び上京。1927年第14回二科展で樗牛賞、翌年に第3回1930年協会展奨励賞を受賞します。住居を定めなかった利行は、簡易宿泊所などを転々としながら東京の下町を描き続けました。1936-37年には、新宿の天城画廊で集中的に作品を発表。1940年行き倒れとなり、49年の破天荒な生涯を閉じました。

 本作品のモティーフとなった「カフェ・パウリスタ」は、現在も銀座8丁目にあるカフェです。100年近い歴史を持つこの老舗のカフェは、岸田劉生、高村光太郎、永井荷風、芥川龍之介といったそうそうたる芸術家や文化人たちが通った知的社交場として名高いお店です。当時のカフェは1Fにバーやサロン、2Fに食堂があるのが普通で、現在の喫茶店とはまったく別物だったそうです。利行は銀座の街をしばしば描きましたが、その中でも特にこの「カフェ・パウリスタ」を好んでいたようです。
 本作品を描いた時期、利行は二科展と1930年協会展でたて続けに受賞を重ねた直後であり、人生で最も野心と夢に溢れていました。大震災から急速な復興を遂げたモダンな銀座、文化の香り高いカフェで夢を描く画家の姿を想像させる作品です。

 近代美術、Jewellery&Watches下見会は明日から開催いたします。
スケジュールはこちら

 銀座7丁目にありますシンワの下見会場とカフェ・パウリスタはすぐ近くです。
作品をご覧になった後は、コーヒーを楽しみながら利行の時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
みなさまのご来場を心よりお待ちしております。

(執筆:S)

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新春 下見会スタートです


 あけましておめでとうございます!
寒い寒いお正月でしたが、皆様はお元気に新年をお迎えでいらっしゃいますか。


昨日より、シンワアートミュージアムでは近代美術パート2オークションの下見会を開催しております。
東京ではこれが新春初めの下見会となります。

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会場風景
正面に児玉三鈴の金屏風が立ち、いかにも新春らしい会場の雰囲気です。

LOT571 児玉 三鈴《松の図屏風》
左隻175.6×181.0cm(180.2×186.0cm) 
右隻175.8×181.0cm(180.2×186.0cm)
各紙本・彩色
左隻:左下に落款・印
児玉陶欧シール
Est. ¥150,000.~¥300,000.

 児玉三鈴(こだま・さんれい/1915-2002)とは、川端龍子に師事した日本画家です。
青龍会で活躍した後に日本画府という画壇を創立し、理事長まで務めた人物です。
 本作品は龍子を彷彿とさせる堂々とした作風が魅力的です。


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LOT661 モーゼル《飾り壷》
H63.7×D18.4cm
下部に陰刻銘
Est. ¥200,000.~¥400,000.

 珍しいモーゼルの壷も出品されています。
 モーゼル(Moser)は、ルドヴィック・モーゼルによって1857年に設立されたブランドで、最高級のボヘミアングラスと言われます。
 職人気質で造形された芸術性の高い工芸品は贈答品としても人気があります。


 今回のオークションで注目を集めているのが、織田広喜の作品群。

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 壁一角が織田の作品で埋まり、展覧会を見ているような気にすらなります。
 茶系や灰褐色を主調にした作品の数々を眺めていると、このような色彩の混ざり合いの中から、これ程の心地よい世界を描くことができた画家の才能に改めて驚きます。
 

 近代美術・ジュエリー&ウォッチに関しては、既に今週月曜と火曜に大阪下見会を終え、金曜と土曜には名古屋で下見会を開催しております。
 東京でご覧いただけるのは1月20日(水)~23日(土)となります。

詳しい時間等はこちら


 皆様のご来場をお待ち申し上げます。

(井上素子)
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Asian Auction Week in 香港!!

 本日(2009年11月27日)より明日まで、香港マンダリン・オリエンタル・ホテルにてオークション下見会を開催しております。
 今週はじめから現地入りしているスタッフに写真を送ってもらいました。

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下見会場入口


 今回は2008年11月のマカオ、2009年5月の香港に続き、第3回目となる、“Asian Auction Week”です。
 韓国(Kオークション)台湾(キングスレー)シンガポール(ララサティ)日本(シンワ)の4つのオークションハウスが集結し、合同でオークションを開催。
 各国を代表するコンテンポラリーアートを世界に発信します。

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マンダリン・オリエンタル・ホテル外観


開催日程詳細:https://www.shinwa-art.com/aaw/aaw0911.html

公式ウェブサイト: www.asianauctionweek.com


 シンワアートオークションからは、河原温、白髪一雄、草間彌生、奈良美智など日本人アーティストを中心に40点が出品されます。

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下見会場の風景

全4社の出品作品(英語):http://aaw2009.iauctionsystems.com/


 以前、今回のオークションに派遣されているスタッフとニューヨーク出張に行った時、各国オークションハウスの下見会を眺めながら「勉強すべきところ」「日本の方が優れているところ」という話をしたことを思い出します。
 今回、オークション運営のエキスパートとして香港入りした彼女。きっと大活躍して、今の日本作品を代表する作品たちを立派に展示してきてくれるでしょう!

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香港の街角1


 “Asian Auction Week”でオークションを共同開催する3社には熱意溢れる若手スタッフが多く、高いモチベーションでこのプロジェクトに挑んでいる印象を受けます。
 そんな彼らから私達も元気をもらっています!

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香港の街角2

 シンワでは3回目となる海外オークション。
 価格や点数は様々ですが、国内で20年の経験を重ねた上に海外進出を果たした分、オークション運営はよりスマートに、磨きをかけていっています。

           ***

 さて今回は、昨年亡くなった白髪一雄の名品が出品されています。
 去る9-10月にかけてシンワアートミュージアムで開催された「日本・韓国 戦後現代美術展」で、正面に掛けられた白髪のパワーに圧倒された方も多かったのではないでしょうか。

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Lot 31 白髪一雄 《錦秋》
Estimate: 1.300.000 – 2.000.000 HKD
170.000-260.000 USD
1983年、キャンバス、油彩、130.5×162.0cm

 本作品は紅葉する秋の美を表現した「錦秋」(きんしゅう)という言葉がタイトルに用いられています。赤や黄色に染まる木々を、華やかな織物に例えている言葉です。
 白髪は滑車につかまって画面の上を滑走しながら足で描くアクションペインターですが、そのアクションには、神による大地の創造や破壊を想起させる迫力があります。
 作家の宇宙的なスケールの大きさをも感じさせる作品です。


(井上素子)

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11/21東京&11/30香港 下見会@銀座

 今週は、銀座にて21日の近代美術オークション(東京・丸ビル)と、30日のCouncil&SHINWA Alliance Auction(香港)の下見会を開催しています。

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エントランスを入ると宝石&時計ブースです。
人気のVan Cleef & Arpelsは今、六本木の森アーツセンターギャラリーで展覧会が行われています。
今回はたくさん出品されますので、ぜひお手にとってお試しください。


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B1Fの洋画コーナーには、梅原龍三郎の作品がずらり25点。
あの有名な名作も出品されますので必見です!


 では、本日も近代美術オークションの出品作品の中から菱田春草の作品をご紹介します。
現在、東京の明治神宮では「特別展 菱田春草」が開催されていますが、ご覧になりましたか?今回出品される春草は、展覧会で名品をご覧になった方にもおすすめの1点です。


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Lot.42 菱田春草 《蓬莱山》
26.3×19.2cm
絹本・彩色  軸装
左下に落款・印
横山大観箱
菱田春夫識
東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書つき
エスティメイト ¥4,000,000.~6,000,000.



 まずは春草について。

 菱田春草は1874(明治7)年、長野県生まれ。1890年東京美術学校に入学し、橋本雅邦に狩野派の絵画を、川端玉章に円山派の絵画を学びました。卒業後は美術学校の教員となりましたが、岡倉天心の校長辞職とともに母校を去ります。同年、新しい日本画の創造を目指し、天心によって設立された日本美術院に参加。盟友・横山大観とともに革新的な日本画を模索していく中で、朦朧体という没骨彩色の表現法を生み出しました。
 1906年、日本美術院が東京から茨城県の五浦に移転すると、大観や下村観山らと互いに影響を与えあいながら制作に励んでいきます。五浦では朦朧体の研究を推し進め、色線と点描を駆使した表現へと発展させ、画業は充実期へと向かいました。1908年視力に異常をきたした春草は、療養のため東京代々木に転居。以後、1911年に36歳という若さで亡くなるまでの短い期間に、重要文化財に指定された《落葉》や《黒き猫》などの名作を次々に生み出しました。写実を重視し、モチーフの存在感を捉えながら琳派などの伝統絵画の装飾性を取り入れるという晩年の制作は、近代日本画の基礎を確立したと言えるでしょう。

 本作品は落款より1900~02(明治33~35)年頃の作でしょうか。春草が本格的に朦朧体に取り組んだ時期に当たります。題材となった蓬莱山(ほうらいさん)とは古代中国において、仙人が住むといわれた東の海上にある山で、不老長寿の妙薬があると考えられていました。日本では竹取物語で姫が皇子に出す難題の一つとしても登場し、画題としては新春や慶事の席に相応しいものとして、古来より好んで描かれました。
 本作品では前景につがいの鶴が止まり、人跡未踏の境地を想像させます。霧の立ち込めて茫漠とした山峡は、中景に余白を取り、そこに深い空間の奥行きを思わせます。深山の湿潤な空気を感じさせるようなこの表現は、朦朧体の研究の成果を生かしたものです。春草の自然描写はつねに色彩感を溢れさせており、その中に統一された情趣が漂っています。

みなさまのお越しを心よりお待ちしています。

(執筆:S)

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長船元重の太刀

今週は銀座でパートⅡの下見会を開催しています。

今回は目黒雅叙園さんの日本画コレクションが出品されます。すべて100号を超える大作ですので、見ごたえがありますよ。

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1Fに展示されています。

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龍村や一竹の帯もたくさん出品されます。きれいな色のものばかりですよ。
輪島塗の屠蘇器や蒔絵の重箱などもすてきです。新年の準備にいかがでしょうか。


今回のパートⅡオークションの目玉はなんといってもこちら。

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刀です!!

Lot.670 長船元重
《太刀/衛府太刀拵》
刀身:71.2cm
反り:2.2cm
茎表に銘「備州長船住元重」
財団法人日本美術刀剣保存協会重要刀剣指定(第五十四回)
鉄砲刀剣類登録証付(東京都第20229号)
『刀剣美術』(財団法人日本美術刀剣保存協会)第六二三号掲載
エスティメイト ★¥3,200,000.~5,000,000.


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 刃長が2~3尺(約60~90cm)の日本刀を太刀といいます。太刀は、おもに平安時代頃から南北朝時代まで使用され、馬上での戦いを想定して製作されたため、長く反りが強いのが特徴です。

 作者の長船元重(おさふねもとしげ)は、南北朝時代頃に活躍した備前(現在の岡山県東南部)の刀匠です。備前は、刀作りのための良質な原料や燃料に恵まれたこと、吉井川や瀬戸内海、山陽道を有する交通の要所であったため、材料の確保や流通が容易であったことから、鎌倉時代から日本刀の一大産地として栄えました。その中でも長船派は主流であり、鎌倉から室町時代まで隆盛を誇ったといいます。

 50年もの作刀期間があったと伝えられる元重は、江戸時代に出版された『懐宝剣尺』や『古今鍛冶備考』では、最も優れた刀工であることを示す「最上大業物(さいじょうおおわざもの)13工」の一人に選ばれ、その作品も日本刀の最上級品「最上大業物」にランクされています。現在、残された名品のうち重要文化財に指定されているものが7点あり、博物館に収蔵されているものもあります。

 衛府太刀拵(えふだちこしらえ)は、もともとは平安時代に宮中の護衛に当たった役人(=衛府)が持つための太刀の鞘や柄、鍔などの装備を指します。衛府は朝廷に仕える武官ですので、デザインは装飾的で優美ですが、実用性も重視され重厚なつくりになっています。

パートⅡオークションは11/21(土)ですが、来週は展示しておりませんのでご注意ください。
みなさまのご来場を心よりお待ちしています。

(執筆:S)

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11月オークションの下見会スタートしました

 今月は近代美術、近代美術Part2、Asian Auction Week in Hongkong(コンテンポラリー)、Council&SHINWA Alliance Auction(ジュエリー&ウォッチ)と、オークションが盛り沢山です。今週から各種オークションの下見会がはじまりました。
 先日大阪での下見会が終わり、本日と明日は名古屋で近代美術とジュエリー&ウォッチの下見会を開催しています。また、8、9日はSelected Viewingということで、11月の各オークションから選りすぐりの作品を集め、台湾でも下見会を開催いたします。お近くにお立ち寄りの際は、ぜひお越しください。

下見会スケジュールはこちら

 さて、本日は、11月の近代美術オークションの出品作品から、川合玉堂の作品をご紹介いたします。こちらも現在名古屋の下見会で展示中です。玉堂は愛知県生まれですので、今回の下見会は里帰りということになりますね。

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Lot.40 川合玉堂(1873-1957)
《飛瀑霜葉》
138.7×50.9cm
絹本・彩色 額装
昭和15年作
左横に落款・印・年代
玉堂美術館登録あり
『歴史を築いた日本の巨匠Ⅱ 川合玉堂(下巻)』掲載 P.120 №3(美術年鑑社)
エスティメイト 
★¥2,000,000.~3,000,000.



 まずは川合玉堂について、簡単にご紹介します。
 玉堂は1873年愛知県生まれ。1887年京都の望月玉泉門下に入門。1890年幸野楳嶺の画塾に入門し、菊池芳文、竹内栖鳳らとともに学びました。1895年幸野楳嶺の逝去にともなって、翌年から橋本雅邦に師事。1898年雅邦らに従い日本美術院の設立に参加。1907年第1回文展に出品。以降文展・帝展を中心に活躍します。1917年帝室技芸員、1919年帝国芸術院会員となり、1940年文化勲章を受章。1951年には文化功労者となりました。日本の伝統的な狩野派・四条派の技を極め、四季折々の日本の自然を描きつづけた日本画家です。自然とともに生きる人々の暮らしへの共感を素直に表現した詩情豊かな作風は、現在も高い人気を誇ります。

 本作品は、文化勲章を受章した1940(昭和15)年、67歳の時に制作された作品。玉堂が、まだ終の棲家となった奥多摩に移住する前、東京・新宿区に居を構えていた時代の作です。この時期、制作は成熟期を迎え、色彩と墨とが見事に調和した傑作が次々に生み出されていきました。
 題材となった山渓と瀑布は、玉堂が得意としたモチーフ。卓抜した技術で表現された風景は、写実に基づいたものでありながら「日本の美しい自然」として理想化された風景です。勢いよく流れ落ちる滝と、険しい岩壁を彩る鮮やかな紅葉には、厳しくも美しい自然の姿が生き生きと表されています。雄大な自然美とともに、大きな荷物を背負い橋を渡る点景人物を描き込むところがいかにも玉堂らしく、心を和ませます。詩情豊かな秋の情景としてまとめ上げた佳作と言えるでしょう。

(執筆:S)

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