秋を彩るアートフェア、各地で開催中!


皆様こんにちは。アートを鑑賞するのに最適な季節がやってきましたね。
先日のブログでもお伝えしましたが、8月末から今月にかけ、アジア各地でアートフェアが開催されています。今回はそのうち、台北と上海のアートフェア情報をお伝えいたします。
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まずは8月28日から9月1日まで、「ART TAIPEI2009」(台北国際芸術博覧会)が開催されました。このアートフェアは1992年より開催されており、今回は16回目というアジアのアートフェアでは最も歴史があり、最大規模、かつ台北唯一のアートフェアとして知られています。

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昨年の招待国であった日本に変わり、今年は東南アジアが迎えられ、アジアを中心とした世界各地から78のギャラリーと16のメディア等が参加しており、日本からは14のギャラリーが参加。日本人アーティストでは、名和晃平、宮島達男、海老原靖、山口晃、森村泰昌、澤田知子、北川宏人、小林浩、山本麻友香、櫻井りえこ等、シンワのオークションでも人気の高い作家の作品が展示されていました。

また、
年度主題特区として「美学と環境」(ART & ENVIRONMENT―HUMAN AS ART)という国内外の作家によるテーマ展、
新人推薦特区として台湾の新人作家8人それぞれを紹介するブース、
台湾、中国、韓国、日本の作家によるメディアアートのショーケース型企画展、「日常事変」(LIVE BY PLAY)
といった特設コーナーが設けられていた他、
アートレクチャーやアートフィルムの上映が随時行われており、大変興味深い内容が満載のアートフェアとなっていました。
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カタログやテーマごとのパンフレットをはじめ、台北市内のギャラリーマップや比較的購入しやすい価格帯の作品を集めたパンフレットなどもあり、その資料の充実ぶりにも驚かされました。
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昨年は過去の記録を塗り替えるほどの大成功に幕を閉じたものの、8月上旬に台湾南部を襲った台風の影響や不景気の煽りを受け、不安の声もあったそうです。しかし、現在のところ最終的な結果は集計中とはいえ、比較的良い結果であろうと予想されています。また、台湾は熱心なコレクターが比較的多い都市であるといわれていますが、特にここ数年、日本のアートへの関心が高まっており、今回のアートフェアにおいても上述したアーティストをはじめ、日本人作家に関心を示すコレクターは多く、取引も活発であったとのことです。

ART TAIPEI2009 台北国際芸術博覧会
会期:2009年8月28日~9月1日
会場:台北世界貿易中心
http://www.art-taipei.com/(中国語・英語のみ)

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続いて上海では、今月9日から「上海芸術博覧会」がはじまりました(~13日まで)。このアートフェアは1997年に開始され、政府の支援の下、今回13回目を迎えるという歴史あるイベントです。通算で40以上の国と地域のギャラリーが出展しており、世界各国のアートはもちろん、中国の陶磁器や書画、美大生の作品など、幅広いジャンルのアートを楽しむことができます。今回は中国を中心に、10カ国120ものギャラリーのブースの他、中国で活躍中の作家や若手作家を紹介するコーナー、軍隊の芸術家による作品展、近現代の陶磁器を紹介するコーナー、美術学院等学術的な団体からの出展ブースなど、建物の3フロアが使用され、ボリュームのある展覧会となっています。
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また、先月、上海美術館ではサルバドール・ダリの没後20年を記念して中国最大規模の展覧会が開催されていたのですが、それに引き続き、こちらのアートフェアにおいても特設コーナーが設けられ、彫刻と版画を中心とした作品が展示されていました。中には公開されるのが50年ぶりという作品や巨大な絵画もあり、貴重な作品を堪能することができます。


初日から多くの人でにぎわっているとのことでしたが、平日の夕方の時点でも中国の近現代の陶磁器を扱ったフロアは比較的人が多く、中国における陶磁器への根強い人気を実感しました。
全体的に中国のアート尽くしといった印象で、日本のアーティストはもちろん、他の国のアーティストの紹介はそれほど多くはなく、欧米人の姿もたまに見かける程度。会場内で飛び交う声も中国語ばかり。世界各地でアートフェアが開催されている中、中国のアートにどっぷり浸かることができるこのアートフェアは、上海ならではの空気を感じることができ、同時期に開催中のコンテンポラリーアート専門のアートフェア、「SH Contemporary」と良い意味で差別化ができているといえるのかもしれません。


上海芸術博覧会
会期:2009年9月9日~13日
会場:上海世貿商城
http://www.cnarts.net/sartfair/2009/(中国語・英語のみ)

上述したSH Contemporaryの詳細は、日を改めてレポートいたします。他にも、この時期に合わせて上海の各所でアートイベントが催されていますので、その様子も順次お伝えしていきますのでお楽しみに!
(執筆:M)