本日よりシンワアートミュージアムにてJEWELLERY&WATCHES、中川一政コレクション、近代美術の、オークション下見会がスタートしました。
SAM地下1F
<中川一政の書>
一政のパワフルな筆遣いの書で埋め尽くされた一角。
現在、歌手の長渕剛さんが火付け役となって、若者の間でも書を楽しむ方が増えていると言いますよね。
「技巧を用いず心で書け」と語ったという一政の書には、若い年齢層の方でも読みやすく、親しみやすい作品も多く並びます。
<日本画>
日本画の軸のコーナーには、奥田元宋の《水仙》(Lot11 落札予想価格30万円~50万円)がひときわ凛とした風情を湛えます。
白い水仙は初春から花をつけるので、冬の季語ですが、本作品で描かれている黄水仙は3月頃の開花で、春の季語。ちょうど今の季節のお花です。
本作品で花瓶に活けられた黄水仙は、台が描かれていません。無背景の中を浮遊し、超現実的な雰囲気を漂わせています。
このような精神性の高い静物画からの学習は、やがて元宋の「胸中山水」と呼ばれる格調高い風景画を生み出していく糧となっていくのです。
<洋画>
1月のオークションで人気を博した長谷川利行作品。
今回も、数々の展覧会に出品された名品が並びます。
戦前、《靉光像》などで利行が脚光を浴びていた時期に二科展に出品した《子供》(Lot61 落札予想価格500万円~700万円)や、稀にみる力強い大作の《裸婦》(Lot62 落札予想価格800万円~1200万円)は、他と一線を画する優れた肖像画と言えます。
今年は利行が亡くなってから70年の年に当たります。
現在利行の作品が展示されているSAMから歩いて五分程の場所にあるカフェ・パウリスタで、利行はよく日銭を稼ぐために作品を描いていました。
生前は経済的に恵まれず、「日本のゴッホ」とも異称された画家ですが、さて没後70年を経た今回のオークションではどのような評価が下されるのでしょうか・・・。
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※1月の近代美術オークションにお越しになったお客様はご存知の通り、1928-1929年に描かれた《カフェ・パウリスタ》は、1月に当社のオークションに出品され、520万円で落札されました。
(井上素子)