西洋美術、暮らしを彩るアンティークス


 今週は西洋美術オークションの下見会を開催中です。
 今日は会場の様子をご紹介します。
 
 下見会場の入り口には、昔のジノリ、ドッチァ窯で作られた大壷が堂々とした風格で皆様をお出迎え。
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Lot73 《ジノリ・ドッチア / 金彩色絵「古代ローマ庭園の図」飾壷》
¥3,000,000 – 5,000,000


 ドッチァ窯は、1735年、イタリアのフィレンツェから数キロ離れたドッチァ地域で誕生した窯です。同地に別荘を所有し、メディチ家と共にフィレンツェを治めていた名門貴族のカルロ・ジノリ侯爵が、マジョリカ陶器全盛のイタリアに、ドイツのマイセンやウィーン窯に対抗できる陶磁器の焼成のために作らせたもの。
その後150年以上、五代に渡りジノリ家が所有していましたが、1896年にミラノのリチャード陶磁器会社と合併し、リチャード・ジノリ陶磁器会社になって今に至ります。
 本作品に見られる古代ローマ庭園の遠近感が強調された図柄は、ルネサンス絵画や古代装飾の再興への志向が窺われ、高さ100cmを超える大きさにはジノリ窯が自国で確立した陶磁器製品の権威と誇りが感じられます。


 年に二回の西洋美術オークションには、日常を美しく彩る数々の品が出品されています。
 たとえばこんな照明が、廊下の突き当たりにあったら素敵ですね。
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LOT253
《ガレ / 花文彫ブラケット》
¥550,000 – 800,000



 読書好きの方には、こんなテーブルランプはいかがでしょうか。
 照明の雰囲気の良さでは、ヨーロッパはさすがに先進国ですね。日本製には無い魅力があります。
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LOT171 ★
《シュナイダー / 色硝子テーブルランプ》
¥50,000 – 100,000



 食器では、マイセンのコーヒーセットが可愛らしいです。
 全体に丸みを帯びたデザインが、貴族の女性好みのセットですね。
釉薬のツヤが、照明をきらきらと反射して、食卓に置いた時いっそうの華やかさを演出します。
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LOT112
《マイセン / 金彩色絵花文コーヒーセット》
¥180,000 – 300,000



 西洋美術オークションは今週末、土曜日の15時からです。(詳しい日程はこちら
 ご来場をお待ち申し上げております。

(執筆者:I)