10月20日のワインオークションには、偉大なるワイン、ロマネ・コンティが103本出品されます。
世界で最も有名といっても過言ではないロマネ・コンティ。
しかしまた、結局のところその何がすごいのか。と思われる方も多いかもしれません。
そこで今回は、ロマネ・コンティが称賛され続ける理由に迫ります。

フランス、ブルゴーニュ地方のコート・ドール地区。綺羅星のごとく特級畑が集中している地域です。その北部、コート・ド・ニュイにヴォーヌ・ロマネ村はあります。この村には6つの特級畑(ラ・ターシュ、リシュブール、ラ・ロマネ、ロマネ・サン・ヴィヴァン、ラ・グランド・リュ―)があり、しばしば「ニュイの真珠」と称えられます。そして、それらの中心に位置するのがロマネ・コンティです。

ロマネ・コンティの歴史は古く、ローマ時代へ遡ります。シトー修道会がブルゴーニュ地方を開墾していた12、3世紀頃には「どうやらあの区画の葡萄で作るワインは美味しいらしい」という評判が立ち、以来、ワインを愛す人々の垂涎の的となったようです。時を経てルイ15世時代には、畑の所有をめぐって王の寵姫ポンパドゥール夫人と名門貴族コンティ公爵の間で、争奪戦が行われたともいわれています。
結局、コンティ侯爵が葡萄園の所有権を獲得し、その名を冠したロマネ・コンティの名が誕生することとなりました。
その後、フランス革命に端を発す動乱期には、他の葡萄園が細分化され競売にかけられたにも関わらず、ロマネ・コンティの畑はその美味に敬意を表してか、一度としてそのようなことは起こりませんでした。

現在のロマネ・コンティはドメーヌ・ドゥ・ラ・ロマネ・コンティ社が一括で所有しています。収穫した葡萄を粒単位で選別し、厳選した果実(一本のワインを造るのに葡萄樹三本分の実が必要といわれます)から生産するため、多い年でも7000本、少ない年では4000本程度しか作られません。徹底した品質管理が、幾世にも渡るロマネ・コンティの伝説を揺るぎないものにしています。

貴族、時代の成功者・・・様々な人を虜にしてきたロマネ・コンティ。一体どのような味わいなのでしょうか。
「完璧なまでにバランスがよく、感動する間もない程あっという間に飲み終えてしまう」
「贅沢なまでに豊かで、フル・ボディで、あり余るほどのタンニンを備えた、深遠で、驚くほどスケールが大きく、タンニンが強いこのワインは、通常よりも筋肉質な特質を誇る(1990年のロマネ・コンティをロバート・パーカーが評して)」
「熟成を十分に経たワインはコルクを開けた瞬間から、永い眠りから覚めたすがすがしい香りがひろがり、一度グラスに注ぐと周りを取り巻くすべての状況を変えてしまう。口に運ぶととろけるような舌触りと、口中に広がる温かいアルコールのヴォリューム感は申し分なく、孔雀の羽が口の中で広がるような感覚(世界ワイン大全 日経BP社)」
・・・想像するに余りあるロマネ・コンティの味わい。
美味なる秋。味わった者にしか分らない世界を体験してみてはいかがでしょうか。