上海アートスポット:莫干山路50号


皆さん、こんにちは。本日は上海からブログをお届けしています。
来年の万博に向けて何かと話題にあがる上海ですが、世界から注目を集めている今だからこそお伝えできることがあるはず、という思いから、上海からもアート情報を発信することにいたしました。

先週は皆既日食のツアーで上海に訪れた方も多かったようですが、あいにく天気が優れず、市内では太陽が見られないまま終わってしまいました。それでも、だんだん空が暗くなったかと思うと、あっという間に暗闇が訪れ、またしばらくすると明るくなっていく、という体験は初めてで、厚い雲の向こうで起こっていることを想像するだけでも神秘的でした。

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さて、上海ではあちこちに美術館やギャラリー、アート関連のショップが点在しており、ぶらぶら街を歩いているだけでも気軽にアートに触れることができます。
中でも、上海のアートスポットとして最も名の知られた場所といえば、莫干山路50号(Mo gan shan lu:モーガンシャンルー)、通称M50があげられます。
ここは上海市内を蛇行する蘇州河沿いにある紡績工場の跡地を利用したアートスポットで、国内外のギャラリーやアーティストのアトリエが集っています。




オフィシャルサイトによると、1930年代から時代に応じて建てられてきた工場跡地の総面積4万1000平方メートルを利用し、中国各地はもちろん、イギリス、フランス、イタリア、スイス、イスラエルといった世界各国のギャラリーやアーティストのアトリエ、デザイン、建築、映像制作等の事務所、書籍や雑貨を扱うショップ、カフェなどが130軒以上、軒を連ねています。
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それぞれの建物は、建築年代によるのか、建築様式から老朽化の進み具合まで、まったく統一感はなく、一体どこから何を見たらよいのか路頭に迷いそうになるのですが、その混沌とした雰囲気が上海を象徴しているようであり、訪れる度に新しい発見があります。

思い切って廃墟のような建物の合間を進んでみると、アーティストがキャンバスを地面において作品を制作している場面に遭遇。思いがけず直接話をすることができ、また足を運びたいという気持ちが掻きたてられます。

以前、シンワアートミュージアムにて開催された「Art Now in China 2008」展に関する記事でも紹介した薛松(Xue Song)や周鉄海(Zhou Tiehai)、陳墻(Chen Qiang)などもこの地から世界へと飛び立った作家で、彼らのアトリエもここにあります。
※参考http://shinwaart.blog43.fc2.com/blog-entry-74.html

夏休みを利用して上海への旅行を考えていらっしゃる方もいらっしゃるかと思いますが、M50 は空調設備がしっかりとしていない場所も多く、連日最高気温が40度近いこの時期の訪問は体力を要するのでお気をつけてくださいね。(執筆:M)

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莫干山路50号
http://www.m50.com.cn/