長船元重の太刀


今週は銀座でパートⅡの下見会を開催しています。

今回は目黒雅叙園さんの日本画コレクションが出品されます。すべて100号を超える大作ですので、見ごたえがありますよ。

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1Fに展示されています。

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龍村や一竹の帯もたくさん出品されます。きれいな色のものばかりですよ。
輪島塗の屠蘇器や蒔絵の重箱などもすてきです。新年の準備にいかがでしょうか。


今回のパートⅡオークションの目玉はなんといってもこちら。

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刀です!!

Lot.670 長船元重
《太刀/衛府太刀拵》
刀身:71.2cm
反り:2.2cm
茎表に銘「備州長船住元重」
財団法人日本美術刀剣保存協会重要刀剣指定(第五十四回)
鉄砲刀剣類登録証付(東京都第20229号)
『刀剣美術』(財団法人日本美術刀剣保存協会)第六二三号掲載
エスティメイト ★¥3,200,000.~5,000,000.


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 刃長が2~3尺(約60~90cm)の日本刀を太刀といいます。太刀は、おもに平安時代頃から南北朝時代まで使用され、馬上での戦いを想定して製作されたため、長く反りが強いのが特徴です。

 作者の長船元重(おさふねもとしげ)は、南北朝時代頃に活躍した備前(現在の岡山県東南部)の刀匠です。備前は、刀作りのための良質な原料や燃料に恵まれたこと、吉井川や瀬戸内海、山陽道を有する交通の要所であったため、材料の確保や流通が容易であったことから、鎌倉時代から日本刀の一大産地として栄えました。その中でも長船派は主流であり、鎌倉から室町時代まで隆盛を誇ったといいます。

 50年もの作刀期間があったと伝えられる元重は、江戸時代に出版された『懐宝剣尺』や『古今鍛冶備考』では、最も優れた刀工であることを示す「最上大業物(さいじょうおおわざもの)13工」の一人に選ばれ、その作品も日本刀の最上級品「最上大業物」にランクされています。現在、残された名品のうち重要文化財に指定されているものが7点あり、博物館に収蔵されているものもあります。

 衛府太刀拵(えふだちこしらえ)は、もともとは平安時代に宮中の護衛に当たった役人(=衛府)が持つための太刀の鞘や柄、鍔などの装備を指します。衛府は朝廷に仕える武官ですので、デザインは装飾的で優美ですが、実用性も重視され重厚なつくりになっています。

パートⅡオークションは11/21(土)ですが、来週は展示しておりませんのでご注意ください。
みなさまのご来場を心よりお待ちしています。

(執筆:S)