注目されてます、Asian Auction Week!


11月の開催までいよいよ1か月半となり、出品作品も出そろったAsian Auction Week。
アジア各国のオークションハウスが協調してセールを開催するという、オークション業界の長い歴史のなかでも類を見ない試みのため、様々なメディアからも問い合わせを沢山いただいています。

本日は、中国で最もよく知られた美術情報サイト、Artronに弊社社長の倉田と、今回の共同主催社である韓国のKオークションのキム社長が受けたインタビューをご紹介します。

社長
↑各国の社長達

下記URLよりインタビュー動画をご覧いただけます。
http://artvideo.artron.net/show_news.php?column_id=178&newid=57596

インタビューは英語で行われましたので、下記のサマリー(要約)も併せてご参照ください。
Asian Auction Weekにかける二人の熱い想いを感じていただけるのではないでしょうか。


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~インタビュー 要旨~

(倉田)
マカオで11月に開催するAsian Auction Weekにおいて、私たちはオークションビジネスの新しい形を示したいと思っています。
韓国のトップオークション会社、K-Auctionのキム社長と私は友人で、新しいことを始めたいということを以前から話していました。

<海外でのビジネス展開について>
(倉田)
私たちの会社は国際的にビジネスを展開しようとしています。上海で現地スタッフも採用しました。現在、アジアでのビジネス展開を考える上で、上海はもっとも重要な都市のひとつですから。
加えて、中国の方々は、香港・マカオ・シンガポールも大切な場所だととらえているように思いますね。
私個人としては、北京がこれから文化の中心として世界でも重要な都市になっていくと考えていますが、今回のAsian Auction Weekの開催地としてはマカオを選択しました。
香港は既に多くのオークション会社がセールを開催していますし、マカオこそが新しい挑戦の地にふさわしいと感じたのです。

私たちが今回開催するのは、オークション版アートフェアです。オークション会社が、共同でオークションを開催する。そこでコレクターたちは各国の作品を一度に目にすることができます。
日程としては、11月25~28日までプレビューを、そして最終日の28日にはオークションを開催します。韓国からK-Auction、台湾からKingsley’s、そして日本からはシンワ。すでに5カ国のオークション会社が参加を表明しています(註:10月15日現在、参加決定しているのは4カ国です)。現在仲間を増やしている途中で、非常に面白いイベントになると思います。

(キム社長)
今まで、アジアのアートはサザビーズやクリスティーズなどの海外のオークション会社によって紹介され、その評価を高めてきました。もちろん彼らはうまくやってきましたが、しかし、アジアのアートはアジアのオークション会社によって紹介されてもいい、されるべきだと考えています。

(倉田)
キム社長は韓国の市場のことをよくご存知なので、素晴らしい韓国の作品を集めてくださるものと思います。我々も日本でそれをしなければいけないですね。

(キム社長)
欧米のオークション会社とは違う目線で作品を集めることができるだろうと思います。そしてそれがとても重要であるとも考えます。


<中国のコレクターに向けて>
(倉田)
まず、今回のイベントで、日本のお客様に、マカオで多くの国の作品に触れていただく機会をつくることができます。また、K-Auctionのお客様にも同じことが言えます。異なる国に住む人々が、共にアートを楽しむことのできるまたとないチャンスです。
そして、中国のコレクターの方たちには日本や韓国の作品を紹介することができます。彼らは、クリスティーズやサザビーズ、またアートフェアでも日本や韓国人作家の作品に触れてきたとは思います。しかしAsian Auction Weekは、今までにない大きな規模で、日本や韓国の作品をご覧いただける場です。
それを知っていただくためにも、積極的なPRを中国で展開していきます。


<日本と中国の関係について>
(倉田)
もともとアートに国境はありません。それに加えて、私は、同じアジアの人間として、日本と中国とはとても近い感覚を持っているように感じています。
我々は、21世紀において、アジアを世界のアートの中心地としていきたいと願っています。そしてその中心は北京です。同じアジア人として、お互いに影響しあいながら、世界にアジアのアートを紹介していきけたら素晴らしいと思います。

(キム社長)
美術市場に国境はありませんから、中国人が韓国のアートを好きになって購入してもいいし、韓国人が中国のアートを好きになって、購入してもいい。
皆でお客様を共有し、アーティストを共有していくために、マカオでAsian Auction Weekを開催するのです。


<9月に開催されたアートフェアについて>
(倉田社長)
9月はたくさんのアートフェアがあるので美術愛好家にとっては非常に忙しく、楽しい季節です。それはとても素晴らしいこと。ただ、セールス的にどうなるかは、別の問題です。市場は世界の経済状況に左右されますが、今は不安定。そんな中でたくさんのアートフェアが開催されているので、購入される方は、特定のものにフォーカスせざるを得なくなってきています。したがって、アートフェア間の競争はさらに厳しくなっていくでしょう。質の高いアートフェアのみが残っていくと思います。Art Beijingは昨年も来ましたが、質も高く素晴らしい。


<日本のトップオークション会社であることについて>
(倉田社長)
日本で一番ということは、もはやアジアで一番ということではありません。北京のオークション会社も、K-Auctionも私たちよりずっと規模が大きい。もしK-Auctionが東京に来たらK-Auctionが日本で一番のオークション会社になるでしょう。
世界の中で、日本市場は非常に保守的で、成長スピードもゆっくりとしたものでした。しかし、だからこそ、我々には大きな成長の余地があります。勿論、まだまだ他のオークション会社のずっと後ろを歩いているのですが。


<海外進出について>
(キム社長)
国内で一番のオークション会社になることを目指しています。まだ海外進出のプランはありませんが、中国には大きな市場がありますし、将来的には北京や上海に支店を置くことも考えたいと思います。


<最後に>
(倉田社長)
最後に指摘したいのは、今回のプロジェクトはまったく新しいビジネス・モデルであるということ。複数のオークション会社が一堂に会するというのはおそらく初めてのことだと思います。アジアという枠組みでオークション会社が集まるということはとても重要です。11月に成功させて、来年以降もまた継続して行っていきたいと考えています。


(担当:N)