新年明けましておめでとうございます。
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さて、お正月。一年のうちで一番華やかで、伝統文化を身近に感じる季節です。正月飾り、正月料理、そして羽子板、福笑いなどの正月遊び。旧年が無事に終わったことを喜び、新年が明けたことを祝う。隅から隅まで祝福気分を表現するために昔の人々は、語呂合わせを用いて縁起を担ぎました。
たとえばおせち料理なら、昆布巻きは「喜ぶ」の「こぶ」から。また「子生婦」の当て字も使い子宝に恵まれるという意味も持たせています。他にも同じ子宝という縁起の意味では、ニシン(二親)の子、数の子などもあります。そのほか、「めでたい」から大黒様の持っている鯛の塩焼き。「まめに働く」ようにと黒豆。そして鏡餅の上に飾るだいだいには、「代々」子孫が繋がるという意味が含まれています。この鏡餅は、一月十一日または二十日の鏡開きまで飾られ、お汁粉やお雑煮などにして食されます。今年一年の無病息災を願い、お正月は終わるのです。鏡開きが二種類あるのは、松飾やしめ飾りが飾られている「松の内」という期間が地方によって変わるためです。松の内は大きく分けて七日か十五日に分かれています。関西方面では十五日が多いようです。ではこの七日に何をするかというと、正月飾りを外し、七草粥をいただきます。鏡開きと同じように、無病息災を願って食べられます。最近では、スーパーなどでも「七草セット」が売られていますね。お正月に関するグッズも年々増えて、年々現在の暮らしにあったものになっているように思います。鏡餅もプラスティックで作られていたり、しめ飾りも100円ショップで売られていたりと値段の幅も相当なものです。
松飾りといえば、私の地元では変わった言い伝えがあり、門松を立てない風習があります。小学校に上がると習うのですが、「郷土かるた」というものをまず覚え、市の歴史、風習を学びます。そこで「松を立てない正月飾り」という「ま」の句が出てきます。そしてその句の意味は「まつはきらい」という絵本でさらに補足されています。
内容を簡単に説明しますと、市の中心地にある大国魂神社にまつわる言い伝えです。
むかし、大国魂神社の明神様が八幡さまに誘われ、武蔵野の地を散歩しました。そのうち日が暮れて暗くなり、疲れた明神さまは座りこんでしまいました。八幡さまは泊めてくれる家を探してくると言って、東の方へ出かけていきました。そして良い宿を見つけたのですが、あまりにも居心地がよかったので明神さまを呼びには行かずそこに居座ってしまいました。そしてずっと待たされた明神さまは「待つのは、辛いなあ」と呟き、「待つは嫌い、まつはきらい」と独り言を言い続けました。ここでまた掛詞です。「待つ」と「松」を掛け、それ以来市内では松を植えてはいけない、といわれるようになったそうです。そして門松代わりに門竹が飾られました。今では門松を立てる家や企業も増えてきてはいますが、やはり神社周辺では少ないように思います。
茶席でも掛け言葉ではないにしろ見立ての美で松竹梅を取りそろえる事もあります。
梅の絵の軸に竹の茶杓、松をあしらった釜。更に釜の煮立つ音は松林をすり抜ける風のようだとして「松風」と呼ばれています。
伝統を身近に感じる絶好の季節です。残る鏡開きまで行ってみると、一年を気持ちよく迎えられる準備が整うかもしれません!
ぜひ「お正月」を最後まで十分に堪能してみてください。
執筆者:E
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