カテゴリー別アーカイブ: 西洋美術

西洋美術下見会スタート

 本日より西洋美術下見会が銀座シンワアートミュージアムでスタートしています。
(オークション4月17日(土)15:00~。詳細はこちら

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地下の様子



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1階の様子

 西洋美術オークションはほぼ一年に二回の頻度で開催されており、高い落札率を出しています。
 今回は、いつも熱い人気を集めるアンティーク・ドールや、絨毯を含む総数338点が出品され、華麗なデコラティブ・アートの数々が会場を彩ります。 

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 LOT94 《マイセン「華麗なオーケストラ16体組(ガラスケース付き)」》(Est.\700,000~¥1,000,000)は、ぜひお近くでその精巧な作りをご覧いただきたい作品です。貴族が日々の暮らしの中に芸術を取り入れ、愛でていたことを伺わせるもので、豊かな動きと一体一体に異なる表情が飽きさせない作品です。《猿のオーケストラ》はマイセンを代表する21体(+譜面台)ですが、今回の出品作品もそれに類するマイセンの魅力溢れる一揃いです。

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指揮者の燕尾服の下に隠れた筋肉の動きやバイオリンの弦まで表現されています。


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 女性のお客様のご来場も多い西洋美術。ロイヤルコペンハーゲンのお皿やカップ&ソーサー(写真左の棚上段)、ロブジュのパフューム・ランプ(写真右Lot230 Est. ★¥50,000~¥100,000)など、ご自身の鑑賞用のほか、贈り物にも素敵なお品が並びます。
 オークションは初めてという方もぜひこの機会にお立ち寄りください。

(井上素子)

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鍍金ブロンズマントルクロックセット

こんにちは。
みなさんお花見は行かれましたか?
桜はもちろんですが、最近は新入社員や新入生らしき人たちを見かけると春だなあと思ってしまいます。

さて、シンワの4月といえば、西洋美術オークションです。
今日は出品作品の中から1点ご紹介いたします。

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lot.128 鍍金ブロンズマントルクロックセット
時計:H86.0×W45.0cm
キャンドルスタンド:各H96.3×W40.0cm
鍵、振り子付き
★\1,200,000~1,800,000



 マントルクロックは、マントルピース(暖炉の飾り棚)を美しく飾るために作られた時計です。
 暖炉が現在のスタイルになったのは中世の北ヨーロッパ。煙突によって排煙する方式が発明され、部屋の好きな場所に暖炉を配置できるようになりました。すると、部屋の中で最も居心地の良い場所である暖炉の前が、その部屋の上座とされるようになっていきます。それとともに、暖炉は、暖をとり、肉を焼くための道具という本来の性質に加え、その家のステイタスシンボルとしての意味合いを帯び、王侯貴族たちの間で流行していきました。
 
 マントルピースも、ゴシック、ルネサンス、ロココ様式など、時代と文化の変遷に合わせて装飾的で芸術性の高いものが作られるようになります。そこには、家の最も格式の高い場所に相応しい美術品が飾られました。マントルピースを美しく、誇り高く彩るために生まれたマントルクロックは、家の富と名誉の象徴と言えるでしょう。
 
 本作品は、アンピール様式の装飾美が随所に見て取れるマントルクロックセット。アンピール様式とは、1804年ナポレオン1世が帝政を確立してから19世紀中期頃まで、フランスの建築、家具、装飾美術などに流行したデザインを指します。大きな特徴は、当時の優れた鍍金技術を駆使した壮麗で重厚な作風と、シンメトリックなデザイン。ナポレオンが憧れた古代ギリシア・ローマ、エジプト美術の要素を取り入れ、スフィンクス、勝利の女神、月桂樹など、その文化を代表するモチーフが用いられました。
 
 本作品においても、中央の置き時計の最上部に、ローマ神話における愛の神・キューピッドを表す矢立てと松明、ギリシア・ローマ時代から霊木として崇められた月桂樹を編んだ冠を組み合わせ、愛と栄光を象徴しています。置き時計と2点のキャンドルスタンドのそれぞれにシンメトリーに配されたスフィンクスは、エジプトやギリシアの神話に登場する、鷲の翼と女性の上半身を持った神聖な生物です。こうした均整の取れた優美な装飾と、セット全体が醸し出す重厚感の見事な調和は、アンピール様式の粋と言えるでしょう。英雄の時代の装飾美と、本作品ほどの大きなマントルクロックが設えられた名家の風格を現在に伝える逸品です。

オークション・下見会スケジュールはこちら

みなさまのご来場を心よりお待ちしております。

(執筆:S)

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Europian Decorative Artの魅力

 シンワアートミュージアムでは、ここ数年、10月の恒例となって参りました、西洋美術オークションの下見会が開催されています。

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 西洋骨董のオークションの醍醐味は、何といっても手にとって実際に使う場面を想像したり、その作品がこれまでたどってきた運命に思いを馳せたりすることにあるのではないでしょうか。
 僭越ながら、このオークションにお見えになるお客様にはどことなくそんなロマンティストの雰囲気が漂っておいでのように感じます。


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Lot507 ガレ
《ふくろう文陶製置物》

H33.3×W18.4cm
底部に銘
\600,000. ~800,000.
 例えばこの作品。フクロウの置物を観察してみましょう。
 フクロウは日本では「不+苦労」という言葉と掛けて縁起をかつぐモティーフとして喜ばれました。
 古代ギリシアではその大きな眼が魔除けとして考えられていたといいます。
 知の女神アテネの従者として登場し、今のギリシア版1ユーロ硬貨の面面にもフクロウの絵柄が鋳造されています。
 また、肉食で、害鳥などを捕食するフクロウは農業の神として信仰する地域も多く、農家でも喜ばれたと言います。

これまでどんな困難からこのフクロウが持ち主を護ってくれたのでしょうか。
 お家を守るモティーフとして、私もフクロウの置物をお友達の新築祝いに贈ったことがありました。


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 こちらは若い方にお好きな方の多いカントリー家具。
 パイン材でぬくもりある質感が特徴です。
 お求めやすい価格からスタートしますので、また違ったオークションの醍醐味を味わっていただける商品です。


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 セーブル磁器も豊富に出品されます。
 金彩が醸し出す豪奢な雰囲気が、日本には無い豊かなヨーロッパのデザイン性を感じさせます。


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 こんな可愛らしいマイセンのお人形もたくさんお求め頂けます。
(写真の作品はそれぞれ、落札予想価格18万円~25万円です)

 先日、ディズニーの古典アニメ、シンデレラを見ていたら、王宮で王様のデスクの上にマイセンと思しき人形が一対置かれているのを発見しました。

 そこでは、王子様の花嫁を見つけなければ、と王様が語る話題の際に効果的に使われていました。
 マイセン磁器の人形が、王侯貴族の娯楽であったことが欧米社会に浸透している、好例ですね。
 このシンデレラのキャラクターデザインは、先日まで東京都現代美術館で個展が開催されていたメアリー・カサットです。
 ハッとするような印象的な画面構成が多く登場します。


西洋美術オークションの詳細はこちら

(井上素子)

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西洋美術、暮らしを彩るアンティークス

 今週は西洋美術オークションの下見会を開催中です。
 今日は会場の様子をご紹介します。
 
 下見会場の入り口には、昔のジノリ、ドッチァ窯で作られた大壷が堂々とした風格で皆様をお出迎え。
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Lot73 《ジノリ・ドッチア / 金彩色絵「古代ローマ庭園の図」飾壷》
¥3,000,000 – 5,000,000


 ドッチァ窯は、1735年、イタリアのフィレンツェから数キロ離れたドッチァ地域で誕生した窯です。同地に別荘を所有し、メディチ家と共にフィレンツェを治めていた名門貴族のカルロ・ジノリ侯爵が、マジョリカ陶器全盛のイタリアに、ドイツのマイセンやウィーン窯に対抗できる陶磁器の焼成のために作らせたもの。
その後150年以上、五代に渡りジノリ家が所有していましたが、1896年にミラノのリチャード陶磁器会社と合併し、リチャード・ジノリ陶磁器会社になって今に至ります。
 本作品に見られる古代ローマ庭園の遠近感が強調された図柄は、ルネサンス絵画や古代装飾の再興への志向が窺われ、高さ100cmを超える大きさにはジノリ窯が自国で確立した陶磁器製品の権威と誇りが感じられます。


 年に二回の西洋美術オークションには、日常を美しく彩る数々の品が出品されています。
 たとえばこんな照明が、廊下の突き当たりにあったら素敵ですね。
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《ガレ / 花文彫ブラケット》
¥550,000 – 800,000



 読書好きの方には、こんなテーブルランプはいかがでしょうか。
 照明の雰囲気の良さでは、ヨーロッパはさすがに先進国ですね。日本製には無い魅力があります。
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《シュナイダー / 色硝子テーブルランプ》
¥50,000 – 100,000



 食器では、マイセンのコーヒーセットが可愛らしいです。
 全体に丸みを帯びたデザインが、貴族の女性好みのセットですね。
釉薬のツヤが、照明をきらきらと反射して、食卓に置いた時いっそうの華やかさを演出します。
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LOT112
《マイセン / 金彩色絵花文コーヒーセット》
¥180,000 – 300,000



 西洋美術オークションは今週末、土曜日の15時からです。(詳しい日程はこちら
 ご来場をお待ち申し上げております。

(執筆者:I)

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ガレ《湖水風景文花器》

 土曜日のオークションにお越しいただいたお客様、ありがとうございました。
 シンワは早速、次のオークションに向かって始動しています。今週は陶芸、四月には西洋美術のオークションが控えています。

 今日は、西洋美術に出品される作品をご紹介しましょう。


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《湖水風景文花器》
・H35.9×D10.8cm
・2,000,000~3,000,000円


 本作品は、アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸、エミール・ガレの花器です。
アール・ヌーヴォー(Art Nouveau, 「新しい芸術」の意)とは、工芸・建築・絵画・ファッションなどの分野に波及した豊かな装飾を特徴とする様式です。
 ガレの芸術性に対する評価と共に、特に20世紀末の機能主義的で禁欲的なデザインに息苦しさが感じられるようになった頃、改めて注目が集まるようになりました。日本での人気が高まったのは戦後のことです。


 ガレは、植物の細密な観察に基づく写実性の強い造形を得意としていました。古典美の特徴である均衡、安定、普遍性に反発して、非対称、揺らめくような不安定な形、一瞬の美に注目する視点など、反古典主義と呼ばれる特徴が、「新しい芸術」を牽引したのです。


 本作品は、透明ガラスの層の間に色ガラスで作った文様を挟み込み、表層に彫刻を施して文様が重なり合って見えるようにする“アンテルカレール”という技法が用いられています。
 これにより風景には重層的な奥行きと深みがもたらされ、湖のほとりで繰り広げられる木々と水、光、風のドラマを再現することに成功しています。

 風景を主題とする花器はガレの晩年に多く見られ、自然の摂理を造形に取り入れた有機的なデザインは、ガレの没後もアール・ヌーヴォーを象徴するものとして知られるようになっていきました。


西洋美術オークションの日程はこちら

(執筆者:I)

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