9月に入り、秋のオークション・シーズンが幕開けとなりました。
今日からシンワアートミュージアムでは、9月19日開催の近代美術PARTⅡオークション下見会を開催しています。
※今回の近代美術PARTⅡオークションに出品される作品は、本日9月2日(水)~5日(土)の期間中のみご覧いただけます。その他の会期中は、ご覧頂くことができませんので、あらかじめご了承お願い申し上げます。
ミュージアム1F
ミュージアムB1階
手前のテーブル左寄りに見えているのは、LOT692 マスタッシュ・カップ&ソーサーです。
(エスティメイト¥50,000.~¥100,000.★/15客セット)
マスタッシュ(moustache)とは、英語で「口髭」のこと。
紳士がお茶を飲むとき、口髭が邪魔にならないように“髭よけ”が付いています。
優雅に装飾されたデザインは、まさにコレクターズ・アイテムですね。
1階のエントランス左側には、浮世絵が展示されています。
LOT526 葛飾北斎《富嶽三十六景 武陽 佃嶌》
(エスティメイト ¥700,000.~¥1,000,000.)
浮世絵師の中でも最も代表的な作家の一人、葛飾北斎が1833年から1844年にかけて刊行した《富嶽三十六景》は、北斎の代表作にして、浮世絵風景画の代表作です。
《富嶽三十六景》は、初めは題名の通り36図が制作されましたが、非常に好評であったため、後から10図が追加され、最終的に46図のシリーズになりました。
当初の36図を「表富士」(おもてふじ)、追加の10図を「裏富士」(うらふじ)と呼び、今回、シンワアートオークションに出品される三点《武陽 佃嶌》(ぶよう・つくだじま)、《相州 江ノ島》(そうしゅう・えのしま)、《信州 諏訪湖》(しんしゅう・すわこ)は全て「表富士」として制作されたものです。
特に、《武陽 佃嶌》、《相州 江ノ島》は、「藍摺絵」(あいずりえ)と呼ばれる青を基調としたモノトーンの作品で、北斎のシャープな線が美しいシリーズです。
中央区にお店を構えていらっしゃる方やお住まいの方にもお勧めの一点です。
《富嶽三十六景》の大ヒットで、北斎は一躍売れっ子の作家となりました。
背景には、江戸時代の日本で一般市民の間にあった、富士山に対する深い信仰があると言われています。
戦争の無い平和な時代、ツアーを組んで富士山に参拝する「富士講」(ふじこう)が盛んに行われ、富士山が描かれている土産物は人気を集めたのです。
また、今週末には大阪でも下見会が開催されます。
ジュエリー&ウォッチ(全商品)、近代美術(全作品)、さらに近代陶芸の一部作品もご覧頂くことができます。
詳細スケジュールはこちら
9月は今日からPARTⅡ下見会が始まるのを皮切りに、次々と下見会がスタートいたします。
また10月17日には西洋美術・ワインのオークションも開催されます。
皆様のお運びをお待ちいたしております。
(井上素子)