「ベルギー幻想美術館 クノップフからデルヴォー、マグリットまで」展


 今月は、秋の展覧会シーズンが始まる月です。
 
 35万人超の人を集めた越後妻有アートトリエンナーレも9月13日で閉幕し、23日にはゴーギャン展も閉幕。
 院展は東京での展示を終えて、今は京都を巡回しています。

 夏から秋へと、展覧会も衣がえですね。


 さて今日はこの秋にシンワアートオークションのお客様にお勧めしたい、主な展覧会をご紹介しましょう。

・9月3日~Bunkamuraザ・ミュージアム
 「ベルギー幻想美術館 クノップフからデルヴォー、マグリットまで」

・9月12日~損保ジャパン東郷青児美術館
 「ベルギー近代絵画のあゆみ」

・9月12日~世田谷美術館
 「オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー」

・9月16日~高島屋アートギャラリー
 「クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」

・9月19日~国立西洋美術館
 「古代ローマ帝国の遺産 栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ」

・9月25日~国立新美術館
 「ウィーン美術史美術館所蔵THE ハプスブルク」

・10月1日~山種美術館
 「速水御舟展 日本画への挑戦—」

 こうして見てみると、“ウィーン”と冠した展覧会が多いですね。

 それは、今年が日本とオーストリアの国交開始から140周年にあたり、「日本オーストリア交流年2009」の関連イベントとして企画されている展覧会が多いからなのです。
 今年は、国内でクリムトの油彩画が見られる数少ないチャンスと言えるでしょう。


 また、山種美術館は10月に広尾に移転して、新しい美術館に生まれ変わります。

 恵比寿から徒歩10分の場所になり、新しいカフェ「椿」では、展覧会に因んだスイーツ「散椿」(速水御舟《名樹散椿》より)をイタリア・カッシーナ製のテーブルで頂くことができるそうです。これは楽しみですね!!


 この秋にもう一つ目に付くのは、「ベルギー幻想派」に因んだ展覧会です。

 現在、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されている「ベルギー幻想美術館 クノップフからデルヴォー、マグリットまで」では、ウォーホルが旧蔵していたマグリットの絵画《幕の宮殿》や、ベルギーのシュルレアリスムを主導したポール・デルヴォーの大作も見ることが出来ます。

※展示期間終了につき、画像掲載を終了いたしました。

フェルナン・クノップフ
《ヴェネツィアの思い出》1901年頃
パステル、鉛筆・紙
姫路市立美術館蔵

※展示期間終了につき、画像掲載を終了いたしました。

レオン・フレデリック
《春の寓意》1924-25年
油彩・画布
姫路市立美術館蔵


 他にも、エミール・ファブリという作家の《夜》という作品は、これまでに見たことのない不思議な作風の絵画なのに、どことなく日本のコンテンポラリーアートの最先端にある“日常”や“不安”の表現に共通するものを感じました。

「ベルギー幻想美術館 クノップフからデルヴォー、マグリットまで」
会 期  :2009年9月3日(木)-10月25日(日) 開催期間中無休
開館時間 :10:00-19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日21:00まで(入館は20:30まで)
会 場   Bunkamuraザ・ミュージアム


(井上素子)