2009 ASYAAF / Asian Students and Young Artists Art Festival


2009 ASYAAF / Asian Students and Young Artists Art Festival』
〈2009アジアフ(アジア美大生・青年作家 アート・フェスティバル)〉
 

展示概要
会期:1部-7月29日~8月10日
    2部-8月12日~8月23日
会場:(旧)国軍義務司令部(Seoul, Jongno-ku)


 涼しい風が服の裾にさらさらと入り込み、やっと気持ち良く過ごせる季節が参りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
シンワは、いよいよ今週から始まる下見会やオークションの準備などで会社中がばたばたしているところです。

 9月には、先週のアート台北を始め、今週からは上海アートフェア、上海SHコンテンポラリー、また18日からの韓国国際アートフェア(KIAF)など、アジアの国々から各国を代表するアート・フェアが次々と開かれます。シンワは、このような世界の最新アート情報を皆様により早くお伝えできますようにこれからも頑張りますね。

 さて、本日は、この夏に韓国のソウルで行われました、「アジアフ」という、また新しいアート・イベントをご紹介いたします。


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〈アジアフの入口風景〉

 「アジアフ」とは、韓国の文化体育観光部(日本の文部省)と朝鮮日報が共同主催する新しいタイプのアート・フェスティバルのことで、今年は第2回目を迎えました。
 題名の通り、アジアの美大生と30歳以下の青年作家、つまり、プロとしての活躍を目指している若手作家を対象にする「アジアフ」は、参加された作家のプロフィールなどを紹介しながら、アート・フェアのようにすべての作品の販売にも力を注いでいます。そして、作品売上げの全額を作家にそのまま渡すという形をとり、まだアマチュアである美大生たちにプロ作家としての生き方を教えている印象でした。
それでいて、いろいろな国の若い作家たちが、フェスティバルのような感覚で楽しく展示をしている様子からは、このイベントが「アート・フェア」ではなく「アート・フェスティバル」と名付けられた理由がよく伝わってきます。

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〈日本館の風景:メディアから取材されている日本作家の姿〉


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〈中国館の風景〉

 「2009アジアフ」への参加応募者は、昨年より1,000人も増えた3,168名で、その中から777名の作家が選ばれたそうです。その分布をみてみると、韓国内の大学から74ヶ所、海外の大学からは36ヶ所、計110ヶ所の大学からの参加となりました。

 また、1部・2部に分けられた24日間の展示の結果も見事ですが、約5万2,000人の来場客、そして全展示品約2,500点中、1,024点の売上という結果は、参加した若手作家たちの心をわくわくさせるのに十分な数字だと思われます。
また、参加した作家の立場から考えてみると、美術界に自分のアートを見せることができたことや、日本と中国など、アジアの6ヶ国の作家との競争の経験からは、その後も国際舞台へ堂々と羽ばたいて行けそうなアーティストとしての自信を持つことができたはずです。
 
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 歴史的な意味を持つ撤去予定の建物を会場にして、毎年その場所を移していく「アジアフ」は、アーティストを夢見る現在の若者たちに、芸術への熱い思いをそのまま持ちながら、経済的な面までうまく解決していける一つの方法を提案した、新しいコンセプトのアート・イベントになると思われます。


(執筆:W)