暑い日が続きますね。
銀座の中央通りでは、ランチタイムにご婦人方が差す日傘が、まぶしく夏の日差しを照り返しています。
大通りが交差する碁盤の目のようになった銀座。ひさしがあるお店はごくわずかですよね。ご来場の際には、クロークに預けられた日傘をお持ち忘れなく!
さて昨日より、近代美術、ジュエリー&ウォッチ、近代陶芸の下見会がスタート致します。(詳細はこちら)
欧米では長いバカンスに突入する7月は、昔からオークションの開催数や美術界の話題が減る傾向にありますが、国内のオークションでも、例年、この月は出品数が限られるようです。
7月のオークションは、小規模ながら3種類のオークションの作品が一つのカタログ、一つの下見会でご覧いただける、遠方のお客様にとっては便利なメリットもある開催形式になっています。(※近代美術パートⅡの作品はお申し付け頂ければご覧頂けます。)
今年に入ってから、弊社では近代美術と近代美術パートⅡ、ジュエリー&ウォッチのオークションを同時開催してきました。
これに対するお客様方からのご反応はというと、好意的にお考えいただける方が多くいらっしゃいましたようで、オークション会場には大勢の方が足を運んで下さり、熱気溢れる競りとなりました。
これまでは近代美術に出品される絵画作品に関心をお持ちの方が下見会場でジュエリーや時計をご覧になりたい場合、スタッフにお声掛けいただき、どちらかをオフィスからお持ちしてご覧いただくしかありませんでした。
それが同日開催の場合は、お待たせすることなくご覧いただける準備を整えてありますので、ご自由にご関心をお持ちのアイテムを探して頂くことができるのです。
これまで一つのオークションのみにご参加いただいていたお客様も、この機会にぜひ、他のジャンルのオークションへもお目を向けていただければ幸いです。
(執筆者:井上素子)
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カテゴリー別アーカイブ: 近代美術
菱田春草の《朝顔》
こんにちは。
梅雨とは思えないようなよいお天気ですね。
どうやら今週の前半は晴れの暑い日が続くようです。
もう海開きしている海水浴場も多いですし、
こんな日は海もいいですねー。
先週の大阪下見会、東京のPartⅡ下見会にご来場くださったみなさま、
ありがとうございました。
今週は、いよいよ近代美術、近代陶芸、ジュエリー&ウォッチの東京下見会が始まります!水曜日のオープンに向けて、社内では今日から展示作業に入っています。
では今日も、土曜日の近代美術オークション出品作品から1点ご紹介いたします。
126.0×31.3cm
紙本・彩色 軸装
右下に落款・印
横山大観箱
東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書つき
エスティメイト \1,000,000~1,500,000
まずは、菱田春草(1874-1911)のご紹介。
横山大観と並び称される日本画の巨匠ですが、37歳という若さで亡くなってしまったために、その画業はわずか16年ほどの短い期間しかありません。
晩年の作品《黒き猫》(明治43年・永青文庫蔵)が重要文化財に指定されています。
長野県に生まれた春草は、上京して狩野派の結城正明に学んだ後、1890年東京美術学校に入学。岡倉天心に学びました。1896年同校の教員となりましたが、1898年天心の辞職とともに自らも美術学校を去り、日本美術院の創設に参加。天心や盟友・横山大観とともに新しい日本画の創造を目指していきます。線描を用いない没骨彩色の方法で、空気や光線を表現した「朦朧体」の急先鋒として革新的な作品を発表しました。1903年から数年間にわたって、大観とともにインド、アメリカ、ヨーロッパを歴訪。1906年日本美術院が茨城県五浦に移転した後は、大観らと同地で画業に励み、琳派の装飾性や西洋画の技法を取り入れた作風を展開。晩年は、視力に異常をきたしながらもそれを感じさせない澄明な色彩の名作《落葉》、《黒き猫》などを制作しました。
本作品は、この季節にぴったりの花、朝顔を描いた作品です。実際は今が見頃の朝顔ですが、旧暦に由来する季語としては、秋の季語となります。
落款と印から、晩年の作でしょうか。この時期は、西洋画の構図と日本や中国の古典絵画の研究の成果を生かし、西洋の技と東洋の精神性を巧みに融合させた作品を制作しました。
本作品では、朝顔のつるが見せる曲線の妙に画興をそそられたのでしょう。その様子を、縦に長い構図を活かして描いています。朝顔の葉に用いられた「たらしこみ」※の技法に目を奪われますが、鎖には没線描法が用いられており、春草らしい味わいが漂っています。大胆にとった余白と墨彩の中に際立つ鮮やかな青色が夏らしく、清々しい作品です。この作品がお部屋に掛かっていたら、真夏の暑い日もなんとなく涼しく感じられそうですね。
※俵屋宗達が始めたと言われる日本画の彩色技法。色を塗ってまだ乾かないうちに他の色をたらし、その滲みによって彩色の効果を出すもの。琳派の画家たちが盛んに用いた。
この作品は、今週東京でご覧になれます。
みなさまのご来場を心よりお待ちしています。
オークションスケジュールの詳細はこちら
(執筆:S)
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名古屋下見会、明日から開催です!
本日、7月のオークションカタログが完成いたしました。
順次発送して参りますので、お手元に届くまでいましばらくお待ちください。
明日からは名古屋下見会を開催いたします。
お近くにお住いの方は、お誘いあわせの上、是非ご来場ください。
会場では、7月18日のジュエリー&ウォッチ・近代美術・近代陶芸オークションに出品される作品(近代陶芸のみ一部)をご覧いただけます。
さて、本日も近代美術オークションに出品される作品をご紹介いたします。
【オークション終了につき、図版は削除いたしました】
山口長男「孤」です。
この作品は、画家の晩年にあたる1976年9月に制作されました。
この時期、画業とともに山口のマチエールも充実期を迎えます。戦後から作品に描かれてきた矩形や円は、次第に拡大し、ほぼ画面全域を覆い尽くすようになり、代わってそこには切り込みのような線状の形が現れてきます。
本作品は、晩年の作風の特徴が顕著に表れた一点です。黄土色は山口が自身の性格色と呼ぶ色であり、中国を表しているといいます。ここでは、弧を描くような中央の切り込みに向かって絵具を塗り重ねることに、山口の関心が注がれています。「重ねるということは、(中略)自分のまた養分になってゆく面があるはずですから、もうこれ以上いかないというまで繰り返し、充実が出るまで塗りますよ。」と、山口はこの頃、マチエールについて語っています。マチエールを塗り重ねることは、山口自身のためであるとともに、作品自体が豊かな生命力を獲得することでもあると言えるのではないでしょうか。
【名古屋下見会スケジュール】
6月26日(金)・27日(土)
10:00~18:00 DAITEC・SAKAE 6F クリエイトホール 地図はこちら
<展示内容>
ジュエリー&ウォッチ / 近代美術 / 近代陶芸(一部)
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シンワブログ開設一周年 ・7月のオークションのご案内
こんにちは。
各地で梅雨入りが発表され、はっきりしないお天気が続く今日この頃ですが、皆さまお変わりありませんか。
お陰さまでこのシンワブログ、開設から一年を迎えることができました。
いつもこのページにお立ちよりくださる皆様に、ブログ執筆チームを代表してお礼申し上げます。
今後も読者の方々に楽しんでいただける記事、お役に立てる情報を掲載していきたいと思いますので、ご愛顧いただけますよう宜しくお願いいたします。
さて、本日は7月のオークションのご案内をお届けします。
7月18日に丸ビルで開催するオークションは、
「ジュエリー&ウォッチ / 近代美術Partll / 近代美術 / 近代陶芸」の4つです。
すっかりお馴染みになりつつありますが、今回も一日でたくさんのジャンルのセールをお楽しみいただけますので、是非会場へお越しください。
また、今月末より名古屋・大阪・東京の3か所で下見会を開催いたします。
こちらも、お誘いあわせの上、お気軽にご来場ください。
カタログは6月25日完成予定です。
カタログがお手元に届くまでしばらく時間がありますので、最後に近代美術Partllオークション出品作品を一点ご紹介させていただきます。
勝川春章「立美人図」です。
ご存じのとおり、浮世絵は17世紀後半に登場した多色摺り木版画のことで、歌舞伎役者や、巷で評判の美人、相撲取り等を主題とし、そこから風景画や春画へと展開していきました。その洗練された構図は、19世紀の印象派にも影響を与えたと言われています。
本作品は、役者似顔絵を得意とした春章が遊里の女を描いたものです。浮世絵は当時の一般市民のためのエンターテインメントでしたから、現在の芸能人やモデルにあたる歌舞伎役者や、街で評判の美しい遊女がよく描かれました。
江戸時代までの日本では、髪の毛の生え際の美しさは、女性を評価する大きなポイントでした。ここでも、作家は額に沿った髪の毛の繊細な筋を、非常に丁寧に描いています。
勝川春章「立美人図」
87.3×29.7cm / 絹本・彩色 軸装
右下に落款・印
落札予想価格:250万円~350万円
~7月のオークション~
ジュエリー&ウォッチ / 近代美術Partll / 近代美術 / 近代陶芸
オークション:7月18日(土)
会場:
丸ビルホール(東京・丸の内) 地図はこちら
時間: 14:00(ジュエリー&ウォッチ / 近代美術Partll)
17:30(近代美術)
18:00(近代陶芸)
下見会:
【名古屋】
6月26日(金)・27日(土)10:00~18:00 DAITEC・SAKAE 6F
【大阪】
7月10日(金)・11日(土)10:00~17:00 御堂会館 南館 B1Fホール
【東京】
7月8日(水)~11日(土)10:00~18:00 シンワアートミュージアム
7月15日(水)~18日(土)10:00~18:00 / 最終日は12:00まで 同上
オークションスケジュールの詳細はこちら
(執筆:N)
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東京下見会はじまります
Asian Auction Week in Hong Kongにお越しくださった皆様、海外まではるばるありがとうございました。先週は、日本でも下見会を開催しておりました。東京、名古屋、大阪会場にご来場いただいた皆様にもお礼申し上げます。
さて、今週も東京で下見会を開催いたします。近代美術、JEWELLERY & WATCHESの作品を展示いたしますので、ぜひお越しください。期間中は、ご希望があれば近代美術PartⅡの作品もご覧いただけますので、お気軽に会場スタッフにお声をかけてくださいね。
本日は、5/23の近代美術オークションの出品作品の中から、横山大観の作品をご紹介いたします。今回のオークションでは、横山大観の大正期から晩年までの作品6点が出品されます。時代やテーマごとの大観作品の魅力をぜひ会場でご堪能ください!
言わずと知れた近代日本画の巨匠ですが、まずは横山大観を簡単にご紹介します。
横山大観(1868-1957)は、近代の幕開けの年、明治元年に水戸で生まれました。1889年第1期生として東京美術学校に入学。日本美術の改革を目指した岡倉天心に学び、その志を受け継ぎます。同期の菱田春草とともに、朦朧体と呼ばれる描線を排した表現方法で日本画の近代化をはかっていきました。1898年東京美術学校騒動が起こり、東京美術学校助教授の任を辞職。日本美術院の創立に参加して主軸として活躍し、《生々流転》や通称《海山十題》といった豪放で壮大な大作を数多く残しました。明治・大正・昭和、約70年に渡って画壇のリーダーとして生き、日本画の改革運動を進め、後世の日本画壇に多大な影響を与えた画家です。
《若葉の頃》
130.0×41.8cm
絹本・彩色 軸装
大正12年作
右下に落款・印
共箱
『横山大観 第2巻 大正』掲載 P.260(大日本絵画)
横山大観記念館登録あり
エスティメイト ★¥3,000,000 – 5,000,000
大正12年作(当時55歳)。同じ年、大観は自身の地位を確固たるものにした代表作《生々流転》を完成させており、壮年期の脂の乗った時期に制作されたものと言えるでしょう。木々の青さが眩しいこの季節にぴったりの作品です。
大観はこの時期、色彩画、水墨画両方の研究に力を入れていますが、本作品においては、縦構図の画面を生かし、色彩によって広大な空間の広がりを表しています。東洋画固有の色彩描写の優位を、作品を通じて表現しようとしているかのようです。

Lot.104 横山大観《雨後嵐峡》
54.5×71.3cm
絹本・彩色 軸装
昭和17年作
右下に落款・印
共箱
『横山大観 第3巻 昭和Ⅰ』掲載 P.210(大日本絵画)
横山大観記念館登録あり
エスティメイト ★¥5,000,000 – 8,000,000
こちらは昭和17年作(当時74歳)。霧の漂う雨後の連峰を、緑と墨の濃淡で雄大に描き出した作品です。山腹には滲みを効果的に用い、画面全体の統一された空気を感じさせます。
本作品を描く2年前に大観は代表作《海に因む十題》《山に因む十題》を制作して大きな賞賛を集めました。円熟期を迎えた本作品では、長い画業を経て追求してきた朦朧体や水墨の濃淡渇潤の複雑な変化が表現され、そこからは深山を覆う霊気までもが伝わってくるようです。年齢を重ねてもなお、「日本画で空気を描く」という青年時代からの課題や気韻生動を求め続ける大観の画業の深まりを感じさせる作品です。
<オークションと下見会の日時、会場の詳細はこちらから>
みなさまのお越しを心よりお待ちしております。
(執筆:S)
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川合玉堂《春渓帰牧》の意味
麗らかな春の日差しが、卒業式帰りのはかま姿を照らしています。
銀座で謝恩会でしょうか、昨日は華やかなスーツ姿のお母様方をよくお見かけしました。
さて、一昨日は多数のお客様にシンワアートオークション創業20周年記念講演会にお越し下さいました。
ありがとうございました。
美術評論家の浅野徹先生に、今週末のオークションに出品される岸田劉生、佐伯祐三、中村彝などを、大正時代の日本の美術に触れながらお話頂き、会場は熱心に耳を傾けられるお客様の熱気で溢れました。
天気は快晴、日柄は大安と、記念行事には絶好の日和となり、盛況な講演会となりました。
さて、今日は、春にちなんで川合玉堂《春渓帰牧》をご紹介します。
この作品は、昭和15年(1940)、玉堂が67歳の時に描かれました。
この年、玉堂は紀元二千六百年奉祝美術展の委員を務め、後に彼の芸術を代表すると言われるようになった《彩雨》を出品しています。
式典の当日、玉堂は文化勲章を受章し、作品は朝日賞を受賞したのですから、まさに玉堂が日本の国民的な作家として上りつめた時期に描かれた作品と言えるでしょう。
本作品を制作した年、日中戦争の戦況はいよいよ激しさを増していました。玉堂は国民に向けて、このような一見平和な「春の風景」を描くことで何を伝えようとしたのでしょうか。
67歳には大きな画面を活かして、のどかな春の田舎道がなだらかに描かれています。
ここから感じられるのは日本の国土の美しさと、春の実りを待ちわびる気持ち、そして、「無事に家に帰る」ことの尊さです。
「帰牧」とは、字の通り、作業を終えて帰る姿を指します。戦争に駆り出されていった一家の大黒柱たち、若武者たちが、ただ無事に家に帰ることを、この頃の日本人は何よりも強く願っていたことでしょう。それが玉堂一流の優れた構図の中に絶妙に表現され、感動的な世界が広がっているのです。
作品は明日まで、シンワアートミュージアムにて実物をご覧頂くことができます。
(執筆者:I)
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松本竣介《建物と人》
雪が降ったり春のように暖かかったりと、最近不安定な空模様が続きますね。
今日もまた雨ですが、明日はよいお天気だそうです。
今東京はちょうど梅が見ごろなので見に行こうと思いながら、なかなかお天気と予定が合いません。雪が降る中で梅を見るのもよいかもしれませんが…。梅は桜ほどはなやかではありませんが、春の到来をいち早く感じられてすてきですよね。銀座周辺では皇居や浜離宮がきれいに咲いているようです。みなさまも晴れの日にはお近くの公園に行ってみてはいかがでしょうか。
さて、先週から今週にかけて、大阪と名古屋で下見会を開催させていただきました。会場まで足を運んでくださったみなさま、どうもありがとうございました。来週はいよいよ東京でのパートⅡの下見会が始まりますので、ぜひぜひお越しくださいね。
では、3/21の近代美術オークションの出品作品からおすすめの作品を1点ご紹介いたします。
(おもて)
(うら)
Lot.38 松本竣介《建物と人》
紙面:27.0×36.7cm 画面:26.2×35.9cm
紙・インク、木炭 額装
1939年作
右下にサイン・年代
松本竣介展出品 1986年(東京国立近代美術館)
エスティメイト ¥2,300,000 ― 3,000,000
年末にも松本竣介の作品をご紹介しましたが、今回は街をモティーフとした竣介らしい作品が出品されます。この作品をもとに制作した油彩画は代表作の一つなので、展覧会でご覧になったことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
松本竣介は、1912年東京生まれ。少年時代に転居した岩手で、病のため聴力を失ってしまいます。しかし、それがきっかけで「見ること」に没頭し始め、17歳で画家を目指して上京。太平洋画会研究所では、靉光や麻生三郎らとともに制作に励み、ルオーやモディリアーニなどパリの画家たちに影響を受けながら、生涯のテーマとなった都市の景観に魅せられていきました。また、自宅を「綜合工房」と称して随筆・デッサン誌『雑記帳』を刊行し、美術雑誌『みづゑ』に論文を発表するなど、社会への発言を積極的に続けました。日中戦争から第二次世界大戦へと続く暗い時局の中で、政治的イデオロギーからの芸術の自立を、ヒューマニズムの立場で訴え続けた画家です。
1939年作(当時27歳)の本作品は、ビルが建ち並ぶ都会の風景とそこに生きる人々の姿を、モンタージュの手法を用いて構成したものです。第25回二科展出品作《街》(1938年作・大川美術館蔵)から始まり、1940年にかけて制作された「街」シリーズの一点です。本作品を制作した翌月には、これをもとに同じタイトルの油彩作品を制作し、それは現在、岩手県立美術館に所蔵されています。
「図版」
《建物と人》 1939年作 岩手県立美術館蔵
(※図版は掲載許可の期間が終了したため削除させて頂きました。)
油彩の作品では、深く沈んだブルーが豊かな詩情を漂わせています。
ご覧の通り、本作品を描いた段階で、構図はかなりの部分が決定していたことが窺えます。
インクと木炭で描いた本作品では、行き交う恋人たちや働く人々など、都会に生きる人間の孤独や哀歓を掬い取り、彼らの心情に寄り添うようにモノクロームの線を滲ませています。また、線の繊細さや木炭による混沌としたニュアンスを残すことにより、作品は素描の魅力に富み、竣介の切ないほどの抒情に溢れています。
裏面には鉛筆によるデッサンの女性像が描かれています。表面のような風景を描く一方で、竣介は次第に人物画や自画像に強い関心を抱くようになりました。こうした人物画は、竣介がヨーロッパの画家たちから受けた影響がしばしば色濃く表現されています。本作品の正面を向いた女性の佇まいや、キュビスム的な構成が、竣介が私淑したモディリアーニやピカソの影響を窺わせます。
≪東京下見会日程≫
近代美術PartⅡ 3/11(水)~3/14(土) 10:00~18:00
近代美術・ジュエリー&ウォッチ 3/18(水)~3/20(金) 10:00~18:00
3/21(土) 10:00~12:00
本日ご紹介した松本竣介は、3/18より展示いたします。
みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
(執筆:S)
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20周年記念オークション、始動
東京では春一番が吹いたと思ったら、一転して長雨が続きます。お身体など壊されていませんか?
シンワでは今日から大阪下見会、来週月曜からは名古屋下見会を開催しております。今回は大阪の下見会場を移し、広くなったスペースに全作品を展示いたしますので、ぜひご来場下さいませ。会場地図はこちら
陶芸も展示しています。
奥にジュエリーのカウンターもございます。
また今週半ばから、シンワのトップページが岸田劉生の作品に変わっておりますのはお気づきでしょうか。解説の文章は日本語のほか、中国語・韓国語にも翻訳されて、世界中へと魅力をお伝えしているところです。解説はこちら
大阪の下見会場での劉生コーナーです。
3月の近代美術では、20周年記念として、劉生にまつわる講演会も開催致します。現在、DMやWEB、チラシなどをご覧になった方から、続々とお申し込みが寄せられております。
先着200名様です。お申込みはこちらから
講演者の田中先生は、岸田劉生や黒田清輝など、近代洋画を専門にご研究をされており、ご著書『画家がいる「場所」―近代美術の基層から―』は、当社でも作家について調べるときに、繰り返し参考にさせて頂いております。
昨日よりカタログを発送させて頂いておりますが、中には「日本の近代美術」と題した教科書をお付けいたしました。コンテンポラリーが盛んに話題になったここ数年ですが、やはり近代美術あってこその、現在です。これからも力を入れてその魅力をお伝えできればと存じます。
近代美術PartⅡ出品作品についても、3月の当ブログでご紹介して参りますので、どうぞご期待下さい!
(執筆者:I)
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大阪・名古屋下見会のお知らせ
一気に春がきたような陽気だった週末から一転、東京には凍えるような寒さが戻ってきました。
三寒四温といいますし、少しずつ春が近づいている証拠かもしれませんね。
さて、本日は3月に開催するオークションと、大阪・名古屋の下見会についてお知らせします。
3月は21日(土)にJEWELLERY&WATCHES / 近代美術Partll / 近代美術オークション、28日(土)に近代陶芸オークションを開催いたします。とりわけ、近代美術オークションは当社の20周年記念オークションとして開催いたします。
このブログでも出品作品をご紹介していきますので、どうぞお楽しみに。
これらのオークションの下見会を大阪・名古屋にて2/27(金)・28(土)及び、3/2(月)・3(火)に開催します。
特に今回の大阪下見会は会場が変更となり、より多くの作品をご覧いただくことができるようになりました。
~下見会スケジュール~
<大阪下見会>
会期:2/27(金)・28(土) 10:00~17:00
会場:御堂会館 南館B1Fホール(地図はこちら)
<名古屋下見会>
会期:3/2(月)・3(火) 10:00~18:00
会場:DAITEC SAKAE 6F クリエイトホール(地図はこちら)
展示作品:
近代美術・JEWELLERY & WATCHES(全作品展示) / 近代陶芸(大阪のみ一部展示)
主な展示予定作家:
■近代美術
岡 鹿之助 / 岸田 劉生 / 熊谷 守一 / 佐伯 祐三 / 中村 彝 / 中川 一政 / 林 武 / 三岸 好太郎 / レオナール・フジタ / 山口 長男 / 川合 玉堂 / 杉山 寧 / 前田 青邨 / 棟方 志功 / 平山 郁夫 / 横山 大観 / アンリ・マティス / ジャン・ピエール・カシニョール / ポール・アイズピリ / ラウル・デュフィ
■近代美術Partll
池田 満寿夫 / 絹谷 幸二 / 小杉 小二郎 / 平野 遼 / 山形 博導 / 池田 遙邨 / 今野 忠一 / 後藤 純男 / 清水 規 / アンドレ・ボーシャン
■近代陶芸(大阪のみ)
板谷 波山 / 音丸 耕堂/ 金重 陶陽 / 金重 素山 / 加守田 章二 / 河井 寛次郎 / 北大路 魯山人 / 楠部 彌弌 / 富本 憲吉 / 浜田 庄司 / 藤田 喬平 /樂 了入 / 樂 覚入 / 芹沢 介
山口長男「作品」
60.2×91.0cm / 板・油彩 額装
落札予想価格:700万円~1,000万円
(近代美術オークション出品)
~オークションスケジュール~
<JEWELLERY & WATCHES / 近代美術Partll / 近代美術オークション>
日時:3/21(土)
14:00~(JEWELLERY & WATCHES /近代美術Partll)
18:30~(近代美術)
会場:丸ビル7階 丸ビルホール
<近代陶芸オークション>
日時:3/28(土) 16:00
会場:シンワアートミュージアム
みなさまのお越しを心よりお待ちしております。
(執筆:N)
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棟方志功と谷崎潤一朗
2月1日に開催されるオークションは、近代美術・近代美術PartⅡ、ジュエリー&ウォッチが同日開催されます。
ここに出品される作品から、今日は棟方志功をご紹介します。
棟方志功は1903年に青森で生まれ、小学校を卒業した後、働きながらも画家の志を捨てられず上京。独学で洋画を学びました。最初は油絵を制作していましたが、1925年、川上澄生の版画に感銘し版画制作を始めました。
民藝派とも言われる河井寛次郎、富本憲吉らと知り合い、版画の裏から彩色を施す裏彩色を始めました。
油絵、板画、肉筆など多種多様な制作方法と仏教、神話、文学作品など多種多様なモティーフで何千とも何万ともいわれる作品を創りあげました。
今回出品されるLOT32《颯子(さつこ)の柵》は、谷崎潤一郎作「瘋癲(ふうてん)老人日記」の挿画として制作された作品です。1962年に初版が発行され、これによって谷崎は毎日芸術大賞を受賞しています。
本作品で表現されている女性は、「颯子」という、主人公の老人・卯木督助(うき とくすけ)が惚れ込んだ息子の嫁の姿です。富と時間を豊かに併せ持つ77歳の老人は、颯子の脚に性的な魅力を感じ、妻の目を盗んでは、踊り子上がりで驕慢(きょうまん)な嫁から間接的に快楽を得ようとします。颯子もそれを利用して督助から宝石などを得、二人の共犯関係は生と死の対決へと向かいます。
谷崎文学を象徴し、三島由紀夫からも称賛されたこの作品は、志功の装丁・挿画によって豊麗な官能美・古典美がいっそう高められたのです。
この他、LOT29《仰向妃の柵》、LOT31《振向妃の柵》は、岡本かの子が戦前、雑誌『女人芸術』の創刊号に発表した詩「女人ぼさつ」をもとに、棟方志功が制作した作品で、《女人観世音板画巻》の一つです。「足裏の土踏む力 女人われこそ観世音ぼさつ」という詩が書かれています。
この詩に惹かれていた志功は、昭和24年に初めてこの作品を制作し、これによって昭和27年スイス・ルガノ国際版画展で優秀賞を受賞しました。「世界のムナカタ」となるきっかけとなった作品と言えるでしょう。
御紹介した作品は、下見会場で実際にご覧頂くことができます。ぜひご来場をお待ちしております。
〈名古屋下見会〉
会期:1/20(火)・1/21(水) 10:00~18:00
会場:DAITEC SAKAE 6F クリエイトホール
展示作品:近代美術・JEWELLERY & WATCHES
< 大阪下見会〉
会期:1/23(金)・1/24(土) 10:00~18:00
会場:シンワアートオークション大阪営業所
展示作品:近代美術・JEWELLERY & WATCHES
〈東京下見会〉
近代美術PartⅡ: 1/20(火)~1/24(土) 10:00~18:00
※ カタログ記載の日程より、急きょ早めてオープンすることにいたしました!また、ご要望がありましたら、近代美術下見会中(~2/1)も作品をご覧いただけますので、会場にてスタッフまでお気軽にお声掛けください。
近代美術・JEWELLERY & WATCHES : 1/28(水)~1/31(土) 10:00~18:00
2/1(日) 10:00~12:00
会場:シンワアートミュージアム(当社1階)
オークション
日時:2/1(日) 14:00~(JEWELLERY & WATCHES・近代美術PartⅡ)
17:00~(近代美術)
会場:丸ビル7階 丸ビルホール
(執筆者:I)
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