陶芸オークションにご来場頂いた皆様、ありがとうございました。
前日には、あわや台風が上陸かしら・・・というハラハラした気持ちでしたが、幸いにも当日朝には行き過ぎて、銀座の空には晴れ間が覗いていました。
さて、初秋のオークション・ウィーク第三弾は、
今週末のジュエリー&ウォッチ、
近代美術PartⅡオークションです。
先週末に私が見た映画で、ジュエリーのオークションのエピソードがありました。競りに参加した女性が、欲しいリングを競り落とせなくて残念そうにしていると、その女性のパートナーがリングを突然プレゼントしてくれるというシーンがありました。実は、競りの相手は彼女の恋人の男性だったのです。
ジュエリーのオークションにはこうしたロマンティックな物語がしばしば誕生します。以前、婚約者への指輪を探しているという男性のお客様もいらっしゃいました。今回のオークションではどんな出会いが生まれるのでしょうか――。
PartⅡオークションには、エッシャーの版画が二点出品されます。上から見ても、下から見ても、どこか矛盾している複雑な世界が描かれています。エッシャーはオランダ生まれの版画家ですが、1950年代にアメリカで人気を博し、日本にも紹介されると爆発的に人気を集めました。2006年には東京渋谷のBunkamuraで大規模な展覧会が開催され、リバイバル・ブームとなりました。
今回出品される《Convex and Concave》(エスティメイト80万~120万)《Belvedere》(エスティメイト100万~150万)は、どちらも有名な作品。価格もかなり!魅力的です。
また、お着物や帯も出品されます。作家ものの訪問着や、色打掛、小紋が、中にはエスティメイト5万円~からで計10点出品されるのですから、PartⅡのおトクさを感じて頂けることかと存じます。
最近では、「アンティーク着物」や「リサイクル着物」といった言葉もよく耳にするようになりましたね。外国のお客様のお宅では、帯を壁飾りとしてインテリアに利用される方もいらっしゃいます。外国の方というのは、日本のデザインを、伝統的使い方にとらわれずに斬新に取り入れられるので、勉強になります。
今回のクライマックスは、何と言っても芹沢介の作品でしょう。彼の作品117点が一挙にオークションにかけられるのですから、滅多に無いことで、もちろんシンワでも最も多い出品となります。
芹沢は1895年生まれの染色家(~1984年)です。沖縄の紅型(びんがた)に学び、創案した「型絵染め」で人間国宝に指定された人です。着物を染める手法を和紙に応用した初めての作家で、柳宗悦が提唱した「日本民藝」グループの一人としても知られています。
柳は、芹沢の作品に用いられている色を、「極楽の色だ」と評したといいます。確かに、芹沢作品には、植物の色らしい、優しく懐かしい風合いがあり、その配色は心を浮きうきさせるような感じがあります。ぜひ、会場でお手に取ってご覧くださいませ。(執筆:I)
<JEWELLERY&WATCHES/近代美術PartⅡ>
●オークション
会場: シンワアートミュージアム
日時: 2008年9月27日(土)14:00より
●下見会
会場: シンワアートミュージアム
日時:9月24日(水)~27日(土) 10:00~18:00
※最終日の27日(土)は12:00まで