いよいよ昨日から、近代陶芸と、近代美術PartII、そして中川一政コレクションのオークション下見会が始まりました。
近代陶芸オークションに出品されている中から、美しい磁器作品2点をご紹介いたします。
まず1点目は、楠部彌弌の「彩埏告春香爐」(Lot.74)です。彩埏(さいえん)とは、彌弌が生み出した独自の釉下彩磁技法で、本作品も何ともいえない彩りとやわらかい輪郭線が彌弌らしい特徴を宿した作品といえます。
2点目は、板谷波山の「桃香合」(Lot.75)です。薄いヴェールを被せたように、華やかな輝きが包み込まれたおくゆかしい発色が美しい彩磁の名品です。アール・ヌーヴォーの研究に熱心に取り組んだという波山ですが、この作品にも、アール・ヌーヴォーを取り入れながら自己の表現に昇華させた波山独自の造形性を窺うことができます。
また、中川一政コレクションでは、近代洋画の巨匠・中川一政が収集した、掛軸を中心とした陶器、硯などが五十数点出品されています。中川一政の趣向に想いを巡らすことのできる展示となっています。
そして、来週4月1日(水)からは、コンテンポラリーアートの下見会も始まります。4月4日(土)にシンワアートミュージアムで開催するコンテンポラリーアートオークションと、5月15日に香港で開催するアジアン・オークション・ウィークの出品作品160余点が展示されます。
4月のコンテンポラリーアートオークションの出品作品は、以下のサイトよりオンラインカタログでご覧いただけます。
<オンラインカタログ>
来週は、有楽町の国際フォーラムで開催されるアートフェア東京を中心に、アートのイベントも盛りだくさんな一週間になります。
すっかり春めいて、数寄屋橋交差点の桜も七分咲き、銀座の並木も花開いてきました。
やわらかい春の日差しの中、銀ぶらついでに下見会場にも足をお運びいただけたら幸いです。
社員一同、お待ち申し上げております。
(執筆者:K)