上海アートスポット:紅坊国際文化芸術社区


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上海万博まであと約1ヶ月。相変わらず街のあちらこちらで開発や工事が続く中、空港の新しいターミナルのオープンや、新しい地下鉄の開通などインフラが整いつつあり、万博に向けて急ピッチで準備が進められているのを感じます。万博に合わせて上海へ、という方のためにも、今回は上海のアートスポット、紅坊国際文化芸術社区(通称紅坊、レッドタウン)をご紹介いたします。


紅坊は1950年代に造られた製鉄工場を利用したアートスポットです。46,000㎡の広々とした敷地内の中央には15,000㎡もの緑地が広がり、数々の野外彫刻が展示されています。そして緑地を囲むようにして、ギャラリーやアトリエ、美術館、カフェ、企業のオフィス等の建物が並んでいます。

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紅坊の中心を担う施設として、レンガ造りの建築を利用した「上海城市彫塑芸術中心」があります。展覧会用の広々とした空間と中小のオフィスやギャラリー、ブックショップ、絵画教室等が入居する棟で成り立っており、館内には立体作品が所狭しと展示されています。展覧会用の空間は、仕切りのない一つの空間でありながら、左右にある緩やかなスロープを昇ると2階へ、中央の階段を下がると半地下という構成になっており、スケールの大きな展示を体感することができます。
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オフィスが入居する館内のあちらこちらに彫刻作品が。

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アート関連の本屋や絵画教室が並ぶ


また2009年に民生現代美術館がオープンしました。これは民生銀行が創設した現代美術館で、アーティストの周鉄海が副館長を務めています。昨年夏に行われたオープニングの展覧会「熱身 WARM UP!」では、中国を中心としたアジアのアーティストの作品が展示されており、日本人アーティストでは金氏徹平やオノデラユキ、アキルミの作品が紹介されていました。その他、今月21日まで「未来総動員 英国文化協会当代芸術珍蔵展」と題して、イギリスのターナー賞受賞作家12名とノミネート経験者21名の展覧会が開催されており、ダミアン・ハーストやグレイソン・ペリー、ヴォルフガンフ・ティルマンス等イギリスを代表するコンテンポラリーアーティストの作品が紹介されていました。

その他、敷地内には独立した建築物のギャラリーも多数見られます。各スペースで美術や彫刻、デザイン関係の展覧会が開催されている他、文化、芸術関係のイベントなども随時開催されています。

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また以前ご紹介した上海のアートスポット、莫干山路50号とは対照的に、紅坊は中心地にほど近い場所に位置している上、古い工場と新しい建築物をうまく融合させてアートを中心とした一つの街を作り上げているといった印象で、初めて訪れる方にもわかりやすいのが特徴です。地下鉄の駅も比較的近く、さらに近々新しい路線も開通する予定とのことですが、現時点では観光地化されているというわけでもなく、静かでゆったりとした雰囲気が漂っています。万博の開催に合わせて各種展覧会やイベントも開催されるようなので、これからの発展が期待されるアートスポットといえるでしょう。


紅坊国際文化芸術社区
http://www.redtown570.com