1月PartⅡ下見会@銀座


 皆様、お元気に新年をお迎えでいらっしゃいますか。
シンワアートオークションとシンワブログを本年もよろしくお願い申し上げます。

本日より、シンワアートミュージアムでは近代美術PartⅡオークションの下見会を開催しております。1月29日にオークションを迎える東京では新年初めての下見会となります。
版画・日本画・洋画・外国絵画・工芸に至るシンワの近代美術PartⅡオークション、今年もより豊かな出品コレクションに力を注ぎます。
今日は、その下見会の風景を一部ご紹介いたします。


1階は日本画を展示しております。堂本印象の彩色画、片岡球子の版画など、人気作家の作品が出品されます。

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左下の画像は、棟方志功の彩色画と板画の作品3点揃いです。棟方志功鑑定委員会鑑定登録証が付いた全ての作品が、魅力的なエスティメイトで皆様をお待ちしております。


地下は日本洋画・西洋絵画・工芸です。
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こちらは、山口薫やオノサト・トシノブの作品などが展示された日本洋画コーナーです。


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また、その向こう側には、ロバート・ロンゴやシャガールの優れた版画作品を見ることができる版画・工芸セクションが用意されております。中でも、村上隆の2010年新作コレクションは、今だからこそお得なお値段で手に入れる良いチャンスに違いありませんね。


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最後にミレーのエッチング3点組やレルミットの素描もお見逃しなく。

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Lot 427
Léon – Augustin L’hermitte
Les Dégustateurs d’eau-de-vie de Marc ou L’almbic
31.2×46.7cm(58.5×73.5cm) 額装
紙・木炭
M.Le Pelley Fonteny, Léon Augustin Lhermitte, catalogue raisonné, Paris, 1991, No.659 P.439
第三回松方氏蒐集繪書展覧會 東京府美術館(昭和五年) No.40
エスティメイト:\1,000,000~\1,500,000

レオン・オーギュスタン・レルミット(1844-1925)は、クールベ風のリアリズムにセンチメンタルな風味を加えた農民画や宗教画で良く知られるフランスの画家です。バルビゾン派の第2世代にあたります。ルコック・ド・ボワボードラン(Horace Lecoq de Boisbaudran)に師事し、1864年初めてサロンに出品した後、1872年にロイヤル・アカデミーに出品しました。その後、第2のミレーと呼ばれて人気を集めながら1900年にはパリ万国博覧会に出品し、注目を浴びます。
木炭やパステルのような柔らかなメディアと優れた素描力による作品を得意とする、センチメンタルな感覚が溢れるレルミットの絵画世界。ゴッホは、彼のデッサン作品を見て「理想的」という言葉を使って称賛したそうです。デッサンがお好きな方はぜひご覧ください。

また、この作品は「第三回松方氏蒐集繪書展覧會」に出品されており、かつては「松方コレクション」の一点でした。
額の裏にそれを証明するシールが貼付されています。
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「松方コレクション」は、総理大臣を務めた松方正義の三男で実業家の松方幸次郎氏が、大正から昭和の初めにかけて蒐集した、近代を代表する美術品の大コレクションです。
国立西洋美術館が建設されるきっかけとなったことでもよく知られています。
膨大なコレクションの多くは松方氏の生前から売却されていましたので、この作品はそのうちの一点と思われます。また、現在コレクションの一部は、西洋絵画や彫刻が国立西洋美術館とブリヂストン美術館に、浮世絵が東京国立博物館に収蔵されています。
デッサンとして秀逸なだけでなく、大コレクターを魅了した一点としても美術史的に貴重な作品と言えるでしょう。

銀座の下見会と丸ビルのオークションで、みなさまのお越しを心よりお待ちしております。


【下見会】
2011年1月19日(水)~21日(金) 10:00~18:00
2011年1月22日(土) 10:00~17:00
会場:シンワアートミュージアム
【オークション】
2011年1月29日(土) 15:00~
会場:丸ビルホール

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〈執筆:W〉