あの天野喜孝がコンテンポラリーに出品!


 ファイナル・ファンタジーやドラゴンクエストの音楽が、ふとTVから流れ始めると、背筋がゾゾッとするというか、条件反射的に心が躍るのは、ゲーム世代の私たちに共通する感覚ではないでしょうか。少年・少女時代にテレビの前に座り込み、夢中になった思い出が、あの音楽と共に蘇る・・・そんな感覚を、この世代は共有しているはずです。

 そんな思いから、ゲームを作りたい、漫画家になりたい、と思った子どもは多かったでしょう。彼らは皆、「ドラクエの鳥山明」や、「FFの天野喜孝」に憧れたのです。その天野喜孝の作品が、今回のコンテンポラリーアートオークションに出品されます!なんてワクワクする出来事でしょうか。

amano
天野喜孝 《作品》
51.0×38.6cm
落札予想価格 HK$45,000.~65,000.

 軸装に仕立てられた墨画は、天野に対してFFのイメージを持つ私には新鮮に映りました。これは、天野が若い頃タツノコ・プロで人気アニメーション「ガッチャマン」のキャラクターデザインをしていた時に創造されたイメージを、後に描いた作品です。今や天野は、国内はもちろん、ヨーロッパをはじめ世界中で展覧会が開催されるほどの人気作家です。

 ヨーロッパでの人気の一因は、美術品コレクターである富裕層の子弟が日本アニメ世代になりつつあることもあると言われています。本作品は紙を素地として墨で描かれており、そこには日本文化の長い伝統の中で培われたストイックな黒の魅力が漂います。

 日本発のゲームが世界を席巻していることはよく知られていますが、数多あるゲームのデザイナーの中でも天野のような独特の世界観を確立し、言葉の無い世界にめくるめく幻想風景を創出することができる才能は稀でしょう。彼はプロダクションから独立して以後、エロス、エキゾチシズム、ファンタジーを組み合わせた美しいイメージを次々に発表しました。天野の洗練された描線と、ファンタジックな世界観を持つ作品は、日本が世界に誇る”Cool Japan”の、一つのアイコンと言えます。

 御紹介した作品は、水曜日から当社にて実物をご覧頂くことができます。ぜひじっくりとご覧になって、ついに天野の芸術性が認められる日が来た!という喜びを実感して下さい。


CONTEMPORARY ART AUCTION概要
〈 Asian Auction Week in Macao 〉

オークション日時: 2008年11月28日(金)13:00
オークション会場: ザ ヴェネチアン マカオ リゾートホテル(マカオ)
下見会: <東京> シンワアートミュ-ジアム
           10月29日(水)~10月31日(金)  10:00~20:00
           11月1日(土)             10:00~18:00
     〈マカオ>ザ ヴェネチアン マカオ リゾートホテル
           11月25日(火)~28日(金)
                                         (執筆者:I)