名和晃平 研ぎ澄まされた空間


 シンワではいよいよ明日からのAsian Auction Weekに向けて、多くの社員が海外に出張しています。お問い合わせのお電話と、ご来社頂くお客様の多さに、いない社員の存在をひしひしと感じる連休明けです。
 海の向こうと連携しつつ、つつながくオークションが成功するよう、東京チームも頑張ります!


 さて、今日は、当社のコンテンポラリーアート通が一押ししているアーティスト・名和晃平をご紹介します。
 シンワではここ一年のコンテンポラリーアートオークションに連続して出品されている人気作家です。

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名和晃平《PixCell-Banana#1, 2007》
H19.8×w24.3×d24.3cm
Est. 香港$20,000~30,000



 そのキャリアは、京都市立芸大大学院在学中に英国王立美術院に留学し、京芸博士課程を修了後、キリンアートアワード受賞、森美術館での展覧会「六本木クロッシング」で審査員特別賞受賞・・・と、極めて順調です。2008年の夏には、東京都現代美術館で「パラレルワールド もうひとつの世界」にも出展しており、この二つの話題性ある展覧会に参加したというだけでも、近年の活躍ぶりがうかがわれますよね。
 今年はドバイ、バルセロナ、バーゼル、チューリッヒ、北京と海外での作品発表が続いています。

 
 今回マカオに出品される、バナナが入ったプリズムボックスは、光の屈折で、実際には存在しないバナナの虚像が浮かび上がる構造になっています。プリズムシリーズ以外の名和の作品には、ビーズを利用して球体の表面に無数のイメージが反射するものや、水面を利用したものがあり、そのどれもが、実像と虚像を扱っています。
 名和が選ぶ素材は現代のテクノロジーで生まれた工業製品が多く、その主題もつかみどころのないイメージが氾濫する現代社会におけるものであるだけに、とてもクールな印象を受けます。

 名和の作品を見ていて気付いたのですが、実際に見えているものと、実際に存在する物とは違う、ということは、実は昔にはこれほど多くなかったはずですよね。インターネットの普及やCGの技術的な革新があってこそ、私達はすでに無くなってしまったモノや、これから誕生するであろうモノを目にすることができるのです。
 
 確かなコンセプトと、きちんとそれを形にしていくスタイルには、安定感があります。
 ぜひ今後ともご注目ください。


CONTEMPORARY ART AUCTION概要
=Asian Auction Week in Macao=
オークション日時: 2008年11月28日(金)13:00
オークション会場: ザ・ヴェネチアン・マカオ・リゾートホテル フローレンスルーム(マカオ)
下見会:ザ・ヴェネチアン・マカオ・リゾートホテル ホールD
11月25日(火)~28日(金) 

(執筆者:I)