オークションの舞台裏 -愛すべき小道具たちⅡ-



年が明け早くも1ヶ月が過ぎ、この調子だと2015年もあっと言う間に終わってしまうのでは?と感じてしまう今日この頃、皆さまお変わりございませんでしょうか。

先月末には本年最初のオークションが開催されましたが、たくさんのお客様にご来場賜り、社員一同良いスタートが切れたと気を良くしております。しかし、ほっとするのも束の間、次回オークションへ向けて気を引き締めなければなりません。

 さて、過去に何度かオークションの裏側を当ブログでご紹介いたしましたが、今回は小道具シリーズ第2弾として、私たちの愛用している小道具をいくつかまたご覧に入れたいと思います。

 

ノギス2.23ノギス2

 寸法を測定するために一般にも広く使われているものなので、この名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。改めて調べてみると、ノギスの語源は、初めてノギスに目盛をつけたポルトガルの数学者の名前のラテン語表記「ノニウス」が訛ったものとのこと (※)。そう聞くと普段使っている何気ないものが、急に由緒正しい道具のような気がしてしまうのは私だけでしょうか。

2.23ノギス小さいものを測るためのものとして、金属製のノギスが一般的ですが、弊社では大ぶりな木製のものを使用しています。サイズを測る主な対象は、陶芸作品や小ぶりな彫刻などの立体作品。2つのL字型の木の棒からなるこの道具、焼き物などを挟み込み、片方についている目盛を読み取るという方法でサイズを測ります。私たちが測るのは万が一にもキズをつけてはいけない貴重な美術品ですので、測るときには慎重かつやさしく、赤ちゃんの身長をはかるかのように計測しております。

 

ルーペ

 いわゆる拡大鏡の一種で、私たちが使用するのはジュエリーなどにも用いる小さめの折りたたみ式のものです。倍率は10倍程度。主に焼き物のキズなどを見るために使います。陶芸作品の場合、小さなキズでも作品の価値に大きな影響を及ぼすことがありますので、欠けていないか、ヒビは入っていないかなど、細心の注意を払って確認する必要があります。2.23ルーペまずは肉眼で状態をチェックするのですが、あやしい個所があった場合、このルーペで更によく見て、本当にチップなのか、それとも窯キズ(焼成時に付いたキズ)なのかを確かめます。また版画作品などでも、工芸画や印刷ではないかを確認するためにも使用します。

 私も、入社当時に購入した愛用のルーペで様々なものをのぞき見てきましたが、モノを見極める目がどこまで進歩したかは定かではありません。

 

ボテ

2.23ボテ 上記2つの道具と違い、一般にはあまり聞きなれない単語ではないでしょうか。正確には「ボテ箱」と言うようですが、要は物を入れる大きめの箱です。昔は。竹で編んだ箱に紙を張り、漆で固めたものが使用されていましたが、現在では竹製はもちろん、ファイバー製やプラスチック製など、材質も様々あるようです。弊社で使用しているのは、プラスチックダンボール製のもの。 2.23ボテ2フレーム付で重ねることができて、折り畳み可能なので、収納スペースも少なくてすむというスグレもの。 これに陶芸作品などをパズルのように組み合わせ、効率よく入れていき、まとめて運びます。現在は、エコかつ便利なこのボテを使っていますが、入社当時は、ダンボールにガムテープを使って改造・強化し、作っていました。陶芸オークションの前になると、毎回若手が集まり、ボテを作って完成度を誇っていたのも、今ではよい思い出となっています。

 

 

これらの道具は、あまりお客様の目にふれることはありませんが、私たちが社内で日常使用する、オークションを運営するためには欠かせないアイテムです。華やかかつ真剣勝負のオークションの裏側では、このような地味な役者たちが日々活躍しているのです。

 

※)参照:Wikipedia

 

(平野)