こんにちは。
カタログをお持ちの皆様お待たせ致しました!いよいよ今週末、
近代陶芸/古美術/近代美術PartⅡ(陶芸)オークションが開催されます。
今回も選りすぐりの作品をいくつかご紹介させて頂きたいと思います。
まずはこちら。
「陶板」は、富本憲吉が作り出した造語。絵画のように壁に掛けられる作品を考え、まっすぐ平らに成形するという技術的な難しさを乗り越え到達した鑑賞陶器です。またモチーフは、「四弁花模様」をあしらった陶箱を主にしています。「四弁花模様」とは富本が作り出した代表的な模様のひとつです。既存のものでなく、自らの作った模様のみを使用する「模様より模様を造る可からず」という信念のもとに創作されました。図録などではこの陶箱は確認できていませんが、実際作陶されていたら、とても高い評価を受けたでしょう。ドット柄の黄色い布もたびたび描かれるモチーフのひとつです。鮮やかな配色と、細かい筆致。見所がいくつもあり、「富本憲吉」であるが故の魅力が溢れています。
青磁の香爐としては、弊社で出品された中では最も大きい作品です。袴腰の形ということもあり、さらに大きく感じます。また艶もあがりも良い文句なしの美しい香爐です。
火屋も二重類付いており、お好みで火屋を変え楽しまれてみてはいかがでしょう。
現在の京焼でも多くの陶芸家によく模されているのが、「仁清」と「乾山」です。乾山は仁清に師事し京焼の礎をつくり、実兄が「琳派」の立役者・光琳であったことも加勢し、元禄時代の華やかな文化の中で大成しました。今回の作品でも見て取れる通り、色絵の鮮やかさはとても300年前のものとは思えません。あの魯山人も魅了されたという乾山の独創的なデザイン性は、現代でも十分通用するものでしょう。
今回も一点、乾山を模した魯山人の作品が出品されています。
(LOT.174 北大路魯山人「乾山風吹き寄せ沙羅」D16.6cm 黒田陶々菴箱/★¥30,000~¥70,000)
そして現在サントリー美術館でも乾山展が開催されており(「着想のマエストロ 乾山見参!」5/27~7/20)、そちらを楽しまれてから、弊社の下見会場で実際に乾山に触れられてみてはいかがでしょうか?
皆様のお越しをお待ちしております。
下見会スケジュールはこちら。
執筆者:E