9/19-20開催オークションより おすすめ作品のご紹介


こんにちは。
朝晩の暑さが和らぎ、少しずつ秋めいてまいりました。
今月は9/19(土)、9/20(日)の2日間にわたり、5ジャンルのオークションを一挙に開催いたします。
カタログ購読をお申込みの方は、そろそろお手元に分厚いカタログが届いている頃かと思います。
ぜひ隅々までご覧いただき、お気に召す作品を見つけていただけましたら幸いです。作品の画像は、オンラインカタログからもご覧いただけます。
また、ご入札は、ご来場のほか書面や電話、オンラインでも承っております。

では、9/19(土)開催の近代美術オークションの出品作品の中からおすすめの作品をご紹介いたします。


250  熊谷 守一(1880-1977)

《肥後椿》
22.5×15.7cm
板・油彩 額装
右横にサイン
裏に署名・タイトル

共箱
東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書付
落札予想価格 ¥15,000,000~¥25,000,000


熊谷守一は、97歳で天寿をまっとうするまで、自身の身近にあるものをいとおしむように描き続けました。特に、自宅の庭に茂る草花やそこにいる虫、猫や鳥などの小さな動物たちを、「モリカズ様式」と呼ばれる平明なかたちとモダンな色彩で描いた作品で広く親しまれています。

本作では、実寸を超えるほどにクローズアップされた肥後椿が描かれています。一昨年に上映された映画「モリのいる場所」でも、山崎努さん演じる熊谷守一が蟻や雑草に顔を近づけてじっと観察するシーンがありましたが、本作の花の大きさからも、間近で対象を凝視する守一の姿が想像できます。
また、余分なものが潔く削ぎ落され、丸や三角、四角にまで純化されたかたち、そして塗り残された赤い輪郭線は「モリカズ様式」の重要な要素であり、椿の花が醸し出す華やぎやみずみずしさ、いのちの輝きを鮮やかに際立たせています。


今回は9/20(日)開催の近代美術PartⅡオークションからもう1点、美術館でもなかなかお目にかかることができない、とても希少な浮世絵作品をご紹介いたします。


506 歌川 国政(1773-1810)
《五世松本幸四郎の団三郎》
   37.5×25.4cm
   落札予想価格 ¥1,000,000~¥2,000,000


東洲斎写楽としばしば比較され、若くして師の初代歌川豊国をも凌ぐ実力派と評された初代・歌川国政。芝居好きが高じて浮世絵師になったという人物で、作画期間は10年足らずと短く、作品数も多くありませんが、大首の役者絵に傑出した作品を残しました。

本作は、享和3(1803)年の正月、江戸の中村座で上演された「松春寿曾我(ふたばのはることぶきそが)」にて、五世松本幸四郎が演じた団三郎(どうざぶろう)を題材とした大首絵です。

団三郎は、主役の曾我兄弟に仕える忠実な従者で、主の悲願だった仇討ちに同行するも、彼らの形見を母に届ける役割を命じられ、泣く泣く里に引き返すという役どころ。本作に表わされたのは、「仇討ちにお供できないのなら今すぐ腹を切りましょう」と団三郎が強く抵抗する、曾我兄弟との別れの場面でしょうか。「鼻高幸四郎」と呼ばれた名優・五世幸四郎が、口をへの字に結び、涙を堪えるように上方を睨む様子をクローズアップして捉えています。この五世幸四郎(三世市川高麗蔵)は、写楽をはじめ同時期の浮世絵師がこぞって描いた人気役者ですが、国政は鋭い線と骨太な線を使い分け、顔の特徴だけでなくその凄みや迫力までをも見事に表現しています。


9/16(水)~9/18(金)の下見会では、5ジャンルすべての出品作品をご覧いただけます。
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新型コロナウイルスの感染予防対策にしっかりと取り組み、皆様のご参加をお待ちしております。

(佐藤)