コンテンポラリーアートオークション 下見会開催中です!


 11/28開催のコンテンポラリーアートオークションの下見会が昨日から始まりました。
通常の下見会はオークションを開催する週に行いますが、今回はかなり早め。
なぜかといいますと、今回のコンテンポラリーは「Asian Auction Week」と題しまして、アジアのオークションハウス4社合同で、マカオにてオークションを開催することになったためです!
11/25~11/28はマカオのザ ヴェネチアン リゾート ホテルで下見会を行いますので、それに間に合うよう、東京では今週開催することになりました。

では、下見会の様子をレポートいたします。

エントランスのドアを開けるやいなや、宮島達男の《Floating time》が!
夜は20時まで開催しておりますので、
ご覧いただくのは暗くなってからがおすすめです。

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こちらはおなじみ音声ガイド。
20作品分ご用意しましたので、ぜひぜひご利用ください。
今回は超豪華に《トらやん》と《Puppy》が受付係です。



1Fは大型作品や人気作家の作品が勢ぞろいで、かなり見ごたえがあります。
草間彌生や白髪一雄などビッグネームの作品の奥には、こんな秘密のスペースも。
ちょっとここには書けない作品もありますので、
何が展示してあるかはご自身でお確かめください。

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B1Fは若手作家の作品や写真を中心に、盛りだくさんです。
まだ目新しい作家も多いと思いますので、お気に入りの作家をみつけてみてはいかがでしょうか。

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今回は作品が多いためギャラリーに展示しきれず、なんと2Fの弊社オフィスのエントランスにも作品が展示されています。
こちらにもぜひお越しください。



さて、今回の目玉はなんといってもこちら。
現在世界で最も影響力を持つアーティストの一人、村上隆の作品をご紹介いたします。

村上隆 《そして、そしてそしてそしてそして 4-b》
 100×100cm
 キャンバス、アクリル
 1996年作
 裏にサイン・年代
 「村上隆展 召喚するかドアを開けるか回復するか全滅するか」出品
  (2001年 東京都現代美術館)
 エスティメイト HK$ 6,000,000.-10,000,000.

村上隆と言えば、今年5月のサザビーズのオークションで《My Lonesome Cowboy》というフィギュアが約16億という高額で落札され、大きな話題を呼びました。弊社にも、かつて初期の《レイチェル》が出品されましたが、今回の作品はペインティングです。

村上は、1990年代後半より日本のオタク文化とポップアートを融合させたコンセプトを確立し、アニメやフィギュアなどの作品を発表するようになりました。2000年に「奇想の系譜」(日本美術史家の辻惟雄提唱)を取り込んだ「Super Flat」という概念を提示。これは明治以後・特に第二次大戦後に急速に西洋化していった日本文化の中で、「超二次元的」な特質が脈々と流れていることを意識し、その歴史の上に自らのアートを「Super Flat」の最前衛として位置づけた理論でした。

本作品は、磨き上げられた宝石のように艶やかな画面に、村上を代表するDOB君が描かれています。DOB君は、マンガ『いなかっぺ大将』の台詞とコメディアン由利徹の「おしゃまんべ」のギャグを組み合わせて作られた造語「どぼちてどぼちておしゃまんべ」の頭文字3文字から誕生しました。

本作品が制作された1996年は、HIROPON FACTORY(現Kaikai Kiki)初期にあたり、この時期の村上作品は手仕事の魅力に溢れ、高い人気を誇ります。きらきらと輝く銀箔の貼り合わせを思わせる琳派風のデザイン、輪郭線に沿ってにじみやぼかしが高度に駆使された、古画の味わいに通じるテクスチャーは、村上が確実に日本画家として超一流のテクニックを有することを示しています。また同時に、平面をいくつもの重層的なレイヤーにして重ねて現れ出たかのような空間表現は、本作品を彼の「Super Flat」理論が貫いていることを明らかにするようです。村上がこれほど高く評価されている背景には、その作品が世界に通じる確かな理論に裏付けられつつ、驚嘆すべき完成度を誇るからであることを再認識させる作品と言えるでしょう。

まだお越しになっていない方、実際にご自身で作品をご覧になってみませんか?
皆様のご来場、心よりお待ちしております。

                                          (担当:S)