Asian Auction Week in Hong kong


花粉症もやっと落ち着き、これからくる夏をまだかまだかと心待ちにしているコンテンポラリーアート担当のKです。
土曜日の西洋美術オークションにご来場いただいたみなさま、どうもありがとうございました。 

 さて、いよいよ5月15日に、アジアの4つのオークション会社が、香港にて共同開催するAsian Auction Week in Hong Kongが迫ってまいりました。コンテンポラリーアートオークションのカタログを年間購読されているお客様には今週中にもカタログが届くことと思います。4月初旬に開催いたしましたコンテンポラリーアートオークション下見会にて、Asian Auction Week出品作品をご覧になったお客様もいらっしゃるのではないでしょうか?

 今回のオークションでは、以前ブログでもご紹介した名和晃平(図版1)、深堀隆介(図版2)の作品や、アートフェア東京でも好評だった塩田千春の、DVDによる作品(図版3)など、アートコレクター垂涎の作品も出品されます。

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(図版1)                      (図版3)
Lot.27 名和晃平 / Kohei Nawa         Lot.14 塩田千春 / Chiharu Shiota
《PixCell-Zebra》2007               《Bathroom》1999
ミクストメディア                    DVD(video performance)
h.111×w.43×d.80cm               5min. Ed. 2/3

Estimate: HKD 240,000-480,000         Estimate: HKD 40,000-60,000
JPY 3,000,000-6,000,000             JPY 500,000-750,000
USD 31,000-62,000                 USD 5,200-7,800



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(図版2)
Lot.23 深堀隆介 / Riusuke Fukahori
《七四季 / nanashiki》2008
パネルにマウントされた和紙にアクリル
88×180cm
Estimate: HKD 24,000-60,000 / JPY 300,000-600,000 / USD 3,100-6,200
         

その中で今回私が是非紹介したい作品はこちらです!

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(図版4)
Lot.16  北川宏人 / Hiroto Kitagawa 
《早川 みる子 / Miruko Hayakawa》2007
テラコッタにアクリル彩色
h.48cm
Estimate: HKD 40,000-60,000 / JPY 500,000-800,000 / USD 5,200-7,800


北川宏人は1967年に滋賀県に生まれ、1989年に金沢美術工芸大学彫刻科を卒業、その後イタリア彫刻に感銘をうけ、渡伊。14年間にわたるイタリア滞在時代に出会ったテラコッタの技法を自らの表現手法とし、一貫してテラコッタにアクリル彩色というスタイルで制作しています。近年では金沢21世紀美術館や東京国立近代美術館工芸館をはじめとする国内の美術館に展示されており、また、先日のアートフェア東京などのアートフェア、そして弊社を含めたアジアのオークション会社がこぞって作品を出品しています。

代表的な作品はマンガやアニメに登場するヒーローをイメージした【ニュータイプシリーズ】や、07年の夏から続く「今どきの若い人」をテーマに《花房みどり》など、具体的な名前を冠した【ポストニュータイプシリーズ】があり、今回の作品《早川みる子》はこのシリーズにあたります。

 この【ポストニュータイプシリーズ】では、一見お洒落な服装を身にまとい、「普通」に見える若者たちが主題となっています。しかし、そこにはそんな彼らが直面し、その心に内包するいじめや引きこもりなど現代特有の問題が、ポケットに手を突っ込んだ猫背の体、焦点の定まらない瞳といった現代の若者に共通するような特徴によって表現されています。彼らが抱える不安が、北川宏人という作家の視点によって鋭角的に切り取られた作品であるといえるでしょう。


それでは、最後にAsian Auction Week in Hong Kongについて改めてご案内をさせていただきます。

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(執筆:K)