皆さま、連休をどうお過ごしでしたか。
土曜日に、丸ビルで近代美術オークションへご参加いただいたお客様、ありがとうございました。
本日は、先週末開催した近代美術オークションのレビューをお届けします。
世界的に、秋は各オークションハウスのメインとなるセールが開催される季節です。
その第1弾ともいえる9月の近代美術オークション。
盛り上がりの程は・・・・?
~レオナール・フジタ「猫と少女」、大人気!~
エコール・ド・パリで時代の寵児として人気を博したレオナール・フジタ。
本作品を制作した1959年、藤田嗣治はレオナール・フジタと改名、キリスト者として生まれ変わりました。本作品は猫を抱くパリ娘の佇まいを、まるで幼児キリストを抱く聖母マリア像の如きピラミッド構図に描いています。早くに母を亡くしたフジタは特に聖母信仰に傾倒していました。自身の姿を猫に見立て、無垢な少女に永遠の処女マリア、ひいては安らぎの地・パリを見出したフジタの、美しき隠喩が感じられる作品です。
下見会の時から多くの注目を集めていたこの作品、オークショニアの発句を合図に、10以上のパドルが一斉に上がり、ぐんぐん価格が上昇しました。
最終的には、落札予想価格下限の約2倍である4,700万円で落札され、今回のオークションで最も高額で落札された作品となったのでした。
~熱い競り合いが繰り広げられた、ベルナール・ビュッフェ「弁慶」~
フランス人画家、ベルナール・ビュッフェは、当社のオークションでも人気のある作家の一人です。
今回のセールにも4点が出品されましたが、とりわけ熱い視線を浴びたのが、かの有名な武蔵坊弁慶を描いた作品です。ビュッフェは、日本の建築や風物を描いた作品をしばしば制作しており、ビュッフェの妻アナベルは、作家がたいへん日本を愛していたと語っています。
本ロットは、開始から数分にも渡る競り合いが続き(通常、1つのロットの競りに掛かる時間は1分弱)、
最終的に海外からの電話ビッド同士の一騎打ちになりました。
慎重にビッドし合う電話の向こうから、「この絵が欲しい」という強い思いが伝わってくるようで、会場は緊迫したムードに。
ようやく、落札予想価格下限の6倍である、2100万円でハンマーが下された時には
大きな拍手が沸き起こりました。
さて、今週20日(土)は近代陶芸オークションを開催いたします。
明日木曜日から下見会も始まります。
写真の浜田庄司の大皿のほか、根強い人気を誇る作家の作品が揃いますので、
是非ご来場ください。
Lot126
浜田庄司「青釉白流描大鉢」
H13.9×D55.5cm / 共箱
落札予想価格:250万円~350万円
(執筆:N)
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作成者別アーカイブ: SHINWA ART AUCTION
明日は近代美術オークションです!
いよいよオークション前日となりました。
みなさま、下見会にはご来場いただけましたでしょうか?
明日は13:00まで開催しておりますので、
まだご覧になっていない方は、ぜひぜひお越しください!
丸ビル7階の丸ビルホールです。
銀座の当社で下見会をご覧になって、
↓
銀座・丸の内エリアでランチ。
銀座の老舗も魅力的ですが、丸ビルのレストランも充実してます。
しばしショッピングでお楽しみいただいた後は…、
↓
丸ビルホールでオークションに参加!
という優雅な休日をお過ごしになってみてはいかがでしょうか。
オークションは17時から開催いたします。
詳細はこちらへどうぞ。
シンワアートオークションHP
本日も1点、おすすめ作品をご紹介いたします。
Lot.46 萬鉄五郎《風景》です。

萬鉄五郎 YOROZU Tetsugoro(1885-1927)
《風景》
33.4×45.6cm
キャンバス・油彩 額装
1926年作
落札予想価格:250万円~350万円
萬は、ゴッホやマティスの感化を受けた《裸体美人》(東京国立近代美術館蔵・重要文化財)や、キュビスム、フォーヴィスム風の前衛的な作品で知られる大正期の画家です。大正時代に活躍した画家たちは個性派が多いのですが、以前このブログでもご紹介しました岸田劉生と同様に、萬も後世に幅広い影響をおよぼしたカリスマ的な画家と言えるでしょう。
本作品は晩年にあたる1926年、終の住み処となった茅ヶ崎で制作されたものです。この地に移住してからの萬は、特に南画をはじめとする東洋絵画に関心を深め、水墨画なども手掛けました。油彩画では、東洋の南画と西洋のモダニスムを融合させた画風を展開していきます。豊かな自然に恵まれ、半農半漁の人々が暮らすこの土地は、穏やかな文人的作品を描くのにぴったりだったのでしょう。明るい光に満ちた色彩と自由でゆったりとしたタッチは、萬がヨーロッパの模倣ではなく、東洋人ならではの油彩画を見出したことを確信させます。
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下見会はじまりました
爽やかな秋晴れの本日、近代美術オークション下見会がオープンいたしました!
当ブログでは数回にわたって今回のオークションに出品される作品をご紹介してまいりましたが、本日は下見会をご案内いたします。
秋を先取りして、鮮やかな紅葉の屏風がみなさまをお迎えします。

続いてこちらは音声ガイド。
今回は出品作品の中から、選りすぐりの24点分をご用意しました。
ぜひ会場でご利用ください。
1Fは日本画のフロアです。
今回は浮世絵の系譜を継ぐ美人画家、伊東深水の作品がずらり。
粋なデザインの表具にもご注目ください。
右は富岡鉄斎《藻刈舟圖》。《もかりぶねず》と読むこの画題は、江戸時代、大阪の商人たちに人気があったものだそうです。「もかり」、「もうかり」、「儲かり」…ってことですね。
鉄斎の作品は、東京国立博物館で開催された「対決 巨匠たちの日本美術」展にも出品されていましたが、ほかにも今年の夏休み、全国各地の美術館で行われた展覧会を賑わせた画家たちの作品が並んでいます。
地下1Fは日本洋画、外国絵画のフロアです。
SHINWA ART JOURNALでもご紹介しました長谷川利行のコーナー。
激しいタッチが圧巻です。

などなど、ご覧いただきたい作品が目白押しです!
今回の9/13(土)開催の近代美術オークションには、全部で135点の作品が出品されます。
このほかにも東山魁夷やレオナール・フジタ、マティス、カンディンスキーと、
そうそうたる顔ぶれが揃いました。
下見会は、本日より9/12(金)までは、10:00~18:00まで。
オークション当日の9/13(土)は、10:00~13:00まで開催しております。
みなさまのご来場を心よりお待ちしています。(執筆:S)
シンワアートオークションHP
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社長が感銘を受けた一冊の本とは・・・?
先週、当社の代表取締役社長倉田が取材を受けた本が発刊されました。
その名も【社長100人の「私の1冊」】。
100社100名の社長が感銘を受け、影響を受けた書籍を
一冊ずつ紹介しています。
倉田が感銘を受けたビジネス書でも、歴史書でもない、あの物語とは・・・?
取材に立ちあったNとしては、倉田の選んだ一冊に、新たな一面を見たような気がしました。
興味をもたれた方は、是非書店へお立ち寄りくださいね。
因みに、こちらはキャンペーンサイトだそうです。
http://metaimpact.com/campaign2/
その他、9/4付の日経新聞文化面に「文化往来 香港、アジア現代美術のハブに真実味」と題して、11月に開催する「Asian Auction Week in Macau」に関する記事が掲載されました。
また、その少し前、8/28の株式市場新聞のコラムでも、「がんばれシンワ」と言っていただきました。
社員一同秋のオークションの成功へ向けて、日々精進して参ります。
更に、8/28に発売された女性誌「25can(ヴァンサンカン)」に、
「ソーシャライツも活用する美術品オークション市場へGO!」と題して、
美術品オークションの楽しみ方をレクチャーする特集が掲載されています。
その中で当社のことも取り上げていただいています。
こうした記事を通して、オークションの楽しさ、気軽さを
一人でも多くの方に知っていただけるよう頑張ろう!
と決意を新たにする今日この頃です。
(執筆:N)
シンワアートオークションHP
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「浮世絵ベルギーロイヤルコレクション」展
皆さん、浮世絵はお好きですか?
おちょぼ口が愛らしい春信の美人画や、雄々しい春章の役者絵、モダンな写楽の肖像画や、ユーモア溢れる北斎マンガ・・・。
はかない浮世暮らしを謳歌してしまう人間のエネルギーが頼もしく、擬人化された金魚が三味線を弾く姿の可笑しいことと言ったら!今風に言うなら、「キモ可愛い」、「カワ面白い」といったところでしょうか。
私は、大好きです。
現在、原宿駅前にある太田記念美術館では、「浮世絵ベルギーロイヤルコレクション展」として、ベルギー王立美術歴史博物館とベルギー王立図書館が所蔵する浮世絵を公開しています。
先日、オープニングパーティーにご招待をいただき、末席に連なって参りました。会場の東郷記念館には駐日ベルギー大使閣下もお見えになり、会場はフランス語での挨拶が飛び交います。
太田記念美術館では、ふだんから来館者の3割以上が外国のお客様だそうです。外国のガイドブックに美術館が掲載されていて、それをご覧になっていらっしゃる旅行者が多いとか。
原宿駅を出て、竹下通りで「Kawaii! カワイイ」、浮世絵の美術館で「Beautiful!」、表参道で「Luxury!」・・・、日本文化の奥行きを感じる旅になることでしょう。
浮世絵は、日本語がわからなくても、全く日本文化についてご存知なくても、楽しむことができる芸術です。大衆文化であった浮世絵版画を、芸術として認識したのはヨーロッパが先ですし、浮世絵の系譜にあたる日本のマンガやアニメーションも、海外で知られた途端に爆発的に人気を博しました。
ベルギー王立図書館は、フランスのルーヴル美術館が浮世絵を収集するよりも早く、写楽や北斎の第一級の作品を購入しています。当時は、ヨーロッパ芸術の巨匠・ルーベンスの版画よりも、浮世絵一点当たりの価格が高かったにも関わらず、です。なんと先見の明と公平な評価を持ち合わせたコレクターでしょう。
今回の展覧会では、写楽が見ものです。例えば、本来はペアであったとされる作品の片方ずつを、世界で唯一、ベルギー王立美術歴史博物館とベルギー王立図書館が一点ずつ所蔵していて、それが組み合わせられて展示されています。何と感動的な再会でしょうか。どれも、木目も鮮やかな、保存状態が素晴らしい作品です。
アートをコレクションされるお客様にとって、一つの醍醐味は、自分が過去に蒐集した作品が後により高い評価を得るようになることでしょう。コンテンポラリーアートの若手作家の作品を、価格の安いうちに購入するのも一つの方法ですが、このベルギー王立図書館のように、古い作品の歴史的な価値を認めて購入するという方法もまた、大変に意義のあることです。
近代美術オークション出品作品を例に取ると、南薫造や萬鉄五郎、浅井忠は、歴史的な評価が高く、残して行かなければならない作家と言えるでしょう。またルシアン・クートーという作家は、シュールレアリスム風の作風で戦後いち早く日本に知られていたものの、当社のメインオークションでは初めて出品されます。
オークションは、現役の作家のMarket Value(市場的な価値)を知ることができると同時に、過去の作家の作品を売買することによって伝統的な美の価値を高めていく場でも、あるのですよね。(執筆:I)
<展覧会情報>
浮世絵 -ベルギーロイヤルコレクション展
2008年9月2日(火)~28日(日)
午前10時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-10-10
太田記念美術館
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/H2009Belgium.html
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純粋絵画を求めて―夭折の画家、佐伯祐三
1928年、佐伯祐三が30歳という若さで亡くなってから80年。大阪市立美術館では9月9日より、『没後80年記念 佐伯祐三―パリで夭折した天才画家の道―』※が開催されます(10月19日まで)。佐伯の代表作が100点以上展示される、大規模な展覧会です。また、佐伯に影響を与えたヴラマンクやユトリロ、友人であった里見勝蔵、荻須高徳などの作品も同時に展示されるとのことです。お近くにお住まいの方や、大阪へ行かれる方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
さて、9月の近代美術オークションにおいても、佐伯の作品が出品されるのでご紹介します。
Lot49《塔の見える風景》
45.6×53.2cm
キャンバス・油彩 額装
落札予想価格:1800万円~2500万円
「佐伯祐三全画集」(講談社)、
「佐伯祐三のパリ」(新潮社)掲載
佐伯祐三は1898年、大阪・中津の光徳寺の次男として生まれました。1923年、東京美術学校を卒業後、妻子とともに渡仏。パリで2か月程ホテルに滞在した後、パリの南西、クラマールの一軒家に引っ越します。明るい陽光のさす緑豊かな土地で、日本人芸術家たちと集いながら、セザンヌの影響を窺わせる作品を展開していました。
転機が訪れたのは、1924年夏。佐伯は里見勝蔵の案内で、自信作であった裸婦の作品を携えてヴラマンクを訪れます。しかし、待っていたのは、「このアカデミック!」という罵声でした。ショックを受けた佐伯は、ヴラマンク、後にユトリロの影響を受けながらも独自の絵画を追求し、自身の芸術を開花させていくことになるのです。
本作品に描かれているのは、クラマールにある教会です。「佐伯祐三のパリ」(1998年、新潮社)によると、佐伯の自宅はこの教会から歩いて5分程の場所にあったといいます。この本には教会と本作の画像が掲載されているのですが、実際の教会は青い屋根と白い壁の清々しい建物であるにもかかわらず、本作は一種悲壮味を帯び、陰鬱な空気がたちこめています。
暗い色調、動感のある筆致にヴラマンクの影響が見られますが、一時のヴラマンクに傾倒した画風から脱しており、「ようやく自分の絵を描こうと、無我夢中になって」制作する、佐伯の焦燥にも似た感情が浮かび上がってきます。一見、寂寞とした風景には、ひたすら「純粋」に徹し、自身の画風を確立しようと格闘する佐伯の情熱が内包されているのです。(執筆:M)
シンワアートオークションHP
※〈展覧会情報〉
『没後80年記念 佐伯祐三―パリで夭折した天才画家の道―』
会期:2008年9月9日(火)~10月19日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時
休館日:9月16日(火)、22日(月)、29日(月)、10月6日(月)、14日(火)
観覧料:一般1200円、高大生900円
会場:大阪市立美術館(天王寺公園内) 大阪市天王寺茶臼山町1-82
http://osaka-art.info-museum.net/special020/special_saeki.html
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生活空間とアート―「舟越桂 夏の邸宅」展より
本日は、素敵な展覧会をご紹介致します。
東京都港区白金に、美しい緑に囲まれたアール・デコ様式の邸宅があります。かつては朝香宮(あさかのみや)様がお住まいになられた洋館は、現在、広大な庭園に囲まれた美術館に生まれ変わり、展示される時々のアートと共に、鑑賞者を包み込んでくれます。
東京都が運営するその美術館・東京都庭園美術館では現在、「舟越桂―夏の邸宅―」展を開催しています。かねてからここの雰囲気に憧れていて、舟越桂さんの作品も好きな私は、この展覧会を長いこと楽しみにしておりました。そして先日、展覧会のギャラリートークを聴いて参りました。霧雨の降りしきる中、大木が緑のトンネルのようにカーブを描くエントランスを抜けていくと、パッと空間が開けて美術館が現れます。
美術品をお求めになるお客様と接していて、よく「この作品はどんな風に展示したら良いかね」と、質問を受けます。そんな時、私はよく東京都庭園美術館での展覧会を思い起こします。真っ白なホワイトキューブの中に展示されている美術館と違って、ここはかつての生活空間に、アートが設置されるからです。
今回の「舟越桂展」では、大広間や書斎、あるいは浴室(《言葉をつかむ手》が二階浴室に展示)まで利用して、木彫やドローイングが展示されています。溜息がこぼれるような素敵な生活空間に、澄んだ瞳のスフィンクスが佇んでいる姿は、展覧会が開催される日を心待ちに想像を膨らませていた私の期待をはるかに上回る美しさでした。
作家を代表するモティーフのスフィンクスについて、ギャラリートークではいくつかの逸話をご紹介くださいました。
テーバイの町のはずれに住むスフィンクスは、通りがかりの旅人に謎かけをします。
「朝は四本足、昼は二本足、そして夜には三本足になるものは何だ?」
この難問を、オイディプスという英雄が解きます。
「それは、人間だ。生まれた時は四つん這いで、成人すると二本足で歩く。やがて老いると杖をついて三本足になる。」
あるいは、詩人のノヴァーリスはこんな物語を作ったそうです。
スフィンクスはある日、女の子にこんな謎かけをします。
「世界を知ることとは?」
女の子はこう答えます。
「それは自分を知ることです。」
舟越桂は1984年からスフィンクスを発表するようになったそうですが、「スフィンクスは人間の世界の外から、人間とは何かを問いかけているのだ」と語ったのだそうです。これらの彫刻が、女でも男でもなく、人間でもないのは、それを限定していないからなのです。
舟越はノヴァーリスの物語に触発されて、スフィンクスのイメージを膨らませたということです。
この話を聞いてから、スフィンクスの大理石の瞳を覗き込むと、「自分とは、人間とは」という疑問に駆られます。アート作品は、こうした、慌ただしい日常生活の中ではなかなか到達できない、本質的な問題にふれるきっかけを与えてくれるものでもあるのですね。
アートをご自宅でコレクションされる方には、今回の「舟越桂―夏の邸宅―」展は、ぜひご覧になることをお勧めいたします。ドローイングや版画の展示方法も、素敵ですよ。
<展覧会概要>
「舟越桂 夏の邸宅アール・デコ空間と彫刻、ドローイング、版画」
会期:7月19日(土)―9月23日(火・祝)
開館時間:午前10時-午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日:第2・第4水曜日(7/23、8/13、9/10)
場所:東京都庭園美術館(〒108-0071 東京都港区白金台5-21-9)
URL: http://www.teien-art-museum.ne.jp/
さて、優れた美術品を多く取り扱う9月近代美術オークションでは、このように鑑賞者に思索を巡らさせるような作品も出品されています。
たとえば、佐伯祐三《塔の見える風景》は、自分の芸術的オリジナリティを追求する切迫感に満ちています。カンディンスキー《CUBE》は、これが物質を超えた表現の一つの答えなのかと思うと不思議な印象を受けます。雨宮敬子《静虚》は、「静虚」とはどんな状態なのだろうと想像してしまいます。
舟越桂さんの作品では、PartⅡオークション(9月27日開催)には版画が7点出品されます。
《音の中へ、私の中へ》や、《壁の上の言葉》など、詩的なタイトルが付けられていて、版画でありながら彫刻の空間的広がりを感じさせるような作品たちです。昨年にはコンテンポラリーアートオークションで三点が出品されています。
美術館という静謐な空間で魅了された作品を、ご自身の生活の中にも取り入れようと思い立たれたら、このような機会に版画をお手に取ってみられるのはいかがでしょうか。(執筆:I)
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メディア掲載情報
週末から東京は雨続きです。
涼しくなったのは嬉しいけれど、このまま秋になってしまうのも惜しいような・・・。
そんな複雑な心境の今日この頃。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
さて、本日は少し趣を変えて、当社のメディア掲載情報をお届けしたいと思います。
皆さんは、当社の情報をどこかのメディアでご覧になったことがありますか?
実はシンワアートオークションは、毎月様々な新聞・ラジオ・雑誌に登場しているのです。
今後、このページでもご案内していく予定ですので、是非ご注目ください。
~7月、8月のメディア掲載情報~
<日本では数少ない女性オークショニア 長が、様々な媒体で紹介されました>
●GOETHE 9月号 「IN THE OFFICE」 幻冬舎刊
●08.07.26 読売新聞日曜版 「オフのイチオシ」
●08.08.01 日経CNBC 「日経エコノWOMAN」
GOETHEのインタビューでは、見開きで大きな写真が掲載されました。
また、読売新聞のインタビューでは、彼女が学生時代から取り組んでいる演劇について語っています。
日経CNBCの番組は、約15分間のロングインタビュー。3時間に渡る撮影が行われました。
<注目の集まるコンテンポラリーアートに関連する記事>
●08.07.06 j-Cast News
「数万円~数十万円と低価格 初心者向けのオークションが人気」
●08.07.24 中文導報
「中国大陸のバイヤーが日本アート市場へ進軍」
●08.08.23 日経新聞
「現代美術の競売活況 若手出品急増功罪半ば」
●セオリーブックス
「その絵、いくら? 現代アートの相場がわかる」 小山登美夫:著 講談社刊
など
セオリーブックス「その絵、いくら? 現代アートの相場がわかる」では、
当社代表取締役社長の倉田が日本を代表するギャラリスト 小山氏と対談しました。 書店等で発売中です。
今後も、取材風景やテレビの放映情報など随時お届けしていきます。
どうぞお楽しみに!(執筆:N)
シンワアートオークションHP
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岸田劉生 ― 最晩年に挑んだ東洋の美
連日熱戦が続く北京オリンピックもそろそろ終盤となってまいりました。
「心は北京」の私は、試合結果が気になって仕事中もそわそわしておりますが、皆様も応援していらっしゃいますか?日本代表選手の活躍はもちろん見逃せませんが、今回は開催国が同じアジアの中国ということもあり、中国代表の動向も気になるところです。
ご存じの通り、最近は美術界でも中国パワーには目を見張るものがあります。現在はコンテンポラリーアートが活況ですが、中国の美術と言えば、古くは弥生時代から日本も大きな影響を受けてきました。本日は、中国の宋(960-1279)や元(1271-1368)時代の絵画に傾倒し、《麗子像》で広く知られる画家・岸田劉生の《春園金雞之図》をご紹介します。
lot48《春園金雞之図》
45.5×52.8cm
キャンバス・油彩 額装
1929年作
落札予想価格:1000万円~1400万円
日本の近代洋画の最も独創的な画家の一人、岸田劉生は、38歳の若さで夭折するまで、神秘的で内省的な「内なる美」の芸術を追求しました。現在も、ニューオータニ美術館で「画家 岸田劉生の軌跡」展が開催されており、変わらぬ人気を誇っています。
北方ルネサンス絵画に影響を受けたことがよく知られている劉生ですが、29歳の頃、中国の宋元画を鑑賞し、その魅力に目覚めたといいます。その後は宋元画を蒐集し「私は今、宋元を一番尊敬し、又おそろしいと思ってゐます。(中略)私の新しい目標は宋元にあります。」と語るなど、その美に心酔していきました。やがて自宅の床の間に掛けたコレクションを眺めては刺激を受け、その魅力を油彩画で表現することに取り組んでいきます。
本作品は中国原産の鳥、金雞(キンケイ)と牡丹を描いたものです。この中国らしい鮮やかな羽色の鳥は、宋元画においてよく描かれた題材のようです。画面の右上に「己巳歳劉生仿宋人意」というサインが記されていますが、「仿宋人」は劉生が宋元画にインスピレーションを受けて描いた作品に用いた号です。「己巳歳」は1929年、劉生の最晩年を指します。
この年の8月11日、劉生は滞在していた西宮市から「金雞鳥が近所の野口小さんという畫家のところにゐるのを写生しやうと思ふ」と書いたはがきを妻宛てに送り、同月27日のはがきには「金雞鳥の絵は明日出来上がる」と記しています。宋元画によく登場する珍しい鳥を見つけ、自分も描いてみようと思ったのかもしれません。劉生らしい濃密ででろりとした色彩は、彼の求めた「内なる美」を潜めながら、しっかりと宋元画の神秘的な「仙」の境地を表現しています。
晩年、油彩画は寡作になっていきますが、本作品を制作した後、劉生は満州に旅立ち、まるで風景画の傑作を描いた鵠沼時代のように、再び油彩の風景画の連作に力を注ぎます。しかし、残念なことにそれから程なくして劉生は病に倒れ、帰らぬ人となってしまうのです。本作品は、画業の最後の輝きを湛えながら、早逝したために生まれることのなかった新たな展開をも予感させるようです。(執筆:S)
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村上華岳の艶やかな牡丹図
残暑お見舞い申し上げます。ブログ担当者のMです。
皆様はどのような夏をお過ごしでしょうか?
当社では8月2日より17日まで、夏季休暇をいただいておりました。
私もこの休暇を利用して、旅をしたり、海や山に出かけたりと、思いっきり羽を伸ばしてきました。様々な場所に赴いたのですが…今年ならではの一大イベントといえば、出雲大社で行われていた、「御本殿特別拝観」でしょう。平成の大遷宮として、約60年ぶりに国宝である御本殿が一般公開されていました。
私は生まれ故郷が島根県なので出雲大社には度々訪れているのですが、御本殿に足を踏み入れた際はこれまでに感じたことのない神聖な気持ちと高揚感に包まれ、終始、胸の高鳴りを抑えることができませんでした。
おそらく一生に一度のチャンス。とても素晴らしい体験となりました。
さて、昨日近代美術オークションカタログが完成し、いよいよ秋のセールに向けて始動いたしました。当ブログでは、本日より近代美術オークションの9月13日までの間、近代美術に関する情報を更新していきます。

Lot129《春苑牡丹圖》
140.5×50.9cm/絹本・彩色 軸装
大正8年作/右上に落款・印/共箱
村上華岳展出品 1984年
(東京国立近代美術館)
「巨匠の日本画[9]村上華岳」掲載p.111
落札予想価格:500万円~800万円
村上華岳は、深い精神性と官能性を併せ持つ観音像や牡丹、山水画などにおいて、独自の世界を形成した画家です。
明治21年大阪に生まれ、7歳の頃から神戸市花隈で育ち、京都市立美術工芸学校、京都市立絵画専門学校で学びます。そして、円山四条派の流れを汲みながらも、浮世絵、あるいはイタリアの中世ルネサンス絵画やインド美術などを取り入れた作風を展開していきます。在学中から文展で活躍していましたが、大正7年、学友である土田麦僊、小野竹喬、榊原紫峰らと国画創作協会を結成します。
本作品はその翌年、大正8年(1919年)、31歳の時に制作されたものです。同年には、国画創作協会展に《日高河清姫図》(重要文化財。東京国立近代美術館蔵)を出品しています。
この頃の華岳は、芝居や文楽、都踊りなどを愛好し、またそういった文化が流行し始めていた時代との関連もあり、舞妓をテーマにした作品を多く手掛けています。
また華岳は終生、牡丹の花を好んで描き、絶筆も牡丹でしたが、この時期の牡丹は、豊かな色彩で彩られているのが特徴です。本作品においても、牡丹は馥郁たる香りを放つかのごとく優艶な花を咲かせており、なまめかしさを漂わせています。己の花粉を運ぶ虫を求めて大きく雌しべを突き出す花姿には、華岳一流の官能性が秘められているのです。
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