アートフェア東京2009に行ってきました


 土曜日のコンテンポラリーアートオークションにご来場いただいたみなさま、どうもありがとうございました。様々な国からお越しのお客様にご参加いただき、活気あるオークションとなりました。

 先日のブログでもお話しましたが、先週の東京はアートイベントが盛りだくさんでした。夜や土日は混雑している会場も多かったようです。もしかしたらみなさんとどこかですれ違っていたかもしれませんね。本日は、4/3(金)~4/5(日)まで東京国際フォーラムで開催されたアートフェア東京のレポートです。

 4回目となる今年は、過去最大規模の140以上のギャラリーが出展。古美術からコンテンポラリーアートまでが一堂に会した東京国際フォーラムの会場に加えて、今年から、国際フォーラム隣のTOKIAが第2会場として設定されました。TOKIAの方では、設立5年以内の若手ギャラリーが展示を行いました。一度にこんなにたくさんのギャラリーを見られるなんて、なかなかない機会ですよね。

 広いホールに100以上のブースがひしめく国際フォーラムの会場は、コンテンポラリー系のギャラリーが目立ちます。
当社のオークションでおなじみの作家の作品もそこかしこに。


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加藤 泉
無題、2008
木、油彩、アクリル、石
114 x 98 x 33cm

撮影:渡邉郁弘
courtesy of ARATANIURANO

加藤泉は、2007年のヴェネチア・ビエンナーレで展示したアーティストで、ギャラリーの個展ではすぐ作品が売切れてしまうとか。シンワの4月4日のオークションには水彩作品が出品されました。


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塩田千春
“ZUSTAND DES SEINS(存在の状態)- 子供服” 2008
鉄枠、糸、衣服、アクリル絵具
h.60 x 30 x 30cm

photo : Tetsuo Ito
courtesy of KENJI TAKI GALLERY

塩田千春は、ドイツで勉強し活動を続けてきたアーティストです。初期の代表的な映像作品が5月15日に香港で開催するコンテンポラリーアートオークション、Asian Auction Week in Hong Kongに出品される予定です。

 コンテンポラリー系は、新作はもちろん、自分が知らなかった作家の作品に出会えたりしていつも刺激になります。運が良ければ、作家さんご本人とお話しできたりしてしまうのも楽しいですね。私が訪れたときは、ちょうどブースにいらっしゃった秋山祐徳太子さんが作品のお話をしてくださり、ロッカクアヤコさんのライブペインティングも見られました。

 また、近代美術、陶芸、古美術系は、展示のすばらしさが目をひきました。
川瀬忍の青磁と高松次郎の油彩、鈴木治の陶芸と山口長男の油彩など、ジャンルや時代の異なる作品を組み合わせて、様々な年代層のお客様にアプローチされていたようです。畳を敷いたり、引き戸の入口を設けたりと、作品やお店の雰囲気に合ったブースづくりをされていたのも印象的でした。

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川瀬 忍
“青磁花入” 2007
陶磁器
22.8 x 18.4 x 17.3cm

(c)2008 Shinobu Kawase/Ginza-Kuroda touen Co., Ltd. All Rights Reserved.




個人的には、「こんな名品をアートフェアで見られるなんて!」という出会いを毎回期待してしまいますが、今年はデ・キリコや伊藤若冲の作品が見られました。

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伊藤若冲
“兜に鷹図”
江戸時代(19c)
紙本 水墨
96×28cm(本紙寸法)
181×40cm(全体寸法)

加島美術


 

 
 アートフェア東京の魅力的なところは、様々なジャンルのギャラリーが出展しているので、コンテンポラリーアートを好きな人が、陶芸作品を購入したり、逆に、古美術通のお客様がコンテンポラリーアートに興味を持ったりするところかもしれませんね。
最近は、アートフェア東京のほかにも日本で開催されるアートフェアが少しずつ増えて、だんだん一般的になってきたような気がします。アートを生活の中に取り入れることが、いろいろなジャンルを超えて広い世代にもっと浸透していったらいいですね。


(執筆:K&S)