こんにちは。
まだまだ夏の気配は残っていますが、文化・芸術を楽しむ季節が近づいてきました。
心身共に健やかに過ごせる秋にしたいものですね。
さて、9月17日(土)に「近代陶芸/近代陶芸PartⅡ/近代美術/近代美術PartⅡ/コンテンポラリーアート オークション」を開催致します。今回は、絵画と陶芸のオークションが同時開催です。ぜひお見逃しなく!!
それでは、「近代陶芸オークション」の中からこちらの作品をご紹介致します。
樂家は、450年前に千利休(1522-1591)に見出された連綿と続く“樂焼・茶碗師”であり、現在十六代目を数えます。先代の十五代樂吉左衛門(らく きちざえもん)(1949- )は、2019年に隠居した際に「直入(じきにゅう)」と改名され、現在も公益財団法人樂美術館の理事長(館長兼務)を務めながら作陶を続けていらっしゃいます。
十五代吉左衛門は、これまでの伝統的な樂の茶碗を内包した上で、前衛的な造形を打ち出しました。その革新的な造形性は、東京国立博物館名誉館員で、陶磁史研究家でもあった林屋晴三(1928-2017)に、光悦以来の造形家だと言わしめたほどです。
註)『天問 樂吉左衛門作品集』現代陶芸寛土里 1990年
十五代は、2007年夏から2010年の夏までの四年間、フランス南西部コレーズ地方の村Loubignac(ルビニャック)に毎夏2か月間滞在し、「西洋RAKU」という技法を用いて作陶するという新たな試みを行いました。それは、1960年代にアメリカの陶芸家が樂焼を真似て生み出した技法で、焼成途中に茶碗を引き出し、おがくずなど可燃性のものに突っ込むことで、強制的に炭化、すなわち“薫製”させる技法です。
伝統ある京都の地を離れ、フランス南西部の牧歌的な空気のなか、新しい釉薬と新しいスタイルでの作陶は心を開放させ、大振りで、豊かな自然の色を映したかのような彩り溢れる茶碗を生み出しました。利休の哲学とは違う、広大なフランスの精神性を浴びて出来上がった“France RAKU”をぜひご覧ください。
地下、1階、2階と3フロアに渡って下見会を行っております。
オークションスケジュールのページを見て頂くとお分かりの通り、
LOT. 245 有元 利夫「素描」 落札予想価格:100万円~200万円 や
LOT. 275 加山 又造「芍薬」 落札予想価格:500万円~800万円 なども
出品されますので、ぜひオンラインカタログでチェックしてみてください。
また、オークション当日は、下見会を開催しておりませんので、お気を付けください。
なお、ご入札は、ご来場のほか、書面入札、オンライン入札、電話入札、ライブビッディングなどの方法でも承っておりますので、お気軽にご参加いただけます。
引き続き、感染予防対策をしっかりと行ってまいりますので、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
(江口)