日本・韓国 戦後現代美術展


 こんにちは。
すっかり秋らしくなってきましたね。
銀座を歩く人たちのファッションも、有明から見える海の色も少しずつ変わってきたような気がします。

 さて、銀座のシンワアートミュージアムでは、今週から「日本・韓国 戦後現代美術展」を開催しています。
この展覧会は、日本と韓国の戦後現代美術を代表する作家たち、17人の作品をご紹介するものです。

【出品作家】
日本:山口長男、斎藤義重、オノサト・トシノブ、菅井汲、白髪一雄、山田正亮、
    工藤哲巳、三木富雄、河原温、難波田龍起
韓国:李禹煥、金煥基、金昌烈、鄭相和、朴栖甫、河鐘賢、尹亨根

 “Post-War”の作品が好きな方にはたまらない豪華なラインナップですよね!
しかも、それぞれの作家の代表作と言っても、決して過言ではないレベルの作品が一堂に会しました。
今日は少しだけ会場の展示風景をご紹介します。


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 エントランスを入ると、白髪一雄の《天微星九絞龍》(1963年作)がお出迎え。
横270cmを超える大作です。
白髪は、天井から吊り下げたロープにつかまり、床に広げたキャンバスの上を素足で滑走して描くフット・ペインティングで知られる作家です。自らの肉体を介在させて描くことで、作品には白髪の気迫と情念が溢れんばかりに込められています。

 通りを歩く人たちの中には、この作品に吸い寄せられるようにミュージアムに入って来られる方も。
撮影者(私です)の腕があまりよくないので、画像では伝わりづらくなってしまいましたが、実際の作品が放つパワーは圧巻です!
ぜひ会場で本物をご覧ください。


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 こちらは韓国を代表する二人の作品です。
向かって左が、金昌烈《水滴》(1976年作)、右が李禹煥《From winds》(1986年作)です。2点とも縦220cmを超える大作ですが、この時期の作品でこれだけのサイズのものは、なかなか観ることができないのではないでしょうか。


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 もちろん李禹煥の《From point》や《From line》など、各シリーズを展示しています。


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 李禹煥、オノサト・トシノブ、金煥基です。
こうして観ているとやはり近い国なんだなあと思えますね。
東アジア共通の何かがあるのかもしれません。


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 そしてこの奥は・・・、「ロスコルーム」ならぬ「山口ルーム」です。
戦前から晩年まで、各時代の山口長男の作品が並んでいます。
焼失して幻となってしまった「白い絵画」シリーズのうち、焼け残った1点も出品されています。
とっても豊かで贅沢な空間ですよ。
山口については次回、また詳しくご紹介します!


展覧会の詳細はこちら

みなさまのご来場を心よりお待ちしています。

(執筆:S)