日本画家たちの「版画」



こんにちは。
今週の24日(土)は近代美術PartⅡオークションを開催いたします。
近代美術オークションは628日の開催予定ですので、いつもご参加いただいている皆様はお間違えありませんように。
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さて、今日は今週の出品作品の中から日本画家たちのオリジナル版画をご紹介します。
これらは、画家たちが版画工房と協力し、岩絵具による本画をもとに版を作り、刷ったものです。
同じ図柄が複数点作られる版画は、たった1点しかない本画と異なり、価格がお手頃なので、「初めて美術品を買う」という方や「部屋の模様替えを気軽に楽しみたい」という方におすすめです。
また、「美術館に所蔵されている名品(と同じ図柄)を自宅で楽しめる」ことも、版画ならではの利点です。
近代美術PartⅡには毎回たくさんの版画が出品されますので、お目当ての作品がきっと見つかると思いますよ。


522 杉山 寧 (1909-1993) 
《舞》
画面43.3×55.7cm(額装62.5×74.9cm)
左下余白にEd.17/235、右下余白にサイン・印
エスティメイト  ¥100,000~200,000

【 オークション終了につき、画像は削除させていただきました 】

杉山のリトグラフです。
完全主義者として知られる杉山は、版画制作に
も並々ならぬこだわりを持っていたそうです。
版画のための下絵を描き、刷りと色校正を数十回
にわたって繰り返したため、一点を完成させるのに半年以上かかったとか。本画と同じように真摯な制作姿勢で版画に取り組んでいたことがわかります。


529 加山 又造 (1927-2004)
《微風》
シート 43.0×57.5cm(額装59.3×72.8cm)
Ed.PP
『加山又造全版画集』№.154(阿部出版)
エスティメイト ¥800,000~1200,000

【 オークション終了につき、画像は削除させていただきました 】

日本画制作だけでなく、様々なジャンルで活動した
加山は、生涯たくさんの銅版画やリトグラフを制作し
ました。下絵から版作りまで自ら手掛けたそうなので、よほど制作を楽しんでいたのでしょう。
この木版画は、亡くなる前年に制作した最後の版画作品です。1994年に制作された同じ画題の作品(天童市美術館寄託)が原画となっています。


530 東山 魁夷 (1908-1999)
《山嶺湧雲》
画面114.7×154.8cm(額装146.7×187.0cm)
左下余白にEd.PP、右下余白に印
『東山魁夷版画集』№.265
(RADIO HOUSE ART PUBLISHING)
エスティメイト ¥1,000,000~1,500,000

【 オークション終了につき、画像は削除させていただきました 】

 東山魁夷の版画は、このジャンルの中でも特に
高額で取引されています。東山の人気の高さが
うかがえますね。
このリトグラフは横154cmを超える大作で、迫力は十分。長野~岐阜の奥穂高岳に取材したものだそうで、1977年に制作された同画題の作品が原画となっています。

今回は日本画の五山と呼ばれる画家たちの作品をご紹介しましたが、オークションには5万円以下で購入できる作品や洋画家、外国作家たちの作品など、様々な版画が出品されます。
「今まで版画には注目してなかった」という方も、ぜひ会場でご覧になってみてください。
皆様のお越しを心よりお待ちしています。

(佐藤)