ルビー&サファイア


幼い頃、母に読んで聞かせてもらったオスカー・ワイルドの童話、「幸福な王子」。金箔で包まれた王子の像が、ツバメの手を借りて自身の眼のサファイア、剣の柄についたルビーを貧しい人に与える、という物語に胸が揺らいだ記憶が蘇ります。
古から、ルビーとサファイアは聖書や神話など様々な物語にも登場し、愛されてきました。
本日は、弊社のジュエリー&ウォッチオークションではおなじみ、ルビーとサファイアについてお伝えいたします。

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lot323 パープルサファイア 
ダイアモンドリング
エスティメイト:5万円~10万円

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lot369 ピンクサファイア 
ダイアモンドリング
エスティメイト:7万円~15万円

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lot423 ルビー ダイアモンドリング
エスティメイト:13万円~20万円

ルビーとサファイアは、鉱物学では同じコランダムに属しており、ダイアモンドに次ぐ硬さを持ちます。主な成分はアルミニウムと酸素です。純粋なコランダムは無色で、1%程クロムが混入することで赤くなったのがルビー、鉄とチタンの混入で青くなったものがサファイアです。その他のものはサファイアに分類されており、「ファンシーカラー・サファイア」として、色のバリエーションが豊富にあります。

例えば、ルビーとしては淡い赤色のものは「ピンクサファイア」、黄色は「イエローサファイア」など、サファイアの前に色を冠った名称が付けられています。また、ピンクとオレンジの中間色をしたサファイアは「パパラチア」(蓮の花)と呼ばれ、その微妙な美しい色合いから高い人気を誇っています。
しかし、これらのファンシーカラー・サファイアの色合いのはっきりとした線引きは難しく、鑑別機関や販売業者に委ねられています。

写真上からパープルサファイア、ピンクサファイア、ルビー。
微妙な色の違い、お分かりになりますか?


ルビーの語源はラテン語で赤を意味するルベウス。主な産地は、ミャンマー、タイ、スリランカ、アフリカなどです。ミャンマーのモゴック地方の鉱山から採掘されるルビーは柔らかい色が特徴ですが、中でも「ピジョンブラッド」(鳩の血の色)と呼ばれる透明度の高い、濃厚な色のルビーは、最高級品として評価されています。10カラットを超えるルビーの希少性は高く、宝石の中ではダイアモンド以上に最も高額で取引されています。

一方、サファイアの主な産地は、ミャンマー、インド、スリランカ、オーストラリアなど。通常、サファイアとルビーは同じ鉱山から採掘されますが、産地により比率が異なり、スリランカではサファイアが多く採掘されています。最高級品とされるのはインド、カシミール産のサファイアです。柔らかく優しい色合いから、「コーンフラワー」(矢車草)の色合いに例えられていますが、現在はほとんど産出されていません。

またサファイアは、気品に溢れた高貴な風格から、古より王室や聖職者に愛されてきたという歴史があります。イギリス王室では、多くのブルーサファイアの宝物があり、王室第一級公式王冠であるインペリアル・ステート・クラウンには、サファイアが使用されています。ダイアナ妃がチャールズ皇太子から贈られた婚約指輪も美しいブルーサファイアだったそうですが、ダイアナ妃はロイヤルファミリーの色であるブルーサファイアを好み、よく身に付けていたといいます。

3月21日開催のジュエリー&ウォッチオークションは、約200ロット出品され、ルビー、サファイアもお手頃な価格で多数取り揃えています。来週末からは大阪、続いて名古屋で下見会を開催いたしますので、お近くの方はぜひ、会場に足をお運びください。皆様のご来場をお待ちしております。(執筆:M)

【JEWELLERY&WATCHES】

オークション:2009年3月21日(土) 14時~ 丸ビルホール

下見会:【大阪】御堂会館 南館B1Fホール
            2/27(金)・28(土) 10:00~17:00 
     【名古屋】DAITEC SAKAE 6F・クリエイトホール
            3/2(月)・3(火) 10:00~18:00 
      【東京】 シンワアートミュージアム
            3/18(水)~20(金) 10:00~18:00   
            3/21(土) 10:00~12:00