昔から多くの人を魅了してきたジュエリー。つい、その素材やデザインに目が奪われてしまいがちですが、その美しさは職人の加工技術があってこそ。そこで、ジュエリーの加工を行う職人にスポットを当て、美しいジュエリーの裏側へと迫ります。

早速、ジュエリーの工房に訪問!
安池宝飾(東京・足立区)の安池英二郎さん、安池省三さんにお話を伺いました。

シンワ(以下、S):宝飾業界に入ったきっかけは何だったのですか?

― 親の代から宝飾業界に携わっていまして、ごく自然な流れでこの業界に入りました。親の時代は「安池一派」と呼ばれる程で、映画女優のオーダーメイドの仕事もよく引き受けていたそうです。今でも、親戚や兄弟は同じ業界に携わり、その技術を受け継いでいます。

S:工房ではどのようなことを行っているのですか?

― 原型作りからキャスト、石留め、磨きなど完成するまでのすべての工程を行っています。リフォームや修理、オーダーメイドの注文も受けています。

※量産品を制作する技術。キャストとは鋳造を意味し、金属を溶かして鋳型に流し込み、原型と同じものを制作すること。

S:リフォーム、オーダーメイドの話がでましたが、なんだか少し敷居が高い気がするのですが…

― そんなことはありませんよ。小売店で売られる既製品の原価は、そのほとんどが宝石や貴金属の材料コストです。宝石をお持ちの場合は石の値段がかかりませんから、それほど高額、という印象は受けないと思います。具体的なイメージをお持ちでない方でも、こちらにあるサンプルをもとに、曖昧なイメージを形にできるようアドバイスをしながら進めています。

S:オークションでもルースを扱っていますが、そのままでは身につけられないので躊躇される方もいらっしゃるようでして。それに、オークションに出品されるジュエリーの中には、コンディションの良い、希少性の高い石がついたものでも、デザインが好みではないのでちょっと…というものもあるので、気軽にオーダーができるのなら良いですね。

― 下見会に伺いましたが、仕入れ価格と比べても安いですね。でも必ずしも、今の時代に合ったものばかりではないかもしれません。アンティークのものは直す必要はありませんが、デザインだけを理由に、というのはもったいないですね。そういうものは、自分のオリジナルジュエリーへと直すのも良いでしょうね。職人もサービス業ですから、職人が作ったのに文句言うんじゃないよ、といったような態度ではなく、お客さんが要求するものを作っていくべきだと思っています。

※ 枠や台についていない、カットを施した裸石。

S:
ところで、近年職人の数が減っている、といった話を伺ったのですが。

― 実際、ある時期をもって職人の数が減ってしまいました。量を作るための技術は発展しましたが、職人は育っていなかったんですね。今、安いもののほとんどは、中国、ベトナム、インドネシアなどの海外で制作されています。信頼できる技術が国内にもあるはずなのですが、大事にされてないのが現状です。職人が報われなくなってしまっているので、若い人も離れていってしまうのでしょう。だからなおさら、技術が育っていかないのです。大量生産の技術を開発してジュエリーを一般的なものにしたことにより、かえって自分たちの首を絞めることになってしまったんですね。そういった意味でも、親の時代は良い時代だったなと思うことがあります。

S:このような状況でも技術を守り続けていらっしゃるのですね。

― 大量生産しているものは世界へと散らばり、世界の人と同じものを共有していくことになります。ですが、一人一人の個性が違うように、これからはその人にあったものを作っていく時代だと思っています。利益を重視した流通機構を改善し、オーダーというものがもっと身近になればいいですね。

インタビューの続きは、また次号にてお送りいたします。

  
  今回は、職人技が光る、繊細な細工が施されたジュエリーを紹介します。
 
 
 

 
 

■下見会のお知らせ■
3月29日(土)開催/ジュエリー&ウォッチオークションの下見会は下記の日程で開催いたします。
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シンワアートミュージアム
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月26日(水)〜28日(金) 10:00〜18:00
3月29日(土)  10:00〜12:00

入場は無料です。 どうぞお気軽にお越し下さい。

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