2月3日シンワブログに引き続き、第13回文化庁メディア芸術祭をご紹介します。
(※会期は今週末2月14日18:00までです。金曜なら20時まで開館していますので、ぜひご覧ください。入場は無料です)
■第13回文化庁メディア芸術祭 受賞作品
アート部門で大賞を受賞したのは、『growth modeling device』(David BOWEN)です。
これは、成長するタマネギを一日ごとに立体像として複製する機械のインスタレーション作品。ある一つの「時間」が形象化され、それを並列することによって作者は「時空間」を生成する装置を作り上げています。
(※会期終了につき、画像を配信停止致しました)
アート作品が、彫刻にせよ絵画にせよ、インスタレーションにせよ、ある一つの時間を扱っていて、それを展示空間に置き換えていることは共通していますよね。この作品はその特性を共有しているものと言えましょう。
アート部門優秀賞は、『Mr. Lee Experiment』Mr. Lee Experiment 制作チーム代表 Junghwan SUNG、『Nemo Observatorium』Lawrence MALSTAF、『SEKILALA』志村 諭佳 / 志村 健太郎(SHIMURABROS.)、『Braun Tube Jazz Band』和田 永でした。
Lawrence MALSTAFのインスタレーション作品『Nemo Observatorium』は、大量の発泡スチロールが回転して鑑賞者の周りに竜巻の模様を作り出す装置です。
自然現象を電子的な記号に置き換えたりCGに描きなおしたりするのではなく、あくまでも現象そのものを示しているところが高く評価されました。
(※会期終了につき、画像を配信停止致しました)
和田永(わだ・えい)の『Braun Tube Jazz Band』は、複数のブラウン管を叩くことによって“電気音楽”を奏でるパフォーマンス作品。
(※会期終了につき、画像を配信停止致しました)
これが、感動しました。理屈はさておき、魅力的なので作品そのものをご覧いただきたいです。
作家は現在、多摩美術大学4年時在学中。Sony Music Publishingに所属するミュージシャンでもあります。
パフォーマンスはほぼ毎日午前と午後に行われているので、必見!です。
(※会期終了につき、画像を配信停止致しました)
■第13回テーマ「MEDIA ARTS? メディア芸術とは?」について
文化庁が主催となって始まり、話題性や作品の応募総数も順調に増加の傾向をたどってきたメディア芸術祭(3日記事参照)。
これを受けて文化庁では、国立メディアセンターを秋葉原に建設しようという機運を高めてきました。しかし、昨年の政権交代によってそれが頓挫したのはご存知の通りです。
プレス発表会の席で関係者に伺った話では、政権交代があったにせよ、メディアセンター建設がその一事で白紙となった背景には、その必然性への理解が国民の中で共有されてこなかったことがあると認識しているとのことでした。政府が変わったにせよ、世論が必要と考えれば、メディアセンターは実現されたのかもしれない、と。
そこで、今回のメディア芸術祭のテーマは原点に立ち返り「MEDIA ARTS? メディア芸術とは?」になったのだそうです。
デジタル表現を用いたアートだけではなく、エンターテインメント性のあるアニメやマンガ、ゲームなどを含んだ日本初の柔軟な概念として「メディア芸術」を提示し、皆さんに楽しみ親しんで頂こうとしているのが、今回の展示なのですね。
(※会期終了につき、画像を配信停止致しました)
■アート部門以外の第13回文化庁メディア芸術祭 受賞作品
<エンターテインメント部門>
大賞
『日々の音色』ナカムラ マギコ / 中村 将良 / 川村 真司 / Hal KIRKLAND
優秀賞
『NARUTOーナルトー ナルティメットストーム』NARUTOーナルトー ナルティメットストーム 開発チーム代表 松山 洋
『電気グルーヴ/Fake It!』田中 秀幸
『LOVE DISTANCE』伊藤 直樹
『scoreLight』Alvaro CASSINELLI / 真鍋 大度 / 栗原 優作 / Alexis ZERROUG
<アニメーション部門>
大賞
『サマーウォーズ』細田 守
優秀賞
『屋根裏のポムネンカ』イジィ バルタ
『東京マグニチュード8.0』橘 正紀
『The Cable Car』Claudius GENTINETTA / Frank BRAUN
『電信柱エレミの恋』中田 秀人(ソバットシアター)
<マンガ部門>
大賞
『ヴィンランド・サガ』幸村 誠
優秀賞
『イムリ』三宅 乱丈
『海獣の子供』五十嵐 大介
『この世界の片隅に』こうの 史代
『へうげもの』山田 芳裕
<功労賞>
宮本 茂(ゲームクリエーター)
<特別功労賞>
金田 伊功(アニメーター)
【第13回文化庁メディア芸術祭 開催情報】
会 期:2010年2月3日(水)~2月14日(日)10:00~18:00
金曜は20:00(入館は閉館の30分前、2月9日休館)
会 場:国立新美術館(東京・六本木)【観覧無料】
主 催:文化庁メディア芸術祭実行委員会
(文化庁・国立新美術館・CG-ARTS協会)
お問合せ:
CG-ARTS 協会「文化庁メディア芸術祭事務局」
フリーダイヤル 0120-45-4536 (会期後:03-3535-3501)
http://plaza.bunka.go.jp/q/
(井上素子)
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作成者別アーカイブ: SHINWA ART AUCTION
ルノワール展で感じる至福のひと時
現在、六本木の国立新美術館では「ルノワール―伝統と革新」展が開催されています。
さっそく堪能してきましたので、内容をご紹介します。
団扇を持つ若い女
1879-80年頃、クラーク美術館
©Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA
<幸福感に溢れる作品との至福のひと時>
フランスの小説家オクターヴ・ミルボーは、1913年に刊行されたルノワールの画集の序文で、「ルノワールの人生と作品は幸福というものを教えてくれる」と書いています。
その通り、本展覧会ではルノワールの描く女性像の魅力や、印象派が描く風景画のきらめく色彩に触れることができるだけでなく、この稀代の芸術家の人生をたどる歓びを与えてくれます。
少し日本的な表現になってしまうかもしれませんが、今年一番の「眼福」を与えてくれる展覧会かもしれません。
画面TOPの《団扇を持つ若い女》は女優としての名声が頂点に達していたころのジャンヌ・サマリー。
下の《アンリオ夫人》は当時の画家の恋人であったともされる駆け出しの女優です。
アンリオ夫人
1876年頃 、ワシントン・ナショナル・ギャラリー
Gift of the Adele R. Levy Fund, Inc.,
©The Board of Trustees, National Gallery of Art, Washington.
<画家の周囲を取り巻く環境>
ブージヴァルのダンス
1883年、ボストン美術館
Picture Fund, 37.375. Photograph ©2009 Museum of Fine Arts, Boston
《ブージヴァルのダンス》で踊っている赤い帽子の女性は、この展覧会の解説によれば、シュザンヌ・ヴァラドンなのだそうです。
シンワアートオークションではおなじみの、モーリス・ユトリロの母で、画家でもあった彼女。10代後半でモデルとなり、ロートレックやルノワールのモデルを務めていたのです。
シャトゥーのセーヌ河
1881年、ボストン美術館
Gift of Arthur Brewster Emmons, 19.771. Photograph ©2009 Museum of Fine Arts, Boston
《シャトゥーのセーヌ河》など、光がきらめく風景画は、黒田清輝や岡田三郎助らが魅了された印象派とはこのようなものであったのだろうと感じさせます。
風景画では、エッソワを描いた作品も展示されています。以前シンワに出品された《エッソワの風景》を別の視点で描いており、興味深く鑑賞できました。
レースの帽子の少女
1891年、ポーラ美術館
(ポーラ・コレクション)
ポーラ美術館の《レースの帽子の少女》は、一見、夢見る少女を描いた作品に見えますが、当時の最新の流行ファッションに身を包んだ女性を、フランスの伝統的絵画であるロココ・スタイルに乗せて表現したものとも解釈できます。
親しみやすく、観る者を幸福感で包んでくれるルノワール絵画の「伝統と革新」が現れた作品なのです。
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シンワブログをお読み頂いた方に抽選でルノワール展東京会場へのご招待券をプレゼントいたします。
ご希望の方はご住所・ご氏名・電話番号・「ルノワール展招待券希望」の旨とご希望枚数をお書き添えの上、お葉書で「シンワアートオークション株式会社 オークション事業部 シンワブログ担当」までお申し込みください。
抽選の結果は発送をもって代えさせて頂きます。(頂いた個人情報は発送作業にのみ使用させて頂きます。)
(井上素子)
■□■ 「ルノワール-伝統と革新」展 開催概要 ■□■
【東京展】
会期:2010年1月20日(水)~4月5日(月)
休館日:毎週火曜
開館時間:午前10時~午後6時(毎週金曜は午後8時まで)
※入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 (東京都・六本木)
主催:国立新美術館、読売新聞社、日本テレビ放送網
一般お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
〈観覧料〉
当日券 一般1,500円、大学1,200円、高校800円
前売券 一般1,300円、大学1,000円、高校600円
団体券 一般1,200円、大学900円、高校500円
※団体料金は20名様以上に適用。
※中学生以下無料。
※障害者手帳をお持ちの方とその付添の方1人は無料。
※2月11日(木・祝)、12日(金)、13日(土)は高校生無料観覧日(学生証提示が必要です)
後援─── 外務省
協賛─── 清水建設、アフラック、大和ハウス工業、丸一鋼管、損保ジャパン、日本写真印刷
特別協力─ 財団法人ポーラ美術振興財団ポーラ美術館
協力─── 東京文化財研究所、日本航空、マミヤ・デジタル・イメージング
【大阪展】
会期:2010年4月17日(土)~6月27日(日)
休館日:毎週月曜(ただし5月3日は開館)
開館時間:午前10時~午後5時(毎週金曜は午後7時まで)
※入場は閉館の30分前まで
会場:国立国際美術館(大阪・中之島)
主催:国立国際美術館、読売新聞社、読売テレビ
一般お問い合わせ:06-6447-4680(国立国際美術館 代表)
〈観覧料〉
当日券 一般1,500円、大学1,200円、高校600円
前売券 一般1,300円、大学1,000円、高校500円
団体券 一般1,200円、大学900円、高校400円
※団体料金は20名様以上に適用。
※中学生以下無料。
※障害者手帳をお持ちの方とその付添の方1人は無料。
後援─── 外務省
協賛─── 岩谷産業、大阪芸術大学、きんでん、大和ハウス工業、パナソニック、丸一鋼管、イズミヤ、清水建設、アフラック、損保ジャパン、日本写真印刷
特別協力─── 財団法人ポーラ美術振興財団ポーラ美術館
協力─── 東京文化財研究所、日本航空、マミヤ・デジタル・イメージング、ダイキン工業現代美術振興財団
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第13回 文化庁メディア芸術祭レポート
昨日より、国立新美術館で「第13回 文化庁メディア芸術祭」が開催されています。
オープンに先駆けて一昨日プレス内覧会が行われ、参加してきましたので内容をレポートいたします。
■文化庁メディア芸術祭とは
1997年から開始された、アートとエンターテインメントが誘導した独自性のあるフェスティバルです。
ここではいわゆるメディアアートの他に、アニメーションやマンガ、ゲームなども審査の対象となります。
アート部門、エンターテインメント部門、アニメーション部門、マンガ部門 の4部門について大賞と優秀賞を選定、表彰しています。
国立新美術館では三回目(その前は東京都写真美術館)、通算で第13回目となる今回は、世界53カ国から2,592作品の応募がありました。目下、この分野の世界最高水準のイベントとも言われており、昨年の展覧会入場者数は5万人を突破しました。
■展示の特徴
インタラクティブ性が高いメディア芸術が対象とあって、体験できるコーナーがほとんどを占めています。
写真は、功労賞を贈賞されたゲームクリエーターの宮本茂氏の作品を使って遊ぶことができるコーナー。
宮本さんは世界中の人が知っている、「スーパーマリオ」や今話題の「Wii Fit Plus」の生みの親です!
このほか、特別功労賞としてアニメーターの金田伊功(かねだ よしのり)氏(2009年没)にも賞が贈られました。『銀河鉄道999』や『天空の城ラピュタ』の作画を担当した方です。 世界に誇る日本のアニメ文化の立役者でした。
(※会期終了につき、画像を配信停止致しました)
■見どころ
メディア芸術の最先端を体験できる展示や上映、シンポジウム、プレゼンテーション、ワークショップなどが企画されています。
内覧会には受賞した各国のアーティスト17組が参加していましたが、彼らのパフォーマンスや作品への思いを見聞できるのが、面白いところです。
何とシンポジウムは11回、プレゼンテーションは50回も開催されるのです!
(※会期終了につき、画像を配信停止致しました)
■受賞作品
昨年アカデミー賞を受賞し話題を集めたアニメ『つみきのいえ』は、実はその前の年の文化庁メディア芸術祭で大賞を受賞しています。
私も以前から注目していたCM作品がいくつか審査員推薦作品に選ばれていて嬉しくなりました。そんな楽しみ方もありますね。
(※会期終了につき、画像を配信停止致しました)
このフェスティバルの影響力の強さや審美眼の高さは、受賞アーティストたちの活躍によりこれからますます高まっていくことでしょう!
【第13回文化庁メディア芸術祭 開催情報】
会 期:2010年2月3日(水)~2月14日(日)10:00~18:00
金曜は20:00(入館は閉館の30分前、2月9日休館)
会 場:国立新美術館(東京・六本木)【観覧無料】
主 催:文化庁メディア芸術祭実行委員会
(文化庁・国立新美術館・CG-ARTS協会)
お問合せ:
CG-ARTS 協会「文化庁メディア芸術祭事務局」
フリーダイヤル 0120-45-4536 (会期後:03-3535-3501)
http://plaza.bunka.go.jp/q/
(井上素子)
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コンテンポラリーアートの新しい傾向「アニマミックス」に注目
上海当代芸術館(MOCA,The Museum of Contemporary Art Shanghai)では現在、「アニマミックス・ビエンナーレ(Animamix Biennial、動漫美学双年展)」が開催されています。
上海当代芸術館は2005年にオープンしたコンテンポラリーアートを専門としたガラス張りの建築が美しい美術館です。上海の中心地にある人民公園内にありますが、幅広いジャンルのアートを取り扱う歴史的建造物、上海美術館が人民公園脇の大通りに面しているのに対し、当代芸術館は公園の入り口からさらに奥へ進んだ先にあり、公園の木々に囲まれてひっそりと佇んでいます。
「アニマミックス(Animamix、動漫美学)」とはアニメーションとコミックを合わせたもので、上海当代芸術館のクリエイティブディレクターであり、この展覧会のキュレーターであるビクトリア・ルー(Victoria Lu)による造語です。ビクトリア・ルーは、アジアのコンテンポラリーアートにおいてアニメや漫画の影響が見られる作品が増加しており、この新しい美術傾向を表現する言葉として2006年に「アニマミックス」を提起しています。
ビクトリア・ルーは、アジアの新しい世代のアーティストは日本のアニメや漫画、ゲーム等の影響を受けてきていますが、1960年代、70年代のポップアートの世代が漫画やアニメから視覚的象徴を単に取り入れたのと異なり、アニマミックスのアーティストは、根本的にそれらのメディアが彼ら自身の美的感覚の中に深く浸透しているといいます。彼らの作品は高尚な芸術とサブカルチャーとの境目を曖昧にしており、また様々な創作領域、例えばブランドとのコラボレーションやオリジナルグッツの制作等のクリエイティブな活動にも従事し、度々それらの活動と自身の作品を融合しているアーティストもいます。
上海展においては、日本人アーティストでは金田勝一、北川宏人、松浦浩之、長沢郁美、渡辺おさむ、吉田朗、森本めぐみ等が参加。また昨年、アーティストインレジデンスのプログラムで上海にて制作活動をしていた龍門藍の作品も3作品展示されていました。
自然光が差し込む、吹き抜けのある空間に展示された作品は、わかりやすくかつ親しみやすいものが多く、「アニマミックス」というコンセプトゆえ当然なのかもしれませんが、キャラクター的要素の強い作品が多いのが特徴的でした。日本人アーティストに関しては当社のオークションでも取り扱い歴のある馴染みのある作品もあったのですが、「アニマミックス」というコンセプトで作品を見直す良い機会となりました。
またこの展覧会の出展作品に限らず、このコンセプトに相応するアーティスト、作品が見受けられるのも事実であり、今後、「アニマミックス」という言葉がコンテンポラリーアートの傾向として一般的になるのか、注目していきたいものです。(執筆:M)
非/現実のメタファー アニマミックス・ビエンナーレ2009-2010
(Metaphors of Un/Real – Animamix Biennial 2009-2010、
寓意 非/現実―2009動漫美学双年展)
会場:上海当代芸術館
会期:2009年12月12日~2010年1月31日
http://www.mocashanghai.org/
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長谷川利行など、情趣溢れる作品群
昨日より、近代美術オークションの下見会が銀座でスタートしています。
会場には新春にふさわしい絵柄の日本画や、長谷川利行の味わい深い作品群が並んでいます。
シンワアートミュージアム1階の様子
奥に見えるのは川端龍子の作品。華麗な色彩で大空間を彩っています。
(LOT15 川端龍子《花山》¥3,500,000.~¥4,500,000.)
昔から日本画の画題として最もよく描かれてきた、春を祝う絵柄が、今回はよく揃っています。
これは伊藤小坡という女流画家が描いた、桃の節句を祝う立雛(たちびな)の作品。
(LOT5《立雛》¥600,000.~¥900,000.)
前田青邨の《紅白梅》(左/¥1,800,000.~¥2,500,000.)。
このほか、LOT7奥村土牛の《梅》やLOT19片岡球子の《わらべ梅の頃》も、春の梅を描いています。
地下一階の様子
前回のブログでもご紹介したように、長谷川利行の名品が並んだ今回のオークション。
中でも《ノア・ノア》(画面左)は利行の短い生涯の中でも最も優れた時代と言われる頃に描かれたもの。
新宿の喫茶ノア・ノアの給仕の女性を描いた作品です。
チカチカと明滅するライトの下で堂々と座る女性を、利行が貪るような視線でとらえた様子が思い浮かびます。画家はこの作品を。わずか1時間で描き上げたと言います。
地下1階の奥の壁には、坂本繁二郎、梅原龍三郎、香月泰男といった近代の巨匠の作品が並び、さながら美術館の雰囲気を醸し出しています。
こんな壁が、居間にあったらステキですね。
さて最後にひとつご紹介です。
シンワアートミュージアムの近代美術オークション下見会では、お客様がご自由に美術品の相場をお調べ頂ける、パソコンを常設しております。
簡単な操作で、シンワアートオークションに出品された過去の作品の落札データを瞬時に表示することが可能です。
ご利用はもちろん無料です!
美術品をお求め・売却の思案中といった方は、会場の作品とともに是非ご利用下さい。
(井上素子)
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長谷川利行《カフェ・パウリスタ》
こんにちは。今週はいよいよ今年初めてのオークションです。
近代美術オークションの出品作品の中からおすすめの1点をご紹介します。
長谷川利行 (1891-1940)
《カフェ・パウリスタ》
40.7×60.3cm
キャンバス・油彩 額装
1928-29年作
右下にサイン
木村東介シール
長谷川利行遺作油繪鑑賞展(1974年・東京美術會館)
生誕100年記念 長谷川利行展(1991年・新宿小田急百貨店)
没後60年長谷川利行展(2000年・神奈川県立近代美術館)
鬼才長谷川利行と二人―熊谷登久平・矢野茫土 一関ゆかりの画家生誕百年―(2001年・一関市博物館)
エスティメイト ¥3,500,000~5,000,000
長谷川利行は、「リコウ」の愛称と放浪の画家として知られる画家です。その激情的な生き様と作風から「日本のゴッホ」とも称されています。利行は1891(明治24)年、京都に生まれました。中学時代から詩や短歌を創作し、28歳の時、私家版歌集『木葦集』を刊行。やがて独学で始めた油絵に夢中になり、1921年頃上京した後は公募展への出品を始めました。関東大震災を機に京都に戻りましたが、1926年再び上京。1927年第14回二科展で樗牛賞、翌年に第3回1930年協会展奨励賞を受賞します。住居を定めなかった利行は、簡易宿泊所などを転々としながら東京の下町を描き続けました。1936-37年には、新宿の天城画廊で集中的に作品を発表。1940年行き倒れとなり、49年の破天荒な生涯を閉じました。
本作品のモティーフとなった「カフェ・パウリスタ」は、現在も銀座8丁目にあるカフェです。100年近い歴史を持つこの老舗のカフェは、岸田劉生、高村光太郎、永井荷風、芥川龍之介といったそうそうたる芸術家や文化人たちが通った知的社交場として名高いお店です。当時のカフェは1Fにバーやサロン、2Fに食堂があるのが普通で、現在の喫茶店とはまったく別物だったそうです。利行は銀座の街をしばしば描きましたが、その中でも特にこの「カフェ・パウリスタ」を好んでいたようです。
本作品を描いた時期、利行は二科展と1930年協会展でたて続けに受賞を重ねた直後であり、人生で最も野心と夢に溢れていました。大震災から急速な復興を遂げたモダンな銀座、文化の香り高いカフェで夢を描く画家の姿を想像させる作品です。
近代美術、Jewellery&Watches下見会は明日から開催いたします。
スケジュールはこちら
銀座7丁目にありますシンワの下見会場とカフェ・パウリスタはすぐ近くです。
作品をご覧になった後は、コーヒーを楽しみながら利行の時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
(執筆:S)
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新春 下見会スタートです
あけましておめでとうございます!
寒い寒いお正月でしたが、皆様はお元気に新年をお迎えでいらっしゃいますか。
昨日より、シンワアートミュージアムでは近代美術パート2オークションの下見会を開催しております。
東京ではこれが新春初めの下見会となります。
会場風景
正面に児玉三鈴の金屏風が立ち、いかにも新春らしい会場の雰囲気です。
LOT571 児玉 三鈴《松の図屏風》
左隻175.6×181.0cm(180.2×186.0cm)
右隻175.8×181.0cm(180.2×186.0cm)
各紙本・彩色
左隻:左下に落款・印
児玉陶欧シール
Est. ¥150,000.~¥300,000.
児玉三鈴(こだま・さんれい/1915-2002)とは、川端龍子に師事した日本画家です。
青龍会で活躍した後に日本画府という画壇を創立し、理事長まで務めた人物です。
本作品は龍子を彷彿とさせる堂々とした作風が魅力的です。
LOT661 モーゼル《飾り壷》
H63.7×D18.4cm
下部に陰刻銘
Est. ¥200,000.~¥400,000.
珍しいモーゼルの壷も出品されています。
モーゼル(Moser)は、ルドヴィック・モーゼルによって1857年に設立されたブランドで、最高級のボヘミアングラスと言われます。
職人気質で造形された芸術性の高い工芸品は贈答品としても人気があります。
今回のオークションで注目を集めているのが、織田広喜の作品群。
壁一角が織田の作品で埋まり、展覧会を見ているような気にすらなります。
茶系や灰褐色を主調にした作品の数々を眺めていると、このような色彩の混ざり合いの中から、これ程の心地よい世界を描くことができた画家の才能に改めて驚きます。
近代美術・ジュエリー&ウォッチに関しては、既に今週月曜と火曜に大阪下見会を終え、金曜と土曜には名古屋で下見会を開催しております。
東京でご覧いただけるのは1月20日(水)~23日(土)となります。
詳しい時間等はこちら
皆様のご来場をお待ち申し上げます。
(井上素子)
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年末年始おすすめ展覧会
いよいよお正月ですね。
今年一年、シンワブログをご愛読いただきました皆様、本当にありがとうございました。
せっかくの長いお休み、楽しくエネルギーを充電して新年を迎えたいですね。
今日は、お仕事がお休みのあいだに美術館でも行こう、とお考えの方のために、お勧めの展覧会情報をご紹介します。
名画を見たり、若手の作品に触れたりして、気持ちの充電もできたらいいですね。
<展覧会情報>
1.お正月からアート鑑賞!
東京国立近代美術館、ブリヂストン美術館は1月2日(土)AM10:00から開館しています!
東京国立近代美術館「ウィリアム・ケントリッジ 歩きながら歴史を考える そしてドローイングは動き始めた……」
1月2日(土)~2月14日(日)
ブリヂストン美術館「安井曾太郎の肖像画」
開催中~1月17日(日)
安井ファンの方は必見です。《金蓉》は、モデル小田切峯子さんの写真と並べられています。
2.美しいコンテンポラリーアートで癒されたい
資生堂ギャラリー 「第4回shiseido art egg 曽谷朝絵展」
1月8日(金)~1月31日(日)
淡く透き通るような色彩に癒されます。
3.やはり名画こそ見たい
国立新美術館「ルノワール—伝統と革新」
1月20日(土)~4月5日(月)
《レースの帽子の少女》《ブージヴァルのダンス》ほか80点が揃います。(※開催は1月20日(土)からです。)
京都国立博物館「THE ハプスブルク」
1月6日(水)~3月14日(日)
東京で見逃した方、京都でならまだ間に合います。
4.ミュージアムついでに新春のお買いもの!
三菱一号館美術館「竣工記念展 一丁倫敦と丸の内スタイル展」
開催中~1月11日(月)
今話題の丸の内ブリックスクエアに隣接している三菱一号館美術館。どちらも2日から開いています。
美術館の正式なオープンは4月ですが、今から竣工記念展が見られます。
渋谷区立松濤美術館「没後90年 村山槐多 ガランスの悦楽」
開催中~1月24日(日)
東急百貨店本店の先にあります。槐多作品を150点集め回顧する展覧会。※新春は4日(月)からです。
5.時間があるときに足を延ばして美術館
川崎市岡本太郎美術館「対照 佐内正史の写真」
開催中~1月11日(月)
700点の写真を展示。手にとって見ることができます。こちらは「TAROブレンド」が飲めるカフェや、ショップも 面白いですよ。
待ちに待った冬休み、ご家族との楽しいひと時をどうぞ健やかにお過ごしください。
来年もまたシンワアートオークションをよろしくお願い申し上げます。
(井上素子)
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via art 2009
メリークリスマス!
イヴの今日はいかがお過ごしでしょうか。
先日当ブログで告知しました「via art展」がいよいよスタートしました!
展示と22日のオープニングに行われた授賞式やパーティの模様をご紹介します。
まずはエントランスを入って1F。
例年はペインティングが多い印象ですが、今年は大型作品や映像作品、インスタレーションが目立っています。

増永七生さんの巨大木版《マスナガスポーツ~妊娠~》(写真左奥)はすごいインパクトです。つい細部まで熟読してしまいました。
とっても気になったのがこちら。
太田祐司さんの《半馬博物館分館》です。展示スペースにオリジナルの「半馬博物館」を設置。収蔵品?をいろいろ展示しています。
写真は、絶滅してしまったという「UMA」のミイラ。かなり精巧なつくりです。
今回一番大きな作品はこちら。
蔭山忠臣さんの《GO!GO!マイルーム 漢は自家発電》です。
ワンルームの部屋です!!
失礼してドアを開けると・・・、
暗がりに自転車が!!
部屋の中が暗いのは、この自転車をこぐことによって、部屋の電気がつく仕組みになっているからなんです。
このときはお留守でしたが、展示期間中は自転車をこぐ蔭山さんにきっと会えますよ。
B1Fは平面作品を中心に展示しています。
こちらでは各賞の授賞式とパーティーが行われました。

(左)審査員賞、KURATA賞の受賞式 (右)オープニングパーティー
今回も各賞のほかに観客賞が設けられています。ご来場の際は、お気に入りの作家さんにぜひご投票ください。どの作家さんがお客様の一番人気だったか、楽しみですね。
連日アーティストトークなどのイベントも開催しておりますので、まだご覧になっていない方はぜひお越しください!
みなさまのご来場、心よりお待ちしています。
via art 2009
会期:開催中~12月26日(土) 10:00~18:00
会場:シンワアートミュージアム
東京都中央区銀座7-4-12 ぎょうせいビル1F
お問い合わせ:info@viaart.jp
公式ホームページ:http://www.viaart.jp
(執筆:S)
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CCAA中国現代芸術賞
日本では現代アートや若手アーティストを対象にした美術賞が多数開催されており、アーティストの登竜門として知られていますが、中国においても現代アートを対象とした中国現代芸術賞(CCAA Chinese Contemporary Art Awards)という芸術賞が開催されています。今年は評論部門が行われ、先日その受賞者が発表されました。
中国現代芸術賞とは 1997年、元在中国スイス大使、実業家のウリ・シグ(Uli Sigg)氏により独立した非営利団体として設立され、翌年第一回中国現代美術賞が開催されたのを機に、傑出した活躍を見せる芸術家に隔年で賞が贈られてきました。2007年に美術評論家賞が設立されてからは、アーティスト部門と評論部門の二つの部門が隔年で開催されています。
創立者のウリ・シグ氏は1995年から4年にわたる在中国スイス大使を機に中国美術の収集を始め、世界有数の中国現代美術を所蔵しています。ウリ・シグ氏は「中国の芸術文化に貢献した人物」として知られており、中国の現代アートが比較的まだアンダーグラウンドな存在であった頃から中国の現代アートに目を向け、それらをコレクションしてきたそうです。そして、中国の現代アートを世界へと広め、中国人アーティストを国際的な舞台へと導く架け橋となるべく賞が設立され、アーティスト部門に関しては現在、終身成就賞、最優秀芸術家賞、最優秀若手芸術家賞の3つの部門が設けられています。後者2つの賞は、中国現代芸術賞開催年次に至る過去2年の業績に基づいて審査されており、受賞者には賞金および制作費用を支援し、また展覧会への出品やカタログ掲載の機会が与えられています。
昨年は終身成就賞に艾未未(アイ・ウェイウェイ Ai Weiwei)、最優秀芸術家賞にリュウ・ウェイ(Liu Wei)、最優秀若手芸術家賞に曾御鉄(ツォン・ユーチン Tseng Yu-Chin)が選ばれ、それに付随する展覧会が北京のUCCA(ユーレンス現代美術センター)と上海のBound18クリエイティブセンターで開催されました。そのほか、これまでの受賞者には、周鉄海(チョウ・テイハイ Zhou Tiehai)や、現在原美術館でも個展が開催されている楊福東(ヤン フードン Yang Fudong)、中国の若手女性アーティストとして活躍する曹斐(ツァオ・フェイ Cao Fei)等が受賞しており、受賞者は現在、アートシーンにおいて国際的な評価を高めています。
一方、先日の香港クリスティーズでも中国の現代アートの高額落札が話題になっていたように、ここ数年、中国の現代アートに関心を抱く人やコレクターが増加している中、評論に関しては発展途上であり、作品の評価はマーケットに依存しているのが現状です。そのような中、独自の分析と評論が不可欠であると中国現代美術賞評論家賞が設立されました。この賞は、中国現代アートの現状を中心とした独創性のある分析と評論であることを基準に設け、論文のアウトラインのみを公募しています。
第2回目となる今年の評論賞は、27人の応募者から中央美術学院美術館学術部所属の王春辰(Wang Chunchen)が選ばれました。王春辰は研究論文「社会に介入する芸術―新しい芸術関係」を完成させる研究費として10,000ユーロを獲得、その著作は2010年にCCAAにて出版されることが決まっています。論文では、多数の芸術家が作品に日常の社会生活を投影させ、現代の政治及び芸術的規範を問題提起している点について考察しており、中国現代アートの現状に関連性があり、構成や言語の面においても適切であるとすべての評議委員の称賛を得たとのことです。

今回の評議委員は中央美術学院副院長であり芸術家の徐冰(Xu Bing)氏、中国美術学院教授邱志傑(Qiu Zhijie)氏、雑誌『アート・イン・アメリカ』シニアエディターであるリチャード・バイン(Richard Vine)氏、CCAA創設者、ウリ・シグ氏の4人で構成され、ディレクターは元森美術館のシニアキュレーター、金善姫(キム・スンヒ)さんが務めています。金善姫さんは韓国人でありながら、欧米や日本のアート業界での豊富な経験を持ち、ここ数年は上海を拠点に活動されており、「中国においてこのような賞を立ち上げ、運営していくことは決して簡単なことではありませんが、発展途上だからこそやらなければならない」といいます。
今後も継続的に開催される予定だという中国現代芸術賞。この展覧会や出版物を通して、現在の中国においてどのようなアーティストが評価され、また評論家がどのように中国の現代アートを見ているのかを知ることができるでしょう。
(執筆:M)
中国現代芸術賞
http://ccaa-awards.org/ (中国語・英語のみ)
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