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オークションの舞台裏 -アンダービッダー-

先週の近代美術/近代美術PartⅡオークションにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
過去3回にわたりこのブログでオークショニアの仕事を紹介してまいりましたが、今回はその後ろに影のように控えてオークショニアを支えている「アンダービッダー」の仕事についてご紹介をしたいと思います。

弊社のオークションに参加されたことのあるお客様ならば必ず目にしたことのあるはずのこの人物、オークショニアの後ろでカタログ片手に何やら書き込み、ときどきオークショニアにささやきかけたりして、一体何をしているのだろうと不思議に思った方もいらっしゃるかもしれません。
しかしてその正体は、オークション最中ではもしかするとオークショニア以上に集中力を必要とするかもしれない、重要な任務を帯びた“アンダービッダー”と呼ばれる役割なのです。

この役割の基本的な仕事はというと、まずはオークショニアのサポート。オークショニアが連呼する金額が正しく競り上がっているか、読み上げたパドル番号が間違っていないかなどオークショニアの後ろで同じように金額を追いながら、いざというときに備えてくれています。時には競っている最中にお客様から質問などが入り、今いくらで競っているかすぐに出てこなくなってしまったときなど、後ろからボソッと「15万円」などとさりげなく教えてくれたりします。また、オークショニアから見えにくいビッドや、見ていないところから新たなビッドなどが出たときには、アンダービッダーがキチンとそれを見ておりオークショニアに教えてくれ、さらにさらに、ハンマーの後オークショニアが落札金額や落札者のパドル番号を書き込んだ台帳のチェックもしてくれるという、我々オークショニアにとっては大変ありがたい存在なのです。
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オークショニアの後ろでビッダーを控えています。

 そしてもうひとつの重要な仕事として必ず行っているのが、その名の通り“アンダービッダー”を取る作業です。パドル番号何番のお客様がいくらまで競っていたか、後から確認が取れるように記録を取っているのです。
私もオークショニアを務める前にはこの“アンダービッダー”をやっておりましたが、このビッダーを記録する作業が非常に大変であったのをよく覚えています。1つのロットを競っている数十秒の間に、できる限りビッドしている方のパドル番号とその時の金額を手元のカタログに書き込み、また同時にオークションニアのサポートもこなさなければならず、慣れるまでは集中力を維持するのが精一杯。人気のある作品でたくさんビッドがあった時など、書き込んだカタログは何が書いてあるのか自分でもわからないような殴り書きで、オークションが終わったころにはヘトヘトになっていました。

そうしてオークションが終わった後にもアンダービッダーにはまだ仕事があります。オークション最中に入力されたデータと、オークショニアが台帳に記録した落札金額と落札者のパドル番号、それにアンダービッダーの手元の記録がすべて一致しているかを1点ずつ照らし合わせていくのです。オークションの落札結果を発表するにあたり間違いがあってはならず、かつ出来るだけ早く皆様にお知らせできるよう、オークション終了直後にこの作業は行われます。
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アンダービッダーが記入したカタログ。

その他にも、オークションの最中にオークショニアと会場内の他のスタッフとの連絡をしてくれたり、モニターが間違っていないかチェックしてくれたり、訂正事項を教えてくれたり、水を注いでくれたり、オークショニアが競りに集中できるよう様々な気配りをしてくれています。さりげないようでいて、とても頼りになる存在なのです。

オークションでは全てのスタッフが様々な役割をこなしています。今後もご来場の際に皆様がオークションをより一層お楽しみいただけるよう、それらの仕事をご紹介していきたいと思っております。

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